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田中(恒)
委員 だいぶ時間に追われますので、質問の要点だけ項目的に並べて一括
お答えいただきたいと思いますが、
一つは、いま畜産
局長申されました畜産
事業団の
在庫を今日の
時点では放出をする必要はない、こういう御
答弁であったと思いますが、私もそういうふうに考えますが、いまの市況の状態からいたしまして、
事業団の脱粉の放出ということは考えられないと思うのですが、この点、いつごろまで——これはなかなかむずかしいと思いますけれども、ここ当分は
事業団脱粉は必要ない、こういうふうに、まあ法律的なことでこれはやっておるわけですから、その
時点が来ればまたそうでしょうけれども、少なくとも今日の
時点ではここ当分の間、脱粉の放出は考えられないという理解をしてよろしいかどうか、これが
一つであります。
それから第二は、最近の酪農の
生産の
状況を見てまいりますと、昨年暮れあたりから
生産がだんだん減退をしてきておるのじゃないか、こういう心配をしておるわけであります。
農林省のほうの資料をいただいておるわけでありますが、毎年大体一二%内外の
生産の
伸びがあったのでありますが、昨年十一月から四十五年の一月、二月、三月、四月、五月と、だんだんこれが低下をいたしておりまして、前年対比大体五%、六%、こういう
生産量の増強になっておると思うのです。特に問題は、市乳地帯といわれる地域ですね。
農林省の資料では、関東、東山、東海、近畿、こういう地方につきましては、
生産の減退が著しく出てきておるわけであります。近畿等については、これは五月でありますけれども九八・八%、前年よりも
生産が減ってきておるということであります。これは、都市周辺の酪農というものが、今日ある
意味では非常に大きな問題をかかえておるということを示しておるのではないかとおそれるわけであります。従来、畜産物
価格安定法なり不足払い法等を通じて
原料乳というものに対して政策的ないろんな
手当てがなされておったわけでありますが、同じ乳でありますから、従来からもこの
委員会でも問題になっておったようですが、市乳というものに対してやはり本格的に考えてみなければ畜産、酪農の
振興というものは考えられないのではないか。特に今日、都市近郊の酪農というのは、御
承知のように地価の問題、労賃の問題、さらにふん尿
処理の公害の問題、こういう問題がありまして、所によりましては多頭飼育がつぶれるというところもあるやに聞いておるのでありますが、この際、市乳地帯における
生産振興の方策というものを
農林省として具体的におつくりになる考えはあるかどうか。私は、これを十分考慮していかなければいけない
段階にきておる、こう思うのでありますが、その点をお聞きしたい。
第三に、乳価交渉でありますが、これは第六十一
国会で太田畜産
局長が、
生産者とメーカーとの乳価の交渉に何らかのルールをつくらなければいけない、
農林省としても積極的にそれに乗り
出していきたい、こういう
答弁がなされておるわけですが、その後相変わらず乳価交渉というのは、なかなか利害が相反しますので、メーカーと
生産者との間に実はいろいろいきさつはありながら進められておりまして、解決がたいへん長引く状態がしばしば出るわけでありますが、乳価交渉について、
農林省としてどういう方法でこれに入っていくのか。たとえば酪農
振興法の規定に基づいて調停の機能といったようなものがもう少し本格的に動くようなルールはできないのか。月給取りの場合は仲裁裁定というのが出てくるのでありますが、お
たくのほうも
生産費
調査というものを正確にやっておるし、乳業メーカーの状態といったようなものももう少し
調査いたしまして、そういうものに基づいて——物価問題等があってなかなか
末端の
小売り価格を上げることができないという制約もあるわけですから、現実にはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、やはり正確な分け分というものを考えていく必要があると思うわけです。私は、昨年牛乳の三円アップですか、その配分のしかたで、乳
業者はある
程度取っておると思うのですよ、乳業
会社の
業務実績は高いのですから。ことしの場合は、
小売り価格を上げることはできないということがありますだけに、なかなかむずかしく、はっきり返事をしないんだと思いますけれども、しかしこういう問題等についても
農林省として、何も
生産者のほうにばかり顔を向ける必要はありませんけれども、正確な資料に基づいて、そういうふうにこじれた場合には、こういう方法で
処理すべきだというアドバイスを積極的に進めていく、この際思い切って何らかの方法で市乳の
価格形成についての一定のルールをはっきりつくり上げていく、こういう点をおつくりいただきたいと思います。これはお
たくのほうでも
局長のほうでもはっきりやると言っておられるわけですが、どういう考えで進めておるのか、この点も第三の問題として
お答えをいただきたいと思います。