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田中一君 そこで私が言っているのは、現在道路
行政を担当する建設大臣は日本の道路はかくあるべきだというものを持っておらないと言われたのですね、いまの御答弁は。というのは、それを持たなければ先ほど言っているように、道路運送法によるところの利益追求の道路がどこどこに出る、出た場合には、まさか建設大臣が持っているところの路線
計画、道路
計画の中に当てはまっていればこれは国がやるよと、国費を出してやるのだからおまえのほうはそれはだめだと、できないのだと、こういうことにならなければだめだということです。しかしまあ道路運送法の道路とそれから建設大臣が主管するところの高速道路なり一般道路というものと、何か目じるしが、においの違いか色の違いか何というか路線の敷設のぐあいが違うのか、何か異質のものがあるのですか。道路運送法の道路と道路法によって主管する道路とか何か異なった形かにおいか、高さか低さか、異質のものがあるのですか、私は同じものだと思う。ただ
根拠法が違うのだといって同じものをつくっている。こうしたことは過去の悪い
行政の
一つなんです。これを道路運送法の道路は人間は通れないのだ、トラックだけだあるいは荷車だけ通るものだというものじゃない。また一般道路に道路運送法できめている車なりトラックなり、通らないかといえば通るのです。同じものじゃありませんか。ここにどうもぬぐうことのできない官僚のセクトがあるのですよ。日本の天皇政治のセクト、官僚という、そこにいる局長でも昔ならばたいへんなものだ、高等官
——一等官、二等官…、二等官くらいだな、たいへんなものですよ。われわれ平民がそばに行かれないような地位の人、そうした方々が
自分の立場を守るために非常に複雑怪奇な
行政をやってきたのです。いま新憲法になってすべてが平等、民主主義、国民主権、こういうことになっているわけです。にかかわらず、これは根本さん、あなたは昔は官僚だった、いまはもうほんとうのわれわれと同じ立場になったようだが、まだ蓑輪君のような官僚の卵がはびこっておって、そうした悪い
行政を直すということが一番大事なことなんですよ。建設大臣が全国的にいまこれは地方公社の場合にはもう少しくどくお伺いするつもりでいるのですが、一体地方公社に何かそれの
行政区域だけの道路なんというものはないのです。そういうものはあり得ないのです。いいですか、愛知県なら愛知県、名古屋市なら名古屋市だけなんという道路はないのです。ただ
自分の
行政区域内だけは、これはおれの道路だといって公社をつくらして、隣接の
町村、
府県等々は一体どういうようになるのですか。これはまあこの次のときにお伺いしますけれどもね。こういう意味の矛盾があるのです。ことに日本の道路の中にも、道路運送法の道路、運輸大臣と建設大臣がそれぞれ別の、同じ形態の物理的に何ら変わってないものを許可権を持っているなんということは、これはもう新憲法以前の問題です。道路というものは、御
承知のようにまず維新革命から後にきたものは、県庁所在地、これを結ぶ。日清戦争でぼつぼつ勝ったころになると、もう今度は師団、旅団、これを結ぶ、軍港を結ぶ、軍港、要塞を結ぶ、それに伴う小さな兵舎等から兵隊が行けるような道路にする軍用道路、日本の道路は当時は軍用道路にすぎない。
行政道路、これを権力道路です。県庁から隣の市に向かうとか、大体県庁から県庁に結んだものです。これは権力道路というのですよ。次に来たのが、日清戦争に勝ったら今度はむくむく出てきたのは、いま言う軍用道路です。国民の道路はないのです。平民はそれらが通ると道ばたに平伏しておじぎしてお通りと迎え送りしておったのです。いまは違うのです。まだ二つの二元的な道路
行政というものが横行している。またここにもいまの局長から
説明があった、小さくいっては
説明があった、公団経営のものと、有料道路そのものの間にもまだ問題が残っている。したがって根本的には道路運送法の道路と一般国民が堂々と
自分のものとして歩く道路とどこに違いがありますか。つまらぬ手直しはしないで、建設大臣は日本の国土の
開発という問題も含めながら、また大きな経済的な、経済性というものを考えながら、人口の集散を考えながら、人間の富の公平な分配を考えながら、環境の
整備を考えながら、みんながしあわせな生活が送れるという道路網をひとつ考えてください。これがあなたの頭にないところに
——あなたというか、根本さん個人ではありませんよ、日本の建設大臣がそれらのものをせめてですよ、せめて夢のようなものでもかまいません、そういうものを持たないところに今時点の交通問題公害問題等の原因となっているのです。そうして一番いまひっかかるような道路運送法上の道路と一般の道路法上の道路と、これらのものがいまだに解決しないで、二元的な主権を持っている運輸建設の間のこの問題が解決されない限り、ほんとうのものはでき上がらないのです。運輸大臣が持っているところの権限の道路ができ上がると、それにまさか並行して道路法上の道路を敷設するわけにいかないじゃありませんか。たとえば、そこが非常に重要なルートになった場合、これは産業構造の変革なり何なり、ありますよ。その場合、手もつけられないじゃありませんか。買収だとか、高い金でもって売りつけて、また利権騒ぎが起きる、収賄騒ぎが起きるのです、疑獄が起きるのです。そういう場合にどうしてもそういうものを避けて、ほんとうに国土を管理し、国土というものを掌握する建設大臣は、せめて日本の国土全般にわたるところの道路のネットワークの夢ぐらいは、ビジョンぐらいはおつくりにならなければ何やっても同じことなんですね。道路運送法上の道路が敷設される。それに一般道路法上の道路を並行してつくることはできない。くどく言いますけれども、そういうところにわれわれ国民が困るものがたくさんあるのです。これ、ひとつ根本さん、いま橋本運輸大臣来るだろう……。