運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1970-11-11 第63回国会 参議院 建設委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年十一月十一日(水曜日)    午前十時八分開会     —————————————    委員異動  十月二十三日     辞任         補欠選任      上田  稔君     土屋 義彦君  十月二十六日     辞任         補欠選任      土屋 義彦君     上田  稔君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         田中  一君     理 事                 上田  稔君                 大森 久司君                 大和 与一君     委 員                 小山邦太郎君                 高橋文五郎君                 塚田十一郎君                 林田悠紀夫君                 米田 正文君                 沢田 政治君                 松永 忠二君                 松本 英一君                 宮崎 正義君                 高山 恒雄君    国務大臣        建 設 大 臣  根本龍太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        内閣官房内閣審        議官       植松 守雄君        警察庁交通局交        通規制課長    竹岡 勝美君        経済企画庁審議        官        西川  喬君        厚生省環境衛生        局公害部公害課        長        山本 宣正君        水産庁次長    藤村 弘毅君        通商産業省公害        保安局公害部公        害第二課長    根岸 正男君        運輸省港湾局計        画課長      大久保喜市君        建設省河川局長  川崎 精一君        建設省道路局長  高橋国一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (能代バイパス路線計画に関する件)  (田子の浦のヘドロ処理等に伴う富士川の河川  敷に関する件)     —————————————
  2. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず理事補欠選任を行ないます。  委員異動に伴い、現在、本委員会理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと思います。  理事選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事上田稔君を指名いたします。     —————————————
  4. 田中一

    委員長田中一君) 建設事業並びに建設計画に関する調査を議題とし、これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  5. 沢田政治

    沢田政治君 道路局長来ていますね。能代国道七号線の能代バイパス、これはどういう計画でどの段階まできておるのか。いろいろと新聞では非常に、まあ地域住民との摩擦が起こっておる、こういうことを聞いておるわけですけれども、どういう段階になっておりますか。
  6. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 能代バイパスにつきましては、三年ほど前から建設省直轄調査を始めております。ルートについては、五案についていろいろ検討を進めてまいったわけであります。  能代バイパスと申しますのは、国道七号線にございまして、秋田県の北のほうの能代市内を通る国道七号線のバイパスでございます。この道路は、現道は三カ所に平面交差がございまして、しかも市内道路は狭うございますので、たいへん道路がふくそうしております。これをできるだけ早くバイパスしまして、交通隘路を打開したいということで調査を進めてきたわけでございますが、ようやく調査が昨年度終了いたしまして、昭和四十五年度、本年度よりいよいよ工事にかかるということで、先刻ルートを発表した段階でございます。
  7. 沢田政治

    沢田政治君 最も初歩的な、常識的なことをお伺いするわけですが、一体バイパスというのは、何のためにどういう必要性でつくるのですか。
  8. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) いまほど申し上げましたように、国道七号線の現国道平面交差が三カ所ございます。これが一番の隘路になっておりますし、私たち道路を整備します場合に、平面交差は全部除去するのを原則としております。それが第一点と、それから第二点は、御承知のように、現在の国道七号線は能代市内を貫通しておりまして、たいへん市内交通能代を通過する交通が混乱しますので相当混雑がひどくなっておる、そういうことから、この町をはずれたところに道路をつくりまして市内交通と通過する交通とを分離する必要がある。同時に、先ほどの平面交差を除去する目的でやっております。
  9. 沢田政治

    沢田政治君 要するに市街交通の渋滞を緩和する、こういうことがいま述べられたとおりですが、もう一つはやはり交通災害、さらには排気騒音、こういうものから市民の、住民生活環境を破壊しない、こういう配慮も当然あるのでしょう。
  10. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 新しくバイパスをつくる場合には、いまほど先生の御指摘のように、交通混雑の緩和とともに、できるだけ地域住民公害、最近いわれております排気ガスあるいは騒音、そういうものの起こらないルート選定するのが、やはり原則でございます。
  11. 沢田政治

    沢田政治君 もう一歩、初歩的なことをお聞きしますが、かりにバイパス計画し、そして工事を実施する際、これはやはり土地を持っておる地主、また地域住民があるならば、地域住民によろしく計画説明する、必要性を納得させる、こういう努力を一体だれがやるのがほんとうでしょうか。だれが責任を持つものでしょうか。
  12. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 最終的な責任計画いたしました建設省でございますが、従来、道路、特に国道バイパス等計画しました場合には、二、三年かかりまして十分な調査をしまして、おおむねこの案が最も適当であるというような線が出ますというと、あらかじめ都道府県ないしは市町村に、いわゆる公共団体のほうに一応内々に相談いたします。これによって地域開発に大きな影響を及ぼすものですから、その意向を聞きまして、これは適当であるというふうな意見が出されたときにおいて、初めて正式にルートをきめるというふうな手順をとっております。その段階においてルートを発表するわけでございますが、従来用地買収等につきましては、市町村協力を依頼しまして、市町村人たち協力によって用地買収を進める場合が多うございます。
  13. 沢田政治

    沢田政治君 地方自治体を通るんだから当然地方自治体意見を聞き、相談をするということは行政段階としてはあり得ることだし、当然あってしかるべきだと思うのです。そういうことで今度地域住民に対しては建設省が何のためにどこのバイパスをつくるのか、そしてこれに協力してもらいたいということに対してはノータッチでいいものでしょうか。全く地方自治体が納得したんだから、あと地方自治体用地買収だとか、計画の何というか今日に至るまでの経過というものを、地方自治体にそれを全部まかせて、建設省うしろにおって傍観しておる、こういう方法をいままでとってきましたか。
  14. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 能代バイパスの場合はどうなっておるか存じませんが、従来はそういう方法はとっておりません。もちろん県、市町村協力は仰ぎますけれども建設省主体になって説明し、建設省主体になって皆さまが納得するような努力を続けておるわけでございます。
  15. 沢田政治

    沢田政治君 おかしいじゃないですか。能代バイパスはどうなっておるかわかりませんというのは、あなた、非常に職務怠慢ですよ。しかも地域では相当問題になっていますよ。新聞等でも四、五回取り上げられておりますね。相当エスカレートしていって、これはどうなるかということで、一つの狭い地域では相当に大きい問題になっておるわけですよ、そういう報告はありませんか。
  16. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 能代バイパスにつきましては全長六キロ五百ばかりございますけれども、そのうち約三百メーターぐらいのところが人家を通るのでございますけれども、その辺のルートに対して反対意思があるということは聞いております。
  17. 沢田政治

    沢田政治君 一体、建設行政の場合はどうなっておるのですか。地建との関係、あそこにも工事事務所がありますね。そうして今日までの経過はこうなっております、市側はこうです、地域住民反応はこうですと。ましてやトラブルがあった場合には、こういうトラブルがあるのだ、それに対して出先機関はどういう態度をしておるかという報告はいままでありませんでしたか。
  18. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 御承知のように、ルートがきまって工事にかかりますというと、地方建設局長が直接責任を持ちまして実施するようなことになるわけでございますが、それを実際に実施いたしますのは、その指揮下にあります工事事務所長であります。ただいまのルート反対、この問題につきましては、われわれ道路計画する場合には全員賛成というルートはございません。必ずどこのバイパスをつくる場合にも反対者が出ております。したがいまして、そういうものを一々本省には報告は上がってきておりません。ただ特に強い反対が出ました場合に、事務所長から地方建設局を通してこちらのほうに詳細な報告が上がってまいる場合がございます。今回の能代につきましては、実は報告が上がってきておりまして、かなりの反対があるということを聞いております。ただそれによりまして、いますぐルートを変えるかどうかという検討はいたしておりません。数年間の研究の結果、現在のルートが最も適切という判断をしております関係から、ルートを変えるという指示もしておりませんし、現在は変更するというような条件には至っておりません。
  19. 沢田政治

    沢田政治君 このことに関する限り、建設省が全くうしろにおって、市長、自治体の方々を前面に立てて傍観しておるのは事実です。新聞等でも報道しておるわけです、そういうふうに。それに対する反対も非常に強いわけです、地域住民の。それはあとで論議しましょう。  それで今度のバイパス住宅団地といいますか、住宅街の全く、まんまん中を縦断するわけですね。しかも小学校と中学校の間をまた走るわけですね。そういうことで非常に地域住民不満と不安を持っておるわけです。といいますのは、非常に公害に敏感なんです、能代という地区は。たとえば鉱山のいまカドミの問題が問題になっておりますが、重金属の問題が問題になってますがね、鉱津ですね、それを能代の淺内というところへ持ってくるわけですね、そこから海水が汚染されたとか、米代川という川が流れておるわけですが、その上に日本でも屈指の鉱山があって、非常に水の中に銅イオンが高くなった、川の魚もときどき死ぬということで、非常に公害には敏感なわけですね。そういうことで、今度のバイパス住宅街をまっすぐに東西に分割されると、こういうことに対しては非常に不安と不満を持っておるわけですね。なぜここを通したかということは私もまだわかりません、これは。といいますのは、多少の地域住民反対があっても、たとえば東京のように、迂回するということになるとこれは交通体系の整備からいってまずいと、あるいはまた膨大な経費がかかる、どうしてもそこしかないという場合は、これはやっぱりいまの交通事情からいって、若干これは犠牲もやむを得ないという場合もあり得ると思うんですね。ところが能代の場合には、もう一キロぐらい南のほうに寄せたならば全然住宅にも関係ない、畑もある、たんぼもある、しかも経費がいまのところより安くつくと、もう、ここにつくらなくちゃならぬという条件がないんですよ。もう千メートルぐらい寄せたならば問題が一挙に解決するわけです。それをなぜ住宅地区を、しかも今度は、皆さんがそう考えてるかどうかわかりませんが、市役所のほうでは、いや災害が起こらぬように、環境を破壊しないように掘り割りバイパスをつくるんだと、こう言ってますね。なぜ、千メートル南に寄せたならば、掘り割りにもしなくてもいいし、防音壁もつくらなくてもいいし、何にもつくらなくてもいい。すぐ、既存の道路がありますからね、いま。あそこの仁井田−河戸川線ですか、ここをただ拡幅して舗装すればいいようにできてるわけですね。それをなぜ、経費の面からいっても、立地条件の面からいっても、なぜここに固執するか、この理由についてちょっと納得いくようなお答えを願いたいと思うんですよ。
  20. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 能代バイパスルートにつきましては、先ほどもちょっと御説明しましたように、過去三年間にわたって十分調査してきたわけでございます。それは五つの案についていろいろ検討を加えております。そのうちの最終的にきめたのが現在問題になってる案でございますが、この能代という町は、国道七号線から見ますというと、特にルートとしましてはたいへん屈曲してるルートでございまして、いうなればコの字型に町の中を通りましてまた外へ抜けてるというような、非常に道路計画上むずかしい町になっております。それでわれわれがこのルート計画するにあたりまして、まず第一にいろいろ調査いたしまして、いかにしたら最も町に有効で、かつ国道としての機能が十分であるかということを検討したわけでございます。たまたま交通情勢調査によりますというと、この能代の町というのは、秋田県の北部の重要な都市になっておりますので、そこから発生する交通とその能代市に入っていく交通が圧倒的に多くて、能代市を完全に通過するというのは非常に少のうございます。といいますのは、秋田県内の重要な都市であるということだと思いますが、国道をわれわれがつくる場合には、性格上なるべく重要都市にはサービスすることが原則になっております。したがいまして、第一原則としましては能代市内に入る、なるべく入ることが望ましい、近くを通ることが望ましいわけでございますが、先ほど申し上げましたように町の中がコの字型に曲がっておりまして、そこに入っていくことはいまほどのように困難でございますので、そこを通過することになるわけですが、通過する場合でもなるべく町に近づけたほうが経済効果はきわめて有利である、そういうことからルート選定の場合にはいろいろ議論した結果、最終的に現在きめたルートが最も経済効果はまさると判断したわけでございます。たまたま御指摘のように、約四、五十戸の人家のあるところを通過するルートになっておりますが、このルートはたまたま都市計画の決定されているルートであります。都市計画決定ルートをさらに拡幅するような計画になるわけでありますけれども、一応都市計画道路としてそこに道路が通る予定になっております。そのルートに乗せる計画にわれわれは踏み切ったわけであります。
  21. 沢田政治

    沢田政治君 あなた、いま経済効果ということを盛んに強調されましたが、さらにはまた、あそこの通過台数、そこに用事がなくて、単に通過するものが少ない、用事があって市内に来る車が多い。数字を発表しませんでしたが、若干私宅聞いたことがありましたが、それはたしか昭和四十二年、どこで調べたかわかりませんが、市のほうでそういう説得をしているようですが、私どもの理解ではそう思っておりません。今日においてはおそらく通過台数のほうがはるかに多いのではないかと思います。しかしそれはそう感じておるだけで、水かけ論ですから問題にしません。特に問題があるのは経済効果といっているわけです。確かにそういう点が地元で紛争の種になっています。新聞なんか見ましても、深まる対立のみぞ、生活優先か、都市改造か、こういう題目で盛んに論じられている。全く公害に対する企業側考え方とあなたの考え方が非常に似ていますね。経済効果ということをまず前面に持ってくる、人間の生活環境を守るとかそういうことは二の次だ。これはあなたと私の見解の違うところですが、非常にいま、何といいますか、評判よくないですよ、皆さんのほうが、正直いって。若干これを読んでみたいと思うのですが、非常に非難されていますよ。決して私これをちょっと問題扱いして取り上げてみたいという興味本位ではないのです。住民はもちろん反対していますが、あらゆる新聞が全部皆さん建設省態度に対しては、鋭い批判をしているわけです。たとえば、ちょっと読んでみますから、これは私の意見じゃございませんから。「住宅街の真中を貫通するため住民から強い反対が起きている能代市のバイパス建設問題は、いまだにメドが立たない。このため市は二十七日夜」これは十月です。「二十七日夜開かれた住民大会建設省や市の意向説明してあらためて協力を依頼した。住民側は「納得できない」と反論し、物別れに終った。とくに建設当事者でもない市が国の方針を代弁して住民反対を押切ろうとしている、と市への批判が強まっている。」ということで、ここの説明会で逆に住民代表全員こぞって目の前で、何ていうか、あれは反対だと、こういうような再確認をそこで決議しているわけですね。これは政治的な色合いなんか全然ありません。どんなに強調しても、学校二つをはさんで住宅のどまん中を通されるならば相当生活環境が破壊されるという、非常に純真的な、みずからの生活環境を守るという一点だけですね。それでもこれはやっぱり皆さんのほうではこれを強行しますか。経済効果とか、経済効率の名のもとに、しかも私は土地がなかったり、あるいは迂回することによって膨大な出費を必要とする、こういう場合はこれはやっぱり別の考え方があると思うんですよ。すぐそばですよ、千メートル以内のところをちょっと避けて通ったならば、土地はあるし、経費は安くつくし、なぜこれを強行しますか。あなた、強行する妥当性というのは経済効果一つしかないじゃないですか。経済効果ならこれは市街化整理とか、区画の整理で別の手法があるでしょう。バイパスでこれを解決するなんていうのは本末転倒、次元の違いですよね、納得いくように説明してください。
  22. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 経済効果経済効果と申し上げて、それがだいぶ強調されている感がありますけれども、必ずしも経済効果だけがこのルート選定の中心じゃございません。まずわれわれがルートをきめますときには、もちろん経済効果も考慮に入れますが、町の発展並びに特に最近は地域住民公害に対する敏感な反応がございますので、それらも考慮してルートはきめることにしております。ただいまの御指摘のところは約四十戸程度の人家がかかるところでございますけれども、これにつきましてはわれわれといたしましては、いわゆる世間で言われている公害騒音とおそらく排気ガスと思われますが、これは除去する万全の措置を講ずる計画を立てるつもりでございます。先ほど先生からも御指摘がございましたように、掘り割り形式をとりまして、サイドはグリーンベルトをとりまして、それで騒音排気ガスも除去し得ると確信している方法を採用するつもりでございます。したがいまして、われわれが計画そのものが全く地域住民意思を無視したというふうにとれるのは心外でございまして、十分そういう点を配慮して計画しているつもりでございますので、その点は御了解いただきたいと思います。  なおつけ加えて申し上げますならば、もしいまおっしゃる市の全員反対するほどでございましたら、この計画は取りやめるのにやぶさかではございません。
  23. 沢田政治

