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渡辺武君 いまお答えにありましたように、六月十九日、二十日、二十二日、二十三日、この日の無届け集会、無届けデモ、マイク
使用等々ですね、学内の秩序を乱したということが
理由になっているわけですね。そこで、やはり問題は具体的な問題から検討してみる必要がある。一体
学校側の言っていることが事実なのかどうかという点で検討していただく必要がある。そうすれば
中曽根さんの
努力というものの
内容がどういう
内容を持った
努力かということがわかっていただけるのじゃないか。ただ単にですよ、
総長がこう言っているからそれを信用するということだけでは
拓大の
暴力問題というのは私は解決しないと思う。だからこそ私は言うのです。具体的にこれらの
学生諸君がどういうふうに学内の秩序を乱したか。たとえば安生君が殺された
事件の起こったのは六月十五日の日、その次の新聞にこの
事件が発表されました。そうして二、三日おいた六月十九日の午後に一般
学生諸君が中庭で安生君追悼集会というのを開いた。これがこの処分の
理由になっている十九日の
事件。ところが、この安生君追悼集会というのは、これは
暴力をふるうために開かれた集会じゃない。安生君のあの被害、これを追悼して、二度と再びこういう
暴力行為を起こしては困るということで一般
学生が自分たちの手で開いた集会。ところが、これに対して、
学校の職員を含む
暴力学生がたくさん集まって、木刀を持ってこれを脅迫するというような
事件が起こっているわけであります。それから、六月二十日の日にはどういうことが起こったか。前の
学生自治会、それから体育会系の
学生が主催して学内の茗荷谷ホールで安生良作君追悼
学生集会なるものを開いた。これには約千人の
学生が集まったと言われておりますけれども、同時にいままで
拓大で頻発する
暴力行為に対して何らの
対策を講じないで、むしろ
暴力を温存するような立場に立っていた前の自治会あるいは体育会系のこの人たち、こういう人たちのやることに不信を持っている一般の
学生が、これがまた自分たちだけで青空集会を開いた。これが六月二十日のことであります。それから二十一日は日曜で何の
事件も起こらない。六月二十二日から二十四日までは
拓大にある
大学委員会というのが、これが臨時休校を宣言して臨時休校に入りました。その臨時休校中の六月二十二日に前の自治会の執行部が
学生大会を招集している。これには約二千人の
学生諸君が集まった。ところが、いま申しましたように、前の自治会の執行部、これはいままで頻発していた
拓大の
暴力行為に対して何ら
措置を講じなかった。むしろ
学生大会でも開きますと、木刀や
日本刀を持った
暴力学生が
学生大会の中を横行して、
学生が執行部に対して反対の立場で発言しようものなら、たちまち脅迫するというようなことで、それを見のがしてきたというその
責任などを追及され、そうしてこの執行部提案の議案が否決され、とうとうみずから辞任せざるを得なかった。参加した
学生諸君も辞任だけでは足りないというので、これらの人たちを正式にリコールする。そうして臨時執行部というもの、これを選出する、こういうことです。ところが
大学のほうは、この臨時執行部は正規のものじゃないというので認めないという態度をとったわけで、六月二十三日の日に新たに選んだ臨時執行部が大衆団交要求集会というのを開いて、これには二千名の
学生諸君が集まった。ところが、これに対して体育会それからまた卒業生、こういうものは木刀などの凶器を持って
学生諸君に暴行を働くというような状態。
学生諸君は、その当時、
拓大で
暴力をなくすには自分たちが死ぬのを覚悟してやらなきゃだめだということまで考えた。それほどに
暴力学生の脅迫というものはすさまじかった。これが
事件の概要だと私は思う。
ところが、
大学当局のとった
措置は何か。いま御
答弁がありましたけれども、
暴力はやめてほしいということで運動を始めた
学生諸君、これに対してきびしい処罰をやっておる。ところが、その
