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1970-03-11 第63回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和四十五年三月七日(土曜日)委員会 において、設置することに決した。 三月十日  本分科員委員長指名で、次の通り選任され  た。       足立 篤郎君    笹山茂太郎君       坪川 信三君    登坂重次郎君       灘尾 弘吉君    野田 卯一君       川崎 寛治君    大野  潔君       河村  勝君 三月十日  笹山茂太郎君が委員長指名で、主査選任さ  れた。 ————————————————————— 昭和四十五年三月十一日(水曜日)    午後一時十一分開議  出席分科員    主査 笹山茂太郎君       足立 篤郎君    坪川 信三君       登坂重次郎君    灘尾 弘吉君       野田 卯一君    川崎 寛治君       大野  潔君    河村  勝君  出席国務大臣         法 務 大 臣 小林 武治君         文 部 大 臣 坂田 道太君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      西田 信一君  出席政府委員         人事院事務総局         管理局長    茨木  広君         内閣総理大臣官         房会計課長   川田 陽吉君         警察庁長官官房         会計課長    丸山  昂君         宮内庁次長   瓜生 順良君         皇室経済主管  並木 四郎君         行政管理庁長官         官房会計課長  三浦 誠一君         北海道開発庁総         務監理官    新保 實生君         科学技術庁長官         官房長     矢島 嗣郎君         科学技術庁長官         官房会計課長  野崎 博之君         文部大臣官房会         計課長     安養寺重夫君  分科員外出席者         衆議院事務総長 知野 虎雄君         衆議院庶務部長 三樹 秀夫君         参議院事務総長 宮坂 完孝君         参議院管理部長 前川  清君         裁判官弾劾裁判         所事務局長   池田 英雄君         裁判官訴追委員         会事務局長   大迫 藤造君         国立国会図書館         副館長     岡部 史郎君         大蔵省主計局主         計官      金光 邦夫君         最高裁判所事務         総長      岸  盛一君     ————————————— 分科員の異動 三月十一日  辞任         補欠選任   河村  勝君     田畑 金光君 同日  辞任         補欠選任   田畑 金光君     河村  勝君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十五年度一般会計予算皇室費国会、  裁判所内閣総理府防衛庁及び経済企画庁  を除く)、法務省及び文部省所管  昭和四十五年度特別会計予算文部省所管      ————◇—————
  2. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  私が本分科会主査をつとめることになりましたので、よろしく御協力をお願い申し上げます。  本分科会は、皇室費国会裁判所内閣防衛庁及び経済企画庁を除く総理府法務省及び文部省所管並びに他の分科会所管以外の事項について審査を行なうことになっております。  本分科会審査日程は、一応分科員各位のお手元にお配りいたしておるとおりでございます。  それでは、昭和四十五年度一般会計予算中、皇室費国会裁判所内閣防衛庁及び経済企画庁を除く総理府法務省及び文部省所管昭和四十五年度特別会計予算文部省所管を議題といたします。  順次関係当局より説明を求めます。  まず、皇室費説明を求めます。瓜生宮内庁次長
  3. 瓜生順良

    瓜生政府委員 昭和四十五年度における皇室費歳出予算について、その概要説明いたします。  皇室費昭和四十五年度における歳出予算要求額は、十八億三千百六十八万四千円でありまして、これを前年度予算額十七億六千百六十八万一千円に比較いたしますと、七千万三千円の増加となっております。  皇室費歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。  以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費九千五百万円、宮廷に必要な経費十六億八千四百三十九万四千円、皇族に必要な経費五千二百二十九万円であります。  次に、その概要説明いたしますと、内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上いたすことになっておりますが、本年度は、前年度に比較して、一千百万円の増加となっております。  これは、内廷費定額八千四百万円を、本年度において、九千五百万円に増額改定することを予定いたしていることによるものでありまして、これに伴う皇室経済法施行法の一部を改正する法律案は、今次国会に提出いたし、御審議を願うことになっております。  宮廷に必要な経費は、内廷諸費以外の宮廷に必要な経費を計上いたしたものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費二億三千八百四十五万三千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費十四億四千五百九十四万一千円でありまして、前年度に比較して五千二百七万三千円の増加となっております。  なお、皇室用財産維持管理等に必要な経費には、新御用邸建設に必要な経費三億三千二百六十二万三千円、皇族殿邸建設に必要な経費六千五百四十九万九千円が計上されております。  皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上いたすことになっておりますが、本年度は、前年度に比較して、六百九十三万円の増加となっております。  これは、内廷費と同様に、年額算定の基礎となる定額七百二十万円を、本年度において八百三十万円に増額改定することを予定いたしていることによるものでありまして、これに伴う皇室経済法施行法の一部を改正する法律案は、今次国会に提出いたし、御審議を願うことになっております。  以上をもちまして、昭和四十五年度皇室費歳出予算計上額説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  4. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、衆議院予算説明を求めます。知野衆議院事務総長
  5. 知野虎雄

    知野事務総長 昭和四十五年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十五年度国会所管衆議院関係歳出予算要求額は、百七億五百八十一万一千円でありまして、これを前年度当初予算額百億三千七百二十四万円に比較いたしますと、六億六千八百五十七万一千円の増加となっております。  要求額事項別概略説明申し上げますと、その第一は、国会運営に必要な経費でありまして、百億八千七百一万七千円を計上いたしております。この経費議員議員秘書及び職員給与に関する経費旅費庁費議案類印刷費通信費等事務費及び庁舎等維持管理に必要な経費でありまして、前年度当初予算額に比し十一億九千七百九十九万二千円の増加となっております。そのうちおもなものについて申し上げますと、立法事務費月額六万円を八万円に改め、また、議員旅費日額国務大臣旅費額改定に準じて増額計上いたしております。議員秘書につきましては、新たに通勤手当支給することとし、また、厚生年金基金を十月一日から設けることとして、これらに必要な経費を計上いたしております。  次に、外国議員団招待に必要な経費二千九百四十九万円、海外派遣に必要な外国旅費九千二百七十四万七千円を計上いたしております。  次に、本年は議会開設八十年に当たりますので、との記念式典等に必要な経費として八百九十八万四千円を計上いたしております。  第二は、衆議院施設整備に必要な経費といたしまして六億一千百七十九万四千円を計上いたしておりますが、このうちおもなものは、本会議場本館構内、第一議員会館等整備費一億八千八百五十万四千円、議員宿舎増築及び整備費二億二千三百九十二万三千円、憲政記念館新営費六千四百八万一千円、不動産購入費五千万円等でございます。  第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。  以上簡単でございますが、衆議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  6. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、参議院予算説明を求めます。宮坂参議院事務総長
  7. 宮坂完孝

