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田中寿美子君 私は、きょうは主として
経済企画庁の方々に対して水の問題を
お尋ねいたしたいと思います。
前回、通産
大臣に御質問申し上げましたおりに、多少
経済企画庁のほうへも触れたわけですけれ
ども、ただいま
大気汚染のことが非常に強調された。確かに今日の世界的な三大公害の
一つ、
大気汚染、
水質の汚濁、その水の問題は非常にやはり
対策が立ちおくれているし、またむずかしい問題でもあるわけですね、
対策を講ずるのは。今度前国会で流れました
公共用水域の
水質の
保全に関する
法律の一部改正、これがまた提案されておるわけなんですけれ
ども、この
法律そのものがもう少々時代おくれになっていやしないか。いまのように公害がものすごいスピードで進んでいく際に、これはもっと進めなければならないのではないかというふうに私はまず
法律そのものを考えております。
特に第一条に
産業間の協和ということばがありますけれ
ども、いままで水の汚濁に関しては、水をよごす根源になったものでたとえば上流の
工場であった。そうしますと、その
工場からよごされた結果、川の魚が食べられなくなった、死んだとかいうときに、漁民とそれから
工場との間で、つまりその
所管の
通産省と
農林省の間で、あるいは
産業と
産業の間の話し合いで問題を扱ってきたというような態度だったと思うのですが、もういまでは水の問題はそんなことではとても解決できなくなってしまって、非常に重大な大きな
範囲に、人間生活の全般にわたって環境を
汚染していくという重大な問題になっておりますが、この水の
対策に関して、私は
大臣がいらっしゃいましたら、
大臣の決意を伺いたいと思っておりますけれ
ども、この
水質保全法そのものが例の江戸川の本州製紙による水産物
被害、あれから始まって、ようやく一九五七年に
法律ができたのにすぎない。そしてたとえば隅田川なんか一九六四年にこの
水質保全法にのっとって
水質の
基準がきめられた、こういうふうにたいへんそっちもまたおくれているわけです。ところが、今日水をよごします原因はもう非常にたくさんになっておりますので、早急な
対策が必要であろうと思っているのです。
そこで、私いつも問題に考えますのは、
経済企画庁というものは水に関しては一応総元締めということになっているのですけれ
ども、その
権限は非常に薄弱だというふうに思います。どういうふうにしたらほんとうに水を人間が飲んだり、それからからだを洗ったり、その他いろいろな用途に使いますのに適した水にするかという
観点から、
行政が強力に行なわれるような方法を考えなければならないと思います。これは水だけでなくて、公害が全体そうだと思いますけれ
ども、特に水につきましては、もうあまり
各省関係が多くて利害が錯綜している。最終責任者がまるでないような感じがいたします。ほんとうに
住民の生活環境を中心に、強力な
対策が講じられるようにという立場から今後ぜひ考えていかなければならないんじゃないかと思います。たとえば名古屋の
上水道水源の木曾川ですけれ
ども、これはパルプ
工場がありますね、春日井ですか。それから紡績
工場もたくさんある。その他の
工場排水でもってよごれていたので、一九六三年に
水質基準を設定して、たいへん改善できた例としてあげられておりますね。ところが、木曾川のアユが去年大量に死んだという事例がやっぱりあるんですね。決して改善どころではなくして、反対に非常に悪くなっているんじゃないかと思います。私名古屋に参りましたときに、あすこの名古屋の市内を流れております堀川、これはまるでどぶ川のようですね。川上から流れてくるまず第一に家畜のし尿が考えられます。これは
農林省の管轄であろうと思います。それからそのために魚やノリが
汚染されてよくできない、あるいはとれない。これも漁民に影響することなんですね。ですから、
農林省の管轄ではないか。また、瀬戸の陶器の白い水がたくさん流れ込むわけなんですね。これはやっぱり
通産省に
監督の責任がある。それから春日井のところにパルプ
工場がありますが、あすこは私は見ましたけれ
ども、処理はたいへんよくやっていると思います。活性汚泥法を使って相当りっぱにやっておられるけれ
ども、それでも水がきれいだとは思いませんし、あの周辺の民家の屋根が腐食しておりますね。屋根とか鉄、鉱物類のものがみんな腐食しているという問題があります。だから、これはやっぱり
通産省の
関係だろうと思う。それからメッキ
工場とか何かでシアンやクロームを使う中小
工場が上流にある、あるいは河岸にある、こういうのも
通産省の管轄だろうと思います。そしてそれらが水の中に流れてくる。つまり
排水口のところまでは
通産省が
所管をしていく、そうして流れ込んできたら
経済企画庁が
監督をする。それからさらに市内に入ってきて下
水道、
上水道にこれは
関係あるわけですね。下
水道の水も入ってくる。下
水道の水がきたなければ
上水道にも私は影響すると思います。それから家庭のごみを投げ捨てることもある。そうすると、これは自治省も
関係するでしょうけれ
ども、衛生面からいったら
厚生省が
監督しなければならないことがあると思う。それから
産業廃棄物が水の中に流れ込むことがたくさんあると思います。そして
カドミウムの場合も、たとえば安中の
カドミウムなんかは、あすこの川に流れ込んでおりましたし、それから
イタイイタイ病の
神通川だってあれは流れ込んでいた。そのほか、このごろイギリスでもアメリカでも非常に問題にしております洗剤ですね、洗剤が川に流れ込むということがある。先日もあるところのドライブインにパートタイムで働いている奥さんが非常に大量のお皿を洗うんです。その洗剤は明らかにハード洗剤、安上がりのハード洗剤を使っている。だからそこから流す水が入ってくる付近のうちのコイなんかみんな死んでしまうという状況なわけです。こういうものは一体、
厚生省があるいは地方自治体かどこが
監督すべきものか。こういうことを考えますし、そうしてこれが海に流れてまいりますと、海岸に入ってくれば海上保安庁が
所管している。こういうような状況で、一体どうしたら水がきれいになり得るのか。まず
経済企画庁の調整機能ということがたいへん弱い感じがするんですけれ
ども、一体どうしたらいいとお思いになりますか。これは私は
大臣に伺いたいことなんですけれ
ども、水に関しては全く困ったものだというふうに思います。いかがでしょうか。