○久保
委員 私は、ここまできて上げちゃいけないとは言いませんよ。上げることに決定したんですから、ただ、ふぞろいのままでやることはたいへん混乱が起きるから。しかも値上げしたあとで乗車拒否はなくなるのかどうか。なるほど労働
基準局の審査にはパスしたけれ
ども、実態は旧態依然とした事業体があって、運転者は歩合給で責め上げられるというようなことがもう皆無だというふうに保証がされない現況だと私は思うのです。だから、そういう意味でもう一ぺんお
考えをいただきたい、こういうふうに思うのであります。
時間もありませんから、私はそう頑強に言わぬで、ふぞろいだけは、そろえたらどうか。それから体質が改善できない、そういうものは、あるいは道路運送法に従って免許の取り消しをびしびしやったらどうですかね。いままでは乗車拒否があっても、たとえば労働条件の中で労働
基準局から指摘されても、言うならば、道路運送法上は、何台かいわゆる営業を何日間停止というだけでしょう。私は、もっときびしくやるのがほんとうだろうと思うのですね。そうしなければ、労働条件な
ども改善できないと思うのです。どうかひとつお
考えをいただきたい。
総理もうなずいておられますから、ぜひ
考えていただきたいと思う。
それでは時間もありませんから、先へ参ります。
次は、国鉄の再建問題でありますが、先般、国鉄から
政府の基本計画に従って再建計画というか、そういうものが出てきている。
政府が承認しましたね。その承認したものと
政府の基本
方針との二つについて、運輸
大臣を中心にしてお伺いをしたいと思うのであります。
まず第一に、客観的環境の整備ということで、これは国鉄を取り巻く客観的な条件ですね。その中で国鉄の基本計画というか、これには抽象的でありますが、いわゆる競争条件の問題あるいは公共負担、それから地方支線区の問題、こういうものは国の強力な施策のもとに改善していく、こういうことであります。言うならば、
政府にげたを預けたかっこうであります。
これについて
一つ一つお伺いしたいのでありますが、まず
一つは、競争条件を整えるというか、そういうことについてどういうふうに
政府は
考えておられるのか。
それから、これに
関係すると思うのでありますが、公共負担と一がいにいままでいわれておりました
政府の政策を、国鉄の
責任において実行していたものですね、こういうものの処理は、この基本
方針によりますれば、逐次是正していく。是正していくというのはやめていくということなのか、それとも別な形で存続していくというのか、この辺はどうなのか。
続けてずっとお尋ねします。
一つ一つだと長い御答弁をいただくことになりますから、時間もたくさんありませんので、たいへん恐縮ですが、簡単なことですから、メモは要らぬと思うのでありまして、お尋ねしていくわけです。
それからもう
一つは、地方支線区の問題であります。いわゆる閑散線区といわれるものの処理について、国鉄財政再建推進
会議では、具体的に八十三線区、二千六百キロを逐次道路輸送に転移していく、こういうことであります。このことについては、
政府が国鉄に示した基本
方針も、国鉄がきめた基本計画も、これはやはり抽象的であります。抽象的であることについて私はどういう
考えをしているのかというと、これは去年の予算
委員会でもお尋ねしたと思うのでありますが、地方では八十三線区、二千六百キロについて重大な関心を持っているんですね。そこで、何々線という具体的な線が出てまいりまして、これはいまだに消えていない。そうしますと、いつ何どきこれが消えるやら消えないのやら、これはわからぬ。そのために、たとえば
一つのある線においては、企業の進出が計画される。ところが、鉄道の線路がなくなるかもわからぬというので、これは手控えになったという話もあるわけです。それから、身近な話では、これは笑えないたいへんなことでありますが、汽車も通らぬところへは嫁には出さぬというので、嫁の口が破談になったという話もあります。これは人権尊重の
佐藤内閣にとっては、まことにたいへんなことであろうと私は思うのですよ。だから、この八十三線区、二千六百キロについては、あいまいもことしたままでいっては、どうかと思うのですよ。
しかももう
一つは、御案内のとおり、これは
政府の書いた基本
方針についてもそのとおり。これは国鉄には
関係ないかしれませんが、国鉄は基本的な計画には書いてこないのが
一つあります。それはいわゆる新線建設についてであります。片方で撤去するかわからぬといって、その先を建設していくというのですね。これは、なるほどお互い政治家として地元の利益ということになると、鉄道などは道路と同じように、あるいはそれ以上にたいへんな問題であります。だから、これは言いにくいことであります。言いにくいことでありますが、国鉄も再建をほんとうにまじめに、真剣に
考えろというなら、いまある既設線区を撤去しようというさなかに、それと同じか、それ以下のものをつくろうというのは、だれが
考えても、実際にもあまり通用しないことだと思うのですよ。もちろん、赤字線区であろうが何であろうが、鉄道でなくてはならぬものは鉄道にしたらいいと思うのです。これはそのとおりだと思う。採算が合おうが合うまいが、国鉄であるから、その線区の採算が合わなくても、鉄道でなくちゃならぬところは鉄道を敷いたらいいと思うのですよ。もちろん、開発のために必要なところは当然であります。ところが、そうでなくて、明治以来の鉄道敷設法によるところのいわゆる予定線までひっくるめて、言うなら自民党の外郭団体みたいなのがございます、新線建設期成同盟会というのがある。毎年予算時期になると、これは集会をやるようでありますが、これはもはや古いのじゃないでしょうか。