    沢田政治君 市の全員というのは、能代市の六万何人ですか。
  24. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 全員と申しますのは、それを代表する市議会の決議でもけっこうだと思いますが、市当局並びに住民市当局というのは議会を含めましてそういう住民意思がございますれば、これは計画を取りやめるのにやぶさかではございません。
  25. 沢田政治

    沢田政治君 この市といっても当事者の、当事者じゃない、市というのは代表していることになっていますが、これも私は否定いたしませんね、制度の上では。やはり問題になるのはそこに住んでおる人々の生活権をどう守れるか、生活環境をどう守れるか。また納得させ得るか、こういうことだと思うのです。したがって、豊祥岱におる住民の九割五分も絶対これは反対だというものを強行するつもりはありますか。
  26. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 住民の一部、たとえ一部でございましても、たとえば用地取得する場合に住民賛成がなければ用地を取得できません。もちろん物件費が伴うものでございますので、賛成がなければできないことでございまして、現在私どものとっている立場は土地収用法強行してまでもとの能代バイパスを行なうつもりはございません。
  27. 沢田政治

    沢田政治君 そういう排気ガスとか空気のよごれ、騒音ですね、こういうものに万全の措置をすると、どういう万全の措置かわかりませんが、そういう答弁しているわけです。それはいいでしょう。しかしながら、生活環境がこわされるということはどうして防止しますか。これは否定できないと思うのです。どんなに防壁をつくろうが、のどかな住宅団地東西に二分されるということはどうして防止しますか。これは絶対不可能だと思います。これはやっぱり忍んでもらわなければならないということですか。
  28. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいまの第一は、確かに住宅団地の中を通過することは事実でございます。したがいまして、そういう面における生活環境を二分するというそしりは免れないかと思いますけれども、二分されたと申しましても、そこに完全に川ができまして交流が完全に遮断されるというわけではございません。当然そこを流通できるような橋もかけられますし、行き来も自由にできることでございますので、いうならば両岸に分離されたという印象を受けるかもしれませんことは事実でございますが、いわゆる生活破壊というふうな印象じゃなかろうかと思いますので、いままでのルートは、われわれはそういうふうな認識を持っております。
  29. 沢田政治

    沢田政治君 皆さん出先機関のほうでいまの交通量では騒音とか大気が汚染される、そういうことは全然考えられないと、十万台以上になったならば人体に影響するけれども、十万台以下の通行量では全然人体に影響しないと、こういう説明をしていらっしゃる。これはどこでそういう基準を見つけましたか、皆さんが。これは新しい基準だと思うのですね。どういうことであなたのほうでそういうことを言っているのですか。
  30. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) 私もそれは存じません。十万台以下ということは聞いておりません。
  31. 沢田政治

    沢田政治君 これはまずどこからそんな基準が出てくるか、これはもう肝心かなめ公害基準さえもいま暗中模索の状態でしょう。そういうような説得をしておるわけです。そこではっきりもう一回確認しますが、土地収用法をかけてまでもそれを無理強行する、行政の強制を起こす、こういう気持ちがないということが一つと、それと市民がひとしく待望しているのも早くバイパスを通してもらいたい、これは一致しているのですね。そのためにどんどんどんどんバイパスをつくる時期が延びていく。ほんとうに困るのだということで片方には同情しながら片方には何とか早くこの問題片づけていきたい、こういう希望というのは市民の偽らない気持ちだと思うのですね。そういうことなんで、もう今年は測量無理でしょう。市側のほうで今年一ぱいこれは説得努力は続けられるでしょう、これはけっこうでしょう、これはやるべきじゃないとは言いません。けっこうでしょうけれども、そろそろことし一ぱいくらいで、これはどうしても見通しがつかぬと、もう九割も九割五分も、ほとんど一、二名を除いて全員反対だということになったならば、やはり今年一ぱいくらいで一応見切りをつけて、先ほど言ったように土地がなければこれはたいへんですけれども、あるんですから、すぐそばですからね。しかもそれは住宅には全然当たらない、むしろいまのところを通すよりも交通的にもいいし、経費の面でもおそらく安いのです。そういうように、やっぱり意地を通さぬでこの見切りをつける必要があるんじゃないかと思うのです。それで、私はまあ大臣が私と同じ選挙区なので、大臣と打々発止やりたくないので、時期的に今日まで避けてきておるわけですから、しかしこれは大臣から見たらとるに足らない問題でしょうけれども、私たち地域住民から見たらずっと騒いでいる問題ですから少し耳に入れたことがあります。そんな騒ぐようなことをやりませんよと、こういうことで、あまり深い事情はわからぬで答えたと思うのですが、大臣、これはやっぱりある段階まで来たらこれは避けて通ったらどうですか、これは。この辺で見切りをつけなければ、これは四年も五年もかかりますよ。どの新聞見ても妥当ですね。住民の要望が妥当だということを言っておるものだから、やっぱり行政の知恵——いろいろな事情があったり経済効果を頼まれることになるでしょう、これはやむを得ない。ただし、ここまで来てみんなが反対したらまたさらに一押し二押し、三年もかかってやりますとかじゃなくて、今年一ぱいくらいにあきらめて、そうしてやはり次はどこがいいでございましょうかということで、いままでも相談してきたのだから、そういうふうに決着つげたほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。
  32. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) いままで道路局長から今日までの経緯の御説明あったようですが、私は実はこの内容をあまりよく知らないのです。きょう実は初めて詳細を承ったところで、ただ御承知のようにバイパスをつくる場合は、そこにひっかかった人というのは非常に深刻であるということ、これはよくわかります。先ほど事務当局から言ったように、バイパスをつくるというときに全員が全くみんな大賛成ということは、ほとんどございません、どこかにひっかかる。ところでこの能代バイパスの線は、何か聞くところによると第一案から第五案まで考えたらしい。その結果、市当局並びに県の意向も聞いていろいろ勘案した結果原案をつくったと、こういう報告を実はきょう承りました。そうしてそのバイパスをつくるにあたって市当局が非常に留意した点は、御承知のように能代市はかつては日本における木材の非常に中心地帯であったのが、いまやもう非常にこれがだんだん衰退してきている。そこで、特にこの河口に近いところのほうから、どうしても今後生き延びていくためには交通麻痺をなくしつつ、しかも交通一つの新しい道を開いてもらわなければ困る。そこで、市内は通らず、しかもなるべく市に接続するところにバイパスをつくってほしいという要望があの原案になった。したがって市としては自分たちがいろいろと各般の問題を検討した後にきめた案であるから、これをぜひやってほしいということはいまでも変わってきていないということのようです。ただ、いま沢田さんが言われたように、あれは豊祥岱ですか。農祥岱の部落の連中にとっては相当四十戸も移転しなければいかぬ。部落が両断されるということに対しては、この生活環境が非常な大きな激変になるから反対だ、その気持ちもよくわかります。そこで、これについてはわれわれのほうがこの路線以外に絶対ない、あとは強制収用かけてもやるということをやらせようとしていないというのは、その点でございます。したがって、これは部落民の方々の気持ちもわかるけれども、数年かかってこの案を策定した市当局、単なるこれは市長だけの意見ではなくて市議会のほうも十分に参画し、また県の意向もそんたくしてきめたことでありまするから、十分それらの点を考慮して県側も、あるいは市側もこの路線を決定する時点においては原案が最高であったと思ったけれども、状況を見てこれは少し路線を変更したほうがより現状に即し得る。さらに未来に対してもそのほうがいいという判断を出してくるならば、私は変更させるにやぶさかでありません。何にも意地を張っていない、関係者がきめたからということでこれに執着しなければならぬほどのことではないと私は感じております。地方の一部落の利害関係とこの路線がつくられてから後、広域的なそれこそ経済と社会環境のバランスがとれる、どちらがいいかということを、もう一たび検討する時間的余裕はあると私は存じております。したがいまして、地建のほうにも十分に私のほうからも市並びに県当局と打ち合わせの上、さらに今日までの経緯から見て、部落関係意見調整もした上、意見をこちらに出せというふうに指示してけっこうだと思っております。
  33. 沢田政治

    沢田政治君 まあ、大臣のいまおっしゃられるように、これは最良の案であって、どんなに反対があろうが強権でも押し通そうというような考え方ではない、場合によってはこれを検討しなくちゃならぬ、もっともな御答弁だと思って、その答弁には私も納得します。それで最後に市のほうでも非常に立場が困っているのですよ。私は地図を前にして市の責任者と——市長じゃございませんよ、これは会ってお話ししたんですよ。どうしてこんなむちゃなバイパスをつくるかと、子供でもこれは全然、何というか、道路行政知らぬやつであっても、たとえばこんなところにバイパスを、高い金を出してつくるのはおかしいじゃないか、道路行政という角度から考えたならば。いや全くそれは何というか弁解の余地がありません。ただ市としては、バイパスを通しても都市環境のおくれておった市独自ではとてもやり切れない。だがそれにおんぶしてそのメリットというのは非常に多いんだという、だからこの道路バイパスをどうこうという原則的な立場からいくと、なるほどこれは納得できない面も多いでしょう、こう言っているわけです。これは市側としては当然だと思うのです。そういうことですから市としては非常に困っているんだ。だけれども建設省のほうにお願いしてこっちへやってもらいたいということで納得してもらったものを、いまさらこれは反対がありますからもうあきらめてくださいということは、非常に今後の影響があるからできないんだということも内々漏らしているんですね。そういうことですから一応今度地建がずっとうしろのほうに隠れているのですよ。これは、やっぱり新聞なんかで非常に非難されていますね。やっぱり施工者は国ですから計画最終決定するのも建設省ですから、だから地建出先機関が行って今年一ぱいなら今年一ぱい説得するかどうか。こういう意思にあるんだ、こういうことをやるんだ、これは説得することはいいと思うし、やらなくちゃならぬことと思います。それでやっぱりだめであったならば、今年じゅう一ぱいかかってだめであったら、これはどうにもならぬから、やっぱり大臣が言ったように最終的にまた検討するなり、こういうようにしてもらいたいと思いますけれどもあとこれ以上私は言いません。いかがですか。
  34. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申し上げたとおりで、建設省はこれをやれといってきめた案ではないことなんです。地元と十分に打ち合わせた結果、いま沢田さんが言われるように、この路線が能代市としては都市計画全体と地域社会の発展のために、一番これがその時点では最高と思ったから、むしろこれにしてくれという意向が強かった。で従来バイパスをつくるときには、何としても地域住民のこれは利益と国家的の目的と相対応していくことが大事ですから、市当局がこれでやってくれということである。市当局がこれでやってくれということは、買収その他も円滑にいく、こう判断したろうと私は思うのです、建設省当局としては、事務当局としては。だからして市がこれでやってくれというから、それじゃ一切の交渉を市にお願いしよう。こういうことになったのであって、建設省うしろにおって責任転嫁したということは、それはとり方はいろいろあるかもしれませんが、そうじゃないようです。ただ現時点になってそういうように問題があり、市自身も困っているということならば、これは考えてけっこうです。ただ、市はどうしてもそれでなければ今後は困る、しかももう決定したものを、まあ二十人か三十人の反対で変更されることはこれはもう困るということならば、これはまた違うのです。だからそこで市当局と地元とよく話した上、意見調整するならば、われわれのほうでもそれを十分尊重して、先ほど道路局長が言ったような、是が非でもこれを意地でもやるというようなことは、そんなことはさせません。こういうことですから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
  35. 松永忠二

    ○松永忠二君 私は富士川の河川敷の問題について少しお伺いしたいと思います。  富士川の河川敷でヘドロを処理したいというので、使用を許可してもらいたいということを静岡県の知事から要請を受けた、こういうことが伝えられている。そこでどんな方法で投棄するという、こういう説明があったのか、それをひとつ、重要な点だけお話をしていただきたいと思います。
  36. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 田子の浦のヘドロの処理につきまして、いろいろ静岡県の当局でもその処理に困っておりまして、一つの案として富士川の河川敷投棄というようなことも考えざるを得ない状況になってきているというようなことで、いろいろ県当局としてもその方法等につきまして、今後検討したいけれども、そのときにはひとつよろしくお願いをしたい、こういうような話が先月の中旬ごろに県の土木部長からございました。なお月末に知事さんがお見えになりまして、やはり同じような趣旨を口頭で申し入れがございました。具体的な方法等については、いろいろ県でも現在調査中でございますので、できるだけ早い機会に説明をしたい、こういうことでございました。
  37. 松永忠二

