○高田委員 関連して。先般、
行政管理庁に対する大出君の質問のときにも関連でお伺いしようかなと思ったのですが、問題は農村
関係でありますということもありまして、ただいま、たまたま
木原君から総合農政に関するいろいろなお話がありましたので、時間もありませんから、
一つだけにしぼりましてお伺いをしたいと思います。
端的に申し上げまして、蚕糸事業団のことでございますが、
行政監理委員会からも
指摘されておりますし、私
どももかねがねあの事業団をあのままほうっておいたのでは、おそらくあのようなことが言われるだろうということを心配しておりました。まあ、あの事業団の生まれるときのいきさつからいたしましても、偶然の機会に偶然のようなかっこうで生まれまして、何をしていいかわからぬような団体だったわけです。その後だんだんに繭、生糸の価格調整機関としての役目がはっきりしてまいりましたので、その点では
意味のある団体ということになってはいますが、しかし、これも、あのままほうっておいたのでは、依然として、いつも問題にされるだろうと私は思うのです。
そこで、これはもう単に事業団の問題だけではございませんが、私は、いまの
木原さんのお話を聞いていても感ずるのですけれ
ども、あれもこれもむずかしい中で、この蚕糸業
——これはたまたま
大臣も長野県の御出身であられるのですが、蚕糸業というものをどうしたらいいかということについて、ここらで私は本格的にやってもらいたいと思うのです。戦後、いままでも、振興すると言ってみたり、斜陽産業だから手を抜くと言ってみたり、そういう非常な動揺の中でこの蚕糸業というものは過ごしてまいりまして、
政府もずいぶん手を焼いたというような
経験もあるわけですが、概して、ややもしますと、いま局部的な産業になっちゃっております
関係で、軽視されがちでございます。しかし、私は、これは非常にもったいないと思うのでありまして、需要は年々、御承知のとおり国内でもふえておりますし、国際的にもふえております。ほとんど宣伝
一つしないで需要は自動的にふえていくのでありますから、これに力を入れて宣伝して需要を
開発したら、合成繊維や人絹には劣らず、むしろ世界的に生活水準が上がるに従いましてますます需給が逼迫する、幾らつくっても間に合わぬという性格のものだと思うのであります。その点では非常に残念なんですね。
関係業者が
ばらばらで小さいということ、原料生産者が農民であるということ、いろいろな面から、統一的な宣伝力においては、大
企業の人絹、合繊にはとうてい太刀打ちでき得べくもないのですが、こういうことであるだけに、半官半民の、しかも業界
関係全部が力を入れられる力のある団体をつくって、これに原料から中間の生糸から最終の織物加工に至るまで研究し、指導し、助成し、そうして、その機関を中心に輸入の調整、輸出の振興、価格の調整までやるようなものを本格的に考えたらいいんじゃないかなと思うのです。たまたま、米も余る何も余るというときですが、足らないのは生糸が大いに足らないわけで、幾らふやせといっても、いまの状態ではふえないのが頭痛の種なんです。これはちょっとくふうして、力を入れればふえる
可能性は大いにあると私は思うのですよ。ですから、長い間に蓄積されました伝統的な技術もあるわけなので、この事業にひとつ大いに本格的に取り組んでもらいたい。
その際、せっかくできました蚕糸事業団というものをいまのままでおいたのでは、これはもうやめちまえという議論が出るくらいなんですから、もったいないと思うのでありまして、この際、この問題だけでけっこうですから御答弁いただきたいのですが、あれをあのままにおかないで
——せっかく価格調整機能を与えておりますが、その与え方も非常に中途はんぱで、自主性があまり与えられておりませんから、適時適切に発動して価格の調整をする機能が十分果たせないままであるわけであります。これはもう
一つくふうをいただいて、もっと自由自在に、奔放に、価格調整が適時適切に打てるだけのゆとりのある、幅のある権能をお与えいただいたらいかがかなと思うのです。
それに、繭糸価格安定法というものをあそこへ移管されておるわけですが、移管はされておりましても、飾りものみたいな法律になっちゃっておって、これももったいない話だと思うのですが、あれをひとつこの際抜本的に御検討願って、中間安定と中間でない安定と、二重安定制度をこの際考え直したらいいじゃないか。繭糸価格安定法というものも、いっそのこと中間安定と、一本化した価格安定制度にして、相当の資金量を与えて、自由自在にあそこで動けるようにしたらどうかというふうにも思いますし、また、せっかく価格安定をしているときに、輸入が野方図であっても困るわけですから、輸入の一手買い取りか何か、輸入調整の機能もあそこに与えたらどうか。それから輸出も、いま足りませんから輸出どころじゃないのですが、しかしお得意を維持するために、一定量のものは何とかあそこで確保してお得意とつないでいく、あるいは宣伝用にも使うというような
意味で、輸出振興の方策もあそこにやらしたらどうかということもありますし、そういうことと合わせて、養蚕の場面から製糸、織物加工に至るまで、総括的にあそこを、研究、
調査、新しい技術の普及、指導奨励、助成というようなことで実力ある機関として育成していけば、相当おもしろい役割りが果たせるんじゃないか思うのであります。あのままほうっておけば、やめろ、やめろという議論が出てしょうがないと思うのです。この際、もう少し思い切った拡充を、全体としての蚕糸業の方向をお定めになって、その中での重要なポイントとしてあの事業団に、何らかの大改革といいますか、拡充強化の措置を講じる、そういうような点に関連しては、蚕糸業振興審議会あたりでもきっといろいろ献策があったのじゃなかろうかと思うのです。私はその後
関係しておりませんけれ
ども、おそらくあったと思うのですが、それらの点についての
政府のお考えを、根本的な点では
大臣、こまかい点では
局長さんからひとつ御
説明をいただきたい、こう思うわけです。