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江田委員 やはり公害の問題は、まさにこれは革命的な
解決方法をとらなければ、どうにもならぬところへ来ている。私が最初に申しましたように、六〇年代にこの積もり積もった問題が、どの問題
一つとってみても、農業も公害もあるいは土地問題も、すべてがそういうところへ来ているということなんでありまして、やはりここに大きな価値転換といいますか、
一つの抜本的な
考え方を変えていただかなければならぬときが来ていると思うのであります。
そこで、たとえば今度の
予算を見ましても、厚生省の公害対策費が十億足らずふえた。しかし片方では、脱硫装置については
国民の税金から補助金が出るというようなことは、やはり何としても素朴な
国民感情としては割り切れないものが残るわけなんです。そういうところは当然自分の技術によってこれを改革しなければならぬ責任があるわけなんだから、だれだってよごれた石油で空気をよごしていいという権利はないのですから、もっとそういう点についてはっきりした姿勢をとってもらいたいと思いますが、今度の自動車の排気ガスの問題、これはなかなか進歩です。りっぱなことをおやりになりました。ただしかし、これで
解決はつかぬということだけは覚えていただかなければ、あれをやったところで、それでは窒素酸化物の問題はどうなるのか、鉛化合物の問題はどうなるのか。それだけではなしに、自動車がふえるという問題なんであります。ふえていったら一台一台の規制をどんなにしたところで総量としては一酸化炭素にしろ何にしろ、たいへんなことになってくるわけなんでありまして、これを考えたならば、やはりこういう公害規制というものは、年々基準を高めていかなければならぬということが
一つ出てくるわけです。煙突一本は規制しても、煙突の数がふえれば何にもならぬことなんです。そこらに、新しい観点から基準についても考え直していかなければならぬということがある。同時に、この自動車の問題なんかは、一体自動車中心の、特にパーソナル・モービリゼーション中心の都市の交通というものは、これでいいのかどうかということが当然出てくるわけなんでありまして、やはりもっと自動車を少なくする以外には、
解決がつかぬのではないか。高速道路をつけてみたところで、すぐ低速道路になってしまうというこの現状をどう考えていくのか。そこにやはり公的輸送機関というものをもりと中心にものを考えていかなかったら、そういうことに転換を考えていかなかったならば、都市問題というものは
解決ができぬのだということなんであります。どうも従来の
政府の行き方を見るというと、そういうことではなしに、要するに高速道路をつければそれで
解決つくように、そういう方向へ持ってこられたことが大きな間違いじゃないのか。
さらには、都心の人口をどう減らすかという、あるいは職住近接という問題もあるわけなんです。大きな三十八階の高層ビルができるが、三十八階のアパートをつくることをなぜお考えにならぬのか。あるいは三多摩のニュータウンができる。そこへ都心のオフィスを、たとえば第一生命が行ったように、そういう行き方というものは、そういうところへ職住近接の形で向こうへ持っていくこともできれば、こちらでやることもできるし、いろいろなことがあるのだが、そういうことについてもっと
考え方を変えていかなければ、どうにもならぬのじゃないのか。そこに
自民党は民間デベロッパー方式というものをとっておられるけれ
ども、あの民間デベロッパー方式では
解決がつかないのじゃないのか。やはり公というものが先頭に立たぬ限りは、たとえばマンションができて、その隣にマンションができて、そこに住んでいる人はだれか。バーのホステスさんが多いとか少ないとかいう評判があります。そんなことはどうでもよろしいけれ
ども、とにかくこの状態では、都市問題というものはどうにもならぬところに来ておるということを考えていただきたい。
私は、時間が制約されておりますから、そういうことについては、
総理も
官房長官もうなずいておられるから、そういう
措置ができることを期待いたしますが、もう
一つは、土地問題なんです。これをどうするのかということなんです。やはり土地問題についてはわれわれがかねがね言っておるように、
一つは自治体の先買い権を認めるということ、そうしてそのためには交付公債を認めるということ、そこまでいかなかったら
解決がつかぬということなんであります。もう
一つは、土地の増価税をどうするかということであります。いわゆるキャピタルゲインの問題は、土地問題だけではなしに、株式の利得の問題にも出てまいりますが、株式のことはあと回しにいたしまして、まず土地の増価税というものをどうするか。たとえばイタリアでやっておるように、土地の評価がえが行なわれるたびに、そこに増価税を取るということが行なわれますならば、投機的な土地所有やあるいは売り惜しみというものは、これは避けることができるわけなんであります。最近の土地問題の調査を見ましても、大体供給量が足らぬということではなくて、そうではなしに、投機的な所有とそうして売り惜しみとがこの問題の
解決を妨げているということなんでありまして、そういうときに土地が評価がえで上がってくれば、そのときにはその利益について税金を取るのだという
措置ができれば、それがなくなるわけなんです。あるいはさきに申しましたところの自治体の先買い権、これは民間デベロッパー方式だといって民間にまかしたところで、都市の問題というものは、やはり自治体がやらなければだめなのでありまして、私は、民間のそういう事業というものを否定しようとは思いません。民間は民間でやられたらよろしい。自治体だけで、公だけでできるとは思いませんけれ
ども、やはり中心は自治体がやっていかなかったら、理論上は減歩をして道路をふやすとか、緑地をつくるということが考えられても、実際問題としてはできないじゃありませんか。マンションができて、次にマンションができて、どこに一体緑地やあるいはゆとりがあるのか。そういう問題は
解決つかないのでありますから、その二つの問題について思い切った
措置をとられるかどうかをお伺いしたい。