    宮坂参議院事務総長 昭和四十五年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十五年度国会所管参議院関係歳出予算要求額は、六十六億一千七百六十七万三千円でありまして、これを前年度当初予算額六十七億九千三百三十七万九千円に比較いたしますと、一億七千五百七十万六千円の減少と相なっております。  要求額事項別に御説明申し上げますと、その第一は、国会運営に必要な経費でありまして、五十九億七千五百二十六万円を計上いたしております。この経費議員議員秘書及び職員給与に関する経費旅費庁費議案類印刷費通信費等事務費及び庁舎等維持管理に必要な経費でありまして、前年度当初予算に比し、六億二千九百二十万八千円の増加と相なっております。  そのうちおもなるものについて申し上げますと、立法事務費月額六万円を八万円に改め、また、議員旅費日額国務大臣旅費額改定に準じて増額計上いたしております。議員秘書につきましては、新たに通勤手当支給することとし、また、厚生年金基金を十月一日から設けることといたしまして、これらに必要な経費を計上いたしております。  次に、海外派遣に必要な外国旅費として五千七百九十三万四千円を計上いたしております。  次に、本年は議会開設八十年に当たりますので、この記念式典等に必要な経費として八百九十八万四千円を計上いたしております。  第二は、参議院施設整備に必要な経費といたしまして六億三千七百四十一万三千円を計上いたしておりますが、このうちおもなるものは、本館構内整備三億九千七百九十八万八千円、本会議場整備議員宿舎暖房等施設整備本館自家発電設備新設など一億五千八百二十七万五千円でございます。  第三は、国会予備金に必要な経費として、前年度同額の五百万円を計上いたしております。  以上、簡単でございますが、参議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。よろしく御審議をお願いいたします。     —————————————
  8. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、国立国会図書館予算説明を求めます。岡部国立国会図書館館長
  9. 岡部史郎

    岡部国立国会図書館館長 昭和四十五年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十五年度国会所管国立国会図書館関係歳出予算要求額は十八億六千七百六十二万五千円でありまして、これを前年度当初予算額十五億三千四十万円と比較いたしますと、三億三千七百二十二万五千円の増加となっております。  要求額事項別概略説明申し上げますと、その第一は、国立国会図書館維持管理及び業務運営するために必要な経費でありまして、十七億七千五百三十六万二千円を計上いたしております。これは、職員給与に関する経費立法調査業務に要する経費図書館資料の収集・整理及び利用に要する経費、目録・書誌類等作成に要する経費印刷カード作成・頒布に要する経費図書館間協力業務に要する経費図書館業務機械化に要する経費並びに科学技術関係資料整備に要する経費等でございます。  第二は、国立国会図書館施設整備に必施な経費といたしまして九千二百二十六万三千円を計上いたしております。これは、電子計算機室整備及び民有地買収等に必要な経費でございます。  以上、簡単でございますが、国立国会図書館関係歳出予算概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————
  10. 笹山茂太郎

  11. 大迫藤造

    大迫裁判官訴追委員会参事 昭和四十五年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十五年度国会所管裁判官訴追委員会関係歳出予算要求額は、二千四百四十五万七千円でありまして、これを前年度当初予算額二千百二十六万三千円に比較いたしますと、三百十九万四千円の増加となっております。  この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長職務雑費及び事務局職員給与に関する経費並びに訴追事案審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうちおもなものは、職員給与関係経費等増加によるものであります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  12. 笹山茂太郎

  13. 池田英雄

    池田裁判官弾劾裁判所参事 昭和四十五年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十五年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係歳出予算要求額は二千六百二万四千円でありまして、これを前年度当初予算額二千二百六十九万四千円に比較いたしますと、三百三十三万円の増加となっております。  この要求額は、当裁判所裁判長職務雑費委員旅費及び事務局職員給与に関する経費事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官弾劾裁判に直接必要な旅費庁費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうちおもなものは、職員給与関係経費であります。  以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算概要でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  14. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、裁判所所管予算説明を求めます。岸最高裁判所事務総長
  15. 岸盛一

    岸最高裁判所長官代理者 昭和四十五年度裁判所所管予定経費要求額について説明申し上げます。  昭和四十五年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、四百八十八億九千四百八十一万円でありまして、これを前年度予算額四百二十三億八千五百八十六万八千円に比較いたしますと、六十五億八百九十四万二千円の増加になっております。  これは、人件費において五十五億九千八百九十万八千円、裁判費において一億六千三百三十七万八千円、営繕費において三億一千六百九十万二千円、その他司法行政事務を行なうために必要な旅費庁費等において四億二千九百七十五万四千円が増加いたした結果であります。  次に、昭和四十五年度予定経費要求額のうち、おもな事項について説明申し上げます。  まず、人的機構充実のための経費であります。裁判官等増員といたしまして、いわゆる学生集団事件等の適正迅速な処理法廷警備体制充実をはかるため、判事補二十人、裁判所書記官二十人、家裁調査官十人、法廷警備員たる裁判所事務官百人の増員に要する人件費として八千八百九十万八千円、簡易裁判所略式命令による交通事件の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事五人、裁判所書記官五人の増員に要する人件費として九百八十四万八千円、執行官法所定の金銭の保管及び予納事務を取り扱うため、裁判所事務官二十人の増員に要する人件費として八百九十一万七千円、合計一億七百六十七万三千円が計上され、家庭裁判所専任所長増設といたしまして、家庭裁判所充実、強化するため、専任家庭裁判所長増設二庁に要する経費として百八十九万八千円が計上されました。  次は、裁判運営近代化及び能率化に必要な経費であります。裁判官執務体制近代化をはかるため、下級裁判所裁判官研究庁費一億七千三百二十八万四千円、資料室図書図書館図書充実をはかる等のため、裁判資料整備に要する経費一億二千七百十八万円、裁判事務能率化をはかるため、検証用器具等整備に要する経費五千九百四十万二千円、電子計算機による事務機械化調査研究のため、研究開発に要する経費九十三万円、合計三億六千七十九万六千円が計上されました。  次は、裁判所庁舎等警備体制整備に必要な経費であります。庁舎警備関係旅費庁費として七千七万二千円、法廷秩序維持関係旅費庁費等として三千六百八十六万一千円、合計一億六百九十三万三千円が計上されました。  次は、営繕に必要な経費であります。裁判所庁舎新営、増築等に要する経費として、裁判所庁舎等継続工事十三カ所、新規工事十五カ所、増築工事三カ所の工事費及び営繕事務費等三十八億二千六百二十一万五千円が計上されました。  最後に、裁判費であります。国選弁護人報酬証人調停委員等日当、その他裁判に直接必要な旅費庁費等として二十六億九千百五十一万五千円が計上されました。  なお、この経費には、裁判官等の機動的な配置をするためのてん補に必要な経費二千三百八十五万二千円、特殊損害賠償事件処理に必要な経費一千万円、国選弁護人報酬を約一〇%増額するに必要な経費三千六百八十二万二千円、国選弁護人等日当現行単価八百五十円を九百円に、証人等日当現行単価六百五十円を七百円にそれぞれ増額するに必要な経費七百三十四万四千円、合計七千八百一万八千円が含まれております。  以上が昭和四十五年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  16. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、内閣及び総理府所管予算説明を求めます。山中総理府総務長官
  17. 山中貞則

