○西宮
委員 それでは事後にそういう事実があったということを
総理はお聞きだ。そこで
田中さんは、いわゆるつぶやきを聞いて私はおせっかいをしたんだというのでありますけれども、問題でありますることは、単なるつぶやきではない。たとえば藤原氏の言によりますと、こう言っております。竹入に泣きつかれたんだ、知っているのは池田、竹入、
矢野、君とぼくと五人だけだ……。あるいは料亭に招かれた。二回行ったわけですが、そのときには、ちゃんとその人たちの分まで席が用意をしてあった。あるいはいますぐ竹入が来るから待ってくれ、こういうことを言われた。いわばそこで手打ち式をするつもりではなかったんだろうかというようなことを言っておる。あるいはその買い上げの金はもちろん公明党が持つんだ、こういうことを言っておるわけでございまして、これは
総理に
質問してもしかたがないことでありまするが、少なくとも単なるつぶやきではないんだということだけは十分にわかると思うのであります。
そこで、
田中幹事長はまことに多忙な方です。この方がこれほどまで手を尽くしておる。こういうことに電話をかけたり、二回まで料亭に来たり、あるいは約束の時間の十五分前に来て待っている。こういうことは常識では考えられないことでございます。私はそういう点は何かあるんではないかというふうに疑わざるを得ないわけです。これはあえて私、西宮が疑うだけではなしに、たとえば
新聞等はみんなそういっております。もし
佐藤総理が特に弁明したいことがあるならば御弁明を願いたいと思うのでございまするが(笑声)このことは、まあお笑いにならずに聞いてください。このことは大事な問題ですから、お聞きになっていただきたいと思う。このことは公明党の方も言っておられるわけですよ。これは先般いわゆるテープが公開された。これは秘密の会合だったそうでありまするけれども、今日では公開されておるんですから申し上げて差しつかえがないと思うのであります。しかも、そういういわゆる秘密の会合だから、ほんとうのことを言われたんだと思うのでありますが、これにはこう言っておられるわけですね。「自民党なんかにものを頼むほどわれわれは落ちぶれてはいない。皆さんにわかってもらいたいんだけれど、うちは自民党に貸しはあるけれども借りはないですよ。貸しはいろいろあるけどね。黒い霧の導火線をうちは握っているんだ。いつだって火はつけられるんだ。それなのに調子に乗りやがって、うちをおどかす片棒をかついでいるやつなんか容赦せぬ。容赦せぬとわれわれがおこるだけで向こうはあわてちゃっているんです。公明党に対して、創価学会に対して、池田先生に対して、好意的な目つきをしておかないと、
総理への道に落とし穴をつくられてしまう。時限爆弾をしかけられてしまう。それこそ顔面まっさおになって毎日ふるえながら
新聞を見ているのは自民党ですよ。公明党のかんにん袋の緒が切れたらどうしましょう。それがこっちにわかっているから、笑って平気なんです。」こういうことをこれは公明党の方がおっしゃっておるわけでございます。私はこういう点を見ると、これはいかにもいわゆる貸し借りがあるんだ、こういうふうに見ざるを、あるいは考えざるを得ないわけですよ。私はその点について、どうも総裁になる落とし穴までしかけてあると、何だかこれは
田中角榮さんのことを言っているんじゃないかななんていうような気がするわけですけれども、私はこれでは
——ああ、そうですが、お隣かもしれません、
総理のお隣かもしれませんけれども、私は自民党もたいへん考えていただきたいと思うのでありますが、公明党の方も、私は実は公明党という政党は、たいへん失礼なことを申し上げて恐縮でありますが、文字どおり公明な政党だ、したがってみんな
国民はそういうイメージを持っておったわけであります。ところが取引もやるんだ、取引をする政党なんだ、こういうことは私はまことにふに落ちないのであります。かつて日蓮聖人は鎌倉幕府に対抗して勇猛果敢に戦った傑僧であります。私は今日まことにうたた感慨にたえないのでございます。
私はそこで、なぜ公明党の方が、まあことばは悪いので申しわけありませんけれども、こういうふうにうそを言われるのであろうか。第一は、先般の藤原氏の問題の際に、そういう著書については全然無根である、あの問題について容喙した、介入したというのは無根であるということを言われた。後には若干の接触があったということを言われた。さらに後には圧迫の事実はないということで否定をされる。こういうやり方でございます。あるいは先般赤松
委員が
質問された際にも、たとえば本を焼いたという問題について、公明党は一切関知しない、こういう談話を発表する。ところが、それは裁判の記録を見ると明瞭に書いてあるわけでございます。原告は
——原告というのは創価学会と公明党でございます