    ○松永忠二君 少しおかしいじゃないですか。貸してもらいたいと言うなら、どういう方法で処理いたしますから貸してもらいたい、こういう方法でやるのだと……。こういうことで、すでに知事、県当局は当該の市に説明をしている。建設省に来て、貸してもらいたいと言うのに、その方法はどうしますということを説明しないで貸してくれと言うわけがない。土木部長はどういうふうな内容のことを言って、こういうふうにしたいので貸してほしいと言ったでしょう。それをひとつ聞かしてください。
  38. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 富士川の河川敷を使う場合に、現在、大体県の検討の中心になっておりますのは、富士川河口部の左岸の河川敷を使いたいというようなことで、それではそこでどの程度のものを処理するのか、その辺の数量につきましても、まだはっきりしていないようでございます。なお、洪水期に捨てる場合に、それを脱水の役に立てさせるのが目的かと存じますけれども、そのあとの残ったヘドロの処置等についても、県のほうではまだ結論が出ていないようでございます。したがいまして、私どもといたしましても、その辺の影響等につきまして十分な資料がないと、何とも現在の段階では判断できないのではないかというようなことで、十分そういった資料をまとめてもう一度打ち合わせをするように、先般の話し合いでは申し伝えてございます。
  39. 松永忠二

    ○松永忠二君 もう少し率直にお話しをしていただくことをお願いいたします。この問題については、もうすでに県の公害対策特別委員会説明があった。ですから、現実に市当局に対して現地へ行って説明をしているわけです。そうしてまた、情勢としては、市長さえこれで地元を納得させてくれるならこれでやりたい、というところまでいっているでしょう。そうであるのに、一番大事な建設省に来て河川敷をどういうふうに使うんだかということを全然触れないでお願いをしたいという、そういう資料は全然ないからまだ資料がそろったあとで出して持って来ますと言う。こういう科学的なデータの問題は、私は別ですよ、これは。何もそれをいま聞いているのではないのであって、大体こういうふうに穴をあけて、こういうふうに船を使って、こういうふうにヘドロをためて、それでこうしたい、それで大体このくらいの処理を考えている、こういうふうなことが建設省でいまわからぬなんというばかな話は私はないと思う。いま聞いたのは、私は科学的データをどうのこうのということを言っているのじゃないのですよ。こういうやり方でやると、こう言ってそれについてまだデータをそろえて持って来るというならば話はわかるが、全然そういうことなしに、もうすでに伝えられている事柄について、建設省は私は何も聞いていませんという話ではないと思う。ちょっと質問を誤解されているのじゃないですか。
  40. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 静岡県の土木部長から伺いました話では、大体、田子の浦のヘドロを約百万トン前後でございますが、その三分の一くらいを富士川の河口で処理をしたい。でこれは船をやはり河口の沖合いにとめまして、そしてポンプで河川敷に送って、ここで水を脱水をするんだというようなことでございます。したがいまして、そういった脱水されたあとの水の影響といいますか、こういったものもやはり十分承知しませんと、単に田子の浦の問題を富士川河口に移すということでは、やはり大局的な見地からいっても好ましくございませんので、そういった点についての今後の十分な調査をお願いをしておきたい。それから、なお出水期までそういったものが放置されますと、結局、これは海洋投棄と同じような結果になります。そういった問題については、捨てたどろの圧縮されたどろの始末等についても十分見通しをつけてもらいたい。こういうような話をいたしましたが、その点については、現在県でもいろいろ検討しておるので、もう少し詳細な話は待っていただきたい、こういうふうなことでございます。
  41. 松永忠二

    ○松永忠二君 ちょっと建設大臣、常識的に、私の聞いていることを、いま程度のことは初めから話すのがほんとうじゃないですか。初めからかまえてかからぬでも、もっとわかったことは正直に話したほうがいいんじゃないですか。この程度のことなんでしょう。いま、一号バイパスを鉄橋つくっているわけなんですね。その南側に縦一キロメーターで幅二百メートルの貯留池をつくる。それでそこに二千二百トンのしゅんせつ船がすでに改装されてつくられているわけです。との二そうで一日八航程、沖合いの二百メーターから三百メーターのところに二個のケーソンをこしらえて、そこへ船をくっつけてパイプでとにかくその貯留池へ水を入れて、ヘドロがたまってしまうので水を入れてやる、送るのです。これには前から問題になっている硫化水素のガスの発生が考えられるから、それを脱水すると一緒に生石灰を使用するなり、亜塩素酸ソーダをして中和をするなり、そしてその上にはビニールをかぶせて、それで七〇%ぐらい脱水をする、それであとはどうするのだというと、あとはビニールの袋に入れて川に置くけれども、それをどこに持いていくか、そういうことはまだ聞いていないです、処理するのはお話しのように三十万トンぐらい処理できる、こういうことなんです。この程度のこれは話したのでしょう、私が言わないでも。場所だって大体どのぐらいのところか、また、あなたが土木部長から聞いているような程度のことで、ああ、そうですが、資料を持ってきてくださいよということは言わぬでしょう。そんなばかな答弁をしないようにしてください。もっと率直に言っていいじゃないですか、あなたは何も要らぬことまでよく御答弁になるけれども、その程度のことは私はわかっていると思うのです。これはもう新聞にもちゃんと出ているし、いろいろわかっている。また、この程度のことを話さないで、一体、貸してくれなんてばかな話はないでしょう。大体その程度のことはわかっていると私は思うのですが。そこで、もう少し話を進めて聞きます。間違っていたら、それじゃあ間違っているというお話であれば先に聞かしてくだざい。
  42. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) しゅんせつ船を沖合いに係留する方法等につきましても、これはケーソンを沈めてやるのか、あるいはまた別に係留をするのか、こういった点についてもなお最終的にはきまっていないようでございます。それから脱水をしたヘドロにつきましても、これもまあ袋に入れてやるのか、焼却するのか、その辺についても、県ではまだ最終的にはきまっていませんけれども、いま先生がおっしゃったようなあれは一案として土木部長から聞いております。
  43. 松永忠二

    ○松永忠二君 そういう説明をして地元で納得をしてもらいたいと言っているんですよ。それを大体、それはもちろんパイプをどういうふうにするとか、こまかいことはいろいろまだあるでしょう。そこでお聞きをしたいわけでありますが、あなたの御答弁にもありましたように、地元の住民、それから市長もそうでありますが、これ以外の方法はないのだから了解してくれということを言って、知事なり部長が来ているわけです。しかし一体こういうことをやった場合に二次公害はどうなるだろうか、つまり、硫化水素のガス、悪臭というようなもの、あるいは乾燥して飛散をするというようなことはどうなるんだろう。河川敷周辺の地下水にヘドロの汚水が浸透はしないだろうか、先ごろ検出をされたカドミウムや水銀の影響はないだろうか、お話にもあったように、ヘドロが川に流れる心配はないだろうか、浸透水によって漁業へ影響はないだろうか、一体脱水したあとのヘドロはどうするんだろうか。また三十万トンというけれどもあとは一体どうするのか、あとはどうするつもりなんだろうか、こういうことをまあ非常に心配しておる。知事は何と言ったか。増水しても貯留池に川の水が流れ込む心配はない、地下水に対して影響の心配はない、ヘドロ放棄の際に硫化水素対策、臭気などの技術的な問題は解決する自信がある、浸透水による漁業への心配はない、これ以外に方法はない、海洋投棄をするときもこれ以外に方法はないという言い方をしたわけです。それから山田土木部長は県の議会の公害対策特別委員会で、いまのところ科学的データはない、実際に投棄してみなきゃわからない。影響があれば計画を中止せざるを得ない、こういうことを答弁しているんですね。そこで一体この河川敷周辺の地質とか地下水の科学的なデータ、そういう調査したものはあるのかないのか。これひとつ局長にお尋ねしたい。
  44. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) いま先生のお話しのような問題、私どもも一番心配になることでございまして、そういったことについて脱水された水の水質の問題、これはまあかなり時間が水質試験にかかるようでございますが、月末ごろには結果が出るように聞いております。であと、これが地下水に対する影響だとか、あるいは浸透しましてやはり海に出るわけでございますが、そういったものの見通し等につきましては、少なくとも今回の問題が起こるまでの段階で、私どものほうでそういった富士川河口の地下水の動向等について調べたものはございません。したがいまして今後これをどういうふうに判断するかということにつきましては、いろいろ検討を要する問題があろうかと思います。
  45. 松永忠二

    ○松永忠二君 で、いずれそういう問題について県がデータを持ってくるんですからね。建設省は自分としてもやはりちゃんとしたものを持っていなければいけないんですね、ただ向こうの持ってきたものをただそのまま見るというだけじゃなしに。  それから現に一体日本の国にはそういうものがあるのかないのかという調査をしておるんですか。いまの政府の中にどっかに持っているところはないのか、こういうことを研究している人はいるのか、こういう地質とか地下水の調査は現状ではどの程度できているのかという、こういうことについてすでにもう用意がなきゃいけないと思うのですね。またその程度の一体調査建設省がこんな話が出てきて調べないという理屈は、私はないと思う。そういう一体資料というものはいま日本にはあるんですか、ないんですか。これをひとつ御判断を……。
  46. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 地下水の動向というのは非常に複雑でございまして、地域地域で異なりますし、いろいろまあ学問的には地下水の影響等は調べられておりますけれども、富士川河口について特にそういった過去の研究等は特にないように承知しております。
  47. 松永忠二

    ○松永忠二君 それならそれは違いますね。ここに私一つ持っているんですが、富士山城水理地質図及び説明書というのが地質研究調査所でつくったものがある。昭和四十一年に——これが当時の地質研究調査所にいた藏田という、いま工業用水の審議会にいる藏田延男という、これは理学博士ですが、通産省の技官をやった人ですが、この人を中心にして調査したものが出ていますよ、大臣ひとつ見てくださいよ、こういう地図もちゃんと出ている、あるんです。河川敷は調べませんよ、河川敷は調べていませんけれども、この辺の工業用水をどう活用するか、工業用水に塩水がどう入ってくるかということでいち早くこういう調査はやっているわけです。これまた静岡県自身だってこれをもとにしてこういう水理図というのをつくっているんですね。こういう人は現に通産省の工業用水の審議会の審議委員になっているんでしょう。こういう資料があって大体のところ——この河川敷そのものはないけれども河川敷周辺の地質と地下水の調査相当あるので大体類推できるというそういうものは持っている、というように関係者は言っているわけです。こういうことを全然まだ御調査もなければ調べてないということなんでしょうか。この中に、たとえば地質について、まあ。これは富士市富士川町の地下水を取水する深井戸のポンプというのも深度が最大百二十メーターくらい。で、この調べたのでも東海道線南に五十井戸がある。富士川以南に二十四ある。そしてその深井戸の地層はどうなっているかということも大体図示をされている。この地域のポンプは最大の地下水の利用規模を持っているものである、深さ最大百二十メーター。深く堀ってあれば一体その辺の地質がどうなっているかということは、その断層の図を見ればわかるのですね。だから地質についても、それからまた地下水の動きについては電気探査というのを使って十分やはりその辺を調べる。大体どういうふうに流れるか、どういうようになっているかということは、大体現在のところで類推できる資料がある。またもしこの場所の河川敷そのものの地質を調べようとするならば、一本のボーリングを打つということによってそこのところもわかる。それもそんなにたくさんの日数を費すわけじゃない。それからまた地下水の動きをいま調べようとすれば、電気探査をやればこれまた行なうことも容易だ。だから大体行なうとしても科学的な根拠を見出すことに困難はないし、現状で大体類推できる資料はあるというふうに判断をされているわけですね。だから、こういうことについてまだ全然建設省は用意がないんですか。これをひとつお聞かせください。
  48. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 私どもといたしましては、先生いまお話しのような、県にはいろいろ富士川の河口の左右岸についての資料があるわけでございます。したがいまして、そういったものを十分調べまして、特にまあ建設省関係でもそういった過去の文献等があれば参考にいたしまして、静岡県の結果と相まってそういった地下の水理の動向等を判断したいと考えております。現在のところは、特に私どものほうであらためてボーリングをするとかそういう計画は持っておりません。
  49. 松永忠二

    ○松永忠二君 あなたがたボーリングしろということを言ったのじゃなくて、そういう資料を全然まだ集めていない、また研究もしていない、だから出てきてから研究をするというのですか。それとも早急にやはり資料を整備をして建設省自身の判断の根拠もつくりたいというふうにお考えになっているのか。これ全く向こうまかせであって、向こうが持ってきたらばやはり少なくとも政府自身が持っている資料については一応全部集めて検討してみる、こういう気持ちがあるのか。それとも向こうから持ってくるまで待っていますというのか、その辺聞かしてください。何もあなたがボーリングしたり、地下の電気探査をすぐ建設省にやりなさいと言っているんじゃないのですよ。
  50. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 静岡県からもちろんいろいろ資料が出てくると思いますが、私どものほうでも国の機関にある資料は大いに活用をしてその辺については調べたいということで、これは現地の関東地方建設局の甲府工事事務所が所管をしておりますが、そういったところには指示してございます。
  51. 松永忠二

    ○松永忠二君 どこへ指示しているか、もう一ぺん言ってください、おしまいのほう。
  52. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 関東地方建設局甲府工事事務所が、富士川の河川管理をしておりますので、そういったところでいろいろと国の機関の資料等につきまして富士川に関するものを集めて判断の参考にするように、ということは指示いたしております。
  53. 松永忠二