    山中国務大臣 昭和四十五年度における内閣及び総理府所管歳出予算案について、その概要を御説明いたします。  内閣所管昭和四十五年度における歳出予算要求額は三十二億七千三百十四万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額二十七億八千三百六十一万九千円に比較いたしますと、四億八千九百五十二万六千円の増額となっております。  内閣所管歳出予算要求額に計上いたしましたものは、内閣官房内閣法制局人事院及び国防会議事務の執行に必要な経費であります。  次に、総理府所管昭和四十五年度における歳出予算要求額は一兆二千二百七億三千二百四十九万六千円でありまして、これを前年度歳出予算額一兆三百三十九億三千三百三十万二千円に比較いたしますと、一千八百六十七億九千九百十九万四千円の増額となっております。  総理府所管歳出予算要求額に計上いたしましたのは、総理府府内部部局付属機関及び青少年対策本部日本学術会議近畿圏整備本部中部圏開発整備本部機関のほかに、公正取引委員会国家公安委員会土地調整委員会首都圏整備委員会宮内庁行政管理庁北海道開発庁防衛庁経済企画庁科学技術庁及び沖縄北方対策庁の外局に関するものであります。このうち、防衛庁に関する歳出予算要求額五千六百九十三億五千三百五十三万九千円、経済企画庁に関する歳出予算要求額四百三十七億五千百六十三万二千円につきましては、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外のおもなる経費について、以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し上げます。  総理本府に必要な経費二千八百七十一億四千三百四十六万三千円、青少年対策本部に必要な経費九億七千二十八万八千円、警察庁に必要な経費四百四十四億四千九百四十二万七千円、行政管理庁に必要な経費五十三億六千七百七万四千円、北海道開発庁に必要な経費一千七百九十五億七千六十五万円、科学技術庁に必要な経費六百一億三千六百四十八万九千円、沖縄北方対策庁に必要な経費二百六十七億五千六百六十二万九千円等であります。  なお、総理本府に必要な経費は、総理本一般行政等に必要な経費百二十八億六千九百九十九万二千円、恩給支給に必要な経費二千七百四十二億七千三百四十七万一千円であります。  次に、その概要を御説明いたします。  総理本一般行政等に必要な経費は、行政施策に関する広報活動積極的推進、栄典の授与、交通安全調査、公害の紛争処理昭和四十五年国勢調査及び各種統計調査等のための経費でありまして、前年度に比較して五十三億四千四十一万四千円の増額となっております。  恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて、文官、旧軍人及びその遺族等に対して恩給支給し、また、国会議員互助年金法に基づいて、退職した国会議員及びその遺族に対して互助年金等支給するための経費でありまして、昭和四十五年度におきましては、新規裁定による増加、失権に伴う減少並びに昭和四十四年度に実施した恩給金額改定の平年度化のほか、新たに恩給金額改定公務扶助料倍率引き上げ等の措置に要する経費を計上しており、前年度に比較して二百九十一億五千四百八万四千円の増額となっております。  青少年対策本部に必要な経費は、青少年対策本部一般事務青少年健全育成及び国民健康体力増強等のための経費でありまして、前年度に比較して二億二千七十三万三千円の増額となっております。  警察庁に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関経費及び都道府県警察補助のための経費でありまして、前年度に比較して五十三億四十二万八千円の増額となっております。  行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁及びその付属機関並びに地方機関経費都道府県に配置されている統計専任職員費国連アジア統計研修の実施及び行政情報処理調査研究のための経費でありまして、前年度に比較して七億四千八百九十七万五千円の増額となっております。  北海道開発庁に必要な経費は、北海道における土地改良農用地開発、漁港、住宅、林道及び造林事業等経費と、治山、治水、道路整備及び港湾整備事業等経費に充てるための財源の各特別会計への繰り入れ金等経費でありまして、前年度に比較して二百七十三億六千四百五十三万一千円の増額となっております。  科学技術庁に必要な経費は、原子力平和利用の促進、宇宙開発推進海洋開発技術推進科学技術情報施策推進試験研究機関整備充実等のための経費でありまして、前年度に比較して百五十七億九千八百三十七万四千円の増額となっております。  沖縄北方対策庁に必要な経費は、琉球政府行政運営費に対する援助沖縄における社会福祉医療対策整備充実学校施設整備等教育水準の向上、復帰記念事業を中心とする道路整備等産業基盤整備産業経済振興開発のための援助等に要する経費並びに南方同胞援護会及び北方領土問題対策協会に対する補助等のための経費並びにこれらの諸施策を強力に推進するための沖縄北方対策庁設置等に必要な経費であります。昭和四十七年における沖縄復帰に関する施策を一段と推進するとともに経済社会画期的開発、発展をはかることとし、前年度に比較して百九億一千六百九十六万九千円の増額となっております。  また、以上のほかに、国庫債務負担行為として、総理本府におきましては、外国人恩給について二十七万四千円、警察庁におきましては、警察施設整備について三億九千六百十万四千円、北海道開発庁におきましては、北海道公営住宅建設事業費補助及び国営かんがい排水事業について五億一千八十三万五千円、科学技術庁におきましては、動力炉・核燃料開発事業団出資宇宙開発事業団出資日本原子力研究所出資及び航空宇宙研究施設整備等について二百六十五億五千六百二十八万八千円を計上いたしております。  以上をもちまして、昭和四十五年度内閣及び総理府所管歳出予算要求額概要説明を終わります。よろしく御審議下さるようお願いいたします。     —————————————
  18. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、科学技術庁予算説明を求めます。西田科学技術庁長官
  19. 西田信一

