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鈴木強君 それから次に本田技研さんのほうに伺いたいのですが、今度
ユーザーユニオンの皆さんが取り上げた問題と同時に、過去の交通事故の中で
軽自動車の事故がどういうふうに発生しているかということについて、われわれは非常に注意深くこの
委員会でも
調査追跡をしてまいりました。その結果、かなりの事故の中にホンダN360という
自動車のあることがわかったわけです。そこで問題も表面化してきたと思いますが、
ユーザーユニオンのほうでは事故の原因については満ぱいのときとか、あるいは高速走行のときとか、下りカーブのときとか、あるいはアクセルを離したときとか、非常に危険なポイントというものを幾つかに分けて指摘をきれておるわけです。それで、これは私はすでに事実あった事故でありますから、その事故について当時
警察庁がどういうふうな措置をしておったということは追跡をすればよくわかることですから、ほんとうにやる気になってその事故の追及をしようとすれば、これはたやすくできます。困難があってもやらなければならぬと私は思うのですね。そこでわれわれがこの事件が起きてから本田さんのほうの態度を見てりますと、少し合点がいかない点があるのです。それは新聞報道ですから、私は本田さんのほうおでもそうやはり事故があるとすれば、それについて謙虚に反省をしていただいて、その原因結果を追跡していって、事故がないように最善の努力をするという
考え方だと、こう思っておりました。ところが、きょうあなたのさっきの
発言を聞きましても、非常に高飛車ですね。絶対おれのほうにはミスはないのだと、そういうお
考え方でもって
意見を述べられておるわけです。これは皆さんのほうの自信と確信のあるところをお述べになるのはけっこうですけれ
ども、しかし、総体的に総合的にいま考えてみたとき、やはり買っていただくのはお客さんでしょう、皆さんにとりましては。ですから、そのお客さんの中に
自動車に乗って事故が起きたということになれば、一体その事故についてはどういうところに
欠陥があったのだろうか、どうだろうかということを
会社としては当然に探究しておられると思うのですね。そういう点から私は謙虚にこの問題については、それは自信はけっこうですけれ
ども、こういう事故が起こらないようなことについてもっと積極的に
会社が取っ組んでいくという
姿勢が前面に出てしかるべきだと思う。それが出ておらない。まあ聞いてみると、さっきのあなたの御
意見の中に、そういうような気持ちがあるようですから、かなりわかりましたけれ
ども、この事件が起きてからの
会社側の
姿勢というものについて国民は多少不安を持っております、それは。ですから、いまから私が申し上げるような問題について少し
検討してもらいたいと思う。
もともとこの
軽自動車というのは、これは
昭和二十五、六年ごろ車種ができたわけでございまして、それはおっしゃるように非常にその型が小さいし、どこへでも入って行けると、簡単に運転も特別な運転免許でやれる。ガソリンも節約できるということでもって、確かに庶民にとってはなじめる車なんですね。そういうことからあなたのおっしゃるように
発展したことは事実なんです。ところが、当時はたとえば免許も普通の一種二種と違った程度のもっと低い試験で免許がもらえる。それから車検もこれは定期
点検だけでよろしい。車両法上の車検はやらないでいい。こういうようなことが
軽自動車にとっては特性として認められておったわけですよ。ところがその後高速
自動車道というものがどんどんできてまいります。
スピードが百十五キロから百二十キロと、こういうような
スピードの出されるようなところまで性能が
開発されたわけです。ですから百二十キロも
スピードを出す人が軽免許でいいかどうかということも、これは私は後ほど政府のほうにもさらに追及したいと思いますし、車検もいまや普通車と同じようにちゃんとやるべきだと私も思うのですよ。そういうふうに技術
開発というのはどんどん進んでいったんですけれ
ども、法律制度というものは後手になってきている。ですから、皆さんも
軽自動車を考えられた当時の
考え方からすると、性能がよくなったから絶対安全だとおっしゃるのですけれ
ども、やっぱり高速道ができれば、そこで最高百二十キロ飛ばせる車であればそれは飛ばしますよ、人情として。そうするとやはり事故が起きてくる。大体当時は五十キロか六十キロくらい出せばいいというのが
軽自動車の
社会通念だったわけです。それがいまこういうふうに百二十キロも飛ばせるようなことになったわけですから、そこにもう少し
会社としても、この法律制度の面からは国が当然考えるでしょうけれ
ども、
スピードを出していくそういう態勢の中に、八十キロ出せば横ぶれがくるとか、そういうようないろいろな具体的な例があるわけでして、そういうことについて何か頭でっかちのような形になっておるのではないだろうか、こういうふうな気がするわけですけれ
ども、性能的に皆さん絶対百二十キロ出したって間違いないのだと、こうおっしゃるでしょうけれ
ども、しかし、そこらに多少の疑問があるのじゃないかという気も私たちしろうとですからするわけです。この点ひとつ最初に
西田さんの
意見を承りたいのですがね。