    ○松永忠二君 それでは、そういうものをきちっとしておかないと、少なくも建設省自身がちゃんと説明できるようにしておかなければいけない、これは当然なことです。それにしても少し準備がおそ過ぎるんじゃないかという感じがいたしますね。そこで、これらの人々の言っている事項を一、二申し上げますので、これについてお聞かせいただきたい。  もしヘドロを河川敷に、いまちょっと話に出た地質によると、これはもう大体百メートルから八十メートルの間は玉石と砂利、砂の混合したものである。その間にときどき粘土と砂利のまざった層がところどころにあるという。だから大体百メートルくらいの下まで大体同じようないわゆる砂れき層である。これも大体もうどこの人も言っているし、現実にここにたくさんの資料ありますけれども、掘った井戸なんかでもほとんどみなそういうふうな状況になっている、だからもう大体これは判断ができるわけです。そこでそういうのと同じように、大体河川敷もそことたいへん違っているということはない。大体百メートルから八十メートルくらいいわゆる砂れき層がつながって、その間にところどころ粘土が少し混合してまざっているという程度というのですね。そこで、とこへもしヘドロを捨てた場合にどうなるかというと、この砂れき層で相当深いから効果があるから落とそうということでしょうが、ヘドロ自身は非常にこまかい粒子であるので、初めはよく水を吸うかもしれんけれども、四、五メートルのところに厚い層ができて、それからあとは浸透をしないのではないか。つまり、初めは水を非常に吸うけれども、四、五メートルのところが結局ヘドロがこまかい粒で砂れきの穴が埋まってしまって、そこに層ができてそれ以上は吸わないんじゃないか。結局、結果的には天日でかわかすことになりはしないかと思う。それから、そうなった場合に、一体ヘドロはどういう化学的な変化が起きるか調査をする必要があるということも一ついわれている、これはやはり地質の学者の説明です。われわれの大学にもさまざまな者がいますから、そういう人の話では大体そういうふうに、だからやはり実験をしてみなければできない。いま田子の浦の港で小規模な実験をしているようですが、そういうことを一つ。それから地下水について、一体ヘドロの汚水は浸透してくるかどうかという、これについては私自身もその場所に行ったのですが、河川敷は非常にところどころ砂利を取ったから掘れているわけです。掘れた深い穴の中に四、五メートルのところに水がたまっているわけです。それからからまた河川敷の堤防の横には砂利の採取工場がある。そこにも大きな穴があいてそこの四、五メートルのところに水がたまっているわけです。だから四、五メートルの下には水がたまっている。というのは、それはどういうことかというと、ちょうど川の水の高さと同じなんです。それから海水の面と大体同じ、海がすぐそばですから。表層地下水というそうでありますが、表層地下水の水位は低くて大体四、五メートルじゃないか。そうするとヘドロの水はその水位まで下がって、それでその水位に従って横に広がってあるいは川にその結果水が流れるか、海のほうにいくか、陸にいくか、いずれかです。そういうようなことが考えられる。しかもこの堤防のすぐそばの砂利採取の工場ではこの水を井戸を掘ってそれを生活用水に使っているわけですね。それからこれとちょっと南のほうの三四軒屋というところに相当人家があるわけですが、これには水道はきているけれども、半分くらいの人は井戸を掘って生活用水に使っている。十メーターくらい掘れば簡単に水が出てくるという地域なんです。一つの点は非常に表層地下水は水位が低いということを言っているのであります。これは行って見ればすぐわかるのです。それからその次には、この表層の地下水は砂れきの層のために水位が下へ下がることになる。そうしてその表層地下水は下へ下がって深層地下水に吸い込まれることになる。砂れきの層だから吸い込まれることになる。すぐその横はたんぼですけれども、夏はたんぼの水があるので、ある程度たんぼの水でその上からの表層地下水から下の深層地下水にいくことはそこで補われているけれども、冬はたんぼの水がないので表層地下水のいわゆるヘドロの汚水が吸い込まれるということが大体考えられる。だから深層地下水のほうへ表層地下水から下へ砂れき層を通じて下へ下がっていく。つまりそれも片方に夏であるならばたんぼに水があるけれども、水もないからこれは一そう楽に地下水の水位が下がっていくことは大体考えられる。またもう一つは、地下水は常に上流から下流に流れるものじゃなくて、水位の高いほうから逆流して水平になることがある。富士川の河口では満潮のときは海のほうが水位が高いので、逆流して富士川の左右岸は同一の水で水平になると考えられる。だから満潮時には海のほうの水位が高いから逆流して、その浸透した地下水はずっと広がるという。しかもその地下水を富士川町や蒲原町が上水道に使用している。それで結論的にはこういうことを言っているわけですね。富士川の河川敷にヘドロを捨てることを認めると、いますぐ地下水を汚染するとは考えられないけれども、長期的に必ず地下水が汚染されることは間違いない。だから多数の関係者、こういうものを研究している者、ABCの立場から河川敷にヘドロを捨てることは絶対してはならないということを力説しているわけですね。私たちこういうことについては詳しいわけではありませんけれども、私自身行ってみて表層地下水が非常に水位が低い、すぐ四、五メーターで水がはけてない、たまっているという状態。あるいはまたすぐ川に、海の満潮があってその水位、表層水位なり地下水が横に広がるというようなことも非常によく私どもわかる。常識的にもわかる理屈だと思う。もともとヘドロの汚水というのはどろの水じゃないわけですね。つまり有害なものを含んでいる汚水です。それがこういうふうなことをしていることによってすごく影響があると関係の学者、特に比較的その他下水とか水理とか、そういう面では権威を持っているような学者の人や、そういう人がそういう説明をしているわけですけれども、この理屈の中で、こういう説明の中でどうもそれはおかしいのじゃないかと思うようなととがあったら、ひとつお教えください。あるいはまた常識的にはそういうふうに考えるのが妥当だというふうにお考えになるのか、この点はいかがでしょうか。あるいはそのほかの何かお考え方があれば、ひとつお聞かせ願いたいと思う。
  54. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 常識的にはただいま先生のおっしゃったようないろいろな問題があろうかと思います。したがいまして、そういったものが具体的にどの程度の影響度になるのか。そして現在の田子の浦にあのまま放置されておるのとどちらのほうが大局的に見ていいのか、そういったやはり総合的な判断が必要かと思います。
  55. 松永忠二

    ○松永忠二君 そういう判断をするにあたっては、こうしたその地下水とか地質の関係の学者等にも、建設省としては意向を聞く用意がありますか。
  56. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) もともと河川といたしましては、やはりこれは公共的なものでございますので、生活環境上こういった処置をするということは、基本的にやはり好ましいことではございません。したがいまして、できればまあそういったことはしたくはないのでございますが、やはり公害対策の大きな立場から考えて、われわれも協力をせざるを得ないのじゃないかという気持ちを持っておるわけでございます。したがいまして、そういった総合判断につきまして、静岡県の当局としてもやはり地域性の非常に強い問題でございますから、いろいろ県として検討をしておられるわけでございます。そういった中で、河川の管理の立場からも、私どもは一緒になってそういったことを十分検討した上で総合判断をしたいと思っております。
  57. 松永忠二

    ○松永忠二君 私の聞いていることに大臣ひとつお答え下さい。一体、こういう判断を建設省が総合的に下す場合に、こうした関係の権威ある学者とかそういうような者にも意見を聞くという用意があるのかどうか。
  58. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) この田子の浦のヘドロ対策の問題は御承知のように……
  59. 松永忠二

    ○松永忠二君 質問した範囲で。またあとで質問しますから。
  60. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) それに答えるには前提もあるから、それも聞いてください。御承知のように、これは非常にその公害問題も深刻な問題として取り上げられて、地元のみからず国としてもこれは非常に重大な関心を持ち配慮をしているわけでございます。現在のところ、これは内閣にある公害対策中央本部においてこの問題を取り上げて、そしてあるときは、これは海中投棄その他いろいろの手段を講じているが、なかなかこれがきめ手というものが出ないので、こういうものが出てきていると思っております。したがいまして、この田子の浦のヘドロ対策は、静岡県当局と、これは政府全体の総合的な対策としての公害対策中央本部でやっていることであります。その中央本部において地元と協力の上、これがいろいろの手段を講じた上で富士川の河川敷を使わしてほしいというときになって、初めてわれわれの具体的な問題になると私は考えております。  建設省の本来の立場は、御承知のように河川を清潔にかつ治水利水の両面から保全することがわれわれの任務でございます。したがいましてこういうヘドロのようなものをあそこに置くということは本来好ましくないということは、河川局長の言っておるとおりであります。ただ、いまのヘドロ対策上あらゆる方法をやってみた結果、現在の段階において事後の処理等も含めて、化学的な処理あるいは物理的な処理等をやった上に、一時あそこを使用さしたほうがよろしいという結論が出るならば、国の行政機関としてそれに協力することはやらなきゃならない、こういう立場でございます。したがいましていまの松永さんのお話は、そうしたものが、だんだんこの議論が煮詰まってきまして、そうした上に関係当局においてもやはりあそこを使う以外にないという段階になった場合のことをお聞きだろうと私は思います、具体的に私に対する御質問は。その際において、そうした地質学者とか、あるいはいろいろの水質関係の学者の意見を聞くかどうかということでありますが、それはおそらく公害対策本部において当然やることだと私は思っております。その前に私のほうがいますぐに私のほうでやるかというと、私のほうとしてはむしろこれは公害対策中央本部でやる、あるいは厚生省なり通産省なりそうした方面の関係の方面で結論を出す場合に、その手段がとらるべきである、こう思っております。  先ほど来の御議論を聞いておりますと、実は私のところへは竹山知事もだれも来ておりません。おそらくいままでのお話でもおわかりのように、静岡県でもほんとうに苦労なさっておって、まあ、いまのところややとれがよさそうではなかろうか、ついてはあそこの河川敷を利用させるためにひとつ予備的な交渉としていろいろ考えてみて、もしそういうことになるかもしらんから、その場合のときにはよろしくということで、これは一つの予告的な交渉があったものだというふうに私は理解しております。実は竹山知事が建設省に来たという話でございましたが、実は新聞記者団のほうからもどういうような返事をしたかと聞かれたが、私のところには来なかったよ、おそらく竹山知事さんも、直接私のほうに来るべき段階でない、筋合いでないということを理解しておるだろう。問題は私のところに来る前に公害対策本部においていろいろ具体案が煮詰まった上で、そこを利用させてほしいということが知事さんだけではなく、公害対策中央本部において出たときに、これが初めて出てくる、こういうふうに理解していいんじゃないかということで、私はそのときに記者会見をいたしておる次第でございます。したがいまして、いまの段階ではおそらく私のほうに来る前に、公害対策本部において、それこそ総合的に、各省から御承知のように専門的な人たちが集まってやっておるところでございますから、そしていままでヘドロ対策を最も重要な課題として公害対策中央本部でやっておることですから、その議を経て初めて出てくる、こう理解しておる次第でございます。
  61. 松永忠二

    ○松永忠二君 大臣の言うことは、私はそれは納得できませんが、大臣の見解の中で、私が聞いたようなことについては公害対策本部がきめる際に十分検討することであるし、そう解すべきだと、こういったことについては私もそうだと思います。これについて公害対策本部の関係者に大臣と同じような見解であることを聞かしていただきたいことが一つ。  それから大臣、もう一つの点はおかしいと私は思いますね。建設省がとにかく所管の責任者ですよ。したがって河川敷使用の問題については、国といえども一応建設省の見解を中心にして、そしてまたこれを総合的に内閣の公害対策本部できめていく筋合いのものだと思うのですね。それくらいの建設省の見識があって私はいいじゃないかと思うのですね。また少なくとも公害対策本部がこれをきめるにあたっては、建設省関係者が必ずそこに入ってもらって、そしてその上できめていかなければならない筋合いだと思う。その際、やはりそういう点について責任を持って、とにかく河川敷をなぜ貸したのか、こうだから貸しましたということを言う責任は大臣にありますよ。
  62. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) それは……
  63. 松永忠二

    ○松永忠二君 いや、ちょっと待ってください。このことは公害対策本部できめることだ、私のほうはその後なんだ——その後なんだというか、私のほうには来ない、来ないというのもおかしな話だと思うのですね。私は少なくもそういうふうな措置については、まず先にそういうところに来て、それでそこで話をして、そこでいきなりだめという場合もあるだろうし、そこで片方へ持っていってくれという話もあるだろうし、これは私はあとで聞きたいと思ったのだけれども、山田土木部長というのはこう言っているのですよ。「関東地方建設局河川管理課では、二次公害の発生するおそれが強いので受け入れるわけにはいかないが、本省に基礎データを送って本省の判断を仰いでいる」と、こう言っているのです。それからこれは川崎局長のこともこう書いてある。「再びヘドロのしぼりかすが富士川河口の一帯に流れ出て汚染の範囲が広がるおそれがある。この場合、水質への影響について県の調査結果が出ていないのですぐ認められない。公害対策本部で河川敷以外に方法がないという結論が出れば、一次的構想として具体化するということを検討している」と言っているのですね。しかしその新聞紙上には、「建設省公害対策本部の判断に一任する」というような表現もしているわけなんです。私は、その公害対策本部が、決定にあたって、こうしたおそれのあることをすでに言っている人もあるし、相当それは権威のある学者である。いま研究して、すでにいろいろ調査している人だからこういう人の意見を聞くのは当然だという大臣の言われることはよくわかる。また、しかし同時に、私は少なくも建設省が結論を出すにあたっては、ただ対策本部がこうきめたからこうきめましたというのじゃなくして、対策本部がこれだけの措置をし、われわれもこういうふうなことをやったということもいいし、あるいはまた最終的な段階で、とにかくわれわれの責任のあることだから、そのことについてわれわれとしてもその段階で十分考えて措置をしたいというならわかるけれども、ただいまの大臣の話によると、私のところへ来るまだ段階じゃないような話をする。これは少し筋が違っているのじゃないですかね。その点はいかがですか。まず大臣に聞いて、それから公害対策本部から……。
  64. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように、公害対策本部を設けたときにあたりましては、各省がばらばらのやり方では公害対策ができない。そこで、総理大臣を本部長とし、副本部長を山中総務長官が担当する、各省からそれぞれの公害に対するいわば各省を代表する程度の権威ある中堅というか、幹部役職員を集めて、そこで総合的にかつ具体的にやっていくんだと、こういう立場に立っておるのです。したがって、しかもこの経過的にも、田子の浦問題は、あれは運輸省の港湾局がやっているわけでもなければ、あるいは水産庁でもない。直ちにこれは公害対策本部が基本的な取り上げ方をしていると、こういう経過からいっているわけです。そういう意味において、田子の浦のこの問題については、あるときは海洋投棄、あるときはあすこの港の一部を閉鎖する、それができないから、今度これはどうかということで検討しておる段階です。ついては、静岡県としてこういう構想があるがまだ結論は出ていないけれども、その際に富士川の河川敷を利用したいという一つの案もあるが、それについて予備的に話がきたと、こういうことでしょう、そういうことなんですよ。だから、私がそういうふうに答弁したのでありまして、私が逃げるとか逃げないとか、そういうことじゃない、この点はよく理解していただきたいと思います。しかも、あなたが非常に詳しく御研究になって御追及になっているように、これは化学的な反応、それは地下水がどういうふうな流動をし、それがどういうふうに影響するかということは、これが全然対策本部とか何もなくて直接にここに問題が出た場合には、これは建設省が水質を保全し、かつ河川の清潔を旨とする立場から、単独でもこれはやらなけりゃいけません。いまやこれが当面の問題として、それこそ厚生省も建設省も、それから水産庁も、さらには科学技術庁もみんなやっていることですから、それこそそこでこれを深刻に取り上げて、しかもそれを結論を出すときには、あなたの言われるように各方面の意見を聞いて結論を出す、そうした結果、あそこの河川敷を利用すればいいというときに、初めて私のほうがそれに対応する措置を講ずるという段階ではなかろうかということを申し上げたのでありまして、これは何も責任転嫁だとか、いやいまそういうことを考えるのはどうも見当はずれだというようなことにはならないと思います。問題はこの問題をどう具体的にやるかということについて、そういう方面の意見も聞いたらいいということがあなたのおそらく要点でしょうし、私はそういう意味においてその責任がどうとかいうことではなかろうと思います。みんなこれは国をあげて協力しなければならぬことであるし、そしてまたあなたもそれゆえにこそいろいろな学者や専門家の意見もお調べの上にお進めになっている、こういうふうに理解している次第でございます。
  65. 松永忠二