    ○西田国務大臣 昭和四十五年度における科学技術庁予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十五年度総理府所管一般会計予算要求額のうち、科学技術庁予算要求額は、歳出予算額六百一億三千六百四十八万九千円を計上いたしましたほか、国庫債務負担行為額二百六十五億五千六百二十八万八千円であります。これを前年度歳出予算額四百四十三億三千八百十一万五千円に比較いたしますと、百五十七億九千八百三十七万四千円の増額となっております。  次に、予算要求額のうち、おもな経費についてその大略を御説明申し上げます。  第一に、科学技術振興基盤の強化といたしまして、歳出予算額八億六百万七千円、国庫債務負担行為額五億四千七百万円を計上いたしました。これは、科学技術振興のための国の基本計画の策定に必要な調査、科学技術普及啓発活動推進、科学技術人材の養成確保をはかりますための内外への留学研究等に必要な経費のほか、研究・学園都市建設の一環として、無機材質研究所の研究本館、国立防災科学技術センターの大型降雨実験施設等の建設に必要な経費であります。  第二に、原子力開発利用推進といたしまして、歳出予算額三百八十七億二千五百七十五万八千円、国庫債務負担行為額百八十四億百三十八万八千円を計上いたしました。これは、将来の電力供給の本命と目される高速増殖炉及び新型転換炉の研究開発のため、前年度に引き続き高速増殖炉の実験炉の建設を進めますとともに、新型転換炉の原型炉の建設に着手いたしますための経費、核燃料対策の一環といたしまして新たに使用済み核燃料の再処理工場の建設に着手いたしますための経費昭和四十六年度に原子力第一船むつの完成を目標に、原子炉の艤装、付帯陸上施設の整備及び乗り組み員の養成訓練を行ないますための経費、また、日本原子力研究所における材料試験炉等各種原子炉の運転整備、核融合、食品照射の研究開発、ウラン濃縮の基礎研究等を行ないますため必要な経費のほか、放射線医学総合研究所におきまして医療用サイクロトロンの建設に着手いたしますための経費、国立試験研究機関及び民間企業等が行ないます原子力関係の試験研究に必要な研究費及び委託費、原子力軍艦寄港時の監視体制の強化等放射能測定調査研究に必要な経費等であります。  第三に、宇宙開発推進につきましては、宇宙開発事業団を中心といたしまして宇宙開発を強力に進めることとし、歳出予算額百十三億四千四百八十一万一千円、国庫債務負担行為額六十七億七千六百四十万円を計上いたしました。これは、宇宙開発事業団における電離層観測衛星及びQロケットの開発、ロケット打ち上げに必要な各種施設の整備、ロケット及び人工衛星の地上試験施設の整備などを行ないますための経費のほか、航空宇宙技術研究所におけるロケットの基礎的、先行的研究を行なうための経費、種子島周辺漁業対策事業費、宇宙開発委員会に必要な経費等であります。  第四に、海洋開発の推進につきましては、潜水調査船しんかいの本格的活用、海中作業基地の建造等を前年度に引き続き行ないますほか、新たに、潜水シミュレーターの建造に着手いたしますため必要な経費として、歳出予算額四億七千五百十一万三千円、国庫債務負担行為額二億八千三百五十万円を計上いたしました。  なお、このほか、特別研究促進調整費より海洋開発充当分として歳出予算額約一億円の配分を予定いたしております。  第五に、情報関係施策の拡充強化につきましては、科学技術会議の答申に示されました科学技術情報の全国的流通システム構想について、その調査検討を行ないますとともに、情報の機械化検索システムの検討、日本科学技術情報センターの機能の充実等に必要な経費及び研究開発社会開発等の合理的かつ効率的な推進をはかるため、情報処理に関するソフトウエア技術につきまして、その発展の方向、今後の課題等の調査検討を行ないますための経費を合わせ、歳出予算額八億六千九百二十八万七千円を計上いたしました。  最後に、研究開発一般の推進といたしまして、歳出予算額六十九億四千三百五十一万三千円、国庫債務負担行為額五億四千八百万円を計上いたしました。これは、特別研究促進調整費による重要総合研究の推進、民間の自主技術開発力の強化を目的とする新技術開発事業団の業務の拡充、国際交流の推進、資源の総合的利用方策の推進に必要な経費のほか、試験研究機関整備充実といたしまして、金属材料技術研究所の金属材料疲れ試験施設の整備、無機材質研究所の研究グループの増設及び研究用機器の整備、航空宇宙技術研究所の突風風胴の整備、国立防災科学技術センターの新庄支所の整備科学技術庁の付属研究機関整備運営等に必要な経費並びに特殊法人理化学研究所の事業の運営に必要な経費であります。  以上簡単でありますが、昭和四十五年度予算要求額のうち、重要項目についてその大略を御説明申し上げました。よろしく御審議のほど、お願いいたします。     —————————————
  20. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、法務省所管予算説明を求めます。小林法務大臣。
  21. 小林武治

