○村中
政府委員 原爆被爆者の取り扱いの問題について、第一点のお尋ねでございますが、御承知のとおり、いまございます
一般被爆者それから特別被爆者、この振り分けのしかたにつきましては、法制定以来十数回にわたってたびたび改定を重ねて、今日に至っておるのであります。したがいまして、私
どもの判断で、特別被爆者の
範囲をさらに拡大するというふうな問題につきましては、特別、地理的
条件とか、あるいは何か被爆当時の
状態が、客観的にそこの
地域だけが特に放射能で
汚染が濃厚にあったというふうな実態があるという
段階におきましては別といたしまして、およそいままでの十数回にわたるいろいろな改定の中で、特別被爆の
範囲というものはこの辺が大体いいところじゃないかというふうな判断をしているわけでございます。
それから第二点の認定患者の取り扱いと申しますか、ワクの
範囲の拡大という点についてのお尋ねでございますが、これも
古川委員、先刻御承知のとおり、現在の認定患者の取り扱いにつきましては、主治医からの申請があった者につきまして、法に基づいた審議会で判定をいたしまして、その上で認定の取り扱いをいたして、この内容につきましては、全く学問的な配慮によって
措置をされておりまして、今後放射能の学問が進歩発達してまいります過程においては、当然新しい技術を導入しながら、あるいは新しい知見を入れながら改善ということが
考えられるわけでございますが、たてまえは、ただいま申し上げましたとおり、学問的な配慮で
措置をいたしておるという点で処理をいたしましたので、この点は御了解をいただきたいと思います。
それから、特別手当をはじめ各手当についての内容の充実という点についてのお尋ねでございますが、これは今回も、たとえば介護手当の若干の改善、あるいは先ほど所得制限の問題が出ましたが、所得制限につきましても、所得税の税額をアップいたしまして、
対象を広げたという改善は新年度においてはいたしておるわけでございます。こういう内容の充実につきましては、今後ともいろいろ御
意見を伺いながら十分
措置をしてまいりたい、こう思っております。
それから最後の、被爆者に対する生活援護的な
措置がとれないかという趣旨のお尋ねでございますが、これも
古川委員御承知のとおり、多少いまの御
意見の気持ちをいれたと申しますか、そういう配慮のされたものには、
昭和四十三年度の
特別措置法があるわけでございまして、この
措置法の法の立て方は、前の
医療法が健康という面に力を注いだ
対策とすれば、
あとの
措置法については、被爆者の福祉という面に力を用いた
対策であるというふうな振り分けを私
どもいたしております。そういう点では、援護ということばの表現は別といたしまして、実態としては、十分被爆者の生活
状態あるいは精神的な安定
状態、あるいは健康
状態を配慮しながら
対策を進めてまいっておるわけでございまして、こういう面につきましても、今後いろいろ大所高所から
検討しながら内容の充実につきましては努力をいたしたい、こう
考えております。吉川(雅)
分科員 全体的には失望を禁じ得ない御
答弁でございましたが、今後また機会を得まして具体的にいろいろ御要望を申し上げ、
検討をさしていただきたいと思います。
あわせまして、これは多少所管は違いますが、被爆者の実態につきましては、まだまだわからない点がたくさんございます。戦後二十五年を迎えるわけでございますが、特に被爆者の
医療問題については、これはもっと詳細な
研究が行なわれてもいいのではないか。特に最近被爆二世の問題がそろそろ出てまいりまして、こういった点に対する徹底した
研究を進めていただかなくてはならない。こうした被爆二世のお子さんを持った親御さんの不安もたいへんなものではないかと思います。
そこで放射能医学の
研究機関の拡充という問題でございますが、これは所管が違いますけれ
ども、特にこういった点も
厚生省のほうから大蔵省にプッシュしていただいて、十分な予算を
さき、第一線の学者が十分な
研究ができるようにひとつ
措置をしていただきたいというふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。