    ○松永忠二君 大臣の、その建設大臣の言われたことについてあとから聞きますから。
  66. 植松守雄

    説明員(植松守雄君) この富士川の河川敷の問題でございますが、海洋投棄という問題が御承知のような経過をたどった結果、まあ陸上処理ということでこの問題を打開しなければならないということになりまして、県が考えました陸上処理として一番現段階において適当と思われる方法として、県が考えついて政府側へ申し入れてきた問題が、富士川の河川敷を利用してそこで天日乾燥するという問題でございます。ところがこれにつきましては、いろいろな技術的な検討をしなければならない問題がございます。一つは、先ほど来御議論のありました地下水の調査でございます。さらにその後になりまして、田子の浦港からカドミウムとかあるいは水銀が検出されるというような状態がございますので、その辺について詳細な再調査をしなければならないといったような問題、それからさらに単にこの地下水の調査だけではございません、天日乾燥でございますから、富士川敷にヘドロというような形で九五%ぐらいの含水率のものを持ってまいりますから、その水が河川敷に浸透してくる、それが海洋に当然流れ込みます。その場合にCOD等による水産物被害の有無の問題、こういう問題を検討しなければならない。他面におきまして、さらに船で運ぶわけでございまして、この船で運ぶ過程におきまして硫化水素をできるだけとる方法を考えたい。このためにはヘドロを運搬する船にコンプレッサーで空気を送り込むことによってそれで硫化水素をとっていく。さらにそれだけではどうも十分ではないようでございまして、陸地で消石灰を使ってとるというような方法を考えなければならない。さらに富士川敷における接岸の設備を整備しなければならない。検討しなければならない問題がいろいろあるわけでございます。それらにつきましてそれぞれ担当をきめまして、県と十分協議をして、それらについていま鋭意検討中であるという段階でございます。他面、建設省のほうからは河川の管理者という立場において、河川にこういう汚物を捨てること自体ははなはだ好ましくない。しかし全体の陸上処理というのがいろいろ煮詰まってきた結果、結局河川敷に暫定的にでも投棄する以外に方法がないということであるのかどうなのか、その辺の判断を公害対策本部にいま求められておるわけでございます。  そこで、われわれといたしましては、その問題につきまして、ただ一般的に大所高所から判断するというわけにはまいりませんので、いま申しました技術的な方法を詰めなければならぬ。詰めた結果、そういう方法が十分可能であって、被害をなくして処理することができるかどうかということを詰めた上での判断でなければならないということでございます。そのほかに、もちろんこの対策といたしましては、たとえば脱水機でヘドロを脱水して、七〇%ぐらいの含水率に脱水するという方法もいまあるわけでございまして、その辺のことも実はあわせて検討いたしておるような状況でございます。いずれにいたしましても、建設省からその辺の判断を、関係各省と相談をする調整の中心になる役所として公害対策本部に持ち込まれていて、われわれはいま県がそういう準備を現在やっておりまして、それらを随時連絡をとりながらその結果を待っておるという状況でございます。それらの結果が集まったところで、関係各省と協議をして判断をしなければならない。その意見建設省に申し上げるというふうなことの段階と了解しております。
  67. 松永忠二

    ○松永忠二君 そうすると、そういうふうな科学的なデータですね、こういうものが明確でなければならないということ、それについては、先ほど話に出たこうしたものを、すでに調査をしているもの、そうしたものについてのひとつの学者の意見も聞くというようなことも、もちろんその中に入っていると思うのです。同時にそういうような科学的なデータがあるということと一緒に、それを判断するにあたって、当然これは地元でも要望しているし、当然なことだと思うんだが、一体乾燥したものをあとどうするんだ。つまりビニールの袋に入れるんだという話だが、それを一体どうするのか、そういう処理のしかた。それから、三十万トンはそれでやれるとしても、一体あとどうするのか。ただそこだけを、三十万トンだけやるのかということになると、巷間でもいろいろなことを言っているわけですよ。つまり八億にのぼった金があって、チャーター料が一日百万もかかるので、船を使わなければ、結局その金が毎日出ているわけですね。そうすると、ぐずぐずしていられないということで、船を使うための一つ方法としてまずそういうことを考えたんじゃないかというような言い方もしているわけです。これではやっぱり納得ができないので、たまっているヘドロを一体どう最終的に処理をしていくのかということと関連をして、まずこの問題をやるというこの点ですね。科学的なデータを持っているということ、もちろんさっき大臣言ったとおり、関係の学者の意見を聞くということもその中に含まれるでしょう。と同時に、一体乾燥したものをどう処理をしていくのかという問題と、それから三十万トンの処理だけじゃなくて、一体そういう形でやるとしても、最終的にヘドロをどうするんだと、そういうことと関連をして一つの案が出されてきて、その案で説明していくことが必要だと思うのですが、この点について、大臣ひとつそういうことについてはどうお考えになりますか。両方から聞かしてくだざい。あなたはとにかく建設大臣ですからね、国務大臣でもある。当然その科学的なそういうふうなものをきちっと持っているということと、同時に処理をした乾燥したものをビニールで包んでそのまま枯れさしてただおく、それからあとのことはこれから考えるというんじゃ困る。それから、ただ、いまその船を動かして一時それをやるということじゃなくて、やっぱりこういうやり方でやりたいという、そういう基本的な処理のしかたの関連としてその一つを取り上げていくという考え方でいかなければできぬと思うのですが、この点についてはどうでしょう、公害対策本部のほうから聞かしてください。
  68. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 国務大臣だから何でも聞いてもいいけれども、やっぱりおのずから担当がございまして、そのために公害対策については山中国務大臣が主として当たる。
  69. 松永忠二

    ○松永忠二君 来ないんですよ。
  70. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 来なければ来てから聞いてください。私がいま答弁するには、その問題については必ずしも適当ではない。ただ私は、いま御指摘になった学者の意見を聞くということは、これは必要だと思いますが、その聞き方にもいろいろあると思うのです。公害対策本部で学者の会議を開いて学会でも開くという意味のことでなくてもいいのではないか。それぞれ学者にも、必ずしも大学の学者でなくてもそれぞれの政府研究機関の学者もあるでしょうから、おそらくそうしたものを各省のほうで取り上げてやっていくだろうと思います。  それからこの問題は、私から申し上げるまでもなく、実はいま公害対策本部の最も難問題で一番重点を入れているものだと思います。公害には大気汚染もあれば、水質汚濁その他もあるわけですが、一番いま政府が取り組んでいる公害対策の中で最も難問題、それだけ重点を入れているということでございますので、おそらくこれは各省の関係することでございます。御指摘のようにいま河川敷の問題が出たから建設省がクローズアップしているけれども、それは場所との問題で出てきたのであって、一番基本的な問題は、やはり海洋投棄すれば漁業等に関係してくる。それから港の機能がだめになるということ。それからあそこの流域の問題ということできたことでございまして、この処置はやはりかなり技術的な、あるいはまた公衆衛生上の問題でございまして、したがって、そういう方面の研究が一番大事ではないかと思います。その意味において陸上処理ということが出てきた。ただ陸上処理という場合も、これが富士山麓まで持っていくというわけにも、なかなかものがものであり運搬方法がない、周辺に置いておくと周辺では困ると言う。そこで結局公有地で、私有地であらざる公有地で相当の面積のあるところで、しかも運搬上楽なところということで富士川のいわゆる河川敷というものになってきたのであろうと思います。しかし、これは場所が問題ではもちろんありますけれども、それ以上にヘドロそのものをどういうぐあいにして処置するかということが重点だと思いまして、そちらのほうの結論を導くことがまず第一というふうに、私は考えておる次第でございます。
  71. 植松守雄

    説明員(植松守雄君) 確かにおっしゃるように、今回の富士川敷を利用して処理をできるのは三十万トンというふうにいわれておるわけでございます。田子の浦港におけるヘドロは八十万トンないし百万トンということで、いまその全体の処理計画といたしましては、現在の方法だけでは不十分でございます。それを一体どうするかという問題、実は率直に申しまして、県自体は現在の富士川で一刻も早くそういう方向で解決の曙光を見出したいという気持ちがございますので、そちらの方面に全力をあげて、先ほど申し上げましたような各方面の研究をしておるという現状でございます。しかし、最終的な処理としてはそれでは足らないということも明らかでございます。それをどうするかという問題、いまこれは内々考えておるやり方は、やはり結局脱水機によって脱水をしていくという方法を考えざるを得ないのではないかと思います。そこで問題は、現在御承知のようにあの周辺に百五十くらいの紙パルプ業者がございます。工場がございます。そのうち大企業はみずから処理施設を設けて最終処理までして廃水を処理するという形になっておるわけでございますが、中小の業者につきましてはそういうわけにまいりませんので、岳南排水路の終末処理ということで一括受けて、そこで終末処理をして、規定の基準まで廃水を浄化したものを、それをエッセンスをとったものを放出するという形になろうかと思います。そこで、終末処理と申しますのは、沈でん池とか、あるいは脱水機とか、あるいは焼却炉ということになると思うのです。そこで脱水機を結局終末処理場について設けなければならぬという、その終末処理とひっかけて、終末処理場に設けるべき脱水機とひっかけて、脱水機をいわば他の施設に先んじて設備をして、それで湾内のヘドロが処理できないかということを考えております。この場合一番問題になるものとして建設省のほうで指摘されておりますのは、やはり海水による腐食の問題でございます。それに耐えるような材質の脱水機をつくらなきゃならないということで、機種選定、技術的な検討をいまやっておるわけでございまして、これをできるだけ早く機種の選定に持ち込んで、終末処理をそういう形で先取りするという形で処理をしていく方法を考えなきゃならないのではないか、というふうに考えております。  これはしかし内々の話でございまして、そういう方向というのが確定的にまだ打ち出されているというわけではございません。  それからもう一つ、この富士川原にとにかく処理をした三十万トンのヘドロというものをその後どうするかという問題でございます。これにつきましては、含水率九〇ないし九五%というヘドロを当初は持っていくわけでございますが、天日乾燥によってそれをだんだん凝縮していくわけでございます。含水率八〇、できれば七〇くらいまでにしようということを考えております。七〇にいたしますと、おそらく一月近いぐらいの乾燥をしなければならないのではないかと思うのです。七〇にしますと、容量にして現在の三分の一になります。ビニール云々という話が出たのは、七〇くらいに乾燥した場合にはビニールに包んでほとんど無害にし得るというような実験がございますので、その辺の話が出ておるのではないかと思います。いずれにしましても、八〇ないし七〇、できれば七〇くらいにそれを乾燥いたしまして、その後の処理を考えなきゃならない。その後の処理をどうするかと申しますと、これは一番望ましいのは、埋め立てに利用する方法でございます。その方法も県のほうでいろいろどこに持っていくかということを検討いたしております。しかし、それがもしできなければどっか——やはり七〇になりますと、相当これはかちかちのものになるわけでございますから、しかるべき設備で処理してどっかにそれを移すということも、富士川の状況によっては考えなきゃならないというふうに思っております。その辺はなお先ほど申しましたいろいろな検討項目に加えまして検討中の項目でございます。
  72. 松永忠二

    ○松永忠二君 大臣に一々何もかも聞くというお話もありましたが、私が言っているのは、それほど技術的なことを言っているわけじゃないんですよね。政治的な判断として、われわれ常識的な判断としてこの程度のことはちゃんと知っておかなきゃいけないんじゃないかということを聞くので、大臣にお聞きしておくのであって、何も技術的にどうこうということまで大臣にお聞きしているわけじゃない。だから、いまのお話でとにかく科学的なデータをきちっとするということと、それから処理したものを、三十万トンのものをあと一体どうするかという問題と、それから同時にまた——いま大臣が言ったとおりにこれだけ問題になっている問題でしょう、処理に困っている問題でしょう、私だってこれを何とか処理しなくてはいけないということで質問しているわけだけれども、それならそれほど拙速なことはできないわけですよ。やはりじっと、比較的急ぐとはいいながらも、しっかりしたやはり調査と試験もして、そうしてだれもが困っているというか、解決できない方法を解決しようというのに、さっと持ってきて川原へ干しておいたらということにはいかぬと思うので、こういう点についてはやはりもう少ししっかりした時間的な余裕を持って解決をきちっとしていかないことにはならぬと私たちは思うんです。少なくもいま言ったようなそういうものをきちっとした上で結論を出していくという方向をとっていかないといけない。またそういう結論が出た場合においても、これを責任を持って説明をし得るという状況でなきゃできない。また現に、そういう学者の意見もあることであるので、特にそういう人などの意見を私たちが聞いておくのは当然だと思うので、こういうことをそういう意味で私はお聞きをしたわけです。  そこで、もう少し話を詰めてまいりますが、たとえば硫化水素ガスの対策をやるといって、いまお話のあった消石灰を利用するという話だが、その場合には一般的にこういわれる。廃液と完全に反応させるためには十分攪拌をしなければいけないということですね。あるいは次亜塩素酸ナトリウムというのは比較的高価であって、小さい小規模な中和には利用されるけれども、非常に大きなものには利用が非常に困難である。いままで使っていた二酸化鉄をやってみたけれども、これはあまり効果がないということがわかってきた。そこで今度の場合には次亜塩素酸ナトリウムを使うか、あるいは消石灰を使うか、その場合でもそういったような条件があるので、はたしてこの硫化水素対策が十分できるのかどうかという心配がある。こういうことについての見解もひとつ私は聞きたい。当面建設省は一応検討すべきであるというふうに思っていたのでありますが、大臣の話では向こうで検討するという話ですから、公害対策本部のほうからその答弁をしていただきたいと思うのです。  時間がありますのでもう一つ合わせて。いま話に出ているように、八月中にヘドロを分析したところがカドミウムが出てきた。これがきめられている基準の〇・〇一PPMに対して五十倍の〇・五PPMであるというととが当時新聞に出た。水銀は含んではいけないのに水銀も含んでいた。こういうことであるが、一体この結果はどうなっているのか、こういうことについて通産省のほうからお聞かせをいただきたい。  通産省にこのことももう一つ聞かせてください。通産省は富士地区の製紙工場の緊急汚水処理状況を調査した。その結果いろいろSSのカットの状況もわかってきたが、十月はずれに県の紙業協会が大手の製紙の報告に基づいてまとめた削減率というものは二九%にしたい、SSを二九%にカットしたい、こういうわけだけれども、結果的には中小と合わせて大体二〇%程度のカットじゃないかと言っている。中には、中小のほうではこれのカットについて積極的な態度があまり見られないという点も出てきているのだが、通産省の先ほどのカドミウム、水銀の分析というものは一体どうなっているのかということと合わせて、通産省が調査した結果に基づいて、これは自主的なものであるとしても、このカットについて積極的に施策をしていくというそういう用意があるのかどうか、この点をお聞かせ願います。まず公害対策本部。
  73. 植松守雄

