○松沢(俊)
委員 私も、農林大臣であるとすれば、当然農村が豊かで住みよいところの環境、そして
農業経営というのが安定できるような状態、こういうものはやはりつくり上げていかなければならないと思うのですよ。そういうためにこの
年金基金制度というものを発足させるんだということになると、いろいろ問題があるから実は
質問しているわけなんであります。たとえば、さっきもいろいろ
お話しがありましたけれ
ども、
国民年金の
掛け金が一カ月四百五十円なんです。それから今度そのほかに所得比例のものがこれは三百五十円、こういうことになっている。三百五十円というのは任意でありまして、四百五十円というのが強制ということになるわけなんでありますが、その
国民年金の
掛け金の滞納というものがどの
程度あるかということを午前中に
質問したわけなんです。そうしましたところが、
政府当局のお答えでは三十八億円の滞納があるということなんであります。三十八億円というのは膨大な滞納ということになるわけです。これは
老後保障のための
掛け金なんだから、したがってそれは掛けるのがあたりまえだという理屈にもなると思いますけれ
ども、しかし、現実にはそれぐらいの滞納がやはりあるということになれば、納めることのできないところの層があるというふうに理解しなければならぬと思うのですよ。ところが、今度このいわゆる
年金基金制度が発足するということになると、その四百五十円のところにさらに七百五十円、そして三百五十円、そしてまた妻の分として四百五十円、合計して二千円ということになるわけで、さっき
田中委員のほうからも
お話しがございましたけれ
ども、
農家の一人当たりの平均からするならば二十九万円、こういう状態に実はなっているところに年間二万四千円。しかも、午前中
質問をいたしましたところが、答えとして出てきましたのが、
農家の平均の公租公課というのが十万円だということになる。十万円の中の五万円というのが公租であって、その中でいわゆる国民健康
保険税というものがやはり大きなウエートを占めているわけなんです。この国民健康
保険税というそのものも、考えてみれば医者にかかるときの必要な
保険ということになるわけなんでありまして、したがって、少しぐらい高くとも納めて病気になったとき助けてもらうのじゃないか、こう言ってしまえばそれまでなんでありますけれ
ども、これがなかなかやはり目の上のこぶになって
農家のほうではいろいろな不平が出、そしてまた滞納の額というものもかさんできているわけなんであります。こういうとき年間二万四千円のそういう大きな
負担をさせるということは、
負担にたえ切れないところの
農家が出てくるのじゃないか、そういうふうに私は考えるわけなんでありまして、そういう非常に高いところの
負担をして、しかも今度は六十歳で離農、移譲をやった場合におきましては、二十五年掛けて二万円ですか、そういう額をもらうということになるわけなんであります。二十五年掛けてその
程度、しかも移譲しなかった場合におきましてはこれは三千六百円、六十五歳からですか、そういう
金額になってしまうわけなんでありまして、六十五歳でちょうど死んでしまったという場合においては
死亡一時金も離農給付金もそれから老齢
年金も何にももらうことができないということが午前中の
答弁で明らかになっているわけなんであります。こういう仕組みのいわゆる
年金基金というものが、一体
農民のためになり、そしてまた
農民が歓迎するということになるかということになりますと、私は、現実のいわゆる国民健康
保険税の滞納の問題、それから
国民年金の滞納の問題等からいたしまして、私は
農家が歓迎して
強制加入に参加するとは考えられないわけなんです。そういう点から考えますと、この
年金の
掛け金というのは非常に
農家にとっては苦痛な
掛け金になってしまうのじゃないか、かように私は考えますが、大臣はどうお考えになりますか。