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1970-08-11 第63回国会 衆議院 地方行政委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年八月十一日(火曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 菅  太郎君    理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君    理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君    理事 山口 鶴男君 理事 斎藤  実君       亀山 孝一君    高鳥  修君       中島 茂喜君    中村 弘海君       野呂 恭一君    山崎平八郎君       綿貫 民輔君    井岡 大治君       阪上安太郎君    華山 親義君       細谷 治嘉君    安井 吉典君       山本弥之助君    桑名 義治君       門司  亮君    林  百郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣 秋田 大助君  委員外出席者         防衛庁防衛局運         用課長     福田 勝一君         防衛庁経理局監         査課長     後藤 真平君         防衛庁経理局施         設課長     蔭山 昭二君         防衛施設庁施設         部長      長坂  強君         大蔵省理財局国         有財産第三課長 楢崎 泰昌君         文部省大学学術         局審議官    安養寺重夫君         厚生省医務局次         長       北川 力夫君         水産庁次長   藤村 弘毅君         通商産業省公害         保安局公害部公         害第二課長   根岸 正男君         海上保安庁次長 上原  啓君         自治政務次官  大石 八治君         自治大臣官房長 鎌田 要人君         自治省行政局長 宮澤  弘君         自治省行政局公         務員部長    山本  明君         自治省財政局長 長野 士郎君         自治省税務局長 降矢 敬義君         消防庁長官   松島 五郎君         地方行政委員会         調査室長    川合  武君     ————————————— 委員の異動 八月四日  辞任         補欠選任   青柳 盛雄君     林  百郎君 同月十一日  辞任         補欠選任   土井たか子君     安井 吉典君 同日  辞任         補欠選任   安井 吉典君     細谷 治嘉君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治及び地方財政に関する件並びに消防に  関する件  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 菅太郎

    菅委員長 これより会議を開きます。  地方自治地方財政警察及び消防に関する件について調査を進めます。  先般、地方行財政に関する実情調査のため、第一班を北海道に、第二班を宮城県、山形県及び秋田県に派遣いたしました。  この際、それぞれ派遣委員より報告を求めます。第一班、砂田重民君。
  3. 砂田重民