——この本の発行済み全部の回収に努力した結果、各被告らの
——被告というのは著者ですね
——所持したものを含めて十万五千三十八冊の廃棄処分を原告らの確認のもとに完了した。こういうことを裁判記録で、これは書面でお出しになっておるわけです、創価学会から。書面でこういうことをお出しになっている。われわれの確認のもとに十万五千三十八冊を廃棄処分にした、こういうことを言っているんで、全然われわれは関知しないということは全くあり得ないことだと思うのであります。もう
一つの事件は、ある高等学校の教師に対して、公明党の都
会議員が圧力を加えたという問題を赤松
委員が指摘をいたしましたところが、それに対しては、あの教師が公明党を誹謗したので事実の
調査を依頼しただけだと言っておりまするけれども、事実の
調査を依頼しただけではない。そのときの匿名の人物というのは鷲見美雄という人でありますけれども、この人は
昭和四十一年の一月十五日に、校長から、十七日に都の教育庁に行ってくれ、そこでは公明党から抗議が、叱責があるから、そのときには適当に受け流してくれ、こういうことを言われて指定の日に行った。そうしたらば四人の役員を連れて入ってきて
——その十七日ですね、いきなり公明党の二人の都
会議員から叱責を受けた。それは藤井富雄、小泉隆という議員でございます。叱責を受けた。それで弁明をしようと思ったらば、その態度が非礼であるといってしかられた。それでさらに弁明しようと思ったら、よろしい、当方にも考えがあるといって二人は退席をした。それから続いてあくる日は、公明党議員が強硬だから陳謝をしてくれということを校長から言われ、あるいは二十四日には料亭に招かれて、そこで公明党議員に陳謝をして円満解決をはかってもらいたいと言われ、あるいは二月の十九日に授業の停止を命ぜられ、あるいは三月には公明党の議員に陳謝をすれば円満におさまるんだ、それをやらなければ憂慮すべき事態が発生すると言われ、あるいは三月二十七日には、公明党の生徒からはあの先生は三月末には首になるんだ、こういうことを言われた、そして最後には、ずっと抵抗しておりましたところが、
本人の
意思に反して転校させられてしまった、こういう事実なのであります。したがって、これまた公明党の方が書記長談話として言われたこととは全く違うのでございまして、私はこういう点がどうして
——要するに宗教団体なんでありますから、宗教政党なんでありますから、私はほんとうはこういう、うそと思われるようなことがあってはいけないと考えるのでございまするが、そういう点、まことに残念でございます。
時間がなくなりましたので、私はこの宗教団体と政党が全く完全に
一つだ、これは一々例証いたしませんけれども、全く
一つだ、こういう状態は非常に問題があるのではないかと思います。したがいまして、私はこの点は
憲法上の問題にもなると思う。たとえば宗教団体が
選挙活動をやる、公明党の党員は二十八万と伺っておりまするけれども、創価学会の会員は七百万世帯と称しておられるわけでございます。大部分の方は創価学会の会員であります。その創価学会の会員は
選挙になりますると、実に猛烈なる
選挙活動をやるわけであります。こういうことは、全くの宗教団体が
——二十八万人はかりに別だといたしましても、その数百万の方が
選挙に全力をあげる、こういうやり方は私は全く異常な状態だと思います。これは現在の宗教法人法の明らかな違反だと思う。実は時間がありませんから御
答弁はいただけないのでありますが、これは先般私も論議をいたしました。文部
大臣は、それは
範囲を越えている、逸脱している、こういうこと
——私は別の問題で
お尋ねしたんですが、こういうことをこの
会議でもお答えになっております。したがって、そういうことになりますると、私はこれは
——そういうお答えをいただいております。あります、速記録をごらんください。ですから、そういうことになりますると、私はまことに重大な問題だと考えます。おそらくこういう状態は、この宗教団体と政党とが少なくともこん然一体をなしている、完全に
一つだ、こういうことは私は
日本の
憲法も予想しておらなかったんじゃないかと思う。したがって、そういう点で問題があるので、私は最後に言いたいことは、ぜひ
調査会をつくってほしい。もしわれわれの認識が間違っておるならば、これは創価学会の方、あるいは公明党の方に対してもまことに申しわけないわけです。ですから、そういうことをほんとうに徹底して究明をいたしまするために、ぜひ
調査会をつくってほしい。こういう会というか何というか、何でもけっこうですが、そういうところでこの問題を十分研究してもらいたい。もし私の言っておることが間違っておったら、これはまことに申しわけないんですから、ぜひそうしていただきたいということをお願いしたい。そこをひとつお答えください。