○栗林説明員 先生の御
質問に対しまして、御説明申し上げます。防衛庁長官が、いわゆる兵器の研究
開発、装備品の研究
開発を自力で行ないたいということを申されましたお
考えのもとになっておるのを、私なりにそんたくいたしまして申し上げたいと思います。
わが国の防衛力という問題につきましては、いわゆる自主防衛という
立場にわれわれは立っております。自主防衛という
立場に立ちます場合、国の防衛につきましては、いわゆる自衛隊だけがこの国を守るのではなくて、
国民全体でこの国を守っていくというお
考えに長官は立っておられるのだと思います。そうしてその一環といたしまして、
日本の工業力というものが、
日本の国の防衛の一環であるというお
考えに立っておられるのだとわれわれは
考えております。したがいまして、
わが国の装備品につきましては、でき得る限り国産化をしていくということが、この国の防衛の一環であるというふうなお
考えに立たれまして、装備品の研究
開発というものを促進していくべきであるということを申されたのだというふうに、私
どもは
考えておるわけでございます。また、そういう方針にのっとりまして、私
どもといたしましても、装備品の国産化の推進という面につきましては
努力してまいりたい、そのように
考えておるわけでございます。
したがいまして、そういった装備品の国産化をいたします場合、どういう方法でやっておるのかという御
質問がございましたが、現在防衛庁のほうで装備品の国産化をいたします場合、あるいは研究
開発を実施いたします場合、まず——防衛庁には御存じのとおりそれぞれ幕がございまして、陸幕、海幕、空幕、三幕ございます。
わが国の防衛構想に基づきまして装備構想というものが出てまいりますが、その三幕が、それぞれ防衛構想に基づきまして、まず装備すべき装備品、これの要求性能と私
ども申しておりますが、装備品の性能というものを要求してまいります。それを受けまして、長官は、防衛庁の中にございます装備審議会にかけて、それぞれ中身を検討いたします。そこで基本要目というものがきまります。基本的なその装備品についてのそれぞれの性能、これにつきましてきめましたものを私
ども基本要目と申しておりますが、これがきまりますと、それに基づきまして、防衛庁にございます技術研究本部、ここにその基本要目がまいります。それを受けますと、技術研究本部長——部長がおりますが、部長が実際の調達をいたします調達実施本部というのがございまして、そこを通じまして、その基本要目に基づきます基本設計につきまして、
民間企業に対しまして発注をいたします。こういうもので設計できるかどうか、それに基づきまして、いわゆる試作、これが
民間企業に発注をされます。それができてまいりますと、それを受けまして、技術研究本部でその後の試験を行ないます。その試験を行ないまして、その試験結果がそれぞれ上がってまいります。それを装備審議会にもう一度かけまして、試験をやってみて、それでよろしいということになりますと、制式とわれわれ申しておりますが、制式として採用される。採用されますと、それからいわゆる自衛隊の装備として装備されるという段階を経るわけでございます。
それでは、そういった研究
開発についてのやり方、いわゆるお金の面の御
質問があったかと思いますが、これにつきましては、四十五年度
予算におきましては、そういった設計、試作という
予算が九十億一千四百万でございます。ちなみに四十四年度は約七十五億でございました。四十五年度九十億一千四百万という
予算が組まれまして、この
予算をもちまして、そういった研究
開発の実施をするということに相なるわけでございます。
その場合、さらに先生の御
質問があったかと思いますが、研究
開発費につきましては、こういった
予算に基づきまして——いわゆる設計、試作という経費につきましては、
予算に基づきまして防衛庁から、その受けました
民間企業に支出をされるということに相なるわけでございます。
先生の御
質問に、あるいは足りないところがあったかと思いますが、一応御説明を終わりたいと思います。