運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1970-03-05 第63回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年三月五日(木曜日)    午前十時六分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大和 与一君     理 事                 上田  稔君                 大森 久司君                 奥村 悦造君                 松本 英一君     委 員                 小山邦太郎君                 高橋文五郎君                 塚田十一郎君                 中津井 真君                 柳田桃太郎君                 米田 正文君                 沢田 政治君                 田中  一君                 松永 忠二君                 二宮 文造君                 高山 恒雄君                 春日 正一君    国務大臣        建 設 大 臣  根本龍太郎君        国 務 大 臣  西田 信一君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     新保 實生君        北海道開発庁主        幹        村山  進君        建設政務次官   田村 良平君        建設大臣官房長  志村 清一君        建設省計画局長  川島  博君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省住宅局長  大津留 温君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出) ○建設事業並び建設計画に関する調査  (昭和四十五年度北海道開発庁施策及び予算  に関する件)  (昭和四十五年度の建設省関係北海道開発  庁、首都圏整備委員会近畿圏整備本部及び中  部圏開発整備本部施策並びに予算に関する  件)     —————————————
  2. 大和与一

    委員長大和与一君) それでは、ただいまから建設委員会を開会いたします。  建築基準法の一部を改正する法律案本院先議議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。根本建設大臣
  3. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  建築基準法は、建築物敷地構造設備及び用途に関する基準を定めたものでありますが、法制定以来二十年近くを経過し、その間の社会情勢の変化、建築技術進歩等により実情に沿わない点も生じてまいりましたので、次のような事項について改正を行なおうとするものであります。  第一に、都市における建築物用途純化土地高度利用の促進に関することであります。  建築物用途規制につきましては、都市の秩序ある発展に資するため、住環境の保護の強化を主眼として用途地域純化をはかることといたしました。すなわち、低層住宅地としての良好な環境を維持するための第一種住居専用地域中高層住宅地としての良好な環境を維持するための第二種住居専用地域近隣住宅地のための日用品店舗が立地する地域としての近隣商業地域等を新たに設けることといたしました。また、住居地域においては、特殊浴場を排除するとともに、公害を伴う工場制限を強化することといたしました。  建築物の形態の規制につきましては、土地の合理的な高度利用をはかるため、建築物の高さの制限原則として廃止し、これにかえてそれぞれの用途地域の特性に応じた容積率による制限とすることといたしました。さらに、第一種住居専用地域及び第二種住居専用地域においては、新たに北側隣地建築物日照採光通風等を考慮した高さに関する斜線制限を設けることとしております。また、都市における建築物敷地が狭小化している実情にかんがみ、現行建ぺい率制限を緩和することといたしました。  第二に、建築物防災基準に関することであります。  最近相次いで発生した旅館ホテル等火災による人身事故実情にかんがみ、室内仕上げ材料制限する建築物範囲を拡大するとともに、火災が発生した場合の避難及び消火が円滑に行なえるよう、新たに排煙設備、非常用照明装置及び非常用進入口設置基準を設けることとしております。また、三十一メートルをこえる高層建築物には、新たに非常用昇降機設置を義務づけることといたしました。  第三に、執行体制整備に関することであります。  まず、建築基準行政の適正な執行を確保するため、人口が二十五万以上の市は建築主事を置かなければならないこととするとともに、その他の市または町村においては、知事と協議の上、建築物全般に関する事務または小規模な建築物のみに関する事務について、これを執行させるため、建築主事を置くことができることといたしました。  次に、違反建築の取り締まりを効果的に行なうため新たに建築監視員制度を設け、管内を巡回して違反建築物早期に発見し、これに対し工事施工停止等を命ずる権限を行なわせることとするほか、違反是正を命じた場合には現場標識設置する等によりその旨を公示する制度を設けることといたしました。さらに、違反建築物に対して行政代執行をするための特別の規定を設け、また、建築主事建築監視員等がその権限を行使する場合には、建築物所有者工事施工者等に対して必要な事項について質問することができることとするとともに、違反是正命令にかかる建築物設計者工事請負人等については、これらを監視する行政庁にその住所氏名等通知するものとし、通知を受けた監督行政庁免許取り消し営業停止等所要措置を講ずるものといたしました。  第四に、この改正に伴って都市計画法等の一部を改めるとともに、この法律施行に必要な経過措置を定めることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
  4. 大和与一

