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中谷委員 報道の自由と裁判の公正、真実発見の問題については、最高裁判決がすでに出されておりますけれども、重ねて申し上げますが、この最高裁判決については、その最高裁判決の論理を構成された努力は多といたしまするけれども、報道
機関のほうから非常な不満があることは事実であります。これを救済するためには、立法的な
措置を講じなければならない、こういうふうに私は
考える。
しかし、この問題についてはこの程度にいたしまして、同じく憲法二十一条の問題として私が
理解をいたしまするいわゆる言論・出版妨害についてお尋ねをいたしたい。
この問題について、冒頭私は、報道の自由と裁判の真実追求との調和点をどこに求めるかという問題を提起いたしましたけれども、いわゆる当
委員会において問題になりましたところの言論・出版妨害
事件なるものは、料亭が出てくる、金で本を買収しようという問題が出てくる、したとかしないとかという問題が出てくる。同じ報道の自由と裁判の真実追求という問題、火花を散らすような論争がされておりますけれども、言論・出版の自由妨害の問題というものは、事実
関係においてもきわめて不透明であり、きわめて不明朗であります。したがいまして、そういう問題については、ひとつ事実
関係に基づいて私はお尋ねをいたしたい。
最初、前回赤松
委員がこの問題について発言をいたしました。これに対して
福田大蔵
大臣は特に発言を求められて、次のように述べておられます。「いま私のことがちょっと出ましたから
お答えします。私の幹事長時代のことかと思うのですが、いまのその本は、私は初めていまここで御紹介にあずかるような次第でありまして、直接にも間接にも
関係いたしておりませんですから、よく御
承知おき願います。」こういう御答弁であります。さて、そういうふうな御答弁がありました。私自身はたしてそういうことなのだろうかどうかということで、問題になりました創価学会と公明党を原告とし、「株式会社しなの出版」と「信濃印刷株式会社」を被告とするところの裁判記録というものを入手をいたしまして、検討いたしました。御
承知のとおり、裁判記録というものは、確定記録はだれでもこれは見れる記録であります。その中に公明党の都
会議員であると私は
承知いたしておりまするけれども、竜年光君という人の裁判記録の中に疎明書が出ております。疎甲第二一号という、それによりますると、当時竜君は、
昭和四十二年十月一日、この図書に関して自民党幹部と話し合ったことがある。そうしてだれと話し合ったかというと、元公明党の
委員長辻参議院議員と二人で自民党本部に行った。そうして自民党の組織
委員長の辻寛一さんと面談をして、この問題についての話し合いをした。そうすると辻さんは「「党として、そのようなことは初耳である。
福田幹事長とも相談の上自民党員のだれかがやっているのかどうか
調査し回答する」と答えました。」とあるわけであります。これは裁判所に出ている
報告書でございますね。そういたしますと、公党である公明党の
責任者が自民党の組織
委員長のところへお伺いをして、そうして当時幹事長であったところの大蔵
大臣であるところの
福田さんに間違いなしに話は伝えますと言っている。そうしますと、この疎明書から見る限りは、だれが
考えても、直接にも間接にも関知をしないんだという
お話は、どうも私としては常識的に納得いかない。しかし、これは幹事長御自身のことであります、大蔵
大臣御自身のことでありますから、ひとつ関知しないのかどうか、これは私、赤松発言に対する特に大蔵
大臣の御答弁があるので、この点について
お答えをいただきたい。