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参考人(
須賀清君) 私
参考人の
須賀でございます。本日は
財団法人東京タクシー近代化センターの
理事としてお呼び出しになったと思います。一応私は去る四月の九日までは
東京の
タクシー協会の
会長をしておりましたが、その
節交代になりました。同時にまた、
事業者といたしましては帝都
自動車交通、いわゆる四大
タクシーの一社をあずかっておるものでございます。
そこで、ただいまいろいろ
お話を承りましてまことにごもっともなことでございます。私も実は
昭和四十三年の二月に例の大阪の問題の
あとを引き受けまして
タクシー協会の
会長になりました。そのときなりました
目標は、第一番目は、
タクシー業務の
正常化、これが第一
目標でございました。それからそれに引き続きましていろいろの問題もございましたが、そこで相当いろいろな問題を突っ込んで検討いたしました。ちょうど昨年の春闘時分からこの
業界が非常に赤字に転落いたしまして、ほとんどの業者が赤字の状態になったということで、非常な困難な時期に遭遇いたしました。同時にまた、それ以来いわゆる
運転者のサービスの低下と申しますか、
乗車拒否その他が非常に目立ってまいりまして、新聞紙上もにぎわせた。その間にありまして私は非常な実は苦労をしたわけでございます。そこで、私どもの手でこれを何とか切り抜けなければいかぬ。その当時私が申しましたことは、まず第一番に、これは先ほども
お話ございましたように、
タクシー業者自身の自覚がまず第一番である。その次には、どうもほかの
自動車産業に比べて労働条件がよくないからこれを改善することが第二番目である。それから第三番目には、先ほども御指摘がありましたように、この
業界には
労働組合の正常的なものが比較的少ないということであり、労使間の正しい交渉相手としての
労働組合の育成というものが必要である。そうして労使間が話し合いでいろいろのものをきめなければならぬ。この三点を主力として実は準備をし 同時にまあ努力したのでありますが、なかなかこの
業界は意思統一が非常に困難でございまして、とかくするうちに
役所のほうでも、いつまで待っておけない、こっちでも手伝ってやるということで、昨年の八月に
タクシー事業の改善策というものが
運輸省から出たわけでございます。
これによりますと、やはり第一番には
タクシーの
近代化センター式なものをつくって、いわゆる良質
運転者の確保、それから悪質
運転者の排除、そのほかいろいろな福利厚生等をやる。同時にまた、別途としては労働条件の改善をやりなさい。したがいまして、これらをまかない、同時にまた赤字等もありますので、その負担のためにも適正な運賃を考えるべきであるという改善策を出されました。私どもも非常にありがたいことだと思いまして、これは本来ならば私どもだけの力でやるべきことでありますが、やはり同時に、国の助成もひとつお願いしたいということで、これに歩調を合わせておったのであります。
したがいまして、こえて十一月には、物価並びに交通
関係閣僚の協議会の
決定事項で、ただいまのような内容のいわゆる労働条件の改善、それから良質
運転者の確保の問題あるいは福利厚生等の
近代化センターの
法案というものが
決定されまして、同時に、これをやるためには、六
大都市の運賃の二〇%から二二%を直すべきだという御
決定が公表されました。これには感謝いたしまして、是が非でもこの
機会に
タクシー業界をよくしようということで、実は今日までまいったのであります。したがいまして、いまの
タクシー業務の
適正化の問題を、これを
法律案として出す。しかし、その間に一日も急ぐから、とりあえずは公益法人、まあ財団法人ですが、財団法人の
東京タクシー近代化センターを設立して、いまの業務内容を、同一の業務内容をもってとりあえず発足しようということで、本日私がその
資格で参りました。公益法人でございます。したがいまして、この法人は、昨年の十二月の十九日にとりあえず
財団法人東京タクシー近代化センターの設立許可を申請いたしまして、続いて二十三日に許可に相なりまして、引き続きまして、今年に入りまして二月十六日にまず第一回の
理事懇談会——これはまだ
理事会ではございません——一応
理事懇談会という形式で、
会長に江戸さん、それから常務
理事に加藤さん、それから私、川鍋、そのほか個人
タクシーの方を入れまして六人でまず懇談会を開き、それから二月の二十六日には正式に諮問
委員会をつくりまして、諮問
委員会に経過を報告いたしました。それから三月の二十日には、第一回の
理事会を開きまして、この節には諮問
委員の方十九名を選任いたしまして、それから負担金の徴収方法等につきましてもこの
理事会で承認を得、いろいろ諸規程等もつくり、あるいは常務
理事の選任も終わった、こういうことでございます。
その当時、この
法案のほうもだいぶ進んでおりますので、
タクシー協会としてはこれは非常に重要問題でございますので、この
法案のほうについても一応
タクシー協会としても
審議しなきゃいかぬということで、
委員会を
組織いたしまして、ちょうどこの二月から四月にかけまして、
委員会で前後七回ぐらい、ほとんど連日のようにこの
法案に対する
意見をとりまとめておったのでございます。そういうことで、大体
理事会のほうは第二回目が四月の七日に開催いたしまして、四十五年度の
事業計画及び収支予算案を検討いたし、これを承認いたしました。続いてこれらの問題を運営
委員会にかけるということで第二回の
理事会を終わっております。続いて十六日には第一回の運営
委員会を開催いたしまして、四月七日の
理事会で承認を得ました四十五年度の
事業計画並びに収支予算を
審議しておるのでございまして、これはいまだに
審議中に相なっております。一方、
タクシー協会の先ほどの
委員会につきましては、やはりこの四月七日に終わっておりますが、前後七回検討いたしまして、もちろんこの
法案につきましては、先ほども申しましたように、すでに閣僚会議の
決定事項で、これは当然やるべきものであるということにはもう異論はございません。ただ、これを読みまして、第一の
登録制度の問題、これにつきましては、もう何の異論もございません。
タクシー業務の
適正化事業等につきましては、相当の資金等も要りますし、なかなか
事業として大規模のものでございますので、この点については、十分業者の意向をくんだひとつ検討をしてもらいたいという条件がございます。それから負担金の問題につきましては、実はこれはまあ
タクシー協会委員会の話なんですが、運賃は上がりましたけれども実際の営業収益はなかなかそれに伴っていかない、それでその他の経費も相当かさむので、なるべく実情に合ったような方法でこれをしていただきたい、一律に、幾らだからきょうから幾らと、もちろんこれは法的にはそのとおりでございますが、実情に即して考慮してもらいたい。なおまた
業界が負担金を出す
関係もございますので、
委員の構成その他につきましても、なるべく
業界の意向をひとつ考慮してやっていただきたい、大体この三点が
委員会の結論でございます。中にはきわめて反対な
意見もございましたが、これはほんの一、二の例外で問題ございません。
以上のようなわけで、今日この
近代化センターを運営をいたしておるような次第でございますが、私といたしましては、この
業界——
自分の力でできない、人の力を借りて、しかもたいへん御迷惑をかけているということに対しましては、まことに申しわけないのでございますが、先ほども申しましたように、一応軌道に乗せてございますので、今後は徐々によくなってまいると、かように確信いたしておる次第でございます。
大体概略を申し上げました。なお御質問等ございますれば
お話しいたしますが、以上でございます。