○大原
委員 あと残っておる項目は、経済社会発展計画、これはさいの川原みたいにつくっては、つくっては
——佐藤内閣ではたとえば中期経済計画をきめました、経済社会発展計画をきめました。今度御破算にして、新経済社会発展計画をきめるでしょう。大体一年か二年ぐらいでつぶれていくわけであります。そこにやはり社会開発とか人間尊重が実現できない、物価の問題が解決できない、社会保障が解決できない根拠があると思うのです。そういうところの
質問を最後にいたしたいと思いますが、その前のもう
一つの
質問で、社会保障の欠陥の問題について申し上げ、御
質問いたしたいと思います。
思わず時間をとりましたから、やはりこれも各論から言いますが、総括
質問が始まりましてから児童手当に関する質疑応答、あるいは本
会議における児童手当の質疑応答を私は聞いてまいりました。矢野
質問や大橋
質問でかなり込み入った一問一答がございましたが、あの
答弁は、私は
昭和四十二年以来の去年以前の議事録を全部調べてまいりますと、大体三十回ぐらいあなたは
答弁しております、本
会議でもどこでも。本
会議を入れましたら、それ以上。
決議は、衆参社会労働
委員会その他各
関係委員会で
決議されているわけです。これは一党一派の問題じゃないわけです。これはその質疑を聞いてみますと、昨年三月四日に私の
質問に対しましても、斎藤厚生大臣は、児童手当
審議会に御
審議を願い、次の通常
国会に提案できるよう最大の努力を払います。それで
佐藤総理大臣は、斎藤厚生大臣が
答弁いたしました
趣旨に従って最善の努力をいたしますと、次の通常
国会——他のところではみんな
昭和四十五年から実施いたしますということになっておる、斎藤厚生大臣は。斎藤厚生大臣にここへ来てもらいたいものだ。ぜひお目にかかりたいものですがね。これはいままでの
答弁が、ここにずっと私はとってみましたが、
答弁を見ましたら、
昭和四十五年というのを
昭和四十六年にかえたら
——去年は
昭和四十五年から実施する、あとは全部児童手当
審議会の答申を待って、来年から実施をいたします、最大の努力をいたしますと、そう
総理大臣が
答弁しておる。この去年の
答弁と全然同じです、議事録を見てみましたら。これはだれかが書いたんでしょう、役人が、
政府委員が書いたのでしょう。全然同じですよ、質疑応答を見てみましたら。これはふしぎなものですよ。最善というところが最大の努力と、「大」と「善」が違うくらいなものです。大と善は大きな違いじゃない。これを見て私は全くびっくりいたしましたよ。しかし、その中で言い得ることは、
総理大臣の御
答弁は、
昭和四十二年三月二十二日かに私がここでやりましたときの
質問に対する
答弁が一番よかったですよ。
総理大臣の
答弁はずっと拾ってみますと、だんだんだんだん後退しております。隣におりました水田さんがねじを巻いたり、
福田さんはちょっと成績がよろしいけれども、
福田さんはこれは理解があるというふうに私は踏んでおりますが、これは次のこともありますし……。しかし
佐藤総理の
答弁は、だんだんだんだん後退して、厚生大臣の陰に隠れているのだ。だから、内田さんと私が一問一答いたしましても意味がないということがはっきりわかった、議事録を調べてみて。そうでしょうが。そうなんですよ。園田さんも約束いたしまして、坊さんも約束いたしましたよ。鈴木善幸さんも言いましたよ。去年は児童手当
審議会でしたが、おととしの
昭和四十三年の
答弁は、児童手当懇談会というものが厚生大臣の諮問機関にございましたが、この答申を待って
昭和四十四年から実施いたします
——これは児童手当懇談会と
審議会が違っているだけ。
そこで
総理大臣にひとつ
質問を申し上げたいのですが、
昭和四十二年が非常によかったというのはなぜかということを当時の議事録をひもといてみますと、
昭和四十年からあなたの内閣が本格的に始まりまして、社会開発、人間尊重を非常に強調しておられたのです。それがだんだん時間がたつに従いまして、お題目のようになってまいりました。それはたとえば物価でも二・八%ということを盛んに言っておられたけれども、全然言われなくなったと同じような現象です。そこで
国会というところは、最初に御
答弁いただきましたように、党の事情もあるでしょう、
審議会における財界の意見もあるでしょう、大蔵大臣、事務当局の意見もあるでしょう、政調会長の水田さんの意見もあるでしょうが、
国会で御
答弁になったことは、これは一大原とか一何々党のだれに対する
答弁ではなしに、
国会の
答弁を通じて国民に公約をしたものでありますね。最高の機関においてやったことなんです。これが四十二年以来全部、これは来年からやります、来年からやりますというふうなことだけを繰り返すのであるならば、
国会において
審議をする意味がないのではないか。私はそういうことを憂えるのです。ですから、問題は二つありますが、
一つの問題は、なぜそういう公約が毎年毎年繰り返して実行できなかったかという過去の問題が
一つ。私は約束ができなかった以上は、このなぜかという理由を明らかにしてもらわないと、理由が明確でない限り、私どもは前に進むわけにはいかぬわけであります。そうでしょう。その理由も明らかにしないで前に進むということは、
審議が全く形骸化するということになるわけでありますね。この点は私は
佐藤総理に腹をくくって
答弁してもらいたい。