    委員長大和与一君) この際、引き続き補足説明をお聞きいたします。大津留住宅局長
  5. 大津留温

    政府委員大津留温君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案について、逐条的に御説明申し上げます。  第二条から第十三条までは、総則関係規定であります。  第二条の改正は、用語の定義について、所要改正を行なったものであります。  第三条第三項第二号は、今回の地域地区制改正に伴い、既存不適格建築物に関する取り扱いについて、所要規定整備をいたしたものであります。  第四条の改正は、政令で指定する人口二十五万以上の市においては、建築主事を置かなければならないことといたしたものであります。  第九条の改正は、違反建築物の効果的な是正を目的とするものであります。  まず、第十二項の改正は、違反建築物に対して行政代執行を行なうための要件を緩和いたしたものであります。  第十三項の改正は、特定行政庁は、違反建築物に対し第一項または第十項の規定により除却、工事施工停止等命令がなされた場合においては、建築現場における標識設置等により、その旨を公示しなければならないことといたしたものであります。  これに関連して、第十四項の改正において、その標識当該建築物またはその敷地内に設置することができることとするとともに、当該建築物またはその敷地所有者占有者等標識設置を拒み、または妨げてはならないことといたしております。  第九条の二の改正は、違反建築に対して早期にこれを発見し効果的な措置を講ずるため、建築監視員制度を設けたものであります。すなわち、特定行政庁は、当該市町村または都道府県の吏員のうちから一定資格を有する者について建築監視員を命じ、違反建築物に対する是正措置のうち緊急を要する工事停止命令等を行なわせることといたしたものであります。  第九条の三の改正は、特定行政庁は、違反建築物について第九条第一項または第十項の規定による命令がなされた場合においては、当該命令にかかる建築物設計者工事請負人等について、これらの者を監督する建設大臣または都道府県知事にその住所氏名等通知するものとするとともに、この通知を受けた建設大臣または都道府県知事は、免許取り消し営業停止等所要措置を講じ、その結果を特定行政庁通知しなければならないことといたしたものであります。  第十二条の改正は、特殊建築物の報告、検査及び建築監視員等質問権に関することであります。  まず、第一項の改正は、映画館旅館百貨店等特殊建築物のうち特定行政庁が指定するものについては、その所有者は、建築士検査を受け、その結果を特定行政庁に報告しなければならないこととなっておりますが、検査をする者として、建築士のほか、建設大臣が定める資格を有する者を加えることといたしたものであります。  第二項の改正は、建築設備に関する適正な維持管理を確保するとともに、行政事務簡素化をはかるため、昇降機その他の建築設備のうち、特定行政庁が指定するものについては、現行建築主事等による検査にかえて、建築士または建設大臣の定める資格を有する者の検査を受け、その結果を特定行政庁に報告することといたしたものであります。  第四項の改正は、建築主事建築監視員等が確認、違反是正命令等をする場合には、建築物所有者工事施行者等に対して必要な事項を質問することができることといたしたものであります。  第十三条の改正は、建築主事等がその権限を行使するため建築工事場等に立ち入る場合には身分証明書を携帯し、請求があったときはこれを呈示しなければならないこととなっておりますが、建築監視員制度が設けられたことに伴い、建築監視員もこれに加えたものであります。  第二十八条から第三十七条までは、建築物構造及び建築設備に関する規定であります。  第二十八条の改正は、居室採光及び換気についての改正であります。  まず、第一項の改正は、最近の照明設備の進歩にかんがみ、住宅学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物には採光のための窓その他の開口部を設けなければなりませんが、それ以外の建築物居室には、採光のための開口部は必ずしも設けなくともよいことといたしたものであります。  第二項の改正は、居室政令で定める換気設備を設けた場合には、換気のための開口部に関する一般基準によらないことができることといたしたものであります。  第三項の改正は、政令で定めるものを除き、映画館劇場等特殊建築物の各室及びその他の建築物調理室浴室等の室で火気を使用する部分には、一定換気設備を設けなければならないことといたしたものであります。  第三十条の二の改正は、長屋または共同住宅の各戸の界壁は、遮音上有効な構造としなければならないことといたしたものであります。  第三十四条の改正は、避難及び消火活動円滑化という趣旨から、高層建築物には、原則として非常用昇降機を設けなければならないことといたしたものであります。  第三十五条の改正は、前条と同様の趣旨から、階数が三以上の建築物旅館劇場百貨店等特殊建築物には、排煙設備、非常用照明装置及び進入口を設けなければならないことといたしたものであります。  第三十五条の二の改正は、階数が三以上である建築物延べ面積が千平方メートルをこえる建築物または特定建築物調理室浴室等の室で火気を使用する部分は、室内仕上げ制限に関する規定適用があることといたしたものであります。  第三十七条の改正は、建築物主要構造部のほか、建築物の安全上、防火上または衛生上重要な部分に使用する建築材料の品質は、建設大臣が指定する日本工業規格または日本農林規格に適合するものでなければならないことといたしたものであります。  第四十二条及び第四十三条は、建築物敷地が接すべき道路に関する規定であります。  第四十二条の改正は、特定行政庁が第一項第五号の規定により位置を指定する道につきまして、その線形、構造等に関する基準政令で定めることといたしたものであります。  第四十三条の改正は、敷地道路との関係について地方公共団体の条例で必要な制限を付加することができる建築物範囲を拡大し、倉庫、危険物貯蔵場等を含めることとしたものであります。  第四十八条から第五十一条までは、用途地域に関する規定であります。  第四十八条の改正は、現行の四用途地域に加えて、新たに第一種住居専用地域、第二種住居専用地域近隣商業地域及び工業専用地域の四用途地域を設けて八地域とし、それぞれの用途地域における建築物用途制限規定したものであります。  新たな四用途地域用途制限内容は、次のとおりであります。  第一種住居専用地域は、低層住宅にかかる良好な住居環境を保護するための地域であり、現行住居専用地区において制限される建築物のほか、新たに、大学、高等専門学校各種学校及び特殊浴場制限することといたしております。  第二種住居専用地域は、中高層住宅にかかる良好な住居環境を保護するための地域であり、住居地域において制限される建築物のほか、一般の工場遊技場旅館等制限することといたしております。  近隣商業地域は、近隣住宅地の住民に対する日用品の供給を行なうことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するための地域であり、商業地域において制限される建築物のほか、キャバレー、劇場観覧場等制限することといたしております。  工業専用地域は、工業の利便を増進するための地域であり、現行工業専用地区において制限されている建築物のほか、遊技場等制限することとしております。  また住居地域におきましては、新たに特殊浴場を排除するとともに、騒音、振動等公害を伴う工場に関する制限を強化する等の改正を行なうこととしております。  なお住居専用地区及び工業専用地区は廃止いたしました。  第五十二条から第六十条までは、都市計画区域内の建築物面積、高さ及び空地に関する規定であり、第五十二条から第五十六条までは、基本的な事項規定しております。  第五十二条は、容積率すなわち建築物延べ面積敷地面積に対する割合に関する規定であります。この割合は、第一種住居専用地域内では十分の五から十分の二十まで、商業地域内では十分の四十から十分の百まで、その他の用途地域内では十分の二十から十分の四十までの範囲内で、各用途地域に関する都市計画において定めるもの以下とし、用途地域外におきましては十分の四十以下としたものであります。このほか、前面道路が十二メートル未満である場合には、容積率は、その幅員のメートルの数値に十分の六を乗じたもの以下でなければならないこととし、計画道路にかかる敷地、その周囲に広い空地を有する建築物敷地等取り扱いについては、おおむね現行容積地区におけると同様の規定を設けております。  第五十三条は、建ぺい率すなわち建築物建築面積敷地面積に対する割合に関する規定であります。第一種住居専用地域内では十分の三から十分の六までの範囲内において都市計画で定める割合以下、近隣商業地域及び商業地域内では十分の八以下、その他の用途地域内においては十分の六以下、用途地域外では十分の七以下といたしました。このほか、防火地域内の耐火建築物、街区のかどにある敷地内の建築物、公園、広場等の内にある建築物等の取扱いについては、おおむね現行と同様の規定を設けております。第五十四条は、第一種住居専用地域内における建築物外壁後退距離についての規定であります。第一種住居専用地域内においては、当該地域都市計画外壁後退距離を定めることができることとし、当該距離が定められた場合には、建築物外壁またはこれにかわる柱は、その定められた距離以上敷地境界線から離さなければならないこととしております。この場合、都市計画においては、一メートルまたは一・五メートルのいずれかを定めるものといたしております。  第五十五条の改正は、第一種住居専用地域における建築物の高さの限度を十メートルと定めたものであります。第一種住居専用地域以外の地域におきましては、容積率制限都市計画区域全部に適用することといたしましたので、現行住居地域内では二十メートル以下、住居地域以外では三十一メートル以下の建築物の絶対高さの制限は、廃止することといたしました。  第五十六条の改正は、建築物の各部分の高さの制限すなわち斜線制限に関する規定であります。前面道路からの斜線制限現行どおりでありますが、容積率制限を一般化したことに伴い、隣地境界線からの斜線制限を一般的に採用することといたしました。  また、第一種住居専用地域及び第二種住居専用地域においては、日照採光通風等に寄与する制限として、新たに敷地北側境界線からの斜線制限を設けることといたしました。  なお、空地地区及び容積地区は廃止することといたしております。  第七十九条の改正は、建築審査会事務内容に照らして、建築審査会委員の構成を改めたものであります。  第八十五条から第九十七条の三までは、雑則に関する規定であります。  第八十五条の改正は、仮設興行場博覧会建築物等仮設建築物存続期間を、六月から一年に延ばすことといたしたものであります。  第九十三条の二の改正は、特定行政庁は、確認申請書に関する図書のうち建築物敷地建築物関係を表示するものについて、閲覧の請求があった場合には、これを閲覧させなければならないことといたしたものであります。  第九十七条の二の改正は、第四条の改正に伴って大都市の特例を廃止するとともに、人口二十五万未満の市又は町村について、新たに事務の一部を執行することができることといたしたものであり、これらの市町村の長及び建築主事のつかさどる事務範囲並びに審査請求取り扱いについて定めたものであります。  第九十八条から第百条までは、罰則に関する規定であります。  第九十八条の改正は、建築監視員制度の新設に伴い、建築監視員命令違反について、特定行政庁命令違反と同様の罰則適用することといたしたものであります。  第百条の改正は、建築監視員等質問権を設けたことに伴い、この質問に対して答弁せず、または虚偽の答弁をした者に罰則適用することといたしたものであります。  別表第一の改正は、最近における特殊建築物火災事例にかんがみ、耐火建築物または簡易耐火建築物としなければならない劇場ホテル学校百貨店等建築物範囲を拡大して、これらの建築物に類するもので政令で定めるものを加えたものであります。なお、この改正によりまして、避難階段設置に関する基準室内仕上げ制限に関する基準等適用を受ける建築物範囲も拡大されることとなります。  別表第二の改正は、第四十八条のところで申し述べたとおり、用途地域細分化及び用途純化をはかったものであります。  別表第三、別表第四及び別表第五の改正は、用途地域地区改正に伴う整理をいたしたものであります。  最後に、附則について御説明いたします。  第一項は、この法律を公布の日から一年の範囲内において政令で定める日から施行することといたしたものであります。  第二項は、政府は、建築基準法規定による工事施工停止命令等の履行を確保する措置について検討を加えることといたしたものであります。  第三項から第十四項まで、地方自治法港湾法都市計画法等関連法規改正をいたしたものであります。  第十五項から第十八項までは、都市計画法等の一部改正に伴う経過措置に関することでありまして、第十五項においては、この法律施行の日から三年以内に、新たな用途地域に関する都市計画を定めるものといたしております。第十六項においては、この法律施行の際、現に定められている都市計画区域については、この新たな用途地域に関する都市計画が定められた日から、改正後の建築基準法用途地域に関連する諸規定適用することとしております。  第十九項は、この法律施行前にした行為に対する罰則適用について規定したものであります。  以上、本法案につきまして逐条御説明を申し上げた次第であります。
  6. 大和与一

    委員長大和与一君) 本案については、本日はこの程度とし、質疑は後日に譲ります。     —————————————
  7. 大和与一

    委員長大和与一君) 次に、建設事業並びに建設計画に関する調査議題とし、昭和四十五年度の北海道開発庁施策及び予算に関する件について、その所信説明を聴取いたします。  初めに、北海道開発庁長官より北海道総合開発基本施策について所信をお聞きします。西田北海道開発庁長官
  8. 西田信一

