○角屋
委員 私はそういう検討の際に特に現地側でいろいろ話し合った点から若干注文をつけておきたいと思いますのは、
一つは営林署の問題でありますが、いま沖繩には営林署としては南部、北部、八重山と三つございますが、この南部営林署の場合は苗畑といわゆる保安林管理指導というのに力点がございまして、沖繩で営林署を考える場合には、場合によっては本島に
一つと八重山に
一つという形で苗畑等については本島の
一つの中に含むという検討の経緯が出てまいるんじゃないかというふうに思っておるわけですが、私苗畑にも行きましたけれ
ども、現地側では将来の身分という問題については非常に不安を持っておりまして、いわゆる営林署を現地に設置する場合は熊本の営林局管下ということも当然考えられてくると思いますけれ
ども、そういう沖繩の林業政策上の問題ということになりますと、これは相当部分が米軍の軍用地として押えられておるというふうな問題もございまして、今後防衛庁あるいは防衛施設庁、それと林業政策推進上の農林省の
立場というものがこれからの具体的に処理する場合の基本論になると思いますけれ
ども、機構の問題として、そういう点について現地側に不安のないような形をぜひ考えてもらいたい。それから、特に沖繩
農業というものと本土
農業を考えます場合には、大臣も御承知のように、本土であれば米麦あるいは畜産、果樹、園芸、こういうのが柱になるわけでありますが、沖繩の場合は、米のウエートは総需要量の大体八、九万トンに対して一万トンをちょっとこえる
程度の
生産である。本土からも米を入れておる、あるいはカリフォルニアその他からも米を入れておるという
状況にございまして、沖繩の
農業の柱ということになればサトウキビ、パイン、それに畜産、さらに今後の問題としては果樹、園芸をそれに含めた
農業の発展を考えなければならぬということであろうかと思います。そういう点から見て、熱帯
農業にふさわしいような国立の強力な試験研究機関を通じて、沖繩
農業の体質改善と近代化をはかるということが当然真剣に考えられなければならぬと思いますし、また
漁業関係においても
沿岸、近海等を含めましたいわゆる資源
調査、さらにそれに基づくところの養殖とかいろいろなそういうことを含めた
沿岸、近海の
漁業の発展のためには、これについても強力な試験研究機関が必要であるというふうなことも痛感をしてまいっておるわけでありまして、いわゆる農林省の出先機関を考える場合には、本土に準じたやり方を原則としながら、沖繩に適したやり方をどうとっていくかという検討は当然進められてまいりますけれ
ども、いま言った沖繩
農業の発展のための基礎づくりという点からの機構整備には、前向きに対処してもらいたいというふうに強く要請をしておきたいと思います。
第二点の問題は、現地の一般の沖繩の方々にお会いしますと、本土復帰の場合には本土には食管制度がある、当然
生産者米価、消費者米価等がいわゆる米価審議会等を通じて政府決定となっていくという米価の仕組みが、御承知のようにございます。そこで食管制度が沖繩の復帰後どういうふうに適用されるか。特にその場合に、米の
生産としては総需要量に対して沖繩
生産の米の量は一万トンをこえる
程度でありますけれ
ども、消費者米価という問題については、本土の一般の国民が配給を受けておる
価格よりも相当
程度安い
価格で受けておるわけであります。沖繩の米価と比較するならば、本土の配給の米価は大体六割増しであるというふうな形に当然数字上は考えられるわけでありまして、したがって旅館に泊まりましても、一般の方々に会いましても本土復帰の場合において消費者米価というものが異常に上がるということになったならば、これは消費者物価にも本土並みの消費者米価ということにした場合には、五%の影響を持ってくるというふうなことになりますし、沖繩の一般の県民の
生活に対してきわめて甚大な影響を持ってくる。したがっていわゆる食管制度の沖繩への適用という点については、特に
生産者米価の問題と同時に消費者米価の問題については、やはりそういう沖繩の
実態というものをわきまえて、本土で消費者米価を消費者対策上押える。同時に沖繩の現状の消費者米価水準というものを維持するという形が考えられなければならぬと思うわけでありますが、これらの問題に対して農林省はどういうふうな基本姿勢で臨まれるか、これをお伺いしておきたいと思います。