○羽生三七君 そこで、これは核とB52については確認をいただきましたが、いまお答えをいただいたことはベトナムについてです。
そこで、先ほど森
委員も触れられました
韓国、
台湾等の問題が出てくるわけですね。特に
韓国の問題、この場合の
日本の態度はどうなるか。
事前協議、イエスもあればノーもある。そこで、これは森君が先ほど質問されたことの中で「安保の
変質」ということを言われましたが、要するに、従来
日本が
日米安保条約というものは
日本を守るために
米軍の
基地を提供している。これはずっと一貫して、旧
安保条約それから
現行安保条約当時も、これは
日本の安全を守るための
安保条約ということでありました。そこで、
極東条項というものがあって、不安というものが予想されるという野党側の指摘によって、そこで
政府の
答弁というものは、それは特に岸内閣で安保改定のときに、それは
事前協議とはオール・ノーを予想しておったと思うのです。当時「歯どめ」ということで、あの当時岸さんが、イエスもあればノーもあるということを言ったことはなかった。何ぴともこれは歯どめとして
理解しておった。ところが、いよいよ今度の場合は、
日本から改めていくということにはならないでしょうが、
アメリカ軍の出撃に対してノーもあればイエスもある、こうなったのは、変化といえば大きな変化だと思います。もし、そういう
日本からの直接出撃にイエスを与えることになれば、非常に重大な問題が起こるということは、今度の
ジョンソン証言の中に
一つ重要なことがあるのです。それは、こういうことを言っている。先ほど森
委員が言われた
ように、
日本は初め
日本の
安全保障上のことだけを言っておったけれども、これが
韓国、
台湾及びその地域で
アメリカが負っておる
義務と切り離せないことを認めた、これは非常に大きな変化だと言っておって、そのあとに、このことは
アメリカ側にとっては、
沖繩を
日本に返しても、朝鮮や
台湾に万一のことがある場合は、
沖繩基地はもとより
日本本土の
基地も支障なく使用できるという米
政府の確信を表明したのだと受け取られている。したがって、この場合イエスもあればノーもあるというお答えだと思いますが、つまり、多くの場合イエスを与えるであろうという、つまり、ほとんどそこまで、入り口まで、手の届くところまでの話し合いを
佐藤総理がニクソンさんとされたのではないかと思うことが
一つ。
それからもう
一つ重要なことは、これは特に私、重要だと思いますが、「
アメリカ政府は
日本当局との間で、
日本の
安全保障に対する最大の脅威が朝鮮半島に続いている緊張にあることで一致」した。そこで、「北朝鮮は直接」
——ここが大事なところです
——「北朝鮮は直接
日本を脅かさないが、同半島を共産主義者が支配することは、
日本の
安全保障上の利益をそこない、大国介入の恐れのある朝鮮紛争は明らかに
日本自身の安全に響く。」、こうなって、
日本からの直接出撃を容認するということを言っているわけです。これがなぜ私は重大だというならば、つまり、北鮮が
日本の安全に直接何らの
関係がない場合でも、つまり、共産主義の支配
——私も共産主義に賛成しているわけじゃない、
立場を根本的に異にしていますが、しかし、この前もベトナム問題について申し上げた
ように、そうだとすれば、イデオロギー、体制上の問題ですね、だから、武力の直接脅威がなくても、つまり、イデオロギー、体制上の違いがあるならば、その場合でも
日本が
アメリカに何らかのイエスを与えるのじゃないか、これに期待をかけているわけです。私はこれは非常に重要なことだと思いますね。だから、こういうことになれば、ソ連や中国だって同じことが当てはまることになる。こんなことに道を開くことはたいへんであるし、のみならず、そういうことで一たん道を開くならば、
安保条約締結以来初めて
日本の
本土から
米軍がストレートに直接飛び立っていくということに先例を開くわけです。いままでもないことはなかった。だけれども、必ずワン・クッションを置いたわけです。それは
沖繩に一たん寄ってベトナムなりどこなりに飛んだのです。ワン・クッションを置いたのです。今度はストレートに
日本から飛び立つということにイエスを与えることに初めて先例を開くことになる。非常に私は重要なことになると思うのです。特にこれに対して
アメリカは非常な期待をかけておる
ようでありますけれども、そういう危険なイエスを与えるべきではない、こういうことであります。