    砂田委員 委員派遣の第一班は、北海道について調査を行ないましたので、便宜私からその結果を御報告申し上げます。  この調査目的は、第一に北海道総合開発現状問題点、第二に広域行政問題、第三に過疎問題、第四に札幌冬季オリンピック建設状況及び地下鉄建設計画、第五に、その他、行財政上の問題点並び要望事項調査することであります。  しかしながら、日程等関係もございまして、主として広域行政問題及び過疎問題を中心として調査をいたしましたので、その点をあらかじめお断わりしておきます。  派遣委員は、綿貫民輔土井たか子桑名義治和田一郎の各委員に私の五名でありますが、斎藤実理事及び安田貴委員現地参加され、調査に協力されました。なお、調査室からは崎川謙三主任調査員が同行いたしました。  調査は、七月十三日から同十七日までの五日間にわたって行なわれ、それぞれ関係当局から説明を聴取した後現地調査を行ないました。  第一日は、午前中、北海道庁において北海道総合開発現状及び広域市町村圏計画中心とする広域行政問題、並びに過疎問題及びその他地方行財政上の諸問題について道庁当局より説明を聴取し、午後は、札幌市役所市当局より札幌冬季オリンピック建設状況及び地下鉄建設計画について説明を聴取した後、地下鉄線路敷設状況並びに真駒内オリンピックスピードスケート競技場及び宮ノ森、大倉山両オリンピックジャンプ競技場を視察いたしました。  第二日は、午前中富良野市役所において、市当局より富良野地区広域市町村圏計画概要について説明を聴取し、午後は東京大学付属北海道演習林を視察いたしました。  第三日は、午前中、新十津川町役場において町当局より集落編成モデル事業について説明を聴取し、午後、集落編成移転先である吉野市街等を視察いたしました。  第四日は、午前、赤井川村役場において村当局より過疎地域振興事業について、その概況説明を聴取するとともに、現地視察を行ない、午後は、登別町において、町当局より三万市の特例法関係について説明を聴取いたしました。  第五日は、午前中、登別町の都市としての連檐戸数状況等を視察するとともに、苫小牧市役所において市当局より苫小牧工業港関係について説明を聴取した後、オリンピックハイランドスケートセンター温水プール苫小牧管理組合工業港などを視察し、午後、空路帰京したような次第であります。  これらの調査内容の詳細につきましては、時間の関係もありますので省略させていただき、委員長のお手元に提出いたしました報告書を、委員長において会議録に掲載されるようお取り計らいを願い、それによって御一覧いただくこととしたいと存じますが、この機会に、一言だけ、今回の調査の結果、今後検討を要すると思われる問題点について触れておきたいと思います。  第一は、広域行政関係でございます。今後ますます高度化、多様化する行政需要に対処し、また広域市町村圏地方生活圏広域生活圏等に対応して市町村機能分担による公の施設整備地域振興計画等策定協議会、あるいは中心都市依存型の事務委託地域的市町村集団を基礎とする一部事務組合などを、その機能及び事務の性質、態様に応じて共同処理するよう推進していく必要があるわけでありますが、御承知のように、この一部事務組合は、本来単一の事務についての共同処理を想定しているのであります。  ところが、上に述べましたような行政需要の増大から、最近では、一市町村が数種の一部事務組合に加入している事例が見られ、その結果、事務処理体制が複雑化し、合理的運営を阻害する等の問題が生じておりますので、地域的一体性を有する市町村におきましては、多種類の事務について、共同処理することが可能となるような複合的かつ多目的制度を早急に検討すべきであると考えるのであります。  また、これに関連して、広域市町村圏における広域行政機構についても検討を要するものと考えます。すなわち、広域市町村圏広域行政機構は、一部事務組合または協議会を適宜選択することとされておりますが、広域的な日常社会生活圏対象とする総合的な広域行政を推進していくにあたって、現行共同処理方式では、いずれも一長一短があり、かつ、その運用についても限界がありますので、この際、総合的な広域行政機構のあり方について検討する必要があるのではないかと考えるのであります。  次に、かねてより問題とされておるわけでありますが、各省庁広域行政構想、すなわち、企画庁からは広域生活圏自治省からは、広域市町村圏、建設省からは地方生活圏、さらに、北海道の場合、開発庁からは広域生産生活圏等構想が打ち出されておりますが、申すまでもなく、これらの構想基本的方向は同じでありますから、政府部内で十分に調整をはかり、一体的な指導方針を確立することがきわめて肝要であると考えるのであります。  次に、広域市町村圏振興整備に対する援助措置についてでありますが、広域市町村圏計画に基づいて実施する広域市町村圏振興整備のために必要な根幹的な施設整備および広域事務処理のための事業の推進にあたっては、各省庁においてこれを積極的にバックアップする等によりその振興がはかられるよう配慮する必要があると考えました。  第二は、過疎対策に関するものであります。  過疎対策には、道路等基幹整備と相まって地域特性に応じた産業振興が最も重要でありますが、申すまでもなく、過疎地域財政力がきわめて脆弱でありますので、過疎対策事業債について、明年度以降その資金ワクを拡大するとともに、その元利償還金地方交付税基準財政需要額への算入割合についても、現行の五七%からなるべく早く辺地債並みに持っていけるよう検討すべきものと考えます。  さらに、過疎債許可対象についても、その地域特殊性に基づいて、過疎対策緊急度が高く、かつ事業効果が顕著であるとともに、過疎債を充当することが適当であると認められる事業については、許可対象とすることができる方向検討する必要があるのではないか。また、集落再編整備事業も今後ますます進められるものと思われますが、過疎対策を少しでも前進させ、実効あるものとするためには、やはり、集落再編整備補助及び融資に関する制度についても検討の必要があると考えた次第であります。  時間がありませんので、以上、十分に意を尽くすことができませんが、広域行政及び過疎問題について現地のなまなましい現実に触れ、かつ道庁当局関係市町村長さん方の真摯な御努力、御苦心を見聞するにつけ、一言所見を述べて政府の善処を要望したいと思います。  終わります。
  4. 菅太郎