    ○小林国務大臣 昭和四十五年度法務省所管予定経費要求の内容につきまして、大要を御説明申し上げます。  昭和四十五年度予定経費要求額は九百四十九億七千二百七十八万五千円であります。前年度予算額八百二十二億五千八百八十万六千円と比較しますと、百二十七億一千三百九十七万九千円の増額となっております。  増減の詳細は別途の資料により御承知願いたいのでありますが、その内訳を大別して御説明いたしますと、第一に、人件費関係の増百五億四千九百八万五千円であります。これは、公務員給与ベースの改定等に伴う増額分、昇給等の原資としての職員基本給及び退職手当等の増額分がおもなものでありますが、そのほかに副検事、法務事務官等四百六十五人の増員に伴う所要人件費が含まれております。  ここで増員の内容について申し上げますと、一、公安労働事件、交通事件増加に対処するため、副検事三十七人、検察事務官五十一人、二、登記事件、国の利害に関係のある争訟事件及び人権侵犯相談事件の増加に対処するため、法務事務官百九十人、三、刑務所における勤務体制を改善するため、看守九十九人、四、非行青少年対策を充実するため、少年院教官十九人、少年鑑別所教官十二人、保護観察官十三人、五、出入国審査及び在留外国人管理業務増加に対処するため、入国審査官二十一人、入国警備官三人、六、暴力主義的破壊活動に対する調査機能を充実するため、公安調査官二十人、となっております。他方、昭和四十三年の閣議決定に基づく定員削減計画による昭和四十五年度削減分として四百十九人が減員されることとなりますので、これを差し引きますと四十六人の定員増加となるのであります。なお、別に沖縄北方対策庁に当省定員から一人を振りかえ、本年五月から法務事務官一人がこれに出向する予定となっております。  第二に、一般事務費の増十七億七百九十五万七千円であります。これは、事務量の増加に伴って増額されたもののほか、積算単価の是正、職員の執務環境の整備改善及び矯正関係収容者の処遇の改善に伴う増額分等であります。  第三に、営繕施設費の増四億五千六百九十三万七千円であります。これは、法務合同庁舎等施設の新営費等が増額されたものであります。  次に、おもな事項経費について概略を御説明いたします。第一に、法務局、地方法務局において登記、台帳、供託、戸籍等の事務処理するために要する経費として十六億四千十四万円、第二に、検察庁において刑事事件を処理するための検察活助に直接要する経費として十億二百五十三万三千円、第三に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の昭和四十五年度一日平均収容予定人員合計七万一千九百二十人の衣食、医療及び作業等に要する経費として七十九億三千九百九十五万六千円、第四に、保護観察に付された少年、いわゆる刑余者及び執行猶予者等を指導監督し、これを更生させるための補導援護に要する経費として十三億四千一百八十八万三千円、第五に、出入国の審査、在日外国人の在留資格審査並びに不法入国者等の護送、収容及び送還を行なうのに要する経費として一億一千六百六十二万二千円、なお、外国人登録法に基づき、在日外国人の登録及び指紋採取の事務処理するために要する経費として二億一千九百七万七千円、第六に、公安調査庁において処理する破壊活助防止のための調査活助等に要する経費として十一億五千五百十三万円、第七に、法務局、検察庁等の庁舎及び刑務所、少年院等の収容施設の新営整備に要する経費として四十二億六千七百六十七万三千円が計上されております。  さらに、昭和四十五年度において新たに計上された経費としては、第一に、昭和三十九年に閣議の了解を得ました犯罪防止及び犯罪者の処遇に関する第四回国際連合会議を本邦で開催するために必要な経費として八千一百六十二万三千円、第二に、昭和四十六年度において法務省電子計算機を導入することを前提として、その準備に要する経費として三千七百八十五万三千円へ及び電子計算機の借り入れ契約をあらかじめ結ぶための国庫債務負担行為として一億六十八万円、第三に、昭和四十四年十二月に実施されました衆議院議員総選挙関係の検察経費として三千八百四十四万九千円があります。  以上が法務省所管予定経費要求の大要でありますが、このほか、建設省所管の官庁営繕費に、法務本省電子計算機室等新営費として四億七百一万四千円、大蔵省等所管の特定国有財産整備特別会計に、下野刑務所、これは黒羽刑務所と称することになりましたが、この施設等十三施設の整備費として四十七億三千七百三十万三千円、並びに札幌法務合同庁舎別館及び横浜少年鑑別所の施設整備のための国庫債務負担行為として二億九千六十二万円が計上されております。  最後に、当省主管歳入予算について一言御説明申し上げます。  昭和四十五年度法務省主管歳入予算額は二百九十四億二千一百二十七万二千円でありまして、前年度予算額二百六十一億五千五百九十八万六千円と比較しますと、三十二億六千五百二十八万六千円の増額となっております。これは過去の実績等を基礎として算出されたものでありまして、その増額のおもなものは罰金及び科料と刑務所作業収入であります。  以上、法務省関係昭和四十五年度予算案について、その概要を御説明申し上げました。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。     —————————————
  22. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 次に、文部省所管予算説明を求めます。坂田文部大臣。
  23. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 昭和四十五年度文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管一般会計予算額は八千四百五十五億八千七百七十四万五千円、国立学校特別会計予算額は三千五十三億八千十六万八千円でありまして、その純計は八千九百七十二億六千六百二十二万八千円となっております。この純計額を前年度予算と比較いたしますと、およそ千八十四億円の増額となり、その増加率は一三・七パーセントとなっております。  以下、昭和四十五年度予算案におきまして取り上げました重要事項について御説明申し上げます。  第一は、文教に関する基本施策樹立のための調査検討の経費であります。  わが国の教育制度全般にわたる改革については、中央教育審議会において審議を重ねるとともに、広く国民各層の意見を聴取して、昭和四十五年度中にはその基本構想を取りまとめることとなっており、また、これと並行して新構想による高等教育機関の設立等のための調査研究を行なうこととし、これら文教に関する基本施策の樹立のため教育に関する調査、統計、広報等に必要な経費を計上いたしました。  第二は、初等中等教育の充実のための経費であります。  このことにつきましては、かねてから努力を重ねてまいったところでありますが、父兄負担の軽減に留意し、教材整備の促進につきましては、整備計画の第四年次の整備充足を行なうごととし、また、教科書無償給与につきましても、国、公、私立の義務教育諸学校の全児童生徒に対して全額国費によりこれを行ない、就学援助の強化につきましては、要保護、準要保護児童生徒の万国博覧会見学のための経費を修学旅行費、校外活動費に新たに支給の対象とするなど、その拡充につとめました。  次に、初等中等教育の充実のうち、まず、後期中等教育の拡充整備につきましては、定時制または通信制の高等学校の施設設備に要する経費の補助の充実をはかるとともに、高等学校教育の多様化に対処するための理数科等の施設設備等に必要な経費を計上し、また、理科教育設備及び産業教育の施設、設備につきましては、新基準による計画的な改善充実推進するとともに、新たに数学設備に対する助成及び情報処理教育センターの設置、農業専攻科の設置に対する補助を行なうことといたしました。  次に、幼児教育の重要性にかんがみ、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な施設設備に関する助成を行ない、幼稚園振興計画の達成につとめております。  次に、特殊教育の振興につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な整備と就学奨励の充実のため必要な経費増額し、私立特殊教育学校教育費補助に新たに人件費を対象に加えるとともに、特殊教育総合研究所(仮称)の施設建設に着手することとしております。  次に、僻地教育の振興につきましては、僻地の教育環境の改善等のため、引き続き教員宿舎、スクールバス・ボート、給水施設等各種の施設、設備の充実をはかるとともに、寄宿舎居住費、遠距離通学費の補助を拡充するなど総合的に施策推進することといたしております。  また、学校給食の普及充実につきましては、引き続き給食施設設備の充実、栄養職員増員、学校給食物資の低温流通化の促進等施策を拡充するとともに、食糧管理特別会計への繰り入れによる小麦粉国庫補助は昭和四十五年度も実施し、新たに給食用物資の流通に関する調査研究を行なうことにより、今後の学校給食の改善充実に備えることといたしました。  また、学校給食における米利用の問題についても、実験的な措置を講じております。  次に、義務教育諸学校の教職員定数の充実につきましては、年次計画による増員及び特殊学級の増設に伴う増員を行なうこととし、給与改定の平年度化等を含め、給与費にかかる義務教育費国庫負担金は総額四千三百二十一億円余を計上いたしました。  なお、教員給与の改善について、引き続き調査研究費を計上しております。  次に、教職員の現職教育につきましては、従来までの校長等の研修を拡充し、海外派遣による研修の機会も大幅に拡大するほか、新たに新規採用教員の研修に助成を行なうことといたしました。  次に、公立文教施設の整備につきましては、一九・一パーセント増の四百三十三億円を計上し、事業量の拡大、単価の引き上げ、構造比率の改善につとめるとともに、後に述べますように、特に社会増地域の対策に特段の配慮をいたしております。  