佐藤総理、いかがですか。もう少しこれは
考えたらいいと思うのです。予定線を入れてみんなやっているのです。
調査線ももちろん、着工線はもちろんですがね。こういうことがいわゆる予算獲得にどの程度きき目があるか私にはわかりませんけれ
ども、そういうことをやっている。そういうのを明確にすることが国鉄の再建の大きなねらいだと私は思うのですよ。
佐藤総理は、交通、運輸については過去においては御経験があって、一見識を持たれておる
総理大臣でありますから、しかも三百名の重みの上に乗っかって、やれないことはないはずです。この新線建設なんというのはきちんとしたらいいと思うのです。
次に参ります。それは、運賃料金制度の合理化ということでありますが、いわゆる国鉄の運賃料金の合理化ということは、これは先般運輸
大臣が談話か何かで
発表したように、あるいは過去においても再建
会議の
意見書の中に載っていると思うのでありますが、線区別計算による運賃を設定するということも含んでおるのかどうか。いわゆる赤字線には赤字線に応じたところの運賃、黒字線は黒字線に応じたところの運賃で、合理的にこれをしていこうという
一つの説があります。この間、あなたもそういう談話を
発表したようであります。そういうものを含んでいるとするならば、国鉄のいわゆる経営形態というか、その目的というか、これはおのずから違ってくると思うが、これはどうですか。
それからもう
一つは、運賃値上げについてはどうなのか。推進
会議では、あるいは昨年の
国会における答弁では、この再建期間中、去年一回上げましたから、合計して三回の運賃は上げる予定であるという話が公表されました。今度のこの基本
方針の中には、御
承知のように「将来の運賃水準については、財政再建の進ちょく状況、物価その他の経済情勢を勘案のうえ、真にやむを得ない場合に限り、その改訂を図る。」と、こうなっています。これまた抽象的であります。去年は非常に具体的であります。これは抽象的だと思うのであります。しかも、国鉄のほうは一応の試算を出してきているようでありますが、この国鉄でいっていることはどういうことかというと、「将来の運賃水準の改訂については、
政府の基本
方針に定めるところによるものとする。」そうすると、これまた国鉄の再建計画というものは、運賃に関しては
政府にげたを預けておる。
政府の
態度はどうか。
それからもう
一つ、これは運賃値上げをするかどうかの
一つのきめ手になると思うのですが、「財政再建の進ちょく状況に応じ」というのが
一つ、それから「物価その他の経済情勢を勘案のうえ、」——物価は、御案内のとおり上がってまいりました。来年度というか、四十五年度では四・八%に押えようというのですが、これは押えられないだろうというのが
一つの見方であります。そうなりますというと、これは国鉄総裁にお聞きしなければなりませんが、財政再建の進捗状況は今日の時点ではいかがでしょうか。それによって
政府は運賃問題について
考えなければならぬだろうと私は思うのであります。それはそのとおり
考えていいのかどうかというようなことであります。
それから、ずっと聞いていきますが、これは運輸
大臣になります。内航海運の貨物の輸送でありますが、これは運輸省というか、
政府として国鉄と内航海運との間の協同一貫輸送というか、そういう体制はとれる見込みがあるのかどうか。御案内のとおり、内航海運は内航二法によって
一つの輸送調整をしております。いまのところはやや安定をしているわけであります。そういう場合において、国鉄との協同一貫体制がうまくできるかどうかというのが、多少問題がありはしないかというふうに
心配しております。
総理、これは見込みがあるのかどうかというようなこと。
それからもう
一つは、これは国鉄総裁にお尋ねしなければいけませんが、駅業務の廃止と集約でありますね。こういうのは、この計画によりますれば、最終年度までに全体の駅の四割も、そういうものを減らしていく、こういうことがあります。これは
基準というか、そういうものはいかように
考えられているのか。それから年次計画でもつくってこれを進めていく
考えなのかどうか、地元との
関係はどういうふうに調整しようとするのか。
それから、これは大蔵
大臣にお尋ねしたほうがいいと思うのでありますが、再建計画も、いわゆる具体的な国鉄の計画も、それから
政府が閣議決定した基本
方針も、国鉄の投資規模は「三兆七千億円を限度」とすると書いてある。あまり見なれない文字の「限度」、限度というと、国鉄の投資は、いわゆる五十三年までの間に三兆七千億という限度で押えられるかどうか、押えていこうということなのか。いままでこういうものに、たとえば道路あるいは港湾、いろいろありますね、五カ年計画とかなんか。こういうものにあまり限度などということは書いてないですね。この限度の意味は何だろうか、こういうことです。
それから最後に、これは国鉄の総裁にお尋ねしなければなりませんが、管理機構の簡素化というのは、どんなものをさしておられるのか。
以上、大体七つか八つの点でお尋ねいたしましたが、たいへんわがままでありますが、
結論だけお話をいただければけっこうだと思います。