○門司
委員 どうもその辺がはっきりしないのですが、
公害というのは何かという
議論からしないと、いまのような答弁では、私は問題が片づかないと思うのです。
公害とは何かということです。いまの
公害は公の害であるけれ
ども、私は
産業公害は
一つの私害だと思う。いわゆる
産業が利潤を追求する
一つの大きな機関としてのその
産業の
作業の過程に起こってくる
一つの問題である。ただし、その
産業自身が国を盛り立てておるという
一つの定義からすれば、あるいは
公害ということばが使えるかもしれない。しかし、
一つ一つを分析すれば、やはり私の害である。この際、ほんとうの
意味における
公害というのは、政治上の
一つの大きな、はっきりいえば、
都市公害みたいなものは明らかな
公害であります。政治からくる
一つの害であります。いま
山中副
本部長のほうでは、環境衛生のことをお話しになりましたけれ
ども、これも明らかに
日本の環境衛生
施設が非常におくれておるということ、屎尿の始末もついておらなければ、ごみの始末もついておらない、下水の始末もついておらない、これからくる
公害、これは政治
公害であります。これは公の害といえるかもしれない。それには
政府が全
責任をもって解決するという策が当然講じられなければならない。
産業公害は、ある
意味においては、いま申し上げましたように、私
公害ということが定義づけられれば、
企業間においてこれを片づけるということが当然の
考え方である。しかし、そうだといって、
日本の経済に寄与していないわけではございませんので、その辺を多少取り入れて、やはり
施設その他について国あるいは
地方の団体が多少の
財政負担をすることはやむを得ぬことだと思います。その他の
公害についてはやはり国が
責任をもってやらなければ、いま
議論されているところは、ほんとうの
意味の
公害の排除に私はならぬと思う。
公害といっておりますけれ
ども、非常によごれるといっているが、その水はだれが供給しているのです。工場
用水はだれが供給している。これは
自治体でしょう。水を供給しておいて、入れるところだけは入れておいて、出るほうをやりっぱなしておるから、こういう問題が出てくる。入れれば当然下に出てくるにきまっておる。屎尿の問題にしても下水の問題にしても同じことであります。そういう政治に対する姿勢というものが、いままでの長い間の
日本の惰性で来て、ここで行き詰まってどうにもならぬというときになっておるということが私はいま言えると思う。そうすれば、それに対してどう対処するかということが、やはり
政府の
責任において考えられなければならない。
地盤沈下があるといっておるが、その水は一体何のためにくみ上げておるのか。たとえば東京のこの辺をずっと見てごらんなさい。夏になってクーラーの水をどこから取っておるか。
地下水以外に
方法はありますか。東京都がこれに供給するだけの水を持っておるかどうかということ。これから先はずっと暖房ができるでしょう。これから出る煙は一体だれの
責任になるのか。こういう
公害自身というものの起こってきた発生の
原因、それに対する
政府の
責任、行政の
責任、こういうものをずっと
一つ一つを解決していかなければ、どんなに部分的のものをやかましくいったところで、それで解決する筋合いのものじゃ私はないと思っておる。
そうすると、そこにはどうしても裏づけが必要である。
一つの
都市で小さな工場が一どうしても中小
企業では
公害を排除するだけの
施設が困難だ、資本的に困難だ。それなら一カ所に集めて、そしてそこで出たものを一カ所の処理場で処理するような
方法をとるであろうということは考えられる。考えるのは楽に考えられる。さて、一体それをやることについてどうすればよろしいかということであります。やはり
自治体はそれにかわり得る土地を求めなければならぬ。こういうことを考えてくると、
公害対策は、表面に出ただけはみんなでやかましくいってどんどん攻撃をするが、大事な
財政の処置というものはちっとも考えられておらぬ。そしてそれが枝葉末節というとおこられるかもしれませんが、ほとんど技術的で、
各省のなわ張りで、そうしてどうにもならないというのが私は現状だと思う。どんなに上のほうだけをこしらえてみても、大事な
市町村の
財政というものがそれに伴わなければ、これは何にもできない。こういう問題について私はいま聞いているのであって、技術者の給料がどうのこうのということを聞いているわけじゃございません。基本的の、そういういまいわれておる、かりに私は私
公害というけれ
ども、
公害と、社会の、政治の貧困からくるいわゆる
都市公害とでも名前をつけるか、それらの
公害については、どうしても
政府の
責任で
財政的の処置をしてもらわぬ限りは、どんなことをいったってできやしません。ごみの始末が十分につかない。下水の始末が十分につかない。そうして幾ら
公害公害といったってどうにもなりはしないでしょう。それを始末するのはだれかということです。その
市町村に対する
財政処置をもう少し両
大臣から、きょうは私はこれ以上は聞きませんが、ひとつ明確にしておいてもらいたい。そして
地方の
自治体が真剣にこの
公害問題に取り組む姿勢ができるようにしてもらいたい。理屈だけではおさまらぬのである。国のほうは、
各省は理屈だけいっていればそれでいいですよ。技術者がどうだこうだ、理屈だけこねていればそれでいい。しかし、実際に下の住民に直結している
市町村というものは、理屈だけではおさまらない。だから、
財政問題についてもう少し両
大臣からはっきりした答弁を聞かしてもらいたい。
それと同時に、できればそれに一体どのくらい
予算が必要なのかということを、これは十年
計画とか五年
計画ということになろうかと思いますが、考えられておるか。道路
計画や何かについては五年
計画とか六年
計画、防衛庁についてはどうだとかいって、すぐ
政府は何年
計画といって立てて
予算を取ることを考えているようだけれ
ども、
公害対策に対する年度
計画が私は当然必要だと思うし、それに対する
予算はどのくらい要るつもりなのか、国、
地方を通じて一体考えられておるかどうかということです。その基本的な問題を一応ここで聞いておきたいと思うことと、それから具体的な問題で
一つだけ聞いておきたいと思うことは、いま
公害に対する
一つの研究のセンターというもののあるのは川崎であります。川崎はいつごろできたか、私は十分覚えておりませんが、たしか小林
厚生大臣の時代でありまして、ここの開所式に私も行きまして、小林君と会っておるから記憶があるのでありますが、これは川崎の持っておる、あるいは神奈川県の持っておる
一つの
公害のセンターであります。これにいままでどれだけの援助をしてきたのか、具体的問題としてひとつ教えておいていただきたい。