以上のほか、教育内容の改善、生徒指導の充実、同和教育の推進、教職員の研究活動の促進、学校安全の充実等各般にわたる施策の拡充に必要な諸経費を計上いたしました。  第三は、過密過疎地域教育対策に要する経費であります。  まず、過密地域対策につきましては、小学校校舎の不足の整備、新設小・中学校の校地整地費の増額のほか、社会教育施設、体育施設の整備等も強力に推進することといたしました。  次に、過疎地域対策としましては、教育施設の整備、教職員の勤務条件の改善、児童生徒の就学援助の拡大等の施策を進めております。  第四は、高等教育の整備充実と厚生補導の充実等の経費であります。  国立学校特別会計予算につきましては、前年度予算額と比較して二百九十億円の増額を行ない、約三千五十三億円余を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ二千五百三十七億円、借り入れ金六億円、付属病院収入三百七十五億円、授業料及び検定料六十億円、学校財産処分収入三十三億円、その他雑収入四十二億円であり、歳出予定額は、国立学校運営費二千五百六十九億円、施設整備費四百八十四億円などであります。  まず、国立大学の充実整備につきましては、その質的充実をはかることに重点を置くこととし、他方、社会的要請に即応するものとして医学部の創設と情報科学、情報処理教育に関する学科の新設、小学校教員養成課程の拡大等所要の措置を講じました。  次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等共通の基準的経費につきましても、増額をはかっております。  また、新制大学における大学院修士課程の拡充、付属病院、付置研究所の整備につきましても配慮をいたしておりますが、特に付属病院につきましては、診療機構を充実し、病院教官、看護要員を大幅に増員するとともに、従来の臨床研究医を非常勤の公務員の身分を有するものとし、あわせてその給与増額をはかることとし、もって大学付属病院としての使命、目的達成に必要な整備につとめております。  次に、専門技術者育成のため、昭和四十年度に設置を見た工業高等専門学校七校に各一学科を増設することにいたしました。  次に、学生の厚生補導関係については、引き続き多角的かつ総合的な施策推進することとし、合宿研修の拡大等学生指導費の増額、課外活動施設設備の整備、学生厚生福祉施設の充実等に必要な経費を計上しました。  また、育英奨学事業の拡充につきましては、大学院奨学生の貸与月額改定及び採用数の増をはかるとともに、高等専門学校についても特別奨学生の採用数の増加をはかるなど、引き続き事業を拡充するほか、今後の大学等高等教育機関のあり方に即応した育英奨学制度の改善のために必要な調査研究を行なうため、所要の経費を計上しております。  以上、高等教育の整備充実について、あとに述べます私学振興とあわせて格別に配慮いたしたところでありますが、学内紛争等による学園の荒廃をすみやかに正常化し、学問と教育の府にふさわしい教育環境を整備し、さらに将来の大学のあり方について明確な方策を樹立するよう努力いたす所存であります。  第五は、学術の振興に要する経費であります。  学術研究の分野においては、研究活動の増大とその組織の拡大、専門分野の細分化、大型研究施設の需要等を見るに至り、したがって学術振興に関する施策を一そう多角的に講じることが必要と考えられます。  来年度予算におきましては、まず、科学研究費補助金を大幅に増額し、総額七十二億円を計上いたしましたが、この補助金の配分のための審査等も急速に改善されており、効果的な執行をいたす所存であります。  また、既設の研究所の整備につきまして配慮するとともに、科学衛星・ロケット観測、南極地域観測事業等についても引き続き所要経費を計上することとし、素粒子研究に関する施設の整備にも着手することといたしました。  第六は、私学の振興に要する経費であります。  わが国の学校教育において果たしている私立学校の重要な役割りを正当に評価し、今後の教育、研究の充実をはかるため私立学校に対する助成措置を強化することとし、来年度においては、従来に見られなかった新しい施策を展開することといたしました。  まず、私立学校振興会を発展的に解消して私学振興財団を設置し、私立学校に対する貸し付け業務のほか、国の私立学校に対する補助事業等をとり行なわせることといたしました。  次に、私立大学等に対する経常費助成につきましては、これまでの教育研究費補助、理科等教育設備費補助等をも吸収して、新たに私立大学、短期大学及び高等専門学校に対して人件費を含む経常費に対する助成を行なうこととし、百三十二億円余を計上いたしました。  なお、新設理工系設備及び研究設備につきましては、この経常費の助成とは別個に措置することとしております。  私立学校に対する貸し付け資金につきましては、政府出資金及び財政投融資資金からの融資並びに自己資金を合わせて総額三百十億円を確保することといたしましたが、貸し付け条件の改善についても、所要の措置を講ずることとしております。  第七は、青少年の健全育成と社会教育の振興のための経費であります。  都市化の進行、技術革新の進展などによる社会構造の急速な変化に対処する社会教育のあり方については、現に検討を進めておりますが、来年度予算では、社会教育指導者の養成確保に意を用いるとともに、社会教育施設の拡充につきましても、地域開発のための人づくりセンターとしての公民館、図書館、博物館の施設の整備をいっそう推進することとし、また、大学等の学校開放講座の整備など国民の学習意欲の高まりに対応する施策を進めることといたしております。  また、青少年の教育問題において社会教育の分野でになう役割りは非常に大きいものとなっておりますので、学校外における青少年の活動促進、団体助成等に必要な諸事業の拡充を行なうとともに、すでに設置されている国立青年の家の整備充実と第九青年の家の新設を行なうこととし、さらに、公立の施設としては、新たに少年自然の家の施設の助成を行なう等公立青少年教育施設の助成を拡充する措置を講じております。  また、家庭教育相談事業、家庭教育番組のテレビ放送の実施等家庭教育、婦人教育の振興についても留意し、経費の拡充をはかっております。  第八は、体育・スポーツの振興に必要な経費であります。  わが国の体育・スポーツの現状から見ましても、青少年をはじめ広く国民が体育・スポーツを実践し、健康の増進、体力の向上をはかり得るよう強力な施策推進する必要があります。このため、水泳プール及び柔剣道場の増設に格別の配慮をするほか、体育館、運動場及び野外活動施設等の整備推進するとともに、スポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体・行事の助成、指導者養成等について、必要な経費を計上することといたしました。  また、二年後に行なわれる札幌オリンピック冬季大会の実施準備につきましても遺憾なきを期するとともに、スポーツの国際交流についても所要の措置を講じております。  第九は、芸術文化の振興と文化財保護の推進のための経費であります。  このことにつきましては、文化行政の総合的かつ効果的な推進をはかる体制を整備し、その拡充に努力してまいりました。  まず、芸術文化の振興につきましては、芸術・文化団体に対する助成措置の拡充を行なうとともに、地方芸術文化の振興の拠点となるべき公立文化施設整備費の補助について配慮を払うこととし、また、国立の美術館、博物館の整備にも意を用いた次第であります。  次に、文化財保存事業につきましては、文化財の保存修理、防災施設の整備等を一そう充実することといたしておりますが、特に最近の国土開発の急速な進展に対処して、史跡を守るためには、史跡等の買い上げが不可欠であり、かつ、急を要する方策であるとの観点から、これに対する経費を大幅に拡充いたしたのであります。  また、平城宮跡の買い上げとその整備、飛鳥、藤原宮跡の発掘調査についても所要の経費を計上いたしました。  なお、無形文化財の保存活用等につきましても、必要な経費増額をはかっております。  第十は、国際交流の推進と教育援助の拡大のための経費であります。  国際学術文化の交流を促進するため、引き続き教授、研究者の交流を推進するとともに、日本古美術の海外展を実施する等文化交流についても配慮いたしております。  また、最近、特にアジア・アフリカ諸国に対する教育の協力の要請が高まってまいりましたおりから、教育指導者の招致、理科設備等の供与及び指導者の派遣等に必要な経費を計上いたしております。  次に、外国人留学生教育につきましては、国費外国人留学生の給与費を増額いたしますとともに、日本語学校の新設等その受け入れ体制の整備強化をはかることといたしました。  さらに、ユネスコ国際協力につきましては、国内ユネスコ活動推進をはかるとともに、ユネスコを通じての国際協力、特にアジア諸国への援助のため新規の諸事業を計画いたしております。  以上のほか、沖縄の教育に対する協力援助費につきましては、これを増額し、別途総理府所管として計上いたしております。  以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
  24. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 以上をもちまして、本分科会所管予算説明は全部終了いたしました。     —————————————
  25. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 これより昭和四十五年度一般会計予算中、本分科会所管のうち、皇室費の質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。登坂重次郎君。
  26. 登坂重次郎