    菅委員長 次に、第二班、小澤太郎君。
  5. 小澤太郎

    小澤(太)委員 派遣調査第二班は、宮城県、山形県及び秋田県の三県におきまして、主として過疎地域対策緊急措置法に基づく過疎問題及び広域市町村圏構想中心とする広域行政問題について調査いたしましたので、その概要について御報告いたします。  派遣委員は、斎藤実理事高鳥修委員野呂恭一委員阪上安太郎委員及び私の五名でありますが、山形県では華山親義委員現地参加され、調査室からは、島村調査員が同行いたしました。  調査は、去る六月二十日から同月二十四日までの五日間にわたり、それぞれ関係当局から説明を聴取した後、現地調査を行ないました。  その大要を申し上げますと、六月二十日は、午後、宮城県庁において、過疎対策及び広域市町村圏等について説明を聴取したのち、過疎地域である丸森町を現地調査するとともに、関係市町村長等から要望事項説明を聴取いたしました。  六月二十一日は、午前、仙台港の築港工事現場を視察したのち、正午前から午後にわたり、石巻市役所において石巻広域市町村圏計画概要を聴取するとともに、石巻市等の現地調査をいたしました。  六月二十二日は、午前、山形県庁において、同県における過疎対策及び広域市町村圏等について説明を聴取した後、新庄市役所において最上広域市町村圏計画概要を聴取し、午後は、過疎地域である大蔵村の現地調査及び新庄市内の諸施設を視察いたしました。  六月二十三日は、午前、秋田県の湯沢市役所において、湯沢雄勝広域市町村圏計画概要を聴取したのち、過疎地域である皆瀬村を現地調査し、午後、秋田県庁において過疎対策及び広域行政等概要説明を聴取し、予定どおり調査を終了いたしました。  次に、今回の調査の結果につきましては、時間の関係もありますので、ごく簡単に今後検討を要すると思われる若干の問題点についてのみ申し上げたいと思います。  まず第一に、過疎対策についてでありますが、県及び関係市町村等におきましては、前国会で成立いたしました過疎地域対策緊急措置法が施行されたことに伴い、従来にも増して、積極的に総合的過疎対策を推進するため、現在真剣に計画策定等を行なっておりますが、いわゆる現行過疎対策法人口減少率の一〇%につきましては、東北地方の出かせぎ人口その他の地域的特性等実情から、昭和四十五年国勢調査による人口減少の動向を慎重に勘案しながら、その率の引き下げについてはさらに再検討する必要があると思われることであります。さらに、御承知のとおり、過疎市町村財政力はきわめて貧弱でありますので、今後とも国庫補助を一そう強化するほか、現在の過疎債ワクを大幅に拡大するとともに、その元利償還費基準財政需要額への算入率引き上げ等については、引き続き検討すべきものと考えます。なお、過疎対策は県及び市町村責任だけではその効果は期し得ないので、今後は国の側においても過疎対策方針等を策定して、総合的な過疎対策を積極的に推進されたいとの要望がありました。  第二に、広域市町村圏問題でありますが、各県及び関係市町村におきましては、本年度から交付税等財源措置が講ぜられたことに伴いまして、それぞれ豊かな圏域づくりのため、圏域一体とした総合的な広域市町村計画を策定しておりますが、その実施につきましては、従来の一部事務組合方式では一市町村が多数の一部事務組合に加入する等複雑多岐にわたり、もはや、従来の一部事務組合では対処することが困難な状況にあるといわれております。そのために、各圏域においては、できる限り既存の一部事務組合を統合して多目的の総合的一部事務組合を結成する等いたしておりますが、さらに、広域市町村圏計画に基づく事業実施に当たる広域的行政機構整備について検討されたいとの要請がありました。また、実施計画における地元負担は多額なものでありますので、今後は国及び県の補助負担金を増額するとともに、交付税措置については引き続き強化をはかるべきであると思うのであります。さらに、広域市町村圏の設定を経ることなく、直ちに広域合併を行なった地域に対しましては、事実上広域市町村圏と同様の財政措置等をなされたいとの要望がありました。  これらの調査内容の詳細につきましては、委員長のお手元に提出いたしました報告書委員長において会議録に掲載されるようお取り計らいをお願いいたし、それによって御一覧いただきたいと思います。  以上で報告を終わります。
  6. 菅太郎

