○松永忠二君 建設
大臣、ひとついまの点、九十四条のいまの不服の申し立てについては、当該の当事者が不服を申し立てることができる。しかし、隣人が、それが行なわれないためにあるいは行なったために
被害を受けたと。そういうものについての不服の申し立てというのは、この条項ではできない。したがって、審査会へかけて審査をしてもらうとか、あるいは進んではその審査を
行政不服の
法律に伴って措置をするということもできないわけです。事実そうなんです。たとえば、私、一、二例をあげますけれ
ども、目黒区の五本木の三の二十四の十というところに石川正人という人がいる。この付近に製材所ができているわけですね。この製材所は
建蔽率の
違反をしている。住居
地域の
用途地域の
違反もやっている。非常に騒音もするというので、東京都の
建築審査会に不服の申し立てをやったところが、四十四年の三月にこれが却下された。却下の
理由の中に
違反は認めるけれ
ども、当事者ではないので却下をすると、こういって却下をされた。あるいはまた、練馬区の早宮一の四十一の十四というところに
建て売りの
住宅ができた。これは
建蔽率の
違反をしている。そういうところから、四十四年に不服の申し立てをしたけれ
ども、これまた却下をされた。当事者ではございませんということで却下をされたわけなんです。そこで、そういう事実が
現実にあるということを
大臣もひとつ認識をしていただきたい。
そこで、私は、
一つの事例をここに出します。これは丸屋製作所というところの小柴という人でありますけれ
ども、港区の高輪二丁目の六十一の十四、この人の
宅地が三十六坪九合、事務所、社員寮等を建設の目的だ、
昭和四十三年の十二月に取得をした。ところが、その付近に藤苑企業というのと東海観光、寿商会、それから東京鋼管継手株式会社、それと丸屋製作所、いま申したのがあって、これが四メーターの道路を、
関係者が二メートルづつ出して提供して道路をつくっておったわけです。ところが、ここに藤苑企業、東海観光、寿商会というのが一緒になって——もちろんこれはホテル高輪の
関係のものでありますけれ
ども、六階
建ての高輪グリーンマンションというのを建設を計画した。そして、四メーターの道路に約一メーターないし一メーター五十センチはみ出して
建築をすると、そういうことを計画をして確認申請をした。ところが、
昭和四十四年の十二月の十日に、高輪グリーンマンション新築工事を東京都は確認をしたわけです。そこで丸屋製作所は、四メーターの私道がなくなってしまって、事務所、社員寮その他の建設は、道路敷の
関係があり
都市計画の区域であるから、できなくなってしまった。そこで、
基準法第四十五条には道路の廃止の禁止というのがあるから、この条項を適用してもらいたい、
建築の確認申請を取り消してほしいといって、東京都の
建築審査会に審査の
請求を申し入れたわけです。なかなかそれができない。これは、この道路が、
建築基準法の四十二条一項三号というところがありますが、そういう道路なのか、あるいはまた二項の道路なのかという点について問題のあることは、これはもちろんでありますけれ
ども、
〔
理事松本英一君退席、
委員長着席〕
ここでその人たちが申しておりますことは、
昭和二十年、四メーター幅の私道として利用されていた道路であるから、そうして相互に提供した道路だから、さっき申しました
基準法にきめた道路である。しかも
現実にここに——
あとでお見せいたしますが、かつての写真があって、この、ここのところのここが道路だと。で、使っておったという者の写真があるわけです。あるいはまた、売り渡しをこの人はされたわけです。帝研レヂノイド砥石という、といしの会社がこの地所を売ったわけであります。その人の、道路であったという証明書もある。あるいは、それを仲買いをした仲介会社の東京建物というところが、この東海観光の代理人と私道の確認をしたものもある。それからまた、二十三年以前から私道があったという隣人の証明もたくさんある。また、東京都自身がつくった、こういう地図がある。東京都が著作権を持っている東京都首都整備局という地図にも、道路として入れてある。
そうであるのにかかわらず、結局、その確認申請を取り消してほしい、つまりこの
基準法に基づく不服の申し立てをした。ところが、それはだめだ、当事者ではございませんと、こういうふうな言い方をしているわけです。
そこで、あなたにちょっとお見せいたしますので、少し見ていただきたい。——これがいわゆる道路だと。いまそのマンションの基礎をこしらえている。そうして、この人の、このお宅のすぐ前のところまで道路をトラックが来て踏み荒している。道路であるからがまんをしていると、こう言っているわけですね。もし向こうの言うように私道でないというならば、人の敷地にこんなものを入れ込むということもおかしな話だ。だから、地図についても、ここにあるのをちょっとあなたのところにいまお見せいたしますが、この道路のところへ、これだけはみ出して
建てる。その確認申請を東京都は許可をした。それで不服を申し出た。ところが、当事者じゃない。確認を申請をされないので。その当事者が不服を申し立てるのならいいけれ
ども、隣人が
被害を受けたからといってこの不服の申し立てばできないということでいるわけです。
ちょっとお許しをいただいて、少し……。