    ○登坂分科員 昭和四十五年度皇室費の歳入歳出予算について、関連予算においてちょっと質問させていただきます。  今日、皇室は、国家の象徴として各方面にわたって国民の尊敬の的になっておられるわけでありまするが、特に、最近、陛下におかせられましては、地方に御巡幸なされての各地の民情視察とか、あるいは各種団体の功労者とか外国使臣の謁見等、非常に御多忙にわたって、しかも国民の非常な信望の的となっていることはよく承知しておるわけでございまするが、お立場上非常にむずかしいことではありましょうが、陛下の象徴としてのお立場から、今後どういうふうにして国民の中に溶け込んで、よりよき象徴としてアプローチされていくか、その助言をなさっている宮内庁の方針をひとつ聞かせていただきたいと思うわけであります。
  27. 瓜生順良

    瓜生政府委員 憲法の第一条にも、天皇は日本国の象徴、日本国民統合の象徴としておられまして、その基礎は国民の総意に基づくというふうにございます。したがって、この象徴としてのお立場上どういうふうになされたがよいかというようなことは、そのときの国民の総意というものを十分考えながらなされるのが大切かと思っております。この国民の総意というのは、左にも右にも片寄らない全体の総意ということでありますから、どちらかと申しますと中道になるかと思いまするが、そういうような、この総意というのはどういうふうであるかということを、われわれ宮内庁につとめておる者といたしましては、知ることにつとめております。  結局、国民は、皇室に対して敬愛心を持っておられるわけで、つまり、尊敬の念と親愛の念という二つの面があると思いまするが、その基礎は、長い歴史的伝統をお持ちになっておるこの皇室に対するあこがれがやはり基礎となっておりまするので、古い伝統も十分研究しながら、なおこの新しい時代に国民とほんとうに結びついていかれまするように、さらに新しい時代にふさわしいように反省をしながら、いろいろのなされ方について、われわれがお手伝いをいたします際には、改善すべき点はないかということを常に考えながら時代に沿うようにつとめておる次第でありまして、要は、この伝統に基づき、なお、この新しい時代の国民の総意というものに十分マッチしていくようにというようなことを考えながらやっているのが基本点でございます。
  28. 登坂重次郎

