○土橋
委員 これは会計の基本的な原則として、郵便物数が非常にふえておるという
現状と、それからパートタイマーとの関係においては許さるべきことではない、私はかように
考えておるわけです。したがって、すみやかに
予算定員で獲得をした原資というものは厳然として人件費のほうに回す、足らなければ、政府
事業でありますからして一般会計から補てんをして、そして給与のいわゆる人事院勧告を政府が誠実に実施をするということになりますので、足らなければ一般会計
予算から捻出をしてもらってやるべきことであって、そういう流用をすることは正しくない。この点ははっきり私は申し上げておきたいと思う。時間がございませんから、あとでこの問題については、監視労働と結合していろいろ
郵政省にはお聞きをします。そういう不都合なことがあってはなりませんので、いろいろ
郵政省にお聞きをしますので、これはこの程度にとどめておきます。
次は、国有財産の処分についてお聞きをしたいと思いますが、すでに
郵政大臣もよく御
承知のように、
郵政省所管に関する国有財産については厳重な管理、監督をしなければなりませんし、その国有財産が行政財産である場合には、これを一般財産に直して、そしてこれを譲渡するなり売却するなりあるいは贈与という方式をとらなければならぬと思うのであります。ところが、あなた方のやっておられる国有財産の、特に行政財産の処分にあたりましては、非常に政治的な配慮というものが多いように見受けるわけです。
以下、これからいろいろ
お尋ねをしますが、私のほうに取り寄せた資料がありますので、ひとつあなたにも見ていただいて、ここで公の当
委員会において、こういうことが公然と国有財産の処分に関して行なわれておるということを、私たちはやはり厳重に監視をし、また、このような不都合なことがあってはならないというので私は
説明したいと思うのであります。
委員長、これを
郵政大臣にちょっと渡してください。——それでは私が
説明をいたしますから、郵政当局の幹部の皆さん、よく見ていただきたい。
まず、この面を見てください。この一面を見ると、下谷郵便局というのがちょうど上野の駅の入り口のところに、私は黒く丁寧にちゃんとカッコしてしるしてあるわけです。この土地の面積が約七百坪といわれております。そしていま郵政当局が移そうとしているところが、この右の端のところの白い建物の横に、私はちゃんとしるしをしてあるが、そこは要するに
日本観光というのが持っておりまして、約五、六百坪であったと思われますが、土地を立ちのきをして、そしてここへいまの下谷郵便局を移そうという問題が
一つ。
これはまことに重大だと私は思うのです。たとえば、私はおととい京都の中央郵便局を拝見いたしまして、しみじみとりっぱな郵便局ができたというので心ひそかに喜んでおりました。また、
東京中央でもあるいは名古屋の笹島郵便局でもそうですが、
大阪の中央は言うに及ばず、要するに大きな駅のところにはきれいな郵便局舎を建てまして、そうして郵政
事業の力量をある程度市民の皆さんにも見ていただく、そうして
事業の内容もりっぱにやってのける、これがやはり従来の長い歴史を持っている郵政当局の基本的な態度でもあったし、これはどこにも間違いがないと私は
考えています。
特に下谷郵便局は、上野の駅が御
承知のようにこれから大改造をいたします。ホームの改築、地下道の開設、いろいろなことをやるわけです。これはもうすでにいまから三、四年くらい前に発表されまして、大体よくわかっておったことだと思うのですよ。ところが、この下谷郵便局を、事もあろうにこんないいところを、二度と再び買うことのできないような七百坪の広大な土地、しかもこれが六メートル通りが両側に通っておるわけです。これを坂本のここへ移して、そして現在の下谷郵便局を非常に遠いここへ持っていき、それが金がつり合いがとれないというので、
中野の郵便局を
中野区役所あとに移転をするというので、いま大騒ぎをしておるという
状態であります。
私は、
郵政省の将来の
事業の
発展のためにどうしてここが一体悪いのか、どういう不都合さがあったのか。たとえば
新宿の郵便局を見ても、面積その他から見まして、従業員の数、物数を見て、私は下谷郵便局に 現在は少し向こうのほうが大局ですけれ
