○国務大臣(山中
貞則君) 初めに、本日は午前十時からまっすぐ当
委員会に参りまして一日御
質問にお答えする予定を立てていたのでありますが、突然けさ総理から別途緊急な用事で午前中総理大臣室において仕事を命ぜられまして、したがって予定が、午前中私の出席できない結果になりましたことをおわびいたしますが、そのかわり
あとの仕事を押しやりまして、午後のおつき合いといいますか、午後の時間で埋め合わせをさしてい
ただきたいと考えます。
ただいまの
占部委員の御
質問でありますが、原則的には
ただいま作業中の姿勢は逐次
関係閣僚協議会で新聞等を通じてお目にとまっておると思いますが、まさにお説のとおりの地方へ全面的な権限の委譲を行なうという方向で進んでおります。すでに決定を見たものといたしましては、基本的な方針はこれを是認した上に立って、
工場排水規制に関する六十四業種中残された十一業種、これを、たとえば現実には問題はややなしとしない大蔵省の紙幣の印刷
工場、これも含めまして全部地方に委譲をするということはすでに決定をいたしました。これは
あと政令改正をいたすのみでありまして、これも近く閣議決定をするつもりでございますが、
あと大気汚染の適用除外対象となっております電気事業法、ガス事業法等に、許可事業として通産省が広域供給等において
責任を負わなければならない業種、これをどのような条件であるならば地方委譲が
公害に関してはできるかどうか、その問題をいま通産大臣の
責任において、まず通産省の中の議論として詰めてもらっておりすすが、これもなるべく近く地方委譲の方向をもって
処理したいと考えております。これは今日までの国の
公害に対する姿勢を国民が受け取ります場合の
一つの問題点、すなわち、一体それはどこの
責任であって、したがって相談や苦情や心配ごとについてだれに相談に行けばいいのだということにこたえる
一つの道でもありましょうし、また、国民が素朴に申しましても屎尿
処理、くみ取り事業まで国家の自動車でやれと要求しているのではないという、良識あるやはり要求であるわけでありますから、そこらの区分を明確にすることが国民に今後の
公害行政の進展の上で親切な
方法ではなかろうか。ことに河川の水域指定等におきまして、直轄河川ですらもいまだ百幾つある中でごく二十数本しか指定がされておりませんし、このままの状態で作業を続けていきますと、経企庁の努力にもかかわらず、国が持っておるそのことによっていつまでも水系指定ができない。先般四十九水系をきめましたけれ
ども、国から見れば全国四十九はたいへん数が多うございますが、各県の知事さんから考えれば、自分の県では一河川もしくは二河川というごく身近な、自分の知事の、広域自治体の
責任者としてのいわは掌中——手のひらの中におさめられている問題として把握できる事柄だと私は思ったんです。そこで、今後はそのようなものも、人命に関する
基準については、人の健康に関するものは、全国一律のきびしい
基準を定めて、今後の水系指定等はその
基準で指定があろうとなかろうと、都道府県知事さんがローカルの事情に合わせてやってい
ただきたい。さらに、環境
基準等につきましても、これは地域によって
基準が異なりますので、これをその一定の国のナショナル・ミニマムみたいなものを設定をいたしますと、たとえば一番、最もそういう
大気汚染の度の強いところをやはりきめなければならぬと思うのです。その線を全国に
示しますと、同じような
公害を起こす現象の
大気汚染がなされていても、それは国の
示した
基準以下であるという安易な受け取り方をされてはこれはいかぬということが一方ではあると思いますので、これらのところはやはり国において
一つのケースを定めまして、こういう地域、こういうケースはこれぐらいのきびしい規制、それ以下のところでもこれくらいの規制はという、やはり仕分けは国のほうでしなくちゃならぬだろうと考えます。このような基本的な姿勢に立っておりますので、おおよそこれから各県が前向きに積極的にやられる姿勢は歓迎するところでありまして、東京都のいま素案となっております新しい
公害対策のあり方については、原則的にはその方向を私
たちは賛成するものであります。
ただ、現行法がまだ改善されておりませんので、この改正はすみやかに基本法をはじめ諸法規を次の国会に全部提出する決意で、いま文字どおり不眠不休の努力をしておるわけでございますが、それが提出をされますまでの間は、厳密に四角張って申し上げれば、やはり法に定めている
基準以上のものを、地方自治体のほうで条例できびしくするということは法違反であるというふうに言わざるを得ないと思います。しかし、この法律が国会で論議されて制定をされましたという結果、その
あとになってその法律が制定された
あとは、これはもうそのまま自動的に知事さんの権限のしんしゃくができる範囲内におさまるものが多いわけでございますから、極端な非常識でない限りはその中におさまっていくということになるでありましょう。したがって、現在の東京都の試案につきましては、中を詳しく私もまだ調べておりませんけれ
ども、大別して、現在の法律ではやはり違法と言わざるを得ないケースのものが
一つですね。さらに、今後私
どもがいま準備しております、作業中の法律ができれば、それでおのずから解決されるであろうというものが
一つ。さらに、その法律ができましても環境
基準等の
基準設定、もしくは規制等について、やはりこれは国で定めたものを守ってい
ただきたい。それに従ってもらいたい。それと、その
意味で少しそごを来たすおそれがあるという点は、若干もう少し詳しく調べなければわかりませんが、あるような感じがするわけであります。
第三は、国が今後法律をきれいに整備いたしましても、なおかつ広域自治体の
責任者としての知事の手に自主規制というようなものをゆだねるべき範囲は残るわけでありますから、これらの点に触れておる点があれば、これはむしろそのローカルの事情に即した地方自治
行政として
公害の立場からたいへんけっこうなことであろう。あえて私
たちが、法律がどこにもないことをやっちゃいかぬというふうに目くじらを立てるべき問題ではなかろう、こういうふうに大別三つに分類していま分析を急いでおるところでございます。