    ○登坂分科員 お話でわかりましたが、とにかくわれわれ国民としては非常に尊敬もし、敬愛しております皇室であります。しかし、やはり国民の象徴として、今後ますますより深い親密のもとに国民の敬愛におこたえになられるような、そういう方向でひとつぜひ今後とも御措置願いたいと思う次第でございます。  さて、昭和四十五年度皇室歳入歳出予算を拝見いたしますと、去年よりわずか六千万ちょっとしかふえていない。全体で十八億三千万とするなれば、予算措置は大体一四%余りが普通のわけでありまするが、この皇室費のいわゆる組み方、皇室経済会議について、大蔵省とあるいは事務当局として皆さんがお立てになる場合、前年比とか、そういうものにとらわれるでありましょうが、本年度は特に万博がありまして、各国から元首がおいでになる、そういう立場も含めてどういうふうな御措置をなすったか、その点をひとつ御説明を願いたい。
  29. 瓜生順良

    瓜生政府委員 皇室費の昨年に比較しての増額が七千万三千円ということで、そのふえ方のパーセンテージはそう大きくはございませんのですが、これは主として、いまほど御説明申しましたうちの皇室用財産維持管理等に必要な経費という、つまり皇室用財産である殿邸をつくるとか、あるいはその他の施設をつくる、そういうような経費の点で昨年から比較すると金額が減ったわけでありまするが、これは下田の御用邸の関係にしましても、昨年から見ると工事の都合上金額が減ってきておるわけであります。あるいは京都御所の復元の経費というのも、第一期の工事が四十四年度で終わりまして、四十五年度は第二期に入りますが、金額がそれと比較いたしますと減っておるというようなこと、そういうような、要するに皇室用財産の施設のほうの関係の進行ぐあいで減ったということでありまして、皇室の公的御活動に必要な経費、そういう面ではふえておるわけであります。  特に本年は万博がございまするので、外国からのお客が多いわけであります。現在わかっておりますのは、外国の元首でおいでになるということがわかっておる方が十八方あります。それから外国の皇太子等の皇族でお見えになることがわかっておる方が十二方ございます。その他総理級、閣僚級の方がお見えになりまするが、外国の元首とか皇族がお見えになった場合に対して、皇室では午さんの接待をなさることになっておりますが、そういうような経費、あるいは外国から見えたお客さんが何かおみやげを皇室に対して持ってこられる場合があります。それに対してやはりお返しのおみやげをお出しになるというような経費、それからなお万博のために両陛下あるいは皇太子殿下などが、万博の開会式にもおいでになりまするが、なおまたあらためて御視察もなさる、そういうお出かけの経費というようなものもありまして、そういうのを全体合わせますと三千五百万円くらいは特に予算として組まれておるわけでありまして、この予算の金額としては昨年からそうふえておりませんが、実質的にはいろいろ御活動がなされやすいように考えられて予算が組まれておるわけであります。
  30. 登坂重次郎

    ○登坂分科員 予算としては一般国民には非常にはかり知れないような、あまり縁の遠いような予算でありまするから、またそれも事務的な経費が多いようでございまするから、その額について皆さんが御納得いくならそれでけっこうでございまするが、要するに皇室は国民の象徴として非常に親しまれる皇室となられ、非常に民主的になられたということは国民ひとしく認めるところでございまするが、われわれ国民が、今日、日本国が非常な経済発展をいたしまして、海外においても相当認められるような国になった。でありまするから、外国との親交、国民外交はもちろん大事でありまするが、われわれ国民においてなし得ない外交面があるのであります。それを皇室あるいは天皇にお願いすることが非常に効果的な、大きな、よりよい親善の実績、効果をあげられることが多いかと思います。そういう点におきまして宮内庁の皆さんにおかれましても、今後ますます日本の象徴としての陛下の御意思にお沿えになれるような、御自由なお考えがすぐ御実行に移されるような、そういう方向でひとつ補佐していただきたい。  陛下はまた、いろいろ非常に学問的にも研究をなされておられるということを承りまするが、生物学に特に御熱心である。近く下田に御用邸をおつくりになられる。またこの万博の帰りにもお立ち寄りになられるということも漏れ承りましたが、そういうものの予算は、どういうことになっておりますか。これまたちょっと伺いたいと思います。
  31. 瓜生順良

    瓜生政府委員 お話のありました生物学の御研究の関係の経費、これは陛下が御趣味としてなさる、公の御活動ではないものでありまするので、これは内廷費の中でなさっております。これまでですと八千四百万円でありましたが、四十五年度は九千五百万円にしていただく。その中の一項目で生物研究費というのがあるわけでございます。これは内廷費でございます。  それから下田御用邸の関係でございますが、これは土地の買収は四十三年度に終わって、四十四年度は工事にかかりました。四十五、四十六年度とあと二年度を経て四十六年の秋には完成する予定でございまするが、そのうち四十五年度といたしましては、お手元にまいっていると思いまするが、皇室費の一般会計歳出予算各目明細書の中の施設整備費という中に新御用邸施設費として三億二千八百六十二万二千円計上されております。これが四十五年度経費でありまして、なお四十六年度にさらに二億円以上の予算を組んで、その四十六年の秋には完成するという予定になっておるわけであります。
  32. 登坂重次郎

    ○登坂分科員 終わりました。
  33. 笹山茂太郎

    ○笹山主査 これにて皇室費の質疑は終了いたしました。  明十二日は、午前十時より開会し、文部省所管の質疑を行なうことといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十六分散会