○門司
委員 いま
答弁をいただきましたが、私
どもがいま一番大きく取り上げなければならない
一つの問題として、産業公害はこれは当然でありまして、これは何といっても
企業が主としてその排除に全力を注ぐべきであって、
地方の自治体が何ら責任を負う必要はないと
考えておる。これは人間の生命のほうが大事でありますから、先ほど
大臣のお答えになりましたように、現行の法律の中にも産業との調和ということを——佐藤さんは調和ということばがすきですから、だからそこらじゅう調和というのが出て、法律の中にも出てきていると私は思うのだが、そういうことじゃなくて、やはり人間を大事にするということが基本であり、それが
中心でなければなりませんから、この産業公害に対しては主として
企業に責任があり、これにおいて処置をさせるというきつい法律が必要であろうかと私は思いますが、しかし、さっき申し上げました
都市公害につきましては、やはり
地方の
公共団体がある程度の責任をもってやるべき仕事であると私は
考えるのであります。いま
お話をいたしました、またされました水質汚濁に対する
一つの大きな原因としての、家庭から出る汚水の始末というものが十分についていないというようなことも、これは水質汚濁の
一つの大きな原因でありますし、それからこういうものは
地方の自治体の仕事である。同じように、川がよごれる、あるいは
都市の美観がよくない、非常にきたないということについても、家庭から出るごみの始末を一体どうしているかということ、こういう点は、ごみの問題などに至っては、これは諸外国と日本と比較してごらんなさい。水よりもっと悪いと思うのです。
かりに
一つの例だけ申し上げて御参考にしておきたいと思いますが、あなたのほうでもわかっていると思いますが、ローマは、御承知のように、二百六十万の人口を持っております。ここでは人口一万人当たり大体二・八台のごみの収集の車を持っております。そしてその車の機能と大きさというものは、大体日本の東京やあるいは横浜を走っておりますごみ収集の車の三倍くらいの大きな能力と大きさを持っております。ところが、私の住んでいる横浜の例を
一つとってみますと、ここは二百二十万の人口を持っております。ここでほんとうに稼動しているごみ集めの車は三百八台であります。これは人口比率で割りますと、一万人当たり大体一・四車にしか当たっておりません。三倍くらいの能力を持っておるという車が人口一万人に対して約三台歩いておるのと、その三分の一の力しか持たないものが人口一万人に対して一・四しか稼動していないという
現実を見てまいりますと、これは下水道の問題よりもっと悪いです。こういう
実態があるのです。
こういう中から結局
都市の美観がそこなわれ、
都市の水質の汚濁があり、悪臭があり、いろいろなものが出てきている。だから、私がさっき申し上げました
都市公害についての取り組み方というものは、単なる公害だという取り組み方と別に、やはり
地方行政の中においてこれを解決していくという姿勢が
自治省において必要なんだ、こう
考えておるのであります。産業公害は産業公害として、これにはさっき申し上げましたようなことで当然責任者があるわけでありますから、これらに厳重に命じて、そういうことのないようにしていけば、これはある程度押えられるかと
考える。しかし、こういう
都市公害に対しては、何といっても
地方の自治体の
一つの大きな仕事であります。大気汚染についても、先ほど自動車の問題を出しましたが、冬になると出てくる暖房の装置、油をたけばばい煙が出るにきまっている。こういうものから出てくるものも大気汚染の
一つの大きな原因であることは間違いない。しかし、これらの問題もやはり
都市に集中される。ことに過密
都市においてはこの現象は非常に大きいのでありまして、こういうものに対する
自治省の取り組み方というものは一体どうなっているかということです。
予算を見ましても、きわめてわずかな
予算であります。きょうは時間もあまりございませんし、大事な相手である長官も見えませんので、そういう問題をこれ以上私は申し上げませんが、
自治省においても
自治省のなすこと、範囲、この法律のたてまえからいけば、先ほど申し上げましたように、
自治省の首を出しておるのは、わずかに
地方税の面で何とか
自治省が
考えろということだけしか出ていない。したがって、
自治省には公害に対する責任はほとんどないように
考えられておる。しかし、全部のしわ寄せが
自治省に来る。権限は持たないで仕事だけさせられて悪口ばかり言われている。
自治省という役所は実に因果な役所だと
考えておりまして、そこを受け持っておられます秋田
大臣には非常に同情するのでありますけれ
ども、こういう面、
都市公害に対する取り組み方をぜひ厳重にしていただきたいということを申し上げておきます。
それから、これも
一つの公害だと言えば公害でありますが、過密
都市の問題としてきょうここで主として——公害の問題の
議論ができませんので話をほかに移してまいりまして、
地方の自治体の学校の問題を少し検討してもらいたいと
考えております。これは建設省にも、あるいは文部省、大蔵省にも全部に
関係があろうかと思いますが、建設省の諸君は建設省の諸君としていろいろ協議をされておることだと思いますので、きょうは主として文部省にお聞きをしておきたいと思いますが、一体文部省は
地方の教育の問題について基本的にどうお
考えになっているかということです。施設その他は
地方の自治体がやるべき仕事だからそっちにまかしてあるんだというお
考えなのか。教育を担当されておる役所として、教育の基本的道場である施設というものは非常に大事な問題であります。ただ、
行政上
地方の自治体が仕事をするんだから、そっちにまかしておるんだというような安易なお
考えであるのか、あるいは教育全体について責任を持っておる役所であるというお
考えをお持ちになっているのか、どっちかをはっきりしておいていただきたい。