    国務大臣西田信一君) 所信を申し述べます前に一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。  このたび私、北海道開発庁長官を命ぜられた次第でございますが、北海道開発のきわめて重要性を帯びておりますにかんがみまして、微力ではございますが、全力を尽くしてその責任を果たしたいと考えております。ことに当委員会の皆さまには、格別な御指導と御協力を賜わらなければならない次第でございまして、よろしくひとつお願いを申し上げたいと存じます。  第六十三回国会におきます委員会審議をお願いするにあたりまして、北海道開発行政の基本的な考え方について、私の所信を申し述べたいと存じます。  北海道総合開発は、国民経済発展段階に即応し、その安定的成長に積極的に寄与する役割りをになう国家的な事業でございます。  この事業を推進するため、昭和三十七年に閣議決定を見た第二期北海道総合開発計画に基づき、各種開発事業を実施してきたところでありますが、昭和四十五年度は、この計画最終年度に当たる重要な年でございますので、この計画を効果的に達成し、あわせて次期計画に円滑に移行し得るよう、各種事業の実施に全力を傾注してまいる決意であります。  さらに、札幌オリンピック冬季大会開催を二年後に控えておりますので、これに必要な関連公共施設につきましても、今後積極的に整備を進め、大会開催に万全を期する所存であります。  ひるがえって、北海道現状を見ますると、開発の成果が逐次実を結び、一応順調な発展を遂げておりますが、産業基盤社会生活基盤等社会資本の不足、産業構造後進性など、なお多くの課題を擁しており、これらを総合的かつ計画的に解決していくことが強く要請されております。  したがいまして、今後北海道開発行政を推進するにあたりましては、道路治水港湾等産業基盤整備をさらに強力に推進するとともに、住宅下水道等社会生活基盤整備につきましてもきめこまかく配慮をし、さらには拠点開発の推進によりまして、各地域の均衡ある発展を期することといたしております。  次に、昭和四十五年度における北海道総合開発基本施策のうち、建設関係分重要施策について申し述べます。  道路整備につきましては、拠点都市相互を結ぶ幹線道路及び産業開発に必要な道路等に重点を置いて整備を進めるとともに、街路の整備等都市交通対策を促進することといたしております。  さらに、冬期間道路交通を確保するため、除雪、排雪等事業を強力に実施することといたしております。  治水事業につきましては、北海道河川は、原始河川が多く、融雪、局地豪雨等によって災害を受けている現状にかんがみまして、石狩川、十勝川など十一水系に加えて、渚滑川の一級河川への昇格をはかり、これら主要河川治水事業を極力推進するとともに、都市周辺及び災害多発地域における事業を重点的に実施することといたしております。  また、ダムにつきましては、岩尾内ダムを完成し、豊平峡ダム及び大雪ダムの建設を促進するほか、様似治水ダムの新規着工をはかるなど一段と事業を促進することとしております。  社会生活環境整備につきましては、北海道のようにきびしい気象条件のもとにおける住宅は、生活の基礎をなすものでありますので、住宅の質の向上と建設戸数の増加につとめることとしております。  また、下水道施設につきましては、札幌市をはじめとする各都市の下水道及び終末処理施設の整備を促進することとしております。  なお、四十五年度をもって終了する第二期北海道総合開発計画は、関係各位の御協力によりまして順調に進展しており、おおむね所期の目標を達成する見込みであります。  また、この計画に引き続く次期北海道総合開発計画につきましては、新たな構想のもとに目下策定作業を進めておりまして、本年七月までに閣議決定されるよう取り運ぶ所存であります。  以上、北海道総合開発行政に関する諸施策について所信の一端を申し述べましたが、国民の期待にこたえるため、今後とも微力を尽くす所存でありますので、よろしくお願いを申し上げます。
  9. 大和与一

    委員長大和与一君) 次に北海道開発庁予算の概要について説明を願います。新保総務監理官
  10. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 北海道開発庁関係昭和四十五年度予算について、その概要を御説明申し上げます。  北海道開発計画に必要な開発事業費の予算は、御承知のように昭和二十五年の閣議決定に基づきまして、昭和二十六年度の予算から北海道開発庁に一括計上されまして、予算成立後に各省に移しかえあるいはまた各特別会計に繰り入れをいたしましてこれを使用する、こういう仕組みになっておるのでございます。  このようにいたしまして北海道開発庁に計上されます四十五年度開発事業費の要求総額は、お手元の第一表から第三表までの資料がございますけれども、そのうちの第一表の二ページ目でございますが、第一表の二枚目の一番下でございますが、合計欄がございます。四十五年度の要求総額は千七百九十五億七千万円でございまして、四十四年度の予算額が千五百二十二億円でございますので、金額において二百七十三億円の増加、比率にいたしまして一八%の増加となっております。このうち公共事業——開発事業費と申しておりますが、これは一ページの一番上でございます。北海道開発事業費は合計で千七百五十九億五千万円でございまして、四十四年度に比較しまして二百七十一億円の増、比率にいたしまして一八・三%の増加となっております。この事業の中で建設省系統に関係のある項目に重点を置いて御説明をいたしたいと思います。  まず第一に、治水事業費でございますが、この事業費は二百三十八億円でございまして、四十四年度の二百一億円に比較しまして、比率にして一八・五%の増額となっております。治山事業は二十三億六千四百万円、その次の海岸事業は九億九千七百万円、これが一般、農地、漁港、港湾と各省所管に分かれておりまして、建設海岸は、この一般の四億七千三百万円でございます。  次は、道路整備でございますが、これが一番大きな額を占めております。八百四億四千九百万円でございまして、四十四年度予算額六百七十二億円に比較しまして一九・六%の増額となっております。これは冬季オリンピック等のためオリンピック関連公共施設整備というような事情も加わってこういうことになっておるわけでございます。  次に、一ページの下のほうにございますが、住宅対策費、これは公営住宅の補助金でございますが、五十三億一千万円で増加比率は一八・五%となっております。  次は、その下に5とあります生活環境施設整備でございまして、これは公園、下水道の整備補助でございますが、絶対額で二十八億二千百万円、一六四・八%ということになっております。  以上申し上げました建設省に関係のありまする各種事業費のほかに港湾とか、漁港、空港の整備、あるいは農業基盤整備等の事業費がございますし、さらに二ページのまん中から下のところに書いてございますが、工事諸費とかあるいは北海道開発計画費あるいは北海道開発事業指導監督費、一般行政費というような人件費、事務費がございます。で、総額が千七百九十五億になるわけでございます。  これらの予算がどこで実行されるかと実施官庁別に見ますと、第三表の資料をごらんいただきます。横とじでございますが、第三表、これは実施官庁別に予算を分けたものでございまして、まずトータルは、この一番最後の四ページをごらんいただきます。総額は千七百九十五億でございますが、総理府で——これは北海道開発庁のことでございますが、所管別に申し上げますと総理府でございますが、百七十億八千二百万円、九・五%というものが開発庁で直接実行されるわけでございます。農林省に移しかえられるものが四百八十億で、全体の二六・八%、建設省に移しかえられるものあるいは特別会計に繰り入れられるものが千四十三億円で五八%、半分以上を占めております。運輸省が百一億円で五・六%、厚生省が千五百万でウエートはわずかでございますが、こういうふうにそれぞれの所管に移しかえられまして実行されるわけでございます。  次に、この中で建設省関係事業内容につきましてやや詳細に御説明申し上げたいと思います。これは第二表につきまして御説明を申し上げたいと思います。  まず、治水事業でございますが、そのうちの河川事業費でございます。四十五年度の要求額は百八十九億一千五百万でございまして、これが直轄と補助に分かれておりまして、百四十一億二千七百万という七四%は直轄で行ないますし、四十七億八千八百万は補助事業でございます。北海道市町村等に対する補助事業として行なわれるわけでございます。河川におきましては、重要河川の無堤地区の早期解消、あるいは都市周辺の河川整備、災害多発の河川の改修に重点を置いて事業を行なう予定でございます。  次に、一ページのまん中のところにダムとございますが、ダム建設関係事業でございます。これにも個所数がそこに書いてありますが、天塩川の岩尾内ダム、石狩川の豊平峡ダム、石狩川の大雪ダム、それぞれ所定の計画に従って予算化しておるわけでございますが、新しく十勝川の十勝ダム実施計画調査費というものを今年六千万円ほどお願いいたしております。  その次は、北海道河川総合開発事業費でございますが、これは金額にいたしまして三億四千万、直轄が約三割、補助事業が約七割、こういう割合になっております。二ページにまいりまして、北海道の砂防事業費、総額で十五億九千六百万、大部分が補助事業として行なわれます。  その次は、北海道の治山事業費でございますが、これが二十三億六千四百万、これも八割方は補助として行なわれます。前年度に対しまして約一五%の増ということになっております。まん中ごろに海岸事業費がございます。これが九億九千七百万、これも大部分が補助事業で行なわれます。それから二ページの下から三分の一のところでございますが、道路整備事業がございます。これは一般国道直轄改修費が四百億でございます。この予算をもちまして国道の一次改築を概成するという目途で整備を進める予定でございます。特に、このもと一級国道、観光ルートその他重要な区間につきましては、重点的に整備を促進いたしましてその完成を早め、また、都市とその周辺の交通隘路を打開するために二次改築も大幅に促進いたしたいと考えております。また、札幌オリンピック冬季大会に必要な道路、これは四十六年度までに完成しなければなりませんので、そういう時間的な問題もありますので、それを考えて整備をはかる所存でございます。  次に、地方道でございますが、これには北海道特有のものとしまして直轄の改修費がございます。四十五年度は五十一億円でございまして、これは開発拠点都市にかかる重要な路線、あるいは都市周辺の道路、交通量の多い区間、産業開発上緊急に整備を要する路線、そういったところを重点的に整備いたすことにいたしております。開発道路におきましては、四十五年度二つの路線が新規に採択をされております。次は、地方道の改修費補助でございます。四十五年度は百三十九億円でございまして、これは重要な幹線道路整備を促進いたします。あるいは生活環境整備のために特に重要な路線を重点的に整備をいたす考えでございます。次に、雪寒地域道路事業でございますが、二ページの下から二行目でございます。直轄事業費としましては十二億八千九百万円、これをお願い申し上げております。また、その次の一番下でございますが、補助事業関係では三十二億五千六百万円、これをお願いしておるわけでございまして、これによりまして、除雪、排雪、防雪施設等の事業を行ない、雪寒地における冬季道路交通の確保をはかることにいたしております。三ページに引き続きます。上のほうから、街路事業費でございますが、四十五年度は八十八億八千五百万円計上いたしまして、前年度に比較しますと、六八・五%の大幅増額ということになりますが、このうち十地区画整理事業としまして、都市の交通混雑緩和をはかるため、幹線道路整備、あるいは生活環境の改善、宅地の高度利用を促進することといたしております。その他、立体交差、鉄道高架等の各種事業もいたす予定でございます。また、札幌オリンピック冬季大会の関連道路は、この街路事業の中にかなり含まれておるわけでございます。  次に四ページへまいりまして、まん中のところに住宅対策費がございます。五十三億一千万円でございまして、一八・五%の伸びになっておりますが、これをもちまして、建設戸数は七千七百五十戸、四十四年度に比べますと二百五十戸の増となっております。また、建設の単価につきましても若干の引き上げが行なわれることになっております。  次に、生活環境施設整備でございますが、四十五年度は二十八億二千百万円で、六四・八%の大幅な伸びでございますが、公園事業は一億八千六百万円、それから下水道関係が二十六億三千五百万円でございまして、相当増額をお願いすることになっておるわけでございます。  以上、北海道開発予算のうち、建設省に関係する事業につきまして御説明を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。     —————————————
  11. 大和与一

