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久保分科員 まあ筋書きどおりの御
答弁でありますが、いずれにしても、
施設庁長官の手元ではなかなかむずかしいんじゃないかと思う。もっとも、あなた四年後にはおらないかもしれませんからね。しかし、われわれは射爆場と一緒に住んでいるのですからお忘れなく。
そこで、次に
基地公害を一つのサンプルで私は申し上げたい。これも
地元で近くでありますから。――この間じゅう、百里の航空
基地の周辺の十カ所の部落を対象にして百人ほどの
住民にいろいろ現地で聞いてきた結果をお伝えすると同時に、
対策をお願いしたい、こういうように思っている。時間がありませんから、こまかく申し上げません。
一つは、もうおわかりのとおり、ジェット機の発進
基地というか、そういう
飛行場でありますから、その騒音によるものが一つあるわけですね。そこで夜間でも、これはスクランブルのために要るのかどうかわかりませんが、地上においてエンジンテストをやっているわけですね。だから、このエンジンテストをしているときにはかなりの騒音で眠れたもんじゃないのであります。それで、安眠ができないという者は六三・六%なんです。夜ぐらい静かに寝せてやってほしいというのがわれわれの要求なんです。夜間のエンジンテストはひとつやめてほしい。夜間だけは、ふかすのは猛烈な音でありますから、ひとつやめてくれということでありますが、やめられるかどうか。
それから、
基地にいる者が
基地周辺の
住民に対して無関心では、すべて公害というのはなくならぬのでありますから、これは前提になります。同じ演習をやるにしても、同じ飛行機を飛ばすにしても、付近の
住民に対して、
住民が住んでいるなということを頭に置かない限りは、なかなか公害なんというのはなくなるはずはないのであります。だから、そういう姿勢でいま
自衛隊というか
防衛庁というか、そういう末端のほうでは受けとめて教育をしているのかどうかです。話は前後しますが、いま言った、せめて夜間だけは眠れるようにしてくれということだが、この要求にこたえられるかどうか。
それからもう一つは、話が聞こえないと言う。話が聞こえなければでっかい声を出せばいいのでありますが、電話はそういうわけにはまいらぬ、こう言う。そうでしょうね、電話は。拡声機じゃありませんから、大きい声を出してしゃべれといったって、そう電話には大きく声は出てこぬと思うのですね。この電話が調子がうまくいかないというのが七五・三%あるのです。何かうまい装置はないものか。
それからテレビの視聴が困難である。ちらつく。これは御承知のように一つの基準があってやっているようでありますが、この基準だけでは、意外なところにたくさんあるというのです。だから、これもせめて見よくしてもらうには、どういう方法かがあるのじゃないですか。アンテナをどっか遠いところから持ってくればいいというような、何かあるのじゃないですか。なければ、その
基地の一番近いところにいる者と同じように聴視料についてはひとつ減免をしてほしい。もっともテレビだってラジオだってそうですが、十分間の放映があるときに、まん中の三分間しか見えなかったから、じゃ三分の一だけ取ろうといったって、そういうわけにはいかないと私は思うのです。どうされるか。ところが、いまの場合、そういう計算で――計算というか、料金の問題は別として、大体この近所はその程度だから少しは見えなくてもこの辺はだめ、こういうふうになっておるようですね。これは一ぺん現地を見て
調査すればわかることでありますから、これはそれに応じた手配をとってもらえることが必要ですね。
それからもう一つ特異な存在としては、いなかでありますから、
自衛隊が千人以上おられるのか知りませんが、朝晩の通勤時には危険しごくだと思うんです。自家用車、いわゆるオートバイというか、バイクも入れてでしょう。これがある一定の時間に
基地に向けて全部集まってくるのでありますから、通学時に大体一緒になるそうであります。非常に危険だというんです。交通
事故の心配が毎日たくさんあるんです。しかし、この交通整理は
自衛隊が行ってやるわけにはいかぬだろうと思うのですね。交通警察というのは警察の権限ですから、なかなかむずかしいでしょう。しかし、
自衛隊と警察は親戚みたいだから、話のしようによっては――
自衛隊には何か昔の憲兵のなりかわりみたいなのがいるのでしょう。やっぱりそういうものでも出して交通整理するとか、これは何かやってもらわなければ困る。
それから、もう二、三ありますが、農業の災害というか、公害というものがまた多いんですね。乳が出ないなんというのは、はかってみなければわらぬということで、これは役所の仕事では手に負えぬことだと思いますが、朝から晩までやられる騒音で乳が出なくなるという公害がどのくらいあるのかというと、約五割三分くらいあるというのです。
それからもう一つあるのは、ネズミがたくさんふえてきたということですね。繁殖の根源はどこかといったら、食料、残飯その他のたくさんあるその
基地だというんですね。野鼠が出てくるものですから、作物も荒らされる、たまったものじゃないということですよ。これもやろうとしない。
それからもう一つは雑草だ、
基地が広いですから、そこに草がぼうぼうはえてくる。草の実が飛んできて付近の農地に全部ばらまかれる、だからそういう被害がある。これらに対して
対策を講ずることは当然の義務だろうと思うんです。だが、はたしてどうなのか。
これは私はいわゆる百里
基地だけを
調査したので、こういうことを申し上げたが、よその
基地も大体大同小異であることは、もうおわかりのとおりと思います。だから、たとえばいままでの
基地交付金というのはどういうところにいかなる
目的のために交付するのか、
基地交付金だって
地元の
住民はどういうふうに使われているかわからぬ。もっとも
住民も悪いのですが、そういうしかるべきところへ行って
調査すればいいのですが、これは全然わからない。
基地交付金というのが
基地周辺の
住民にもっと明確にわかるようにすることも一つのつとめではなかろうか、こういうふうに思うのです。
いま幾つか言いましたが、時間があれですから、まとめて御返事をいただきたい。