○坂田国務大臣 ただいま
厚生省のほうからも、また学術
局長からも
お答え申し上げましたとおりに、全体としてどれくらいの
医師を
養成したらいいかということが、まだ実は確定をいたしておりません。しかしながら、やはり足りないという現状はこれまた明らかでございますから、それにしましても、単に
地元が
要望するからやるんだということではなくて、それはそれなりに一定の
計画のもとに進めていくということは、当然だと私は思います。まず第一には、
厚生省の
段階におきまして、単に
人口十万
当たりどれだけということも
一つの
めどではございますが、同時に、
先ほどから
お話しになりましたようなコンサルティング・レートその他のいろいろな
要素を総合的に
判断して、われわれ五十年度までは大体これくらいの
医師はぜひとも
養成をしてもらいたいんだということをまず
厚生省自体としてお考えをいただいて、われわれのほうにお示しをいただきたいと私は思います。しかし、その間若干の時間のズレがございますが、その間におきましても、私たちといたしましては、やはりまず国といたしまして、
国立の
大学の
医学部においてできるだけこれをまかなっていくということは、当然だと思います。でございますから、本年度戦後初めて
医学部の
創設ということに踏み切った次第でございます。したがいまして、その具体的な
設置場所として
秋田を選んだということになるかと思うわけでございますが、これは全体的な
需給関係を考えてみましても、
日本全体で
人口の十万
当たりに対しまして平均がたしか一一二くらいかと思いますけれ
ども、東北方面、ことに
秋田におきましては一〇〇を割っておるというような事情もございますし、東北全体で考えましても、先般の
委員会で御指摘がございましたように、弘前、それから福島、それから今度できます
秋田ということで、岩手には
私立の岩手
大学がございますけれ
ども、まあそういうような考え方から、
秋田に
創設をすることがはなはだしくいまの
日本列島全体を考えて問題があるというようにはいわれないのじゃないかというふうに、私は
判断をいたしたわけであります。そして将来、たとえば
厚生省のほうから全体的な
需要数、そういう
養成の
要求があり、かつ
日本列島全体を踏まえてどうすべきかという
厚生省自体の考え方から考えましても、その基本線にはずれるとは私たちは思っておらないわけでございまして、そう考えてみますると、そういう国家的、一般
社会的要請と同時に、やはり
地元がそれだけやる熱意があるかどうかということ、それから当該
大学がそういうようなことをやる能力や、あるいはそういうような
医学部を
創設した場合に
先生を得られるかどうかというようなことも考えまして決定をいたしたということでございますし、また同時に、単に
国立大学の
医学部というものは、
地域とは無
関係に一面においては存在してもけっこうだと思います。けれ
ども、事実上私は今日の
国立大学の果たしております役割りというものは、そういうものではなくて、やはり東北全体における
地域的
要請であるとか、あるいは
地元の
医者不足、あるいはそういう最終的な
医師の
養成機関、最終的な医学の
研究の
一つのセンターとして、むしろそれが設立されることによって
地元の各診療の個人
病院等に将来長きにわたって人的にもまた
研究の成果におきましても与える効果、影響というものは非常に大きいわけであって、
お話がございましたように、やはり私は、その
地域社会における
医師会その他の
医療に従事しておられる方々、あるいはそういう諸団体と密接な
関係を持ってやっていくということがまた望ましいのではないかというふうに考えまして、今度の
秋田の
医学部の
設置に踏み切ったという次第でございます。