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説明員(
井上保君)
万博の開催以来
期待に反しまして、思いがけない
事故が再三発生しておりまして、まことに申しわけないと存じます。ただいま
先生から御
質問がございました動く
歩道の
事故の
概要及びその
原因等でございますが、これは三月の二十六日午前十時ごろに発生いたしたのでございます。それで
発生事故の
原因でございますが、これは詳細現在
警察で
調査中でございますけれども
関係者その他の意見を総合したところで申し上げますと、ちょうど
北口と申しますか、
北口のほうから入ってくる
入場客——北口というのは
団体バスの
駐車場が多うございます。そこから
団体の
お客さんが非常にたくさん入ってくる場所でございますが、そこの
お客さんが土曜
広場のほうへ
——これは
ソ連館があるところでございますが、そちらのほうへ
相当大ぜいいらしておったということでございます。いま
一つは、ほかのゲートから入った
お客さんが
ソ連館、土曜
広場等へ行くために、
スイス館等から動く
歩道に乗っていっておられたということでございます。この
スイス館のほうから来ます動く
歩道の出口のところが
混乱しましたが、これは動く
歩道がツーラインになっておりまして、
スイス館のほうから来た人が
ソ連館のほうへおりる口と、
ソ連館のほうから
スイス館のほうへおりる口と、それから土曜
広場のところで
スイス館のほうへ行く
乗り口、それから
ソ連館のほうへ行く
おり口があるわけでございます。それで両方の
お客さんが一緒になりまして、
動線にやや
混乱が生じたということでございます。そのときに理由はよくわかりませんけれども、転倒された方がありまして、それが
原因で数人の方がそこに転倒されまして、それから
歩道の
安全装置が働いたと申されておりますが、この辺はまだ最終的には確定しておるわけではございませんけれども、どうも
安全装置が作動してとまったということのようでございます。そういうことでございまして、
負傷者が四十七名出たわけでございます。これは
経過途中で四十二名とか四十四名という
数字がございましたけれども、最終的に四十七名ということでございます。そのうち相当重体の方が四名おられまして、そのうち特に二名の方は一時生命の危篤が伝えられたほどでございますけれども、その後
経過良好でございまして、
皆さん無事に
——無事と申しますか、退院されるというようなことになるのではなかろうかということでございます。当初心配しておりましたような死者が出るというようなことではなくて済むような様子でございます。
この
原因でございますけれども、いま
警察ではもちろん
調査いたしておりますけれども、
協会といたしましてもいろいろ
設計者であるとか、
製作者、あるいは
警察の人であるとか、いろんなところと打ち合わせをいたしながら、その
原因の究明をいたしております。大体の
原因といたしましては、さっき申し上げたようなことであるということでございまして、そういう考えられる
原因を全部並べてみまして、それに対する措置を現在いろいろとっておりまして、すでに大部分のものはとり終わっておるわけでございます。たとえて言いますと、
一つは
おり口と入り口の
分離さくが
——これは
固定さくがあったわけでございますけれども、やはり相当
お客さんが混雑する場合には、これをもう少し長くする必要があるんじゃないか。そういうことによって
動線の
混乱を防ぐことができるんではないか。あるいは動く
歩道は、それに乗りながら
会場が見物できるというようなところに
一つの
眼点があったわけでございまして、そういうことで、それを見晴らしよくつくっておるわけでございますけれども、その
おり口に近いところ辺からは、外を見えないようにしまして、すでに
おり口が近いというようなことを掲示する。これはもう従来も
ガードマンあるいは
エキスポフラワーといっておりますホステスがおりまして、非常にうるさいぐらい
注意しておったわけでございますけれども、さらに外を見えなくして、
おり口が近いという標示をする、あるいは
おり口がはっきり見えるように色分けをする。
おり口だとはっきり色で示すというようなことをして、おりるところに対する
注意を
観客に喚起したいということでございます。それから
エキスポフラワーであるとか、あるいは
ガードマンの
訓練につきましては、その後現在も動く
歩道は動いておりません状態でございますが、その間に、実際にそういう人を動く
歩道に乗せまして、いろいろボタンを押して急遽の
制御訓練をするというようなことの実地の
訓練を連日重ねておるわけでございます。そういうような
従業員の行動が十分でないというようなことで、
事故が大きくなるというようなことがないように、いま
訓練をいたしておるわけでございます。それから従来はメガホンで
おり口が近いですから御
注意くださいということをずっと言っておったわけですが、非常にどういいますか、
従業員の負担を軽くするということもありますし、それからそういう趣旨が徹底するように
ワイヤーテープに吹き込みまして、それを
おり口のところではしょっちゅうかけておる。いろんなことを考えておりまして、
関係者が考えつくだけのことはいたしたいということでございます。
それからなお、
政府といたしましては、こういう
事故が相当続いておりますので、非常に小さい
事故もあるのでございますけれども、そういうことでだんだんとつゆになったりいたしまして、食品の問題であるとか、あるいは
相当観客も多く参りますので、そういう人の
数字がだんだんふえてくるに従って、万一思いがけざる
事故が発生する、たとえば床が、これは
建築基準法上しっかりしたものでございますけれども、人がだんだん多くなった場合には、だんだん弱くなっていくうちに、とんでもない
事故が起こるようなことはないかということを
調査するために、
協会の中に
安全対策の
委員会をつくっていただきたいということでございます。それをつくることにいたしております。
その
考え方は、機械的な問題であるとかいう
設備構造の問題のほかに、あるいは
従業員の
訓練であるとかというような
管理体制の問題であるとか、あるいは
観客の
誘導の問題とか、いろいろな問題がございまして、そういうような問題が複合しまて、そこに思わざる
事故が発生するということもございますので、そういうことも考えまして、各
施設ごとに
分科会をつくり、たとえば動く
歩道なら動く
歩道の
分科会をつくりまして、そこに先ほど申し上げましたようなメーカーであるとか、
製作者であるとか、
設計者であるとか、あるいは
警察の
関係者であるとか、あるいは
関係官庁の職員であるとか、そういうエキスパートを入れまして、
一つ一つ総
点検をしていくというふうに考えております。それで動く
歩道以外の、たとえばダイダラザウルスであるとか、あるいは
モノレール、そういうもの
ごとに
委員会をつくりまして、それを逐一
検査していきたいということでございます。