ども、その他の件においてはそう変わらない。しかもこれは玄関口です。一日の乗客が約七十万といわれ、そうして国電あるいは各地方からやってくる汽車の数は大体二千本といわれております。いわば
東京の北口の玄関であります。なぜここに下谷郵便局をもっときちっと整備をして、六階なり七階にしてやらないのか。何でこんな坂本の向こうのほうの、これはもう寛永寺の墓地の前のほうに移っていくわけですね。なぜこんなことをするのか。これが郵便業務として
一つの正しいやり方かどうか、私は非常に疑問を持っておるわけです。
特に、これは御
承知のように、この経過のいきさつについては、
東京郵政
局長の中田さんがいろいろ関与されておりますけれ
ども、この問題については、御
承知のように京成電鉄がこれを買って、その金額その他についても非常に疑問があるわけです。
たとえば、これは当時坪二百五十万するといわれておった土地を百七十二万円で売っておるわけだ。しかも百七十二万円で売って、これをぶちこわす費用も全部
郵政省が持っておるようですね。現在行ってみればわかりますよ。そしてこの土地が大体約五億円するといわれていますが、この下谷郵便局の土地は、たしか十二億三千万くらいで京成電鉄に売ったことになっておる。そしてこの下谷の坂本のところの郵便局のあと、私が見たときにはまだ一軒家がありました。これは大体千坪です。場所としては、私は作業などするところではそう悪いとは言いませんけれ
ども、いま申し上げたような郵政
事業の旗を掲げて戦うという態度から見るならば、とうてい比べものにならないこの地域を——ここです。しかも、将来これは地下道ができる、それで駅が拡大をする、願ってもないような絶好の土地を、一体何でこれを捨てて、そして坂本くんだりまで落ちぶれていかなければならぬのか。
しかも、現在の
状態はどうでしょうか。ここにある、この白いのが鉄道郵便局ですよ。この鉄道郵便局で窓口事務だけやっておるわけだ。そして現業の事務はここの両大師の中に入り込んで——この森が両大師ですよ。ここで三百名以上の労働者が働いておる。窓口事務と現業事務が全然違ったところでやっておる、こういうことすらもやっておるわけです。
この問題については、井出
郵政大臣は英断をふるって、ここにそれこそき然とした、京都郵便局とか
大阪郵便局に匹敵するようなものを再建すべきであって、こんなすみっこのほうに行くべきじゃないというのが私の主たる主張であります。そしてもしどうしてもこの土地関係がまずいというならば、この一月の「郵政」という雑誌に皆さんのほうの幹部の一人である
坂井君から出されておる、現業事務と窓口事務と分けてもいいんじゃないかという懸賞論文が第一位で、賞品をあなた出しておられるわけです。なぜ一体ここへそういうものをつくらないのか。そして現業地域としてふさわしくないなら、現在の坂本のところでやってもいいんじゃないかというふうに私は
考えておるのです。
もう
一つは、
中野区役所あとの土地の買収問題について、これが大体千八百坪ほどあるわけです。現在の
中野郵便局というのは宮園通りのちょうど中間にありまして、あの国鉄中央線から南側を引き受けており、
中野郵便局としては適切な場所であるわけです。隣に高村建材という建材業者がありまして、そこが千坪あります。その前側の区道を越えて二百坪あるわけです。その裏の何とかさんという地主さんも、そこを売ってもいいというお話もあったということを聞いております。これが千三百坪あるわけです。それで
中野郵便局をあの区役所あとへ持ってまいりますと、交通の関係その他では非常な制限を受けるわけです。しかも、
中野区の西の北のはずれになるわけです。
こういうことを
考えてみると、この土地の売買に関係いたしまして京成電鉄の川崎さんという方がお入りになって、これは社長さんでありますが、あなたもお聞きになったと思いますけれ
ども、この方はなかなか達者な方でございまして、あまり世間の評判もよくない。また交通事故な
ども盛んにあるといわれております。また不動産業にも非常にたけておるといわれております。
そうしてまいりますと、上野駅の大改造で地下道ができて、そして松坂屋からずっと御徒町のほうも地下道ができる、そういうことが新聞などにも発表されておりますが、こういうことから見ると、