学生諸君に対して
暴力行為を働いた
学生に対しては、何らの処置
もとっていない。これが
中曽根さんが
努力しているという、その
努力の
内容、中身だ。いまここに当時一般
学生が何で自分たちが集会を開くのかということを
説明した文書があります。その中に「当面の要求」というのがある。それを要点だけ読んでみますと、「学内
暴力の根源である麗沢会をただちに解散せよ。課外活動の運営は
学生自治会に移し
予算権を認めること。総務局・体連・文連は自治会の管轄下におくこと。」これは第一の要求である。第二は「学内での
暴力行為・凶器所持について全面的に禁止し、当局は断固としてとりしまること。銃剣道
愛好会・拓禅会その他
暴力団体をただちに解散させること。」それからまた第三が「
学生の自治を認めよ。」ということで、「自治会活動は
学生の固有の権利であり、当局は一切の干渉をやめること。自治会の団交権を認めよ。学内での集会・ビラ配布などの
憲法で保障されている自由を認めよ。学友の意見が反映されるクラス制度を確立せよ。」、四として「安生君の「死の制裁」の全
責任が
学校当局にあることを認め全学友の前に自己批判せよ。安生君の家族の要求する補償に全面的に応ぜよ。」これが四つの要求のおもな点です。つまりここで言われているのは二度と再び
暴力を繰り返さないような
学校をつくりたいということです。
暴力反対であるという立場です。そしてまた学内に保障されてなかった
憲法で保障されているさまざまの自由、当然の自由、これを認めよという、この二点です。こういう要求をした
学生が何で処罰を受けなきゃならないか。いま申しましたように学内の秩序を乱したというけれども、ただ一回の
暴力も振るったことはない。よその
学校ならば当然行なわれるような、そういう
学生の集会が開かれたというだけのことです。その
学生を大量処分しておいて、
暴力行為を振るった
学生を何ら処罰しようとしない、これは私は問題だと思う。なるほど安生君を殺したあの拓忍会ですか、この
学生は刑事処分にもされましたし、
学校も退学させられました。また直接手は下さなかったけれども、この
暴力行為に陰に陽に参加していた拓忍会の会員十五名、これについても
学校側は処罰をしました。どういう処罰か。無期停学一名、譴責六名、訓戒八名。
暴力行為を振るってこういう処罰を受けておる。
暴力行為も振るわなかった、
暴力反対だ、学内を民主的なものにしてほしい、こういうことを要求した
学生諸君は、これは退学六名、無期停学十名、譴責二名、異常にきびしい処罰をやっているわけです。しかも
中曽根さんは、安生君
事件。起こったあとで父兄に手紙を出しております。その父兄に出した手紙を読んでみますと、こういうことが書いてある。「誠に残念ながら時間の経過と共に、この純真な
学生の動きは、一昨年来日大明大法大東大等の騒動を主導した民青同(
日本共産党系)や三派全学連系の利用するところとなり、安生君のいたましい犠牲追悼は政治闘争にすりかえられ純不純が混在して」云々というふうにして、一般
学生の正当な活動を政治的な方針で弾圧しようという態度を露骨に示している。これは最近八月末に行なわれた
中曽根総長の対話集会での発言でもはっきりしている。こういうことを言っております。「明治、
中央、東大など、他
大学の
紛争解決の方法をみていると、民青と妥協し三派系
学生を排除することによってやっと可能になっている。しかしそういう形で
大学を取戻したところで、どこに
学問や思想の自由があるだろうか。そんな
大学なら燃やしてしまった方がいい。」これが
中曽根さんの発言ですよ。
総長が、自分が
総長をやっている
大学を燃やしてしまえ、こういう暴言を吐いている。こういう政治的、政略的な立場、これが今度の臨時執行部の
学生諸君大量弾圧の私は
一つの大きな背景になっているんじゃないかと思う。こういう
中曽根さんの方針、
大学当局として正規にとっている方針、これを改めさせない限り、私は、
拓大は
暴力行為を根絶することができないと思う。重ねて
文部大臣、どういうふうにお考えか、伺いたいと思います。