○松永忠二君 それでは、そういうものをきちっとしておかないと、少なくも
建設省自身がちゃんと
説明できるようにしておかなければいけない、これは当然なことです。それにしても少し準備がおそ過ぎるんじゃないかという感じがいたしますね。そこで、これらの人々の言っている事項を一、二申し上げますので、これについてお聞かせいただきたい。
もしヘドロを
河川敷に、いまちょっと話に出た地質によると、これはもう大体百メートルから八十メートルの間は玉石と砂利、砂の混合したものである。その間にときどき粘土と砂利のまざった層がところどころにあるという。だから大体百メートルくらいの下まで大体同じようないわゆる砂れき層である。これも大体もうどこの人も言っているし、現実にここにたくさんの資料ありますけれ
ども、掘った井戸なんかでもほとんどみなそういうふうな状況になっている、だからもう大体これは判断ができるわけです。そこでそういうのと同じように、大体
河川敷もそことたいへん違っているということはない。大体百メートルから八十メートルくらいいわゆる砂れき層がつながって、その間にところどころ粘土が少し混合してまざっているという程度というのですね。そこで、とこへもしヘドロを捨てた場合にどうなるかというと、この砂れき層で
相当深いから効果があるから落とそうということでしょうが、ヘドロ自身は非常にこまかい粒子であるので、初めはよく水を吸うかもしれんけれ
ども、四、五メートルのところに厚い層ができて、それから
あとは浸透をしないのではないか。つまり、初めは水を非常に吸うけれ
ども、四、五メートルのところが結局ヘドロがこまかい粒で砂れきの穴が埋まってしまって、そこに層ができてそれ以上は吸わないんじゃないか。結局、結果的には天日でかわかすことになりはしないかと思う。それから、そうなった場合に、一体ヘドロはどういう化学的な変化が起きるか
調査をする必要があるということも
一ついわれている、これはやはり地質の学者の
説明です。われわれの大学にもさまざまな者がいますから、そういう人の話では大体そういうふうに、だからやはり実験をしてみなければできない。いま
田子の浦の港で小規模な実験をしているようですが、そういうことを
一つ。それから地下水について、一体ヘドロの汚水は浸透してくるかどうかという、これについては私自身もその場所に行ったのですが、
河川敷は非常にところどころ砂利を取ったから掘れているわけです。掘れた深い穴の中に四、五メートルのところに水がたまっているわけです。それからからまた
河川敷の堤防の横には砂利の採取工場がある。そこにも大きな穴があいてそこの四、五メートルのところに水がたまっているわけです。だから四、五メートルの下には水がたまっている。というのは、それはどういうことかというと、ちょうど川の水の高さと同じなんです。それから海水の面と大体同じ、海がすぐそばですから。表層地下水というそうでありますが、表層地下水の水位は低くて大体四、五メートルじゃないか。そうするとヘドロの水はその水位まで下がって、それでその水位に従って横に広がってあるいは川にその結果水が流れるか、海のほうにいくか、陸にいくか、いずれかです。そういうようなことが考えられる。しかもこの堤防のすぐそばの砂利採取の工場ではこの水を井戸を掘ってそれを生活用水に使っているわけですね。それからこれとちょっと南のほうの三四軒屋というところに
相当人家があるわけですが、これには水道はきているけれ
ども、半分くらいの人は井戸を掘って生活用水に使っている。十メーターくらい掘れば簡単に水が出てくるという
地域なんです。
一つの点は非常に表層地下水は水位が低いということを言っているのであります。これは行って見ればすぐわかるのです。それからその次には、この表層の地下水は砂れきの層のために水位が下へ下がることになる。そうしてその表層地下水は下へ下がって深層地下水に吸い込まれることになる。砂れきの層だから吸い込まれることになる。すぐその横はたんぼですけれ
ども、夏はたんぼの水があるので、ある程度たんぼの水でその上からの表層地下水から下の深層地下水にいくことはそこで補われているけれ
ども、冬はたんぼの水がないので表層地下水のいわゆるヘドロの汚水が吸い込まれるということが大体考えられる。だから深層地下水のほうへ表層地下水から下へ砂れき層を通じて下へ下がっていく。つまりそれも
片方に夏であるならばたんぼに水があるけれ
ども、水もないからこれは一そう楽に地下水の水位が下がっていくことは大体考えられる。またもう
一つは、地下水は常に上流から下流に流れるものじゃなくて、水位の高いほうから逆流して水平になることがある。富士川の河口では満潮のときは海のほうが水位が高いので、逆流して富士川の左右岸は同一の水で水平になると考えられる。だから満潮時には海のほうの水位が高いから逆流して、その浸透した地下水はずっと広がるという。しかもその地下水を富士川町や蒲原町が上水道に使用している。それで結論的にはこういうことを言っているわけですね。富士川の
河川敷にヘドロを捨てることを認めると、いますぐ地下水を汚染するとは考えられないけれ
ども、長期的に必ず地下水が汚染されることは間違いない。だから多数の
関係者、こういうものを研究している者、ABCの立場から
河川敷にヘドロを捨てることは絶対してはならないということを力説しているわけですね。私たちこういうことについては詳しいわけではありませんけれ
ども、私自身行ってみて表層地下水が非常に水位が低い、すぐ四、五メーターで水がはけてない、たまっているという状態。あるいはまたすぐ川に、海の満潮があってその水位、表層水位なり地下水が横に広がるというようなことも非常によく私
どもわかる。常識的にもわかる理屈だと思う。もともとヘドロの汚水というのはどろの水じゃないわけですね。つまり有害なものを含んでいる汚水です。それがこういうふうなことをしていることによってすごく影響があると
関係の学者、特に比較的その他下水とか水理とか、そういう面では権威を持っているような学者の人や、そういう人がそういう
説明をしているわけですけれ
ども、この理屈の中で、こういう
説明の中でどうもそれはおかしいのじゃないかと思うようなととがあったら、ひとつお教えください。あるいはまた常識的にはそういうふうに考えるのが妥当だというふうにお考えになるのか、この点はいかがでしょうか。あるいはそのほかの何かお
考え方があれば、ひとつお聞かせ願いたいと思う。