郵政省の固有財産である下谷郵便局の敷地を京成電鉄に取られたと言っても私はそう言い過ぎでないように思うわけです。そうしてその代償として、坂本の千坪と
中野区役所あとの千八百坪をもらって、なお一千万ほど足らないわけです。
中野区役所あとの問題についてはいろいろ問題がございまして、ここで私は端的に申し上げますが、三月十日に上山区長からもいろいろ
意見が出ておるわけです。また地域住民からも、この広大な地域を区民のために活用さしてくれという強い要望があったわけです。全体的に見ると、価格の点などにおいて符節を合わせたような
状態がつくり上げられておるわけです。これはわが国の国有財産の管理、保管に関して厳重な
規定があるけれ
ども、そういうものの裏をくぐって、そしてこれを京成電鉄が買ったような疑いが非常に濃いということであります。しかも、それが御
承知のように小林
郵政大臣の当時行なわれまして、相当有力な政治家が背後におられるというようなうわさも世間ではちょいちょい耳にいたしております。そうなってまいりますと、近所の商店街の方々もいろいろ
説明いたしておりますが、結局ばかをみたのは
郵政省じゃないか。つまり値段がちょうど同じの、大宮の駅から二百メートル下がったあの中仙道のところの元郵便局あとを市が買って、それを百七十一万円で高島屋に売った。ところが、同じ土地が坪四百万もするというのでこれが大問題になって、あなたも新聞でごらんになったと思いますが、大宮の市長、市議
会議員に多くのなわつきを出し、辞職をしたという大騒ぎを起こした。それと同じように、下谷郵便局の土地を百七十二万円で
郵政省は売却しておる。だれが
考えても、下谷郵便局のあの一等地の場所が坪百七十二万円、大宮は人口二十三万ほどでありますが、なるほど繁華街です。しかし、ここの中仙道の通りに面しておる元の郵便局あと、それが百七十一万円、一万円しか差がないのです。そして川崎さんという京成電鉄の方がいろいろおやりになったこの下谷坂本町の土地の売買の価格なんかも、あなた方に示しておる価格よりは高い値でこれを買っておるわけですね。それはだれが買ったというならば、
日本観光から、あの日通事件で非常に騒がれた福島さんという日通の社長から六十数万円で買っておるじゃありませんか。そして片方の
中野区役所あとの土地をやはり四十数万で売って、そして帳簿をとんとんに合わして等価交換の形式をとっているじゃありませんか。
こうなってまいりますと、将来の下谷郵便局の
発展のために、現在の建設を急ぎ、登記を急いでおるこの問題についても私は非常に疑義がある。それは皆さんごらんになったとおりであります。
郵政大臣はこれについてはどう
考えておるのか。また、こちらのほうには上野駅の大改造の図面も出ておりますから、大体あなたはおわかりだと思うのです。私は一度
郵政大臣と幹部の諸君が下谷郵便局と、下谷郵便局がいま行こうとしておる鶯谷の近くの坂本のところに行ってみて、なるほど土橋の言ったとおりだということがわかるならば、やはりこの問題は善処すべきであると思うのであります。
特に
中野郵便局の現在のところは、高村建材さんの方々ともいろいろ話し合って、この千坪は何とかしましょうという話も聞いておるわけです。それならば、あそこの千坪と隣の高村建材の千坪を合わせれば二千坪になる。そのうしろには数軒の郵政住宅もあるわけです。ですから、郵政住宅を建てるということが目的であるならば、現在の
中野郵便局のところで、区道の関係もあるし児童が学校に行くという関係もいろいろありますけれ
ども、相当善処できると私は
考えておる。
また、郵政住宅を建てるというならば、私の住んでおる国分寺には膨大な土地がありますよ。国分寺の鉄道学園の前のところに、それこそ戦後初めて建てた痛ましい郵政住宅が並んでおりますよ。あれも
大臣、一度ごらんになりまして、ここにわれわれの従業員が住んでおるのか——だれが見たって、いまどきあの建物に人が住めると外観上見えるかどうか。なるほど中は畳なんか入れて相当努力されておりますけれ
ども、見た目はおよそみすばらしいものの代名詞です。ああいうところに三階建ての建物を建てれば、幾らでも郵政労働者のための住宅施設ができるわけです。こういう点についてあなたの決然たる
考えはどうか、ひとつ承りたい。