    菅委員長 ただいまの報告者のお申し出によりまして、第一班及び第二班の調査報告書は、本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 菅太郎

    菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書本号末尾に掲載〕      ————◇—————
  8. 菅太郎

    菅委員長 地方自治地方財政警察及び消防に関する件について質疑を行ないます。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
  9. 安井吉典

    安井委員 私、きょうお尋ねしたいのは、青森県における原子力発電所設置用地に関連する問題であります。  青森県に東京電力東北電力の両電力会社原子力発電所を設置することがきまり、その用地合わせて約二千ヘクタール、その取得開発造成あるいは保管等について両会社青森県知事とが契約を結び、その契約書規定に基づいて、青森県知事が全面的にそれに当たるということについて、同県の県議会でもいろいろ問題になり、自治省のそれに対する指導が行なわれたそうでありますが、その問題について若干のお尋ねをしたいわけであります。  自治省指導内容、それをまず伺いたいと思います。
  10. 宮澤弘

    宮澤説明員 ただいまお尋ね青森県の地域開発の問題でございますが、格別私どものほうで指導と申すことはいたしておりませんけれども県当局のほうから、こういうことを地方団体なりその機関がすることについての質問がございました。それについて回答をしたという事実はございます。それ以上にそれの適否その他について指導というようなことはいたしておりません。
  11. 安井吉典

    安井委員 その回答内容をちょっとお話しください。
  12. 宮澤弘

    宮澤説明員 県議会でいろいろと議論があったようでございまして、地方団体機関が特定の会社にかかわる用地取得について、そういう行為をすることができるかどうか、こういう電話の照会があったようでございます。それに対しまして、私どものほうの主管課がいろいろと検討をいたしまして、そういうことは可能である、こういう返答をいたしたということでございます。
  13. 安井吉典

    安井委員 可能であるとの御返事だそうでありますが、知事が、電力会社公益事業を営んでいるとはいえ、私企業であることは確かなんですが、その私企業土地土地会社が行なうと同じような形で請け負うという形については、私はいろいろ問題があるのではないかと思います。  知事というのはあらゆる公権力の集中した人格であります。つまり地方自治法による県の固有事務も、それから国家権力で委任されたものも、知事に相当多く集中しています。その知事が、同時に私企業に対する土地造成を請け負うということによって、いろいろ問題が起きてきはしないかと思うわけであります。つまり、知事は農業の問題についてもあるいは土木行政の問題についても、保健行政でも何でも、みずからの力で処理する立場にあるわけです。そういう立場がいまの土地の問題を同時に請け負うということの中で、他の場合とのバランスだとか、そういうふうな問題も起きてきはしないかと思います。どうでしょうか。
  14. 宮澤弘

    宮澤説明員 初めに、土地造成というふうにおっしゃったわけですが、私ども聞いておりますのは、土地買収というふうに聞いております。あるいはその辺のことばの内容を、買収をして整地その他をするのは、あとは会社がやるというふうに聞いておりますので、その辺はあるいは私どもの認識が間違っておるかもしれませんが、まず申し上げておきます。  そこで、ただいま安井委員おっしゃいましたように、知事公権力主体であり、いろいろな行政が集中をしておりますことは事実でございます。そこで、知事という立場でそういうことをすることが適当であるかないか、そういう判断余地は十分あると思うのでござます。電力会社は、公益事業といえども民間の事業でございます。そういう意味合いで、そういうものを知事がやることが適当であるかないか、こういう判断余地はあろうかと思います。  ただ、私どもが聞かれましたのは、法律的な見解でございます。それで、私どもの考え方といたしましては、現に全国的にかなりそういうことが過去にも行なわれておりますけれども地域開発をする、それに県が積極的な役割りを果たすということが行なわれているわけでございます。地方自治法の中でも、産業立地条件整備をするということは、県の仕事の一つ例示事務ということで書かれております。私どもは、企業誘致を含めましたいろいろな産業立地条件整備地方団体が行なうということは、法律上可能な問題である。ただ、いまのような場合に、そういうことをやることがはたして適当であったかないかという判断は別に残ると思います。
  15. 安井吉典