    説明員(植松守雄君) いま申されました硫化水素対策をどうするかという問題であります。これにつきましては、当初実は考えましたのは、船というのはただ運搬するためだけに使うのではなくて、船を硫化水素を取るための工場として利用するという発想が当初一つあったわけであります。それは船倉に大量に空気を吹き込みまして一度曝気をいたしますと、そのことによって硫化水素が取れるということでございます。そういう方法をもちろんわれわれあきらめておりません。これは一番金のかからない方法でございます。しかしそのためにポンプの設備等に相当大がかりなものが要るということで、その辺についてなお技術的な検討が進められておるということでございます。そこで現在は、船で取れればそれにこしたことはないのでございますが、陸上処理をした段階で中和剤をそれにまぜて処理をするということをやはり用心して考えなければいけないということでございます。その場合に、さっき先生おっしゃいました次亜塩素酸ソーダということは確かに高価でございますし、さらにそれに中和することによる第二次公害の発生も問題になっております。そこで消石灰を使うということに現在そういう方向にきめておるような状況でございます。消石灰でございますと、金額的にはそれほどのものではないと聞いております。おそらく全体三十万トン処理するのに一千万ぐらいではないかというように見込んでおりますが、その消石灰によって処理をする、そのことに伴ういろいろな問題があるというお話でございます。その点につきましては、いままで県が種々の実験をした結果によりますと、その技術的な方法についてはまず自信を持っていいのではないかというようにわれわれ聞いておる次第でございます。
  74. 根岸正男

    説明員(根岸正男君) ただいま御指摘のとおり、新聞紙上で田子の浦のヘドロ中でカドミと水銀が検出されたという報道があったわけでございますが、一応水銀の数字は、一番高いところで〇・〇〇九、それからカドミが一番高いやつが一・二PPMという数字がございました。これは水銀につきましては自然状態で存在しますものと大して差がないわけでございますが、カドミにつきましてはやや高いということはこれは事実でございます。そういうことでございまして、この発生した原因ということについて、まあ県当局ともいろいろ連絡しまして調査してまいったところでございますが、このときにこういう数字が出ましたサンプルをとりましたのは八月ごろで、十月に発表されたわけでございますが、その間、県でも各河川とそれから岳南排水路の末端その他のところで八月、九月と水質調査をしておりますが、そのときにはまだそういう重金属関係の検出がされておりません。それから十月にやはり県の製紙科学研究所で各河川の河水、ヘドロ、それからたんぼの土壌等を分折いたしましたところ、カドミと水銀の検出がないということが報告されておりまして、しかしいずれにしましても、いま申し上げましたように、カドミがやや高いということで、これは重要な問題でございますので、今後とも県とも十分連絡をとりまして、分析を継続的に実施いたしまして、そういう原因あるいは対策を十分とってまいりたいというふうに考えております。  それからその次に御質問のありました製紙業界の自主調整の問題でございますが、これは私のほうにまだ正確に報告を受けておりませんので、あるいは私の記憶に間違いがあるかもしれませんが、一応最近の状況では二七%ぐらいのカットになっておるというふうに聞いておりますのでございますが、この辺、至急十分確かめまして、また御報告さしていただきたいと思います。
  75. 松永忠二

    ○松永忠二君 そうなると、カドミウムが相当高いというようなこともあるわけです。しかもこれがどういうふうに地下水に影響するかという問題も十分検討する必要がある。しかしその岳南排水路とかあるいは潤井川の上流にメッキ工場が相当あるんでしょう、関係の工場が。それで私通産省と厚生省にお聞きしたいのでありますが、厚生省の環境衛生局長の都道府県知事への暫定対策指示というのがカドミウムについては出ている。水銀についても四十三年八月に暫定対策要領というのが出ているわけですね。で、相当当初に検出されたものについては水銀も含まれておるし、カドミウムは相当高いというようなことで、こういういわゆる都道府県に出した暫定対策指示とか暫定対策要領に基づいて早急にこの岳南排水路や潤井川の関係の工場の調査をすべきだと思うけれども、この点については一体厚生省、通産省、どういうお考えを持っているのでしょうか。
  76. 根岸正男

    説明員(根岸正男君) ただいまの重金属関係調査の問題でございますが、御承知かと思いますが、最近、今年度重金属関係では特にカドミを取り上げまして、総点検いたしまして、その結果、非常に成績が悪く、かつ東京管内あたりが非常に違反している件数が多かったわけでございますが、これにつきましては、直ちに分析のできた結果がわかった時点から、都道府県、事業所に連絡しまして至急改善の措置をとるように、あるいはこれは権限が都道府県に委譲されているものでございますので、都道府県から厳重に措置をするように連絡をして実施してまいっております。それから水銀につきましても、引き続きましてそういう総点検という形でただいま実施している状況でございます。
  77. 松永忠二

    ○松永忠二君 岳南排水路や潤井川のところでそういうことをやるんでしょうね。
  78. 根岸正男

    説明員(根岸正男君) 排出する工場がございますれば、それはもちろん入ります。
  79. 山本宣正

    説明員(山本宣正君) 厚生省がカドミウムにつきまして暫定対策要領という局長通知を昨年出しておりますが、これにつきましてはあくまでも住民の健康ということを中心に考えまして、その要観察地域を指定していくという方法で点検をしておるわけでございますが、その要点といたしましては、特に自家保有米の中に含まれますカドミウムの濃度、それから住民の検診の結果得られました尿中のカドミウムの濃度等を一つの指標にいたしまして、その地域の汚染度を考える。さらには大気の中に粉じんとして入っておりますカドミウムの量をはかりまして、それらの三つのいずれかを指標にいたしまして要観察地域にする、こういう方式でございます。現在までのところこの地域におきましては、産米等からのカドミウムにつきましては問題がないように私は県から聞いておりますので、それをざらに進めることを現在この地域ではしておりません。おそらくヘドロの中の含有量から考えまして、この数値が若干高いとはいえ、そう他の場合に比して高くはないように私は判断しておるわけでございます。なお、県にその点十分調査を考慮するようにさせたい、かように思っております。水銀につきましても、これまた暫定対策要領を出しておりますが、これは特にいままで水銀による健康被害の問題は、魚類からメチル水銀を摂取するということによって起こる問題がございます。したがいまして、魚類の調査をして判断をするということでございまして、先ほどヘドロ中の水銀濃度が〇・〇〇九PPMという数字が発表されておりますが、これは私どもがいままでいろいろの点から調査いたしましたヘドロの中の量としてはきわめて少ない量のようでございまして、一応この程度のものでありますならば、その地域に魚類が生息しているといたしましても問題なかろう、かように考えておるわけでございます。
  80. 松永忠二

    ○松永忠二君 通産省のほうで調査をしてもらうということをきちんとやってもらうと一緒に、厚生省もそう簡単にお考えになってもらっても困るわけです。またそれは一体どこでそういうデータを取り入れたのか、県のほうからその調査が出たんでしょうか、それとも御自分が調べての話でしょうか、どうなんですか、それは。
  81. 山本宣正

    説明員(山本宣正君) ただいまお答え落としをいたしましたが、田子の浦のヘドロの中の有害物質の問題につきましては、県の衛生研究所にその分析を現在指示しておりまして、その結果を待つということにしたいと思っております。
  82. 松永忠二

    ○松永忠二君 そういうふうになっているんでしょう。だからそんな、たいしたことありませんというようなことで先に結論づけるのではなしに、そういうことをいまやっている段階ですね。私たちもう少し早くその書類を出してほしい、あるいはカドミウムについては原子透光法を使ってやってもらう。しかしそれも学者等に聞いてみると、そんなに時間を費やすということもないようだから、もうすでにたとえばヘドロを河川敷きに投棄しようということを考える段階では、すでにそういう調査をきちっとしていて、そうして話し合うべき筋合いのものであるのに、そっちのほうはまだ調査をしている、こっちのほうを先にやりますということでは話は少しおかしいじゃないか。あるいはメッキで八月にそんなものが出た以上、しかも通産省のおっしゃるように排出量をこえているものは五六%、メッキの処理場を持っているのはたったの三%しかないというデータ、通産省持っているでしょう。だから、それが検出ざれたらすぐ工場を調べてみるくらいスピーディな措置があってしかるべきでないか。そうして大臣さっき言ったように国の一番根本的に対処しなければいけない問題だというなら、それくらいの各省とも機敏な措置があってしかるべきでないかと思うのですが、そういう点についていま話をしたような点を急速にひとつ結論を、少なくともこういうことを考える前提としてそういうデータをきちっとそろえていての話でなければ、とてもじゃないが納得できませんよ、そんなことをしたのでは。  そこで、もう少し質問を変えまして、この前運輸省のほうからお話を聞くと、ヘドロが七千トン排出している中で、四千トンが流出、三千トンが沈でんしている、七月一ぱいで。一万トンの船が八月から入れなくなる。九月からもう少し小さい船は入れないというようなことを言っている、できるだけ機能を停止しないようにしたい、こう言っているのだが、ヘドロは一体どうなっているんでしょうか。その後沈でんをしているのか。いわゆる水深についてもヘドロは九メートルの水深が三、四メートルになっているという話も、この前私が質問したときに答弁があったのです。それからもういまや十一月です、いまヘドロは一体どうなっているんでしょうか。それから港についてはいま水深はどういうふうになっているのか。もう一つは、港は輸出入の合計が五百五十二万トン、外航船が百七十七隻、内航船が六千八百十七隻、全部で六千九百九十四隻、一年に入っているわけだが、これは現状どうなっているんでしょうか。この点を一つ。ヘドロの現状はどうなっているのか、どのくらいたまっているのか、それで出たヘドロはどういうふうになっているのか、それから港はどのような状況で活用されているのか、それをひとつ運輸省のほうから答弁してください。
  83. 大久保喜市

    説明員大久保喜市君) 田子の浦のヘドロの堆積状況は、十月の初めに調べましたところの堆積量が約八十八万立米になっております。これがその一月余の前八月三十一日の調査では八十二万立米ございました。そういう点からいたしましてやはり堆積がまだ進みつつございます。それで水深の状況でございますが、港の機能という面で考えてみますというと、港の口から入りまして内側に波除堤というのが出ておりますが、その付近の水深でこれは音響測深器によって調べたものでございますが、五・五メートルくらいの水深になっております。これは建設いたしました時点では九メートルの水深であったわけでございますので、現状では五・五メートルというように浅くなっておる。それからこの堆積の著しいのは、これは当然のことでございますが、川の流れ込んでいる付近でございます。そういうような状況でございますので、現状では岸壁の使える状態がどういうふうになっておるかということに触れますというと、港内に二十一バースの岸壁がございますが、このうち岸壁前面の水深としては完全に使用可能であるというものにつきましては、中央埠頭の二バースでございまして、使用不可能のものが五バースでございます。それであとの十四バースにつきましては、水深は浅くなっておりますけれども、当初の計画の大きざの船は無理でございますが、それより小型のもので水深に応じまして小型のものの利用は可能でございます。それで、こういうような状況でございますが、先ほど申しましたように、波除堤のところが水深が比較的浅くなっておりまして、五・五メートルというようなことでございます関係上、先ほど申しました中央埠頭の二バースも、結局そこの部分の水深に制約をされまして、完全な機能を確保するということはできておりません。  それで、現状はどういうふうにして使われておるかということでございますが、これは先生承知かとも思いますけれども、タイダル・レンジ——潮汐がございますので、そういうような潮汐を利用しまして満潮時を使いますというと、五千トンクラスの船はかろうじて入れます。そういうことで、岸壁といたしましては五千トンクラスの船、あるいはもっと大型の船でも清水港等に一部荷をおろしまして船足を浅くしまして回してきて入る。要するにそういうようなやり方で使っておる状況でございます。また、石油埠頭の付近も、これは当初の計画でもそんな深い水深のところではございませんでしたが、そこのところも若干浅くなっております。しかしこれは主として内航の小型タンカーでございますが、これも船型を五百トンないし六百トンくらいのタンカーなりそういう小型のタンカーで運び込むということで利用をいたしております。田子の浦港は、とれも御承知だと思いますが、ことに石油等につきましては静岡県の四〇%程度の油を扱っておりますので、あの地域の流通港湾として非常に輸送上重要な場所にございます。それでいま申しましたように、その水深が浅くなっておりますけれども、それだけの輸送需要がございますので、船型を小さくする等によりまして、ともかくも必要な港湾の荷さばきということは努力して維持しておる状況でございまして、これを前年の昭和四十四年の各月と四十五年の各月の月間の港湾取り扱い貨物量の対比をいたしてみたわけでございますが、私の手元に入っております一番最近の例を見ましても、昨年九月におきまして四十五万トンの貨物を取り扱っておりましたのが、ことしの九月は五十万トンをちょっとこえる程度の扱いをしております。それで一月以降、各月について見ましても、昨年よりは若干港湾取り扱い貨物量としてはふえております。大体、最近数カ月の例で見ますというと、月間五十万トン程度の貨物を扱っておるようでございますので、四十五年の年間の取り扱い貨物量よりは、わずかではございますが、上回ることができるんではないかと考えております。
  84. 松永忠二

