○武部
委員 一言でいえば、役に立っていないということをあなたはおっしゃりたいと思うのですよ。それだからモニター制度もつくってやろうという。その辺をやはりはっきり私は言ったほうがいいと思うのですよ。そうでないと、ちょっと
あとの議論にならぬのです。
放送番組審議会とかあるいは向上
協議会とかいろいろなものがあるけれ
ども、忙しい人や老齢者がいろんな人がおってどうもあまり役に立っておらぬ。役に立っていないから番組が低俗化をし、あるいは退廃化をするのだ、それだから
国民の声を聞いて
郵政省は何とか
考えなければいかぬ、こう思ったとおっしゃれば、それで話はよくわかるのですよ。そのようにお
考えならお
考えのようにおっしゃっていただければけっこうなんですけれ
ども、それを、どのようにモニター制度をこれから活用していくかということを実は聞きたかったのです。ところが、それはまだ先のことでわからぬ、抽象的だとおっしゃるが、それは非常に危険があるじゃないか、こう私は反論をしたい。端的にいえばこういう論議なんです。非常に簡単なんですよ。
そこで、マスコミなりいろいろと賛否両論出ておるわけですが、こうした番組審議会なりあるいは向上
協議会なりというものがもっと真剣に活動をして、そうして番組の向上のために努力をするという、民放自身にそうした責任を感じさせるような
国民世論の動きというものが高まってきつつあるのではないか、私はそう思うのです。そういうことでおる現在、官製モニターというようなものはむしろ危険な様相を持っておる。まだ白紙の
状態だとおっしゃるが、白紙の
状態ならばなおさら危険だと私は思う。
そういう
意味で、時間の
関係で先を急いで申し上げたいと思うのですが、さっき大臣はいろんな
内容をよく知っておきたい、
国民が何を
考えておるかということも把握したい、こういうことをおっしゃった。私は手元に持っておりますが、ことしまでの約一年間に、ここに七つの世論
調査の表がございます。これは
視聴者会議、番組向上
委員会、暮しの手帖、地婦連、家の光、読売
テレビ、これがこの過去一年間にそれぞれ世論
調査をして「
テレビ番組の好悪
調査にあらわれた悪い番組十位」というようなものを発表しております。この
内容をずっと見ますと、相当広範にわたって、沖繩までひっくるめた
調査をしておるようであります。それから、これはごく最近の暮しの手帖でありますが、これも非常に詳しく、特に教養、報道部門についての
調査をいたしております。これでは
NHKニュースが特にやり玉に上がっておるようでありますが、そういう
調査が非常に詳細に出ておるのであります。
この
内容を
検討してみますと、
国民がどの番組が悪いかどの番組が低俗化してどの番組が退廃をしておるかということは、大体この数字がほぼ一致するのであります。こういうものはすでにマスコミを通じて私
どもの目に入っておるわけです。何もいまさらモニターをつくって、そして
東京周辺だけでそういうものをやろうとするのか、私は
理解に苦しむのであります。こういうことがすでにあらわれておるのであります。
郵政省は御承知かどうかは知りませんが、私は、ある雑誌からこれを切り抜いて、きちんとした表になっておる、それを承知いたしております。こういうように世論はすでにいまの番組というものが必ずしも
国民の期待なり要求にこたえていないということをよく承知しておるから、こういう
調査にはっきりとあらわれてきておると思うのです。
こういうようなことを
考えていくと、私
どもがいま
放送事業界に望むことは、この番組審議会なり向上
協議会というものが
国民世論の期待にこたえて、
放送事業者が、冒頭に申し上げるように視聴率競争にうき身をやつすというようなことではなしに、徐々にでもそういう姿を変えていくという傾向が、私は
国民の名においてそれは必ず実現できると思うのです。またしなければならぬと思うのです。そういう
意味で、今回
郵政大臣が言明された
放送番組モニターというものは、憲法なりあるいは
放送法の精神に違反をするようなことになりはしないか、こういう懸念を持つわけであります。
さらに、この問題が起きてから、いろいろ新聞の投書なりあるいはマスコミのことを私はずっと見たわけですが、こういう投書がございます。現在の自主規制が有名無実ならば、国の規制構想——
郵政大臣のようなの歯の規制構想というでしょう——その前に、第三者の強力な番組是正機関を設けて、スポンサーにもの言えぬ
テレビ局や自主規制をしているという諸機関から番組是正の仕事を取り上げて、私たち
国民の手で行なわなければならぬのではないか、こういう投書がございました。それからある一つは、現在
郵政省が持っておる
電波行政を
政府から完全に独立した機関に譲り渡すように要求すべきではないか、もう現代の国家では
電波の
権限は独立した機関に移すべきではないかという
意見があります。それから、これは一部でありますが、
電波放送行政を同じように
政府から独立させるための公選制の
放送委員会の設置、あるいは
放送の現状改革のために
国民各階層の代表からなる番組
委員会を新設したらどうだ、こういうような
意見もあなたがモニター制を発表されてから出ておるわけであります。
このように
電波についての
国民の目というものが非常に広まってき、世論が高まったということは、私はプラスだと思うのです。そういう
意味で
先ほどから取り上げた、こうしたすでにあらわれている世論、こうしたものを私
どもは国会の場を通じて、こうした席上を通じて、われわれがお互いに論争することによって、番組の問題は徐々にでも解決をしていくのではないだろうかという気持ちを持っておるわけですが、
郵政大臣の見解をひとつお伺いしたいと思います。