    安井委員 法律的解釈の側面からはイエスと答えたが、適当であるかないかは別問題だ、こういうお答えであります。  それから、契約書の写しはそこにお待ちですか。——その中身は、私、ちょうどいま持ってないものですから、その契約書に書いてあるほうが正しいと思うのですが、それはそれとして、私がいま申し上げておりますのは、公権力主体を持っている知事が、知事として同時に土地買収、あるいはその他の内容がどの程度あるのかわかりませんが、そういうふうなことをやるということに問題があると言ったのは、たとえば土地収用法の問題もあります。この土地収用についても、電力会社公益企業として発動することができるかどうか、それに対する知事立場、それをちょっと伺います。
  16. 宮澤弘

    宮澤説明員 電力会社ができますかどうか、いまちょっと調べております。私の記憶がもし誤っておりませんでしたならば、おそらく電力会社事業を営みますときには、最終的には土地収用法を援用できるのではなかったか、そういうことであろうと思います。ただいまちょっと調査をいたしておりますので、その点お待ち願いたいと思います。
  17. 安井吉典

    安井委員 それはできますか。
  18. 宮澤弘

    宮澤説明員 ただいま急に調べましたので、法律の字づらだけでございますが、土地収用法の第三条によりますと、電気事業関係ガス事業関係は、土地収用ができるような規定になっているようであります。
  19. 安井吉典

    安井委員 その場合の知事立場……。
  20. 宮澤弘

    宮澤説明員 この場合は、土地収用法自身は別に知事立場云々ということはなかろうかと思います。
  21. 安井吉典

    安井委員 知事も必要によって土地収用をすることができますね。だから、この場合に、たしか公益企業土地収用の手続をする場合には、知事はそれの適否について第三者的に見る立場にあるはずであります。ところが、知事自身土地収用権を持っております、場合にもよりますけれども。ですから、この場合には、土地会社にかわって買収する民法上の契約義務を負った知事とそれから公権力を持った知事とが、一般の大衆の目から見れば混乱するわけですよ。つまり第三者的な立場に置かれなければならない知事が、土地会社の代行みたいなことをやることによっての混乱、これは避けがたいと思うわけです。その点はどうですか。
  22. 宮澤弘

    宮澤説明員 土地収用法によりますと、いまの電気事業の場合におきましては、事業認定建設大臣が行なうと第十七条に書いてございます。そういう意味合いでは、法律のたてまえ上は、いまおっしゃいましたような混淆を来たすということはないように思われます。
  23. 安井吉典

    安井委員 たとえそれが建設大臣権限事項であっても、その場合において、知事県民全体の代表という立場で、あるいはまたときには国家権力を委任された立場での対応があるはずであります。それと一つ私企業を代行するという立場、これが非常に混乱をして県民の目には映っているのではないか。つまり、原子力発電所設置云々はきょうは問題外にいたしますが、知事県民全体に対して第三者的に公平に中立的にものを考え、処理する立場に置かれているのではないかと思います。むしろ会社農民土地買収の問題その他について話し合いをするのを大所高所から見守って、会社のほうに行き過ぎがないかどうか、あるいは場合によっては農民側のほうに少し行き過ぎがありはしないか、そういうのを上から見て、問題を処理する立場知事というのは置かれているのではないかと私は思います。むしろ会社のほうは東電であり、東北電力です。しかし、県民のほうは知事がまさに直結している住民じゃないですか。その契約書のたしか四項だったか五項だったかに、知事会社に対する善良な管理者義務ですか、そういうものを約束しておりますね。ちょっとその条項を読んでくれませんか。
  24. 宮澤弘

    宮澤説明員 ただいまのお尋ねは第五条かと思いますが、「甲」——甲というのは知事でございます。「甲は、乙または丙」乙は東北電力株式会社、丙は東京電力株式会社でございます。「甲は、乙または丙に引渡す土地に第三者の所有権以外の権利がある場合または家屋工作物等が存在し、乙または丙の土地利用に支障となる場合は、これらの権利の消滅または家屋工作物等移転等について、乙および丙に対し一切の責を負うものとする。」こういうことでございます。
  25. 安井吉典

