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谷口委員 時間がありませんから——ほんとうはもう少しこの点突っ込みたいのです。
政府が計算している利子の
鉄道部門の負担分と、
企業が実際やっている分と違っているのですよ。百億も違っている。私の言っているのは、
企業のやっているのは
政府の計算よりも低いけれ
ども、それでもなおこういう
考え方をすれば、つまり、土地部門で保有して商品として持っている土地の評価は安いから、これを正当な評価をすればもっとここへかからなければならない。ところがそうでないのだという
状況にあると、私は指摘しているわけです。だから、この結論は、つまりこういう操作でもって
鉄道部門へ利子を負担させることを多くしている。これは
政府の人もそう言っているのだ。これは公刊物でしょう。
政府の役人でしょう。それがはっきりそう言っているのだからね。ここには、三十何億のうち三十億まで東急は
鉄道部門にやっている、これは不当だといっている。ここを認めぬことには、ここまでメスを入れぬことには、
鉄道部門が
赤字になっているといっても、
国民は承知しない。これが一点です。まだいろいろありますけれ
ども、先へ進みます。
それは各種引き当て金の操作、これなんかも私
ども納得できないのです。このうち特に退職手当引き当て金というものは、実に膨大なものですね。これは御承知のとおり、二十七年ですか、税制改正で、退職手当引き当て金の積み立てにつきましては、大体大ざっぱな言い方をすれば、全従業員の半分首を切ってもやれるというところまで積み立ててよろしいということになっている。それに基づいてやっているので、現在では相当なものになっている。これは蓄積総額、十四社で、現在六百三十三億三千九百万円ですね。退職手当引き当て金、こんなもの要らぬです。半分首切る必要はありませんからね。これはやっぱり
経費で落とされる。これは
鉄道部門ですよ。こういう点ですが、むちゃな引き当て金の積み立てをやって、そして
収入が減ったように帳簿上操作をするという
やり方をやっている。
まだたくさんありますけれ
ども、この二つを見ただけでも、利子の配分の問題この不公正、それからこんな非常にばく大な、いわば税金のがれのために
経費で落としていくというような退職手当引き当て金として残していく、こんなことをやっていて、これを黙っておる手はないですよ。交通地獄でたいへんなんですよ。それを解決するかどうかの問題でしょう。これだけ金を持って、これだけインチキをやっている
会社にメスを入れて、ここらははき出させる——と言うことばは単純だが、実際やる場合には、いろいろ行政上もちゃんとした
やり方をやらなければならぬと思いますけれ
ども、しかし、これにメスを入れる
態度が
政府になったら、それなしに料金を上げろということだけをやっておってもしようがない。だから、
私鉄の
鉄道部門が
赤字なんという、そんなことをあなた方は言っているけれ
ども、
国民だれもほんとうにしていない。
赤字でない。操作された、つくられた
赤字である。みな隠匿したり、かってなところに使ったり、
私鉄は
鉄道部門から取ってきている。ここへメスを入れなければだめだというのが共産党の主張です。これはおそらく
国民も大
賛成だと思う。
総理のおっしゃったのはそんなことじゃない。これはいろいろありますが、言えません。次にやります。
だから、こういう点がありますから、やはり
私鉄問題については、ほんとうに徹底的に
企業の実態をもっと調べてみる。そこから出発しなければ——単純な形で、
会社が言ってきたからといって料金を上げる。あなた方、
審議会にいろいろな
諮問をしておりますけれ
ども、こんなものは形式でありまして、さっきも話がありましたが、
国民はだれもそんなものは信用しておらぬ。だから、どうすべきかという
国民の声を背景にしたそういう行政指導をやる必要があるということです。これを私は強調しておきたい。
それから、
私鉄の問題でもう一つ重要なことがありますが、これは大金融資本との
関係。これは株をどっさり持っている。金は貸している。今度の五カ年計画の資金繰りでも、二千何百億借金して、そして二千億の利子を払う計画です。二千億の利子を払って、二千何百億借りるということですね。そんなことをやっておる。これは大独占的な金融資本に支配されておる。食いものになっておる。その問題はありますが、これは別に次にやります。
私は、以上申し上げまして、
委員長、どうも時間をとりましたが、
赤字はつくられておるから、そんな簡単なことで、
鉄道部門が
赤字だということを
政府が率先して言うばかなことはないということを、ここで強調して申し上げておきたいと思います。
以上であります。