    委員長大和与一君) 次に、昭和四十五年度建設省関係北海道開発庁首都圏整備委員会近畿圏整備本部及び中部圏開発整備本部施策並びに予算に関する件について調査を行ないます。  質疑がある方は、順次御発言を願います。
  12. 田中一

    ○田中一君 最初に伺いたいのは、いま参事官から説明された予算編成の方針について、昭和四十二年度の閣議決定から開発庁のほうに予算計上してそれを各行政官庁の分野に分けるんだというような説明をしたんですが、四十二年度ですか。
  13. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 昭和二十六年度でございます。二十五年の閣議決定に基づきまして、翌年度の二十六年度でございます。
  14. 田中一

    ○田中一君 二十五年度の閣議決定したものが、自来ずっとそういう方法をとらないで、各省に予算を分配して、それが北海道開発庁のほうに事業費として移されてきて仕事をやっておった、ということのようにぼくはいままで承知しておるんですが、そうじゃなかったですか。
  15. 新保實生

    政府委員(新保實生君) それは二十六年度から同様でございまして、まず北海道開発庁に各省関係の公共事業予算が一括計上されまして、実行にあたりましてそれぞれの省に予算を移しかえる、こういうやり方でございまして、それは二十六年度から同じでございます。
  16. 田中一

    ○田中一君 私どもがいままで歴史的に承知しておる予算説明の中で、大体総理府というのは庁費というものが主になった説明を聞いておったんですよ。その点は一体どうなんですか。私のいままで承知しておったところのものが間違いなのか、それともいま説明があったように二十六年度からは一切の事業費というもの、経費も含めたものは総理府の予算として計上されて、それが各行政庁に分配されておったのかどうか、ちょっとぼくはその点疑問を持っているんだが、疑問というか、ぼくの間違いかもわからぬけれども、その点は。君は開発庁に来てから何年になるの。
  17. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 私はまだ一年になりませんが、昔から予算をやっておりましたのであれですが、その点は二十六年度から何ら制度的な改正はなかったと存じております。すべての予算が各省に移しかえられるわけでございませんで、おっしゃいましたような庁費とか、事務費とか、計画費とか、人件費とか、そういうものは移しかえの対象にならずに開発庁が直接これを使用するわけでございまして、この四十五年度につきまして申しますと、それが全体からいいますと約一割でございます、この三表にございますように。その仕組みは昔から、二十六年度から変わっておらないと存じております。
  18. 田中一

    ○田中一君 そうすると、私の間違いかも、覚え違いかもしらぬけれども、従来計上して説明しておった場合には建設省は、北海道はこれこれであるという予算説明をしておったわけです。北海道はこれこれである、道路費はこれこれであるという説明をしておったんです。ごく二、三年前から改めて、一切の事業費も含めた予算を総理府北海道開発庁が要求する形になったのは近年ではないかと思うんです。その点はぼくは君の答弁を信用しないわけじゃないけれども、ちょっとまだその点がはっきりしないものだから伺うのですが、だれか建設省のほうでその点わかっている人がいたら説明をしてもらえぬかな。
  19. 川島博

    政府委員(川島博君) 私の関係でもございませんけれども、ただいまも北海道から御説明したとおりでございまして、昭和二十六年度以来北海道分については北海道開発庁に一括計上し、実施にあたって各省に移しかえるという制度と承知して  おります。
  20. 田中一

    ○田中一君 それならばなぜ、これが建設省関係でございますとか、それから農林省関係でございますとかという説明は要らないわけなんですよ。北海道開発庁が自主的に行なえばいいんであって、それでその監督権というか、全体の、建設省なら建設省にこの事業を移しかえるために、実際の監督権は、行政上の監督権ですよ、これは建設大臣が持つのか、どこにあるんですか。
  21. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 北海道開発庁は官庁の性格としましては企画、計画官庁でございまして、これを裏づけるために、手段としまして予算の一括要求をいたし、予算書にも一括計上すると。これの実施にあたりましては、建設省あるいは運輸省、農林省にそれぞれ移しかえをする。そうしてその事業の監督そのものはこれは北海道開発庁規定がございますが、それぞれの所管の大臣が予算の実行の監督、責任を持つと、こういう仕組みになっておりまして、これは開発法ができました二十五年以来変わっておらないと承知いたしております。
  22. 田中一

    ○田中一君 西田国務大臣、一体そんなことでいいのかい。これはそのとおりですよ、北海道開発庁できたときにはそういう趣旨でできている。われわれもずいぶん抵抗したものだからこういうことになっちゃったんだけれども、実際において北海道開発庁というものの役目は、北海道における、北海道開発局と、何ら直接的な監督上の権限がないということなんですよ。実態としては、事業の場合に。人事の問題においてすら、あらゆる面においてすら、運輸、農林、建設大臣が、あなたが全部所管しているところの官庁を自由にしているんですよ。北海道開発庁はロボットのわけですよ。ただ単に予算を要求し、予算をまとめるということだけの役目なんですよ。もっとも西田長官はオリンピックその他いろいろな兼務があるからこんなものはどうでもいいかもしらぬけれども、少なくとも北海道を選挙地盤にしている西田君にしてはこの点が非常に割り切れないのです。その点はどう考えられておるか。
  23. 西田信一

