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説明員(馬場一也君) 御質問が二つあったかと思いますけれ
ども、最初にお話しになりましたいわゆる電源立地調整法という
考え方でございますす。御承知のように、いま電気の需給は非常に窮屈な状況になっておりまして、ことし、来年とこのまままいりますと特に窮屈になる傾向がはっきりしております。電気の需給を円滑にいたしますのには当然たくさんの発電所をつくらなければ対応できないわけでございます。まあ電気は水力、火力、原子力とこうございますけれ
ども、水力、原子力は別にいたしまして、火力発電所は御承知のように、非常に大量の重油を消費いたしますので、どこかの
地域に発電所を建てようといたしますと、非常に大きな重油の消費源であるということから、現在の一般の
公害問題と関連いたしまして、発電所を建設することにつきまして、発電所のほうでこういう
公害対策をやって御迷惑をかけないようにしたいというプランを提示いたしましても、地元のほうでなるべくそういうものは来ないほうがいいという
意味での御反対がございまして、十分地元の
責任のある
立場におられます
知事なり市町村長なりからその発電所をつくるについて御納得がいただけない。したがって、発電所の建設計画を進めることができない。こういう状況が各地に出てまいっております。特に本州の中央部、電力会社で申しますならば、東京、中部、それから関西電力というような電力会社の管内におきましては、特にそういう傾向が顕著でございます。そこでわれわれといたしましては、電気は言うまでもなく非常に一般の国民生活、産業に欠くべからざるものでございますので、発電所の建設を円滑にやりますために、十分電力会社がその
地域の
要求にマッチする
公害対策を講ずるということは当然のことでございますけれ
ども、そういうはっきりした
対策がございまして、これが合理的に考えて十分その
地域に御迷惑はかけないということがあることを
前提にいたしました場合におきましては、その発電所の立地はできるだけスムーズにいくように御協力を願いたいというような趣旨のことを考えておるわけでございます。
それで、現在各電力会社が発電所をつくりますときに、各地元とそういうことでお話し合いをして納得を得られ次第建設をすると、こういうことになっておりますが、時間的に非常に窮屈な需給でございますので、そういうお話し合いが一そう円滑に進みますように、たとえば
地域ごとに、そういうトラブルの起きました場合には、地元で、電力会社なり、あるいは
関係の
地方自治体、あるいは通産局等が入りまして、全体のその
地域の電気の需給から見まして、ここに発電所をつくることの必要性を十分御納得いただく。さらにまた、それを建てるについての電力会社側の十分な
公害対策についても御
議論をいただく。そしていわゆる納得が円滑にいきますようなそういう体制を考えてはどうか。こういうのが電源立地の円滑化ということに対する通産省の
考え方でございます。
その具体的な方法といたしまして、たとえば各地にただいま申しましたような協議会をつくりますとか、あるいは発電所をつくるにつきまして、電力会社の言っておる
公害対策が科学的に
地域にほんとうに御迷惑をかけないというような、事前のいわゆる
調査がしっかりなされておるということも必要でございましょうから、それらを織り込みましたような
対策を実施をいたしますために、これは必ずしもそのために
法律をもってしなければならないということもなかろうと思いますけれ
ども、
立法化を含めましたそういう
対策をどういうぐあいにやっていくかということを目下省内で
検討しておる最中でございまして、特にいわゆる固定をいたしました電源立地調整法、そういうかっこうでなければただいま申しましたようなことが必ずしも実施できないものとも思っておりませんけれ
ども、場合によっては
立法化したほうがいいということであればそういうことも考えようという、わりあい間広の
考え方で現在
検討しておる、こういう段段でございます。
それからもう
一つ、先生のお話しになりましたいわゆる電源立地調整法的な
考え方と現在の
大気汚染防止法における電気、ガスの取り扱いの問題との関連でございますが、これは特にこちらがこうであるからこちらがこうであるという関連は、先ほど
山中長官もお述べになりましたように、特に関連はございません。現在の
大気汚染防止法では電気、ガスはいわゆる適用除外となっておりますが、御承知のように、
大気汚染防止法で各
地域ごとに定められました排出
基準はむろん発電所の施設につきましても適用になっております。ガスの発生施設につきましてもそのとおり適用になっておるわけでございます。ただ
大気汚染防止法では、その排出
基準を各
事業者に守らせますのに、
大気汚染防止法によりまして、一般の産業は特にその施設を見る固有の
法律がございませんので、その
大気汚染防止法で一括をいたしまして、いわゆる施設をつくる前に届け出させる、そして防止施設の計画を出させる、それが不十分であればそれを変更させる、あるいはその施設ができて実際の煙が出始めましたときに、その煙が
基準以上であればあらためて施設の改善命令を出す、それに従わなければ操業の一時停止も含む処置を講ずる、こういうのが
大気汚染防止法の体系でございますけれ
ども、電気、ガスにつきましては、御承知のように、電気の保安、ガスの保安というような広い見地から電気、ガスの施設につきましては
大気汚染防止法以上に、むしろ施設の許可制、それから工事計画の認可、検査等々を伴いますもっと綿密な施設をチェックする体系が昔からございますので、この
大気汚染防止施設につきましても、
基準はむろん
大気汚染防止法の
基準をそのまま受けますけれ
ども、同時にそれを実際に守らさせていく手段は、むしろ
大気汚染防止法よりは一そう密度の高い
ガス事業法、電気
事業法のほうで
一体にやるということのほうが合理的であるという見地から、この
法律ができて以来、エソフォースの手段だけを防止法の条文をはずして電気
事業法によってやるといういきさつになっておりますが、このたてまえが私は決して不十分なものとは考えておらないわけでございますが、ただ、現在そういうことで電気
事業法、
ガス事業法によっておりますと、いわゆる一般の産業は、
大気汚染防止法によって全部
都道府県知事に監視あるいは命令等の
権限があるわけでございますが、地元において非常に大きな油を消費する発生源である電力、ガス等につきまして電気
事業法、
ガス事業法の体系によって通産大臣がやっておりますために、何といいますか、
都道府県知事にいわゆる電気、ガスにについてどういうぐあいな処置が講じられておるかといういわゆる情報が直に
法律的には伝わらないというような
関係にございますので、これは
都道府県知事はその
地域全体の
汚染状況の監視といいますか、保全の任務を持っておられますので、こういう点についてもう少し電気
事業法における電気、ガスの
規制の
関係とこの
大気汚染防止法における
都道府県知事の位置とどういうぐあいにこれをリンクさせれば非常に
大気汚染防止の体系として御満足がいただけるであろうかということをいろいろ総理府を中心にいたしましてわれわれも考えておる、こういう段階でございます。