    ○松永忠二君 いまのお話を聞いてみると、あれですね、よほどやっぱり慎重にやっていくことが必要でしょうね。荷動きは、大騒ぎしているけれどもそれほど影響していないという説明ですね。だから、えらい何か何にも調査もしないのに、大騒ぎをせぬで、もう一度やっぱりじっくり問題解決を考えるべきだ。港を使っている五十万トン——前よりも多いですね。このようなことでは機能は全然停止をしているという状況じゃないですね。  そこで水産庁のほうにお伺いいたしますが、一体そのヘドロは駿河湾へどのくらい流れ込んでいるのでしょうか。前の説明とは少し違ってくると思うんですが、いままでの話では、ヘドロは七千トンの中で三千トンたまるので港は使えなくなってしまうという話だったんだが、現実にはそんなに深さは、前の答弁したときと変わっていない。そうすると、ヘドロは上をすべって港へ流れているのだという判断をわれわれはしているわけですが、そうするとヘドロは一体どうなっているのでしょうか。二カ月もヘドロが出てどうなっているんですか。それは県の出したものでもこの厚さが一日に四センチから五センチ、一日三千トン港内へ沈でんするというようなことを出している。現実にはこの前の説明と少し様子が違うので、一体駿河湾へどのくらい流れ込んでいるのか、どんな状況になっているのか、それは一体漁業にどんな影響を与えているというふうに一体考えているのか、どういうふうに考えておられるのか、この点をひとつ聞かしてください。
  85. 藤村弘毅

    説明員(藤村弘毅君) 水産庁といたしまして、量的にどれくらい流れているという調査はいたしておりませんし、県においても量的な問題はつかんでおりません。しかし、田子の浦港からヘドロと一緒になりました汚水が少しずつ外に出ていることは事実でございまして、田子の浦港を中心とする近辺の漁場の価値は非常に低下をいたしております。御存じのサクラエビをとりましても田子の浦港周辺については、最近は取れないようになっております。しかし、駿河湾全体といたしますと、サクラエビを一例にとってみますと、昨年の春漁が三、四、五、六の四ケ月で約二千トンでございます。本年の同期を見ますと二千三百トン程度取っておりまして、漁場の位置が変わっておりますが、サクラエビ自体はそう駿河湾全体としては減っていないと考えられております。また、イワシについては駿河湾全体として非常に減っておりますが、これは回遊魚でございますのでヘドロと直接の因果関係というものは現在のところ認められておりません。
  86. 松永忠二

    ○松永忠二君 どうも初めのほうはちょっとわかりませんので、ちょっとお聞かせをいただきたいのですが、ヘドロは駿河湾にどのくらい毎日出ているんでしょうか。
  87. 藤村弘毅

    説明員(藤村弘毅君) 現在、私どもとしては量的にそれを的確につかんでおりません。
  88. 松永忠二

    ○松永忠二君 しかし、水産庁としてはやっぱり少しつかんでおく必要があるんじゃないでしょうか。七千トンの中で、つまり四千トンが流出して三千トンが沈でんをするので港の機能がじきにとまるかもしれぬということでいろいろ対策を急いでいるわけですね。ところが、予想したと違って水深についてはそれほど変化がないということは、まあ結果的にヘドロが上すべりにすべって出ているということをいま説明しているんでしょう、その点はどうお考えなんですか。
  89. 藤村弘毅

    説明員(藤村弘毅君) 静岡県水試と私どものほうの指導で調査をいたしておりますが、定点を定めまして静岡県水試としては調査をいたしておりますが、ヘドロの量がどのくらい流れているかという点については、まだ調査いたしておりません。
  90. 松永忠二

    ○松永忠二君 あなたのほうは漁業者を保護する立場にあるのですよ。それは漁業者がこの質問やはり聞くのですよ。へたなことを言って、あとからそういうほうからいろんなことを言われんようにひとつやってくださいよ。どんな影響があるかということも考えずには——どうしたってヘドロはどのくらい流れているかという予想もつけなきゃできないでしょう。それに、これだけヘドロが出るということは、もう工場からわかっているわけなんで、それが一日に四センチから五センチたまるということを、県自身は出しているでしょう、資料入れて、ぴしっと。ところが、それが説明をした、この出した月より、もうすでに相当たっている以上、どこかにたまってこなきゃいけないのに、それがほんのわずかしかたまっていないのだが、相当出ていると判断しなきゃいかんでしょう。だから、影響はだんだん大きくなっているという判断をしているのですか、たいして前と変わりがないという考え方を水産庁持っているのですか。それから、また、どうして一体、これをヘドロを流出をとめてもらいたいというふうに考えているのですか、水産庁は。
  91. 藤村弘毅

    説明員(藤村弘毅君) 県の水試が田子の浦港を中心としました外側に定点を定めまして、そこの水質、水底の調査をいたしております。確かに御指摘のように、ヘドロが外へ流れているものと私どもは考えておりますが、この量的な問題までまだ詰めておりませんが、漁場が荒廃されるされないというのは、その付近の定点の水質と底質で私ども判断したいということで、定点を定めて調査を進めておるところでございます。  それから、水産関係者といたしましては、このヘドロが全く海のほうに出ないようにということをお願いしているわけでございますが、具体的にそれをどうするというところまで私どものほうとしていろいろ検討をいたしかねておるところでございます。
  92. 松永忠二

    ○松永忠二君 検討しかねているって、まああなたのほうで一番先にそういうことを主張してかからんといけないのでしょう。この前、私、実は水産庁の長官がきて——これは一つ大臣に最後にもう一つ聞きますがね。この前のときには、このヘドロの影響についてしっかりした調査がないような話をしていたのですがね。一九六三年と一九六四年に県が「海中放流に関する基礎調査」というのを出して、明らかに書いてあるのですよ。東西四キロ、沖へ一・五キロの調査をやった。ところが底のヘドロが、東に一・五メーター、西に一・四メーター、沖合いに一・四メーター、湾の口に五メーターの厚さのヘドロがたまっている。それでは、初めは深いところには、ヘドロはあまりたまらんだろうと思っていたらば、水深百メートル付近にも堆積がされている。だから、汚物の広がりは東に二丁五キロ、西に三キロ、沖へ三キロから四キロというように全調査範囲に及んでおり、長期的に見れば、徐々に沈でんし、蓄積して、沈でん性の良否にかかわらず底泥による海底付近の水質の悪化が起こる可能性があるという結論を出しているわけですよ。だけど、海へ流したわけだ。だから、このようなデータをすでに持っていたというものがあるわけなんですがね。だから、水産庁あたりでも、私は、もう一九六三年にすでに調査がある程度のものが出ている。だから、その後引き続いてこういう状況であるので、相当やはり多量にヘドロによって汚染をされているという事実は、もう明らかなんだ。したがって、特に問題になっているだけに水産庁は、現在ヘドロはどういう状況で海に影響を与えているであろうかということについて、もう少しきちっとした説明ができて、その対策についてもこういうふうなこともひとつ考えてほしいというようなことくらいを言ってもらわなきゃ、漁民はとてもじゃないがたよるべきものがないという状況だというふうに感ぜざるを得ないのです。  大臣も時間があって退席されたいというお話でありますが、先ほど私が質問いたしましたように、現状でこの河川敷へ投棄することによって第二次公害のおそれが十分にあるという調査をした人たち、そういう人たち相当いるわけです。またその知り得るデータもある程度ある地質調査所等には出ているわけです、あるわけです。そういうふうなことを考えあわせたときに、しかもこのヘドロの中にはカドミウムなり水銀も含まれておるというデータも一度出た。しかも、お話しのようにカドミウムについての量は多いというお話もあった。したがって、少なくも河川敷を貸与するというようなことを考える段階においては、当然十分な第二次公害に対するおそれのないというような科学的データが必要であるということは事実である。同時に、これが単に一時的な処理じゃなくて、やはり根本的に処理をしていくという、そういう関連の中での第一次処理であるというようなことが理解されるということがその大前提だと私たちは思うのです。いま県側が言っていることはどういうことを言っているかというと、もう富士の市長が住民も納得してうんと言ってくれさえすれば、いつにでもいわゆる捨てることができるということを言っているわけなんです。知事はこう言っているのですよ、富士川河口へのヘドロ処理に建設省反対していると一部に伝えているが、河川敷使用はすでに建設局と了解がついていると、こう言っているのです。これはうそですね、こういう事実はないわけですね。それをひとつ大臣に最後にお尋ねいたします。大臣から言ってください。
  93. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは専門的にやらせておりますから河川局長から……。
  94. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 先ほど来お話ししたとおりで、正式にそういった許可の申請も出ておりませんし、許可した事実はございません。
  95. 松永忠二

    ○松永忠二君 わかりました。申請した事実もなければ、許可した事実もない。いま先ほど申しましたように、前段階の基本的な大前提というものは、当然公害対策本部で検討されなきゃできないし、このことについては、最終的に建設省態度をきめるにあたっては、もちろんそういうふうな条件検討されてからのことである、こういうふうに思うのですが、大臣どうですか。
  96. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 結論から申せばそのとおりであります。御承知のように、河川法において政令を定めまして、はっきりと河川の清潔と水質の保全の責任がございます。したがいまして、いまのヘドロの問題も、一時ここに置くことによって総体的な利益が出るということについては、われわれ前向きで協力しますが、そのために今度は二次公害が深刻になるという、しかも河川の管理の責任が持てないということではいけませんので、そのためにこれは関係各省とも十分に検討の上、そうした被害のないというときになって、初めてこの問題も河川敷を使わせるという段階になろうと思いまして、いま直ちに県側から申し入れが出たからすぐにそれだけで河川敷にヘドロを堆積させることを許すという考えは持っておりません。
  97. 松永忠二

    ○松永忠二君 もうこれで大臣のほうは終わりますが、いま河川法のお話が出ましたが、河川法の中で今度は施行令が出たわけです。この中で、もうすでに御承知のとおり、河川法施行令第一六条の四に河川を損傷することや、土石、ごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他汚物、廃物を捨てることを禁止をしておるわけですね。それから第十六条の八に汚濁するおそれのあるものが付着した物件を洗浄するということや、あるいは土石、竹木を堆積することも許可が必要だといっておるわけですね。だから河川法の施行令を今回こうしてきちっと出した趣旨から言えば、この趣旨を十分尊重することが基本であると私は思うんです。この点について御答弁をいただいて、大臣の質問は終わりといたします。
  98. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) そのとおりでございます。それを私は申し上げたつもりでございます。河川法の施行令のたてまえからしても、ヘドロの処理を第二次公害が出るような状況下においてやらせることは、河川法のたてまえからしてもこれはやるべきでない、こういうことでございます。
  99. 松永忠二

    ○松永忠二君 経済企画庁にお尋ねをいたしますが、企画庁は十月一日に告示を出して田子の浦の暫定水質基準をきめたわけです。一日十万トン以上の排水については来年の四月までにはどうの、四十七年四月までに平均七〇PPMにするということについて、これを果たすための工場排水の処理の施設の進捗の状況はどうなのか。それからまたこういうものをもっと時間的に時期的にあげるということはできないものかどうか。つまり来年の四月までに八〇から九五PPM以下にする、四十七年の四月に平均七〇PPM以下にするといって、それに基づく工場排水の処理が各企業で行なわれているわけでありますが、この進捗の状況はどうなのか。この期日をもっとあげるというような点についてはどういうふうにお考えなのか、あるいはどういうふうにしていきたいという考え方なのか伺います。
  100. 西川喬

    説明員(西川喬君) 田子の浦水域につきましての排水基準につきましては、いま先生がおっしゃいましたように、今年の十月一日に告示をいたしまして基準が決定いたしました。この基準を決定いたしますまでの経緯といたしましては、それぞれの工場を監督しておりますのは、これは各省の工排法によります所管大臣でございまして、田子の浦にございますパルプ工場につきましては、これは通産省が監督の大臣として所管しておるわけでございます。その所管大臣のほうにおきまして、いろいろ実際に工場に除害施設をつけますための可能性その他につきまして検討を行ないまして、最終的に得ました結論が今回告示になりました排水基準の適用日でございます。今後この保全法によります基準が定まりますと、これに基づきまして実際の取り締まりは通産省のほうでやることになっております。ですから、その除害施設の進捗状況その他につきましては、これは工排法の所管大臣としての通産省が把握することになるわけでございますが、水質基準をきめますまでの段階におきましては、現在出ております業界の計画その他通産省が指導しております計画によりますと、どうしても物理的に最低限度このくらいの日数はかかるということで、このような結果になったわけでございますけれども、その審議の過程におきまして、一応計画としてはこういうふうになっておりますけれども田子の浦問題の緊急性にかんがみまして、実際の実施にあたりましては、でき得る限りこの期間を短縮するように、通産省におきましても行政指導を強化するということで、こういう結論を出して、あとはこれを少しでも繰り上げようじゃないかということにつきましては、今後の行政指導にゆだねたい、このように考えておる次第でございます。御承知のように現在二〇%の負荷量の削減ということを、これは行政指導でやっているわけでございますが、このような指導もあるわけでございまして、そういうものを強化いたしまして、との基準に持っていきますのも全体としましてはこうなりますが、工場別によりましてはもっともっと早くできる工場もあるわけでございます。ですから、そういう点におきまして一日も早く実効があがるように指導を強化してもらうようなことで審議の過程で通産省のほうと話し合いいたしております。
  101. 松永忠二

    ○松永忠二君 それじゃ田子の浦に関連した河川敷の問題は以上で質問終わりまして、やはり同じ富士川の河川敷の問題についてお尋ねをいたしますが、これは関係の人は道路局長と警察庁の関係の人ですので、他は御退席をいただいてけっこうでございます。
  102. 田中一