    国務大臣西田信一君) 田中委員御指摘のとおり、北海道開発庁予算は一括計上されておりまして、これを各省に移しかえするということは開発庁が発足当時から変わっておりません。しかし開発局の人事その他は私のほうが所掌しておるわけでございます。しかしながらこういう直接の監督はそれぞれの移しかえを受けました各省が直接の責任を負っておるわけでございます。発足当時からそうなっておるわけでございまして、いろいろな意見がございまして、開発庁あるいは開発局というものを実施官庁にすべきである、こういう意見も確かにいろいろございました。しかしまあ経過的にはそうなっておるわけでございます。これが是非につきましてはいろいろな御意見があると存じますが、現状はそうなっておりますが、実際の計画を立てたり予算を要求したりすることは、各省と連絡をとりながら私どもが取りまとめをいたしておるわけでございます。  こうなりました事情はいろいろあると思いますけれども、国の建設行政あるいはその他の港湾行政その他におきまして、国が一貫した行政を行なうという立場から申しますれば、いまのことも理解できないことはないと思うのでございますが、長年ずっとこういう形でやってまいっておりますので、私どもといたしましてはこれを直ちに現状を改変するというような考えは持っておりませんけれども、確かに北海道開発庁という特別な法律に基づくところの役所ができまして、そして実施をしておるのでありますから、考え方としては二通り——田中先生のような御意見もごもっともな御意見だと思うのでございますが、これにはいろいろな理由があり、いろいろな事情がありまして、こういう形をとっておるわけでございます。私としてはまあ現状において非常に何か不都合があるというふうには思っておりませんが、考え方としては二通りあるということは確かに御指摘のとおりだと思います。
  24. 田中一

    ○田中一君 きょうの新聞見ても、各種政府関係機関の廃止の問題が出ているのです。たとえば塩業、アルコールその他もう実際に仕事を民間にまかしてもいい、やめたらどうかという意見も出ている。今度鉄道の建設公団にしても、こんなもの必要ないんじゃないかという議論も出ている。そうなると北海道開発庁長官権限の及ぶところは人間にして何人ですか、何人に及ぶんですか。むろんこれは行政面から見た場合には、機構の面から見た場合には全部に及ぶけれども、事業費という面で見た場合には、ただ予算編成の企画の人たちだけがその当面の問題であって、参事官だって技術屋じゃないでしょうし、事業その他というものはそれぞれの所が立案したものを積算するということにとどまるのでしょう。これはひとつ北海道出身の西田さんだから、この際それを閣議で一ぺんぶちまくったらどうですか。あってないようなものなんですよ、要らないものならやめたらいい。そうして北海道地方建設局にしたって一向差しつかえない。大臣一人減らすと参議院の割り当て減るでしょうけれども。しかしそんなものは要らないですよ、実際。北海道地方建設局にすれば済むわけでしょう。これはまあいろいろ北海道開発つくるときにも問題があって、ごねてごねてようやくこういう形になったんでしょうけれども、こうしてもう二十年たっている北海道開発庁が相変わらず現状のままであるならば、行政審議会なんかこれはもうやめたらいいじゃないかという議論が当然出ます。この点はひとつ、いま西田君もっともここでもって大みえも切れぬだろうから、これはある時期において閣議でそのくらいの発言をしたっていいと思うのですよ。
  25. 西田信一

    国務大臣西田信一君) たいへん御鞭撻を受けましてありがとうございます。ただ現在の仕組みで申しますと、工事を実施する、工事施行するということは、各省に移管をしてゆだねられているわけでございますが、しかし開発庁は開発法に基づきましていわゆる北海道開発のしさいの企画立案をするということの大きな仕事を持っているわけでございます。したがいまして、北海道開発庁というものが直接現場の仕事をしなければ意味がないというふうには思わないわけでございます。それから第三期総合開発計画の策定にも現在精力を傾けておるわけでございますが、何と申しましても従来一期、二期と続けまして、北海道開発庁が中心になりました計画は、四十五年度で第二期が終わりますが、大体その目標は、人口等におきましては目標に達しないものもございますけれども、ほぼ目標達成できたということは開発法並びに開発庁の存在の価値というものが十分認識されて、それが評価されていると思うのでございますし、これからの第三期北海道総合開発というものは、私は従来と違って、御承知のとおり青函隧道も通り、あるいはまた四国と本州の間にも架橋されるというようなことになりまして、距離も非常に近くなりますし、私は日本列島というものは、ひとつ日本列島をやめて、日本は一つの国である、一つの島であると考えてもいい時代が来ているのではないか。そういう場合にいよいよこれから北海道が重要な役割りを演ずると思うのでございます。そういう意味におきまして、次の計画の立案におきましてはそういう気持ちでこれから当たりたいと思っておりまして、それが私どもの大きな任務であると、かように考えておるわけでございます。実施の面につきましての田中君のおことばは激励とちょうだいいたしておきますが、十分まあ検討さしていただきたいと思います。
  26. 田中一

    ○田中一君 それならもう少し強い発言をして、建設官僚、農林官僚、運輸官僚をひっぱり回すくらいの規模を持たなければならぬよ。それにはスタッフが少ないですよ。一体庁には職員は何人いるのですか、参事官。
  27. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 約八十八名でございます。
  28. 田中一

    ○田中一君 それっぽちでもってこれからの千七百からの仕事をしようというのじゃ足りないですよ。経済企画庁ぐらいの、あすこにいる国土総合開発局のようにあのぐらいのスタッフ、あのぐらいの専門家を持たなければ、課長何名おったところで事務的な扱いをする人が多いでしょう、企画というものはそこまで進んでないと思う。何人ぐらいいるのですか、企画立案するのは。むろんこれは佐藤内閣という大きな一つの責任の上から各省の知恵をみな集めてつくるのだということになると思うけれども、もう少し強化しなければならぬと思うのだが、どうですか。
  29. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 企画立案をやりますのは、東京の開発庁本庁の職員だけではございませんで、開発局にもそれを担当する職員がおります。まあ私どもの一番大きな仕事はやはり長期的な現在第二期計画、八カ年計画をやっておりますし、それから七月にかけまして第三期の十カ年計画を立案するわけでございますが、これは各事業別にかなりこまかな積み上げをやりまして、企画庁が六十年を目標とする新全国総合開発計画をおつくりになりましたけれども、あれよりももっとこまかな細部の積み上げたデーターがあるわけでございまして、毎年毎年の予算におきましても、そういう長期計画に基づいてやっておりまして、よくありますような各省所管の事業を整合的に足並みをそろえて、同じ個所にタイミングをほどよく調整しながら実施していくというような妙味も、実施官庁が一つであるために、あるいは計画官庁が一カ所であるために、かなりそこら辺にはメリットが認められるんじゃないだろうかと……。もちろん私どもは実施の面につきましては各省にお願いしているわけでございますが、また考えようによりましては、一つの事業をやるという場合に、官庁組織におきましては、予算をどこどこに、どの程度の事業をやるということがかなり大きなウェートを占めるわけでございまして、その計画に従った予算を実行する。まあ、それぞれ、二十五年にあとからできた役所でございますから、すでにでき上がっておる官庁との職務権限の調整という面から、現在のような北海道開発庁のような仕組みになったものと思いますけれども、現在の計画調整権能によりまして、北海道開発事業については実質的な発言権を持ってこれを執行しておる、まあかように考えておるわけでございますが、十分でない面もございますので、そういう点は一そう改善してまいりたいと考えております。
  30. 田中一

    ○田中一君 で、事業費でまかなってる、まかなってるというとおかしいが、給与してるところの職員と、それから一般財源でやってるのは、どのくらいの比率になるのです。
  31. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 私どものほうの定員職員は、四十五年度で一万一千三百八十五名ということになっておりますが、このうち大部分が、この工事諸費、いろんな事業工事諸費というのがございますが、そういうもので支弁されております。これはまあ建設省とか、ほかの役所の経費の支弁区分と同様でございまして、特に北海道が変わっておるというわけじゃございません。
  32. 田中一

    ○田中一君 そうすると、行政面の、北海道開発局における行政を担当している職員の数はどれくらいいます。
  33. 新保實生

    政府委員(新保實生君) これは、正確には、あとでまたお答え申し上げたいんでございますが、開発局の定員職員が一万一千三百人おりまして、そのうち行政職の(一)というのが五千五百名おります。これが全部企画立案をやっておるわけではございませんけれども、まあ比較的それに近い仕事をやっておると、こういうふうに考えられます。
  34. 田中一