    安井委員 知事はその契約を行なったことによって、民法上の責任会社に対して負うわけです。その場合において、青森県知事は、知事という立場よりも、その契約書に書いてある甲という立場であります。だから、その会社に対して不利な扱いをすれば、会社側のほうは知事に対して損害賠償を請求することも民法上できるはずです。ですから、その点が、県民の利益を守るという立場と、それからその契約を結んだことによっていわゆる甲という立場に置かれているということ、この辺の矛盾をどう処理すればいいのか、その点なんですね。
  26. 宮澤弘

    宮澤説明員 ただいまお話しのように、県民全体の利益を守る立場、それから私企業の利益を代行する立場、この二つの立場があるではないか、この二つの立場が矛盾抵触をするのではないか、こういう御趣旨であろうと思います。  この点につきましては、私は、現地におきまして知事がどういう判断をいたしたか、つぶさに承知をいたしておりませんけれども、私の想像なり推定をいたしますれば、御承知のように、青森県といたしましては、陸奥地方の開発につきましてかねてからいろいろ計画も持っていたわけでございます。たまたま全国総合開発計画におきましても、大規模開発プロジェクトを陸奥湾を中心にして計画実施をしていこうという考え方が出ているわけでございます。そういうことを前提にいたしまして、おそらく知事といたしましては、あの地方全面の産業立地条件整備することが、県民全般の利益になるという判断に立ったのではなかろうか。その際に、電力会社をあそこに持ってまいりますことが、産業立地を整備する一つの始動条件になる。これは私の全くの想像でございますけれども、そういう判断をいたしまして、両電力会社にかわって土地取得し、電力会社施設をつくることが、あの地方の開発につながり、それが青森県民全般の利益につながる、こういう判断をしたのではないかというふうに私は想像をいたしております。
  27. 安井吉典

    安井委員 しかし、その反面、いまのあなたの解釈からいえば、つまり地方自治法の立地条件整備ですか、そういう側面だけから話を進めておられるわけなんですけれども、しかし、その契約の履行の中で、土地農民からの取り上げについては、知事は全面的に会社の利益を守る立場から——決して農民の利益を守るのではありませんよ、会社の利益を守る立場から知事は対応しなければ、契約を十分履行したことにならぬじゃないですか。つまり公法論的な立場からだけ言えば、あなたと同じことになるかもしれませんけれども、しかしながら、会社民法上の契約をすることによって、私法上の責任知事は迫られますよ。そのあとのほうはどうなんですか。つまり農民はどうでもいいのですか、その点ですよ。
  28. 宮澤弘

    宮澤説明員 私、先ほど来申し上げておりますことは、別に青森県知事から心境を聞いたわけでも何でもございません。私の全くの想像でございますし、推定でございます。これから申し上げますことも私の推定でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、知事はやはり県民全般の立場を考えるわけでございますから、企業誘致、工業立地と同時に、その付近の農民なり何なりの今後の生活を考えた上での判断をいたしておる。当然知事としてはそうあるべきではないか、私はそう考えております。  それから、これは私法上、民事上の契約でございます。もし契約が履行されなかったという場合のことを、先ほどちょっとお話がございましたけれども、その場合には、法律上は損害賠償の請求権というものが発生することは私はあり得ると考えております。
  29. 安井吉典