    委員長田中一君) 速記をとめて、   〔速記中止〕
  103. 田中一

    委員長田中一君) 速記始めて。
  104. 松永忠二

    ○松永忠二君 簡単にお尋ねいたしますが、私がお尋ねしたいのは、やはり富士川の河畔の県道富士川−富沢線のダンプ公害の問題であります。これは非常に問題があって、結局ダンプのからになった車が富士川の河川敷を通って帰っていくというようなことで一応話をつけて、そういう河川敷にかりにダンプの道路をつくったわけであります。ところが、その後これで解決ができない。というのは、つまりダンプの非常に交通量が多い、一日約七千台のダンプが通る、それからそのダンプは、から車になった場合に、河川敷の道路が非常に凹凸が激しいので、それを通って帰るということを、自主規制であるだけにやらぬままに同じ道路を帰ってしまうということも出てきている。こういうようなことも出てきて、この地域の子供たちは通学にあたってもうすでに全部バスを使って通学をしている、あるいはまたそのほかの騒音であるとかあるいはガスとか交通禍の問題も非常に問題になっているので、地元で町長を中心として何とかこの問題の解決をしていきたいということで、いま関係方面に非常な要望をしているわけであります。こういうことがわかったので、業者のほうでは自主的に自分たちが十月の一日から朝一時間ダンプの通行を禁止する自主規制というものを自分らでやったわけです。ところが、その時間になる前に通行を禁止をするようなその場所にダンプをとめておいて、そしてかえってそのために実はまた車が混乱をしてくるという状態が起こっている。こういうふうな状態が出てきて、しかも通過をするダンプは台数が多いだけではなしに、非常に積載量が多い、それからスピードが非常に速い、しかも積載したどろにカバーをかけていないために、地面にそれを落とすというようなことで非常に危険でもあるし、困難が多い状態が出てきている。大体通勤者は三十分から一時間その渋滞のために遅刻をするという状態が出てきているわけです。そこでことの富士川−富沢線の交通規制をやるべきではないか、交通の規制を道交法に基づいて実施をすべきではないか、そういうようなことで、蒲原の警察署の管内の一般の人たちを集めて交通規制審議会というのが開かれて、午前七時から八時の間、松野地区について国道一号の富士川橋の西側まで大型ダンプの交通を禁止をしてほしいということを、いま県の公安委員会へ上申をしている状況。それで町長を中心にしてこのところで町民集会が開かれて、そこへ私も出席をしていろいろとまかい実情を聞いて、あるいはまた実際の状態も見たわけでありますけれども、どうしてもやはりこれは交通の規制をする必要があるということを強く感ずるわけであります。こういうことについて警察庁としてはどういうふうな見解を持っておられるのか、これをひとつお聞かせいただきたいということと、それからこの人たちが要望していることは、暫定の措置として河川敷の道路について舗装をしてもらえたら、そのからの車が結局通ることが非常に容易じゃないか、それからまたでき得るならばこれを複線にしてもらってダンプはここだけを通るというようなことにしてもらえば非常に一この道路の幅というのはたった六メーター五十ぐらいしかないわけでありますから、しかも片側は大部分山に臨んでいるわけですから、そういうことのほかに方法はないのじゃないかということで、緊急的な要望としては、一つ交通規制をしてほしい、一つ河川敷にあるいまの道路について、何らかこれを通り得るような条件としての舗装の措置等をしてほしいということが一つの要望に出ている。将来根本的な解決としては、富士川産業開発道路いわゆるバイパスというものを考えて、これによって根本的に解決をしていきたいというようなことを考えているわけなんですが、こういう問題について道路局長からお考え方を聞かしていただきたい。  警察庁のほうからは、現状どういうふうにこれを処理していくつもりなのか、あわせて時間前にダンプが進入をしてしまうことについては、どういう措置がそこに考えられるのか。かりに今度は一時間の交通規制をやってみたところが、自主規制と同じように先に出てきて道路で待ってしまっている。そして時間が来ればそこから突っ走っていくというような悪質ないわゆる道路規制を破ろうとして計画的にやっている問題については、一体どういうふうな措置があり得るものなのか。  それからもう一つは、山梨側からずっとここへおりてくるわけで、いろいろな県のダンプがあるわけであります。中には積載したものにおおいをかけてきちっとやっているものもあれば、全然おおいをかぶせないものもあるが、これは非常な危険もあるので、やはりきちっとおおいをかぶしていかなければいけないのじゃないか。これは道路法なんかに基づいてもそういうことは必要じゃないかと思うが、まあこういう点についてどんなふうに考えるのか、ひとつ警察庁のほうと道路局長のほうから御答弁をいただきたい。
  105. 竹岡勝美

    説明員(竹岡勝美君) いま御指摘になりました県道、富士川−富沢、この実情がわれわれの現在交通問題で一番むずかしい一つの縮図だと思います。先生指摘のとおり、この道路の平均幅員が六・二五メートル、六・二五メートルと申しますと、大型ダンプの車の幅が大体二・五メートルですから、二台すれ違いますと、それだけで五メートルとっちゃう。まん中に五十センチの余裕をとりますと、それだけで五メートル五十、残るところは七十五センチ、歩道そのものがないというような道路が主要道路でございます。御指摘のとおり、一、二われわれの聞いておりますのは、この道路の、つまりダンプカーは一日平均四千台とわれわれは聞いておるわけですけれども、一日に四千台のダンプが走り回っているという状況でございます。騒音も大体五十ホンの騒音で、それから一酸化炭素もかなり出ておるというようにも聞いておりますし、非常にむずかしい、どうしたらいいかという道路でございます。周囲には迂回道路もございません。しかも県道という一種の主要道路でございます。これを交通安全あるいは公害のためどのようにしていくかという問題は非常にむずかしい問題でございますが、とりあえずわれわれと警察のほうといたしましては道路管理者とよく協議いたしまして、いま残されておる手はやはり大型ダンプカー、いわゆる大型車をせめて通勤時間帯だけでも富士川町の占めておる約八キロの部分でございますけれども、この八キロの部分、四つの部落がございますこの八キロの部分だけでも朝の通学時間帯に大型車は入らせないという規制以外にはないのじゃないか、このように考えておるわけであります。御承知のとおり、これは全部で砂利の採取場が約五十カ所あります。そのうち三十三カ所まで、すなわち大部分が山梨県側でございますので、相当長距離から、遠くから走ってきます。この富沢−富士川、この線は全体で十七キロでございますけれども、ほかの山砂利の採取場からもダンプが走ってきます。そういう意味であまり長い規制をやるのは非常にむずかしい問題がございます。先ほど先生指摘のとおり、とりあえずこういう規制はまずわれわれは業界の自粛を求めるということで、この十月一日から朝の通勤通学時間帯のダンプカーの通行禁止規制を自主的にやってもらうようにやってみたのですけれども、とりあえずこの部落の交通量の多いところの三キロ区間をやってみたわけでございますが、そうしますと、御指摘のように、三キロ区間の規制の始まります手前のところで最初に入り込んできまして、その規制時間があくまで待っておるということで非常に交通停滞を起こして問題を起こしました。それでいま警察が考えておりますのは、やはり富士川町部分の八キロ区間を全面的に朝の一時間大型ダンプの乗り入れ規制をやる、あわせましてその区間につきましては、同時間帯におきましては朝夕は駐車禁止規制をかけてしまうということで、規制の上で対処したい、このように考えております。  それから土砂を散らさないようにいたしますことにつきましては、道路交通法の規定に基づきまして、静岡県も公安委員会規則できめております。土や砂、石、その他のものをみだりに落とさないようにしなければならぬというようにきめておりますので、これはわれわれさらにおおいをかぶせるということで、山梨県警と両方に通じまして強くこれの取り締まりと業者の協力を求めたい、このように考えております。しかし、われわれ聞くところによりますと、まだ先五十年くらい山砂利は十分取れるということでございますので、今後まだまだこの道路につきましては交通量がふえてまいります。そうしますと、こういう一種のびほう策と申しますか、これだけでは絶対解決しないということで、先ほど御指摘のとおり、河川敷の迂回路を現在約四・二キロつくってもらっておって、から車をそれに迂回させておるわけでございます。この河川敷の迂回路、これをさらにある程度補強していただきまして、同時に道路管理者と話をしまして、いまわれわれのほうは、手前の富士川橋のところを交差してきました帰りの大型車を右折禁止をさせてこの県道に入らせないようにして、その手前の河川敷の道路へ流入させるという規制を、この際あわせて道路管理者と、できますならばその規制で強制的にから車は河川敷のほうに誘導したいと考えております。ただ、われわれの仄聞しておりますところでは、この河川敷の迂回路は現在四・二キロでございますけれども、これを有効的にさらに四キロぐらい延ばすべきである。これを延ばすだけでも約十億の金がかかると聞いております。そうしますと、この多額の投資と一部のダンプカーの問題、これをどう考えるべきかは、警察の権限ではございません。道路管理者のほうでよくお考え願いたいと思います。しかし将来まだまだ交通量がふえていくということを考えますと、抜本的にはそれ以外の手はないのじゃないか。たとえば四・二キロの迂回路でありまして、そちらのほうにから車を強制的に回すという規制と、先ほど申しました朝の八キロの区間にわたります大型のダンプカーの乗り入れ規制、それからその区間の駐車禁止、この三つで対処してまいりたいと考えております。
  106. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいまの富士川−富沢線の砂利トラックの、いうならば公害につきましては、かねてから地元からも聞いておりまして、県もこれに対する対策を検討しておるようでございます。いまほども説明ございましたように、川原のほうに四・二キロばかりのトラック専用道路一つつくってございます。これは木島という地区と岩渕という二つの部落をバイパスするためにつくったものでございまして、これにから車だけを通すような計画にしてあるわけでございます。ただ手入れが行き届きませんで路面がたいへんいたんでおりまして、そのためにあまり通っておらないために県道のほうにやはりトラックが通りますような事情がございまして、これを早急に路面補修なり、あるいは舗装するなりというふうに県に指示しておるわけでございます。ただいま県のほうでは道路管理者は県の河川管理者と協議いたしておる段階でございますが、正式の舗装は河川管理者としては好ましくないというような見解のようでございますので、せめて防じん処理でもやらしていただいたらどうかということで協議を進めておるようでございます。防じん処理もだめだということになりますと、そのままの砂利道を十分な良好な路面で通る以外にないと思いますが、何せこれは暫定的な措置と申しますか、応急的な措置でございまして、根本的にはやはり全くまの人家を通らないようなバイパスをつくるべきだということで、それに合わせて県に調査を命じております。この調査もかなり進んでおるようでございますので、調査のでき次第根本的なバイパスをつくるような事業を行なうように指導いたしております。
  107. 松永忠二

    ○松永忠二君 道路局長ね、私はさっき河川敷の問題をやったのですが、正しいものであれば何も河川敷を利用することを妨げることはない。この場合には非常に河川敷を活用しようというわけですね。しかもお話しのように、なかなかそう言っても金もなく、しかもすぐ横に山がある。そう簡単にバイパスができるものではございません。ですから当然やはり河川敷を通り得るような条件をつくってやらなければならぬ。だからいまお話しのように、これはだめ、これはだめという言い方じゃなしに、から車がそこを通り得るような条件をつくるように最大の努力をしてもらいたい。それからまた私がお話しを聞くと、いま警察庁からお話しのあった富士川の西側のところの河川敷を降りる口をきちっと整備をして、それでそっちに降りていかれるようになっていないのをそれを整備をしていくということも、建設省としてもひとつ考えておるのだということで指導もされておるように聞いておる。そうなれば、いま言うとおり、右折禁止が現実にそこからずっと入っていかれるということで、百万国道からすぐそれで乗っかれる。根本的な点については非常にお話があって熱意がある御答弁でありますけれども、そうかといってすぐ直ちにこれがまだ路線をきまらないし何もしないのにこの実現は考えられない。まあひとつできるだけこれが通り得る条件を——防じんとかなんとか変なことをいっても、もともとがダンプが通るんですからね。へたなことをしといたらだめなので、通れるような条件をひとつつくるように特に整備をするように努力してもらいたい。  それから河川局長のほうでは、あれは管理はやはり河川敷なんですし、あそこの河川敷なんだから建設省の所管だというふうに私たちは思ってるんですけれども、これ間違いなら聞かしていただくし、それから主管であるとすれば本省との間で話をして、できるだけひとつ積極的に活用できるように河川局のほうでも協力をしてもらいたい、そういうふうに思うんです。  警察庁のほうではまあ相当具体的なものを出されたようで、それが単に出しただけでなしに、十分ひとつ取り締まりもできて——さっきのお話によると、朝夕駐車禁止によって先へ入ることを防ぐ、それから距離も八キロメートルにして、いわゆる通行の時間を禁止をする、それから右折禁止をかけてから車が入れるようにそっちへ持ってくという、非常に具体的なお話でありますので、これがひとつ完全に実行できるように、またそれを実行した場合に、やはりその条件が一方で整うということもあるように切にお願いをするわけです。この道路局長のほうと河川局長のほうから再度御答弁いただいて終わりたいと思います。
  108. 高橋国一郎

    説明員高橋国一郎君) ただいまも申しましたように、現在川原の中につくってありますトラック専用道路は、たいへん路面が悪いために通っていない向きもありますので、さっそく補修するように指示しておりますし、また、できれば舗装できるように、舗装が不可能ならば防じん処理でもけっこうでありますが、そういうふうなことで指導させておりますので、そうすることによりまして、人家連檐間の現道をトラックが通らないようになるべく進めるようにしたいと思っております。  なお、先ほど申しましたように、それだけではもちろん根本的ではありませんので、別途バイパス計画、これはほとんど調査が終わっております。できるだけ早い機会に着工したいというふうに思っております。  橋のことにつきましては、御承知のように国道一号線の富士川バイパスが今年度末に完了する予定になります。そうなりますと、ただいまの区間の橋は交通量が激減するはずでございますので、今後わりにスムーズに降りられるようになるのじゃないかというふうに考えております。まあ取りつけ道につきましても、十分入りやすいようにさせたいと思っております。
  109. 川崎精一

    説明員(川崎精一君) 暫定的にいまの川原を利用して交通整理をしているということは承知しておりますが、具体的な話は、お聞きするのはただいま初めてでございます。いろいろ問題があるようでございますので、私どものほうでもどうすれば御趣旨に沿うか、よく道路局と相談いたしたいと思っております。
  110. 田中一

    委員長田中一君) 本日の調査は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時四分散会