    ○田中一君 それは行(一)、行(ニ)という範囲の人たちのこと言ってるの。あの人たちは、みんなあれでしょう、事業費でやってるんでしょう。
  35. 新保實生

    政府委員(新保實生君) いま申し上げましたのは定員内の職員でございまして、その中で、行(一)職員が五千五百名、行(ニ)職員的な者が約同数ございます。それ以外に、実は定員外の職員というのがございまして、これは各省にもございます。季節の繁閑によりまして、特に北海道工事時期が短いものでございますから、夏の最盛期には、多いときには六千人くらい臨時職員を入れてやります。これは工事費支弁でございます。
  36. 田中一

    ○田中一君 そうすると、開発局の行政部門の業務はどれとどれです。まあ第一に道路の管理権、道路管理は、これは行政の面ですね。ですから事業の面と行政の面と区分すると何があります、北海道開発局には。国道の維持管理というのは、これはまあ行政権を持ってるわね。確かに道路行政のそういう面において。
  37. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 正確な数字で区分はちょっと手元に資料はございませんが、これはやはり建設省の地方建設局と同じでございまして、道路とか河川とかそういう公物に対する管理業務、これは開発局でやっております。それ以外に各工事現場の監督とかあるわけでございます。ちょっと正確な数字は手元にはございません。
  38. 田中一

    ○田中一君 私は、現場における職員ですね、と現場における事業というものを主体にした場合に、これはもう全部何というのかな、ことばは悪いけれども、一定予算を与えて、これだけの事業を行なうのだというふうにきめて、自主的に向こうにまかしていいと思うのです。政治的な介入、あるいは行政上の権限の介入がなく、それらの諸君は行政部分の仕事を除いては、全部いわゆる現場なんです。現場現場にまかす。そうして効率ある仕事をする、させる、こういう自主的な行き方をするならば、建設省の各地建にしても、北海道開発局にしても、なるほどいまあなたが言っておったとおり、内地というか、内地においては、それこそ屋上屋を架すような監督権がふくそうしておるから、行政の簡素化もできない、何もできないと言います。あなた一つにしているからそれができるのだ、これは一つの特徴がありますね。しかし、そいつをまかしてしまったらどうかということなんです。むろん技術の指導その他については、当然監督権を発動してやればいいんであって、どういう工法、新しく工法を使うとか何とかでもって、意欲的な完成を目ざすという行き方をとったほうがいいんではないか、ということをしばしば考えているんです。だからもうたとえば労働運動一つ起きても、なかなか建設省の地方などでもそれこそいろいろな問題を起こしている。そしてそうではない形でもって、権限委譲をして施工という面がある。建設という面は権限を委譲してやるというような方法を西田さんどうです。そういう方法は北海道においては不適当かな、それともそのほうがいいと思うか、どうです、長官。
  39. 西田信一

    国務大臣西田信一君) 開発事業は年々一〇%以上の伸びを示して、事業がどんどんふえておりますが、実際には御承知のような政府の方針でございまして、定員増というものは金額の伸びには比例しておりません。のみならずこの定員は削減するという方針をとられておりまして、年々定員の削減を行なっておることは御承知のとおりであります。したがいまして、この限られた定員で事業量を消化するという面におきまして、いろいろなくふうが必要であろうと思います。私、率直に申しまして、そういう面では北海道現場ではやや何と申しますか、そういった方向に立ちおくれておると申しますか、そういう面が感ぜられる面がございます。そういうことから、定員外の職員も相当数に達しております。しかし定員外の職員でも、全く常勤的な性格の仕事をしているものも相当あるわけであります。これらはなるべくひとつ定員の中におきまして、これを定員化をはかっていくという方向は、できるだけとっていきたいと思っております。しかし、また一面におきまして、相当数の定員外職員がおりまして、これはたしか二、三年前の閣議で方向がきまっておりますが、定員外職員はなるべくこれを整理するという方針が出ておるわけでございます。そこでその整理と申しましても、現実の問題といたしまして、なかなかこれは北海道の特殊事情もございますし、むずかしい面がございますが、そこでいろいろな方針をひとつ検討いたしまして、無理のないようにスムースにこれがそういう方向にいき得るようなことを検討してまいりたい、かように思っておるわけでございます。具体的にはいろいろと検討しておりますが、いまお話しの権限の委任の問題につきましても、これは十分そういうことも考慮いたしまして進めてまいりたいと思っております。具体的な考え方につきましては、他の政府委員からも答弁さしていただきます。
  40. 田中一

    ○田中一君 非常に国民の行政の簡素化というような声におびえて実態というものをごまかして、そして大ぜいの職員を使って事業を遂行しているのが、全国的の現業部局の姿なんです。昨年の国会でも、社会労働委員会でもって相当この問題はあなた方に、政府については要求をし検討もされ、労働大臣はこれは不当であるというような意見まで言っているのです。たとえば、なるほどアルバイト的な、季節的にまあ五カ月ないし六カ月は仕事ができなくなるんだから、この間だけはまあ一ぺんやめてもらって、そうしてまた必ずその人間は雇うということをしているわけです。ところが、現場ぎりぎりまでやる。そしていよいよ雪が降ってきた。どうにもならぬから現場から引き上げてきた。その場合に、事務処理等が、当然それらの諸君の相当な人たちが、また融雪、仕事が始まる時期までの間には整理をしなけりゃならない。だから十二カ月——一年、一日首切って翌日にまた雇うというような形をとっているのは三千人程度おります、北海道は。これはごまかしですよ。一日だけやめる、そして日雇い的な立場におるから、一定の労働基準法によるところの手当を支給する。そしてまた翌々日から採用してくるというような行き方をしておるのです。これははなはだごまかしです。実態を国民に知らせないでいるということであって、また、いまではその人たちが職業化しちゃって、それが定職になってしまってですね、当然雇われる、雇うという約束をしますから、事業はどんどん伸びているのだ。そうでもしなければ、それこそ労働力の過疎地帯になっちゃいますから、雇うにはきまっているのだけれども、そういう便法を用いている。そうして、その働く人たちに対する不安定な将来というものを見せてるんです。そして現在も年々勧奨退職する老齢者もおる。大体、六十過ぎてまでも役所が人を使うなんということは不当です。人権の問題です。定年制のよしあしを言ってるんじゃない。法律上どうにもならぬからといって使っているということは不当です。不当だから首切っていいというんじゃない。不当だから首切るかわりに、その人たちには老後、何ら心配ない保障をしなきゃならぬことは当然なんです。こういう点についてはもっと真剣に考えなきゃいかぬ。それはデスクワークの中央官庁、その他の行政部門にもあるでしょうけれども、これはまだいいとしても、肉体労働を自分の職業としてああいう悪い条件の中で働いている人たちが、六十過ぎてまでも港湾の作業に入って、病気になったり事故を起こしたりするのはたくさんあるんですよ、北海道開発庁には。こういう人たちに早くやめてもらって、そうしてそのかわり生涯心配ない生活ができる保障をしなきゃならぬと思う。そして北海道はほかと違って特異な環境にあるわけです。こういう点はひとつ西田さん、あなた、よくこの環境はわかるんだから、今度は真剣に取り組んで、これらに対してのそういう手厚い手当てをするという方向をとられるかどうか、同時に、いま言う一年のうちに十カ月雇用もあり、十二カ月雇用もあり、六カ月雇用もある。十二カ月雇用で一日だけやめてもらうというようなことは、これはなしにして、定員法もくそもない、いま定員法を国会で審議しているのじゃないですから、設置法でもってあなた方が特にできることになりましたね、今度は。総定員法になったから、その中でもってバランスをとればいいのですから、だからそのくらいの愛情ある労働者に対するところの手当ては、これはあなた一番よく知っているのだから、この際ひとつ大臣の任期中——一年だろうけれども、その間じゅうにひとつがんばって、オリンピックぐらいまであなたいられるかな、がんばって、そのくらいの解決をしなさいよ。
  41. 西田信一