    安井委員 損害賠償責任がもし発生した場合も、これは竹内さんという知事のポケットマネーで払うのじゃないのですよ、県知事契約をしたわけですから。そういうような場合の判断とか選択というものは、私は知事立場で慎重でなければならぬと思うわけであります。いま自治体が原子力発電所だとかその他企業の進出にあたって会社側と協定を続々結んでいるのは、敷地買収協定ではなしに、公害防止協定ですよ。それがいまの全国的な風潮ではないかと私は思います。これは大臣が見えたらもっと詰めて伺いたいわけです。原子力発電所の問題について日本ではまだそう大きな事件は起きていませんけれども、しかし、新聞の報道等でも、アメリカではいろいろな問題が多発しています。だから、われわれだっていつ何どきそういう事態に巻き込まれないではないのではないかと思います。その公害は海の汚染だとか光化学スモッグだとか、あちらの公害対策特別委員会では一生懸命にやっていると思うのですが、それよりももっとおそろしい放射能の問題その他が出てまいります。だから、私は、その二つの大きな電力会社が二つ並んで二千ヘクタールの土地取得ということになったら、これは一つの村がすっぽり発電所になるわけですから、知事がそういう事態に対して会社側と結ぶべきなのは、むしろ原子力発電所の公害の問題やその他の問題ではなかったかと思います。それこそがほんとうに県民立場から対応する知事のあり方ではなかったかと思うわけであります。それが一私企業の代行的な立場で終始したという点にこの問題の大きな問題点があるのではないかと私は思うわけであります。  あとの質問がたくさんあるそうですから、私はもうこれでやめますが、いずれにいたしましても、この問題については、自治省の見解の結論は、法律上違法というふうな判断はできないが、適当であるとは思わない、こういうふうなことに尽きるようですが、どうですか。
  30. 宮澤弘

    宮澤説明員 私ども事務当局の判断は、法律上は違法でない、それから適当であるかないかの判断は、これは現地に立って知事判断をしていることでございます。私どもはそこまで現地の情勢も知事がそういう判断に至った経緯も承知をいたしておりませんので、適当であるかないかの判断については、私ども何らいたしておりません。  それから先ほど御指摘がございましたが、確かに原子力発電所ができますならば、公害の問題というものは今後大きな問題でございます。その点につきましては、おそらく知事としても考えていると思うのであります。私どももそういうことにつきましては、時に応じて知事のほうには連絡をいたしたい、こういうふうに思っております。
  31. 安井吉典

    安井委員 この種の例は、私企業土地造成について、市町村段階のものは別として、県段階でこういうような例がたくさん起きているのですか、どうですか。一般論としてちょっとお伺いします。
  32. 宮澤弘

    宮澤説明員 こまかいデータを持っているわけではございませんが、多くの府県では、御承知のように、開発公社というのがございます。開発公社等の組織を通じてこの種のことをやっているのが普通ではなかろうかと思います。この産業立地条件整備いたしまして企業を誘致するという場合には、いろいろなやり方がございまして、いま申しましたように、最近は開発公社を使ってやっていることが多いと思いますけれども、県が直接土地買収いたしまして、造成をした上で私企業に払い下げる形というものもいろいろな例があろうかと思います。
  33. 安井吉典

    安井委員 知事がストレートに会社側とこういう契約をした例はあまりないのですね。
  34. 宮澤弘

    宮澤説明員 私が承知しておりますのでは、そうたくさんあろうとはいまのところは考えておりません。ただ、類似のものは私はあると思うのでございます。これは法律上の性格はいろいろ議論がございます。いまのお尋ねのケースにつきましても、契約書その他から見て、いろいろ法律的な判断ができると思うのでございますが、県が間に立ちまして企業が土地買収するにつきましていろいろあっせんをするというような事例は、私はきわめて多いと思うのであります。ただいまのような一種の代理契約というような形でやっておりますものは、私どもそんなに多いとは思っておりません。
  35. 安井吉典

    安井委員 大臣、いいですか。お話の筋はお聞きになっていないけれども、大体内々は勉強されておいでだろうと思いますから、時間がありませんので、結論的なお答えだけでけっこうですが、いまの青森県の両電力会社にかわって知事土地取得をするというケースはきわめて例は少ないというふうな行政局長の御答弁であり、法的な問題点はそうないと思うけれども、あまり例がたくさんないというところから見て、私は適当なあり方だとは思わないのですが、その点どうですか。
  36. 秋田大助

    秋田国務大臣 例が少ないからそれだけで不適当であるとは言い切れないだろうと思います。要は良識上の問題でございまして、責任を持って知事さんがおやりなさっていることに対しまして、自治省として十分御信頼を申し上げて知事の善処におまかせする。これを直ちに、ほかから不適当であってどうこうするというべき筋合いのものでもなし、また事態もそこまでいっておるとも考えておらない次第でございます。
  37. 安井吉典

    安井委員 私は法律上も問題がないわけじゃないと思うのですよ。さっきからその点はだいぶいろいろ申し上げていたわけでございますけれども、公法上の立場と私法上の立場とを混乱させて、そのことでその地域の住民の人たちに知事は全く会社側立場であるということを明確にさせつつ交渉するわけですから、そういうふうなことは、自治法に禁止規定がないから何をやってもいいといったようなものではないと私は思う。しかも、それが住民に直結をした立場を忘れた対応のしかたという点には、これはどう考えても問題があると思うのですが、どうですか。
  38. 秋田大助

    秋田国務大臣 原子力発電所用地の問題でございますが、そういうものを招致することが悪いのだ、住民のためにならないのだというふうには必ずしも言い切れない。また、こういう法律上権限があるという、またどういう性格のものかという点につきましては、いろいろ議論もありましょうけれども、要は良識上の問題であろう、こう考えております。
  39. 安井吉典

    安井委員 どうも話が少しかみ合わないのですがね。最初からいていただければよけいな時間をとらなくてもいいのですけれども、途中からお見えになったものですから、話がかみ合わなくて、しかし、あとの時間もあって、そういうふうな形でどうも終わりそうな気がするわけでありますけれども……。  自治大臣が、私は、何もかも自治体に口を出してそしてかってにしろというふうな立場で申し上げているわけでは決してありません。しかし、地方が、考えに余って、自治省はどうですかという見解を聞いた場合には、やはりき然たる態度で見解を示していただかなければならぬと私は思うわけであります。そういう意味で、私はきょうこの問題を取り上げているわけです。もちろん、知事の政治的な立場もあるし、いろいろな地域の実態に即した見解というものもあると思います。しかしながら、住民の立場を忘れた知事の対応、また、一方には、会社とべったりするというふうなことで住民の不信を招くという立場、こういうような場合に、知事が、こういう全国に例の少ないような方法でこの問題に対応しようとしていいのかどうかという選択を迫られた場合に、自治省に質問をすれば、これは全国には例が少ないのですよ、こういうような形で誤解を招くのは困りますよ、こういうふうな態度を自治省がはっきりさせてもらいたかった、そういうことで私は申し上げているわけであります。  とりわけ、この原子力発電所等に対する自治体側の対応は、これは普通の火力発電所でもそうだし、いろいろな重化学工業の誘致の問題でもそうですけれども、最近は、土地買収会社と協定をするのではなしに、公害防止の協定をしているというのが一般的であるわけです。それぐらい公害の問題は重要になってきているわけです。ですから、私は、本来の住民を守るという立場を忘れて、なるほど原子力発電所ができたら開発に通ずるという考え方もわからないわけではないのですけれども、これは会社がやればいいのですよ。もしそれを認めるとしても、会社買収をする。それを知事は大所高所から、農民に対して不利益がないかということ、会社側行き過ぎがないかということ、そういうのを上からながめて指導するという立場知事立場です。それを放てきして、私企業の言うままになるというふうな契約を結んでしまったというところに、この問題があるのではないかと私は思います。そういう点で、自治省の今度の処理には私はたいへん不満であるということを最後に申し上げておきたいわけであります。  話のついでなんですけれども、公害の問題の重要性に立って、公害基本法の第一条のいわゆる経済条項の問題が問題になっていますけれども、私は、地域の住民に密着した行政を担当する自治大臣こそ、率先してあの第一条の経済条項を廃止すべきであるということを提案すべき立場におありではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
  40. 秋田大助

    秋田国務大臣 その点につきましては、先月の十七日に、公害対策に関しまする積極的な見解という自治省の意向を表明いたしておりまして、その序文の中に、経済との調和という点よりは住民の福祉、健康を守るという立場を重視すべきである旨を、自治省といたしましては明示いたしておるはずでございます。
  41. 安井吉典

    安井委員 それでは、第一条は、自治省としては、あの経済条項は率直に言って、やめろという御意向だと受けとめていいわけですね。
  42. 秋田大助

    秋田国務大臣 一条は、時代の今日の状況にかんがみまして書き直すべきである、当然その中において一条の第二項は削除さるべきものであるという立場をとっております。
  43. 安井