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矢山有作君 私は、またこれは気に食わぬ話ですが、間接
雇用制度への移行とそれから
解雇予告期間の延長なり
退職金の増額という問題は、直接的な
関連はないと思うのです。でありますから、
解雇予告期間を延長させるとか、
退職金の増額をかちとるということは、当面の対策としては私は効果あると
思いますから、これはやはり
全力投球やっていただくことは私ども賛成です。それから、私は何も間接
雇用制というものは否定をしてはおらぬのです。間接
雇用制度をとっても、布令一一六号というものがそのままにされておっては、私は何といったって問題だ。そこで私は、間接
雇用制をやるにしても布令一一六号の処理を考えなければならぬ。これを撤廃させることを考えなければならぬ。これは私は
沖繩の全
軍労の諸君と直接会って話しておるわけじゃありませんけれども、私が常識的に考えるところでは、いわゆる間接
雇用制度移行の中には布令一一六号の撤廃ということは当然出てくる問題だと私なりに
理解しておるのです。そういう点が抜けてしまってものを考えるということは、私は問題があるのではないかという感じがするのです。それで、あなたの善意は私はわかるのです。善意はわかりますけれども、
米軍対
軍労働者というものの対立ということがありますから、ああいうふうな対立が先鋭化して激しい
闘争になっている。今度は第三者機関ができた。その前に十分な離職対策が確立されない以上は、これはやはり問題起こると思うのです。まして布令一一六号が残っておる中では問題が起こる。ところが、その問題が起こった場合には
米軍は、おれには直接
関係ないのだ、知らないという顔をしてしまうのです。それで、そのできたその機関のほうと労働者との対立になってしまうわけです。これは必然的にそうなりますね。そこらを考えると、私はやはり、意地の悪い見方をするわけじゃありませんけれども、これはやはり
一つは
米軍との対決を避けるということが
——異民族同士の対決になりますから、それを避けるということが、少しでも対立を緩和して、いわゆる紛争を緩和して、そして
基地機能の維持に障害がないというような点がもし腹の底にあるとしたら、これはけしからぬ話だ。だから私は、本筋の線はやはり押していただく。間接
雇用はけっこうです。しかし、それには一一六号の布令廃止、この本質的なものをかまえて私はやっていただくというのが私の希望であるということを申し上げておるわけです。別に私は、ことさら意地の悪いことを申しておるつもりはないので、その点よくお考えいただいたならば、私の言っていることも御
理解いただける
部分は多少でもあると思うのです。御
理解いただける
部分が多少でもあるとするならば、そういう私の
考え方も取り入れていただきたい、こういうふうに思うわけです。
それから、時間の
関係ありますので次に移りますが、私はさきに言いましたように、
解雇予告期間の延長であるとか、あるいは
退職金の増額であるとか、間接
雇用制への移行であるとか、こういった問題は、それなりの当面の
軍労問題についての効果は認めます。ですから、その効果は認めた上に立って、これができたからといって、根本的に私はこの
軍労働者の
解雇問題の解決にはならない。やはり、この問題を解決するのは、
総務長官が早々と申されましたが、再
雇用というものをどうするか、あらためて生活の場というものをどう与えていくかということが私はきわめて重要な問題だと思う。その問題につきましては、例を引いて具体的な
考え方もおっしゃいました。しかしながら、私は、そういうことだけで再
雇用の確保ということはなかなかむずかしいのじゃないか。再
雇用の問題を考えた場合に、問題点が出てくるのは、
一つは、これは御案内のように、
沖繩における労働市場というものはきわめて狭いということですね。これはだれしも認めるところです。それから、では
本土への再
雇用の道をさがすといたしましても、
本土自体ですら中高年齢者の就職というものはむずかしい。まして、今度の
解雇者のように中高年齢者が相当たくさんおるという状態の中では、
本土における再
雇用というのは、私はこれは非常にむずかしいのじゃないかという気がするわけです。そうすると、どうしても再
雇用の道を開くということになると、
沖繩現地における再
雇用の道を開くという以外にはないわけですね。そうすると、いまおっしゃった道路建設もありましょうし、産業
開発もあるわけです。ところが、それをやる場合に一番障害になっておるのは何かという問題なんです。私は、先ほどもお触れになりましたが、
沖繩本島だけで四分の一にも達するような膨大な
軍事基地、しかも、その
軍事基地の大半は
沖繩本島内の非常に重要な位置を占めている、土地を占めている。私も四十年につぶさにそこに行って見ましたが、ほんとうに本島の中のいいところというのはみな
軍事基地です。そういう状態の中でいかに産業
開発を言ってみたところで、
米軍基地をそのままにしておいたのでは、私は産業
開発は進まぬじゃないかと思うのです。そこで、やはり
米軍基地の処理をどう考えていくかということが、私は
沖繩における再
雇用の道を開くための産業振興という点から
基本的な問題だという気がするわけです。この問題については、私は、なるほど共同声明のたてまえもあって
政府としてはいろいろむずかしいのかもしれませんが、しかし、少なくとも
沖繩の
人々の生活を考えた場合に、
米軍基地の
整理縮小、さらに撤廃
——私どもは撤廃を言っているわけですが
——その点は真剣に考えられる必要があるのじゃないか、こう思うのですが、その
米軍基地の取り扱い、将来の処理、こういった問題について何らかの
考え方をお持ちであるか、そんなことはとてもやれる相談ではないということで現状維持の上に立ってものをお考えになるのか、その点をはっきりおっしゃっていただきたいと
思います。