    国務大臣西田信一君) この常勤あるいは非常勤の職員に対するたいへん思いやりのある御発言でございます。確かに北海道には北海道のいろいろな特殊の事情もございますために、非常勤の職員もかなりの数になっておるのでありますが、また御指摘のように、かなり老齢の人もおります。しかし高齢であるからといって、これは非情なことをしてはいけないと思います。やっぱりあとのことを考えてあげなければいけないと思います。そういうこともいろいろ考えて、そうして定員の問題は、いまおっしゃいましたけれども総定員法というものがありまして、かえってきちっと縛られておるようなかっこうでございますから、全体の中でやりくりすればいいということをおっしゃっても、そう簡単にもまいらないわけでありますが、しかし、こういうような実情に合うようにはしなければならぬと思います。そこで、いまお述べになりましたようなことを十分考慮し、それからまた、先ほどちょっと触れましたが、具体的には申しませんでしたが、北海道、そういう面でやや何と申しますか、多少、他省庁に比べまして立ちおくれている面もあることは、私、率直に感じております。そういう面につきましても、あるいはもう少し直営工事の請負化をふやすとか、あるいは事務簡素化をはかるとか、あるいは労力をなくする、省力化をはかるとか、いろいろなくふうもしなければならぬ。ことに労働力不足の時代でございますから、決して人はむだに使ってはいけないと思います。そういう面で、そういうくふうもしなければならぬと思いますが、できるだけ、不安定な状態でいつまでも長くつとめておるということは、これは決して好ましいことではございませんから、そういう意味では、ひとつ御趣旨のような方向に、私もかなり前から若干そういうことにつきまして実情も聞いておりますし、ことに私、こういう立場に立ちましたので、この問題は何とかひとつ、一挙にはまいりませんけれども、ひとつ取り組んでまいりたい、かように存じております。
  42. 田中一

    ○田中一君 たとえば、八十五人の北海道開発庁で、もう次官、事務次官あり官房長ありで、実に多士済々な、中央官庁と同じような機構を持っているので、非常にぼくはかたいのじゃないかと思うのですよ、実際言うと。しかしこれはまあしようがない。官僚出身の閣僚が多いのだから、どうしても身びいきに官僚出身の諸君を早く退職させて、何とかしょうと思ってポストをつくるのだろうと思うのですけれども、これらの点なんかも非常に疑問に思うのですよ。ただ、こうしてここに補助事業等が、今度の予算説明にもありました、補助事業等に対する監督権すらないのでしょう。これはそれぞれ、住宅の問題は補助事業だ。補助事業だけれども、これは建設省がやる。下水の問題は今日建設省に一元化したからいいけれども、終末処理に対してはやっぱり厚生省の指揮を受けなければならない。漁港は農林省、港湾は運輸省という形に、それぞれ全部中央官庁にそれぞれの部門の指揮監督を受けなければならぬということになっている。で、補助事業はここにこうして計上されているけれども、そんなものは実際補助事業に対するところの監督権が、たとえば監督権はないでしょうけれども、少なくともあなた方はそれに対してチェックするような権限はあるのですか。   〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
  43. 新保實生

    政府委員(新保實生君) これは予算要求にあたりましては、ただワクだけをきめておくわけではございませんで、それぞれの長期計画に基づいて、どの地方にどの程度のどういう事業をどの程度執行する、何カ年計画でそれを完成すると、その場合における建設、農林、あるいは港湾がありますと運輸省との関係はどうなるかというようなことを、一つ一つ検討しまして予算要求をするわけでざいます。その際に、補助事業に関しましても、これは道営事業とちぐはぐにならないようにこれは予算要求の段階におきまして何回か道とも打ち合わせをいたします。そういうことをやりましてむだのないように行なっていく。しかもその長期計画に基づいて各地方バランスがとれた、各事業間において斉合性のとれた事業執行を行なうような予算の要求をやるわけでございます。ことに予算配賦にあたりましても、ただ漫然と四分の一ずつ四半期ごとに配賦するのでなくして、この事業をどういうふうにやると、そういうタイミングの点なども考慮に入れまして、あるいは補助事業との関係でございますと、道の態勢が整っているかどうかというようなことも考えながら、その予算実行の過程においてもやはり調整ということを考慮に入れてやっているわけでございます。ただ事業の実施そのものについては監督権はないわけでございますけれども、事業を何年度にどの程度やるというようなことは、官庁組織でございますから、予算ですべてきまってしまうわけでございまして、そういう意味で北海道を総合的に、各事業ばらばらにならないように執行していく。そういう意味でわれわれのやっていることは非常に必要なことであり、また広い地域でもございますので必要な仕事ではないだろうか。ただ仰せのとおり、予算を取って各省に予算を移しかえしたらあとは何も知らないという態勢ではいけないのでございまして、監督権そのものは各省の大臣がお持ちになる。それはそれぞれの事業のたてまえ上やむを得ない、当然なことだと思いますけれども、ただアフターケアをしていく、そうして各事業は一年度で終わるわけではございませんので、翌年も、また普通の場合は数年間かかるわけでございますので、事業執行状況も絶えず承知しておらなければ、翌年度の予算要求もできないわけでございます。そういう意味で実質的にそういう調整のとれた事業が行なわれるように、われわれも努力いたしてまいりたいと存じます。
  44. 田中一

    ○田中一君 補助事業に対してはどうですか。
  45. 新保實生

    政府委員(新保實生君) これはただいま申しましたように、予算要求でどの地点を取り上げるかというようなことは、やはりわれわれは道庁と相談をしてやるわけでございます。で、予算要求においてもそれをやり、それからその後は国営直轄事業と補助事業が同じ個所で行なわれるという形が非常に多うございます。土地改良事業などにおいてもそうでございますが、そういうわけで絶えずその執行の過程においても相談しながらやっていく、こういうことで進めております。
  46. 田中一

    ○田中一君 住宅局長いないのかな。——じゃちょっと都市局長に聞くけれども、ここに街路その他の事業予算が計上されておるけれども、これはむろん地元の北海道庁からいろいろ要望があり、そして都市局に相談をして一応の原案をつくるのか、あるいは北海道庁が北海道開発庁のほうに相談をしてまとめて君のほうへくるのか。どういう経路をたどって決定されるのか。むろん答弁は大体わかっているけれども、お互いよく話し合ってやっておりますと言うだろうけれども、実際、実態はどうか。うそ言っちゃいけませんよ、ぼくも知っているんだから。
  47. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 下水道事業あるいは街路事業、公園事業といった補助事業につきましては、むろん市町村から一番最初は要望が出てまいります。県の事業は県から要望が出てまいります。それを県でとりまとめまして、それを北海道開発庁のほうへ上げていく。それから実際問題としましては、陳情という形で市町村が直接私のところに参ることもございます。あるいは県がまとめて持ってくることもございます。また開発庁にいたしましても、要望書と同様のものが私どものほうにまいります。また、実際に予算を組みますときに、北海道開発庁と相談をいたしまして大蔵省に対して要求原案をつくる、こういう形が実態でございます。
  48. 田中一

    ○田中一君 そうすると、一応は筋道は通ってきているんだね。ただ、たとえば今度の釧路の庁舎の増築部分についても、これは監理官よく知っているとおり、これはもうだれもかれも一緒になって、与野党一緒になってそれを推進しているのですから、これは監理官よく知っているでしょう。ただ単に、要求したからそれがどうなったというのじゃなくて、やはり営繕の費用というものは一応のワクで押えられがちなものだから、そしてそれをどうやるかということは、これは建設省の営繕部のほうにもいろいろ話し合いをしたり何かしてでっち上げてくるわけで、これはいいんですよ。これはいいんだけれども、そうした発想というものが、もっと発想、計画というものは力強く長官からこの予算を配賦する大臣を加えて力強い行動をしてほしいということが、ぼくの希望なんですよ。ただ単に予算をつくったって、あなた方のほうでそれを建設省の都市局ぐらいな機構があり、実態を知って予算をつくるんじゃないんだから、つまり共同でやっているんでしょうけれども、長官としてはもう少し力強い発言と意欲的な行動をしなければならぬと思うのです。まあ監理官はなかなかうまいことを言うけれども、そんなことじゃないですよ。そんなことはしてませんよ。現にいままでの北海道開発庁長官は、一年の任期中に何回北海道の現地に行ったかというと、まず、まあ鹿島守之助君が三、四回行った。ほかの大臣なんというのはせいぜい行って二回か三回、そいう現状です。西田君の場合一カ月に一ぺんは必ず帰っているだろうけれども、これはほんとうに無用の長物的な感じを受けているんですよ。われわれも受けているが、国民もそう見てます、庁というものを。しかし局というものは違いますよ。局というものは全く身近な問題をやってくれているものだから喜んでおるけれども、そういう点について庁がもう少し言うべき権限を持つ。そうして権限はどっちみち予算が取れればこれを委譲するんだということになるならば、これに対して発言をしなさい、発言を強く、この場合はこうだああだということを。したがって長官は地元と常に対話をすること。地元のためにいつも対話をかわして、よく理解してやって、間違いは間違い、これはこうじゃないか、こうゆくべきじゃないかというふうな助言もして、あなたが言っている青函隧道が完成すれば、もっとよい環境北海道ができるんだということ。これはもう希望しますが、その以前に、人間として住民に、道民にそこまでの希望と意欲をかき立てさせるのが、北海道出身の長官の役目であると思う。あなたが一番よく知っているはずなんだ。そういう意味で、どうか今後運営の面におきましても、あらゆる行政の——いま予算要求の仕組みの中におきましても、あなた自身が、それこそもう、家——奥さんのところに帰るばかりじゃなくて、広い現場をずっと歩いてみるということを常に心がけてやってください。今度の長官は、一年のうち半分来たというぐらいな行動をもって北海道の近代化、北海道総合開発というものをひとつ完成してくださることを希望します。
  49. 西田信一

    国務大臣西田信一君) たいへんありがたいお話を伺いましたが、全くそのとおり考えております。私は、実は北海道で生まれて、北海道以外に住んだことはなく、従来北海道長官がかわられましても、常に私は同行して、ひとつ勉強したり御案内したり、ずっとつとめてまいりましたが、私もそういう立場で、また、北海道の地方議員もしておりましたので、北海道につきましてはかなり大体のことは承知しておりますけれども、いまお話しのように、ほんとうに地方住民と対話をし、そして住民の気持ちをよくくみ取って、そしてこれを実行に移していくということはたいへん大事だと思います。それからまた、ただ予算を要求して、それを移しかえして、あとはほとんど監督権もないのだというふうにオトリのようでございますけれども、実際には先ほど監理官が申されましたように、全体の長期計画を立てるときも、開発庁が中心になりまして、開発局と一体となってこれをやる。また、地方の道をはじめ、市町村とも十分な意思疎通をはかりまして、そして計画をつくるわけでございます。年々の予算要求につきましても、これもまたその結果を追跡いたしまして、そして、最も斉合された各種事業をやるような予算要求をいたしますし、また、それに対しまして、移しかえ後はほとんど無関心であるということはないのでありまして、これに対しましては十分私どももその成果というものを見回り、また執行過程におきましても、十分なわれわれはこれに注目をいたしまして、そして実効があがるようにつとめておるわけであります。また、これから北海道はだんだん基盤整備が進んでまいりまして、これから北海道にいよいよ、何と申しますか、建物で申しますならば、土台が敷かれたところで、これからいよいよビルでも建てるという段階にだんだん入ってくるわけでございます。したがいまして、これからの各種の企業誘致、そういうこともだんだん進んでまいるだろうと思いますし、積極的にそうしなければならぬ。そうすることによって、北海道開発の効果というものが、これからあがってくるだろうと思います。そういうことに対しましても、私どもは関係方面と十分な密接なる連絡もとり、そういうことに対しましても積極的な姿勢で臨んでいきたい、かように思っておる次第でございます。なるべくおことばのように、つとめて道内に参りまして、住民あるいは各団体と接触をする、そうしてこれらの方々とも意見の調整をはかり、そうしてまた意見を取り入れ、そうしてこれを行政の上に実現していくという努力はぜひやりたい、かように思っております。たいへん激励を賜わりましたが、私も全く同感で、そういう気持ちでこれから私の職責を果たしてまいりたいと考えておりますので、御鞭撻のほどをお願いいたします。   〔理事松本英一君退席、委員長着席〕
  50. 田中一

    ○田中一君 それから、砂防はこれは一〇〇%ですか。
  51. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 砂防の補助のほうは三分の二の国庫補助率になっております。
  52. 田中一

    ○田中一君 そうすると、今度は河川その他全部補助率は下がっているのですね。北海道砂防は、全部一〇〇%国が負担していたのはいつごろまでですか。
  53. 新保實生

    政府委員(新保實生君) ちょっと歴史的にいま確かめておりませんけれども、砂防に関しましては、おそらく最初から三分の二の補助率であったのではないかと存じます。——最初から三分の二だそうでございます。
  54. 田中一

    ○田中一君 河川局長は来ていませんか。——直轄砂防は全然いままでなかったでしょう、前年度、前々年度。
  55. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 直轄のほうはございません。いままでなかったわけでございます。
  56. 田中一

    ○田中一君 それから地方道の直轄改修というのは、これはどういうことなんですかね。特別に地方道も全部——地方道といっても主要幹線道路、どうですか、幹線道路は。
  57. 新保實生

    政府委員(新保實生君) これは北海道に特別な制度でございまして、いわゆる開発道路と称しております。本来ならば地方がやるべき事業でございますが、未開発地域のゆえをもって国が十分の十をやるという制度でございます。
  58. 田中一

    ○田中一君 開発道路ですね。
  59. 新保實生

    政府委員(新保實生君) そうでございます。
  60. 田中一

    ○田中一君 それから機械の整備費、これは前年度と同じ額を計上してありますが、こんなものでは足りないのじゃないですか。これ一ぺん現在、開発局が保有している機械、このうち何年度に買って、これはどうするかという、もうおそらく耐用年限が過ぎているのもあるのじゃないかと思うのですが、そういう点を調べて表を出してください。
  61. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 提出いたします。
  62. 田中一

    ○田中一君 それで今度の一億五千万幾らですか、これはどんなものを買うのですか。どういう車両なら車両を買うのか、ひとつそれもきまっていると思うから、それも出してみてください。それから、外国の機械も相当買おうということを、見本的には考えられるのですが、日本の建設機械も相当なものができているのです。だからこれも意欲的にそうしたものを、もし未熟なものがあれば積極的に研究させるということも必要だと思うので、どういうものを充足しようとするか、それもひとつ表で出してください。それからそれに続いて工作所、何というのですか、名前が変わったが。
  63. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 建設機械工作所です。
  64. 田中一

    ○田中一君 その統合の問題がだいぶ出たと思うのですけれども、その点は全道的にどこにどういうものをつくるかということを聞いておきたいのです。たとえば江別と札幌を一つにしようという考え方を持っているでしょう。これなんか全道的にどういうぐあいにステーションを持つかということですね、それも一つ知らしていただきたい。
  65. 新保實生

    政府委員(新保實生君) かしこまりました。
  66. 田中一

    ○田中一君 それから職員の宿舎の問題ですが、主としてこれは道路工手の宿舎の問題をもう一ぺん長官調べてみてください。これはひどいものなんです。まだまだ普通の家じゃないのです。これはまだひどいものです。この点を調べることと、それから土木試験所、ああしたまるで不便な疎開住宅みたいなものがどんどん建てられるのでは困るので、あれも意欲的な——私は意欲的ということばをずいぶん使うけれども、あなた方が意欲的でないから使うのだが、これは積極的に計画を立てて進めてくださいよ。
  67. 新保實生

    政府委員(新保實生君) 土木試験所の営繕費は、四十五年度につきまして、まあ私どもも意欲的に、力は足りませんが、大いに意欲的にこれからやるつもりでおりますが、北海道開発庁予算は全国と対比いたしますと、オリンピックが来年度、再来年、準備の関係もございますけれども、公共事業の伸び率そのものは全国を上回っておるわけでございます。土木試験所の問題は、これは官庁営繕費の系統になりますし、それから釧路の開発建設部だと存じますけれども、そちらにつきましても官庁営繕につきましても、四十四年度に比べますと二倍か三倍くらいにふえておりますので、私どももこれはやはり徹夜をして獲得をしておるわけでございまして、やはり開発庁のこういう官庁のあり方というのは非常にむずかしい問題があると思うんですが、たとえば経済企画庁のようなところでは、やはりそういう予算要求もございませんので、ただ計画を立てて、それを採用するかどうかは各省におまかせするというような立場に比べますと、開発庁はおかげさまで予算の要求権なりそういうものがございますので、はるかに実効的な仕事ができるんじゃないだろうか。しかし、力が足りませんので、大いにこれからもがんばります。御鞭撻をいただきたいと思っております。
  68. 西田信一

    国務大臣西田信一君) 職員宿舎の件はよく調査さしていただきます。
  69. 大和与一

    委員長大和与一君) それではほかに御発言もなければ、本日は委員会は散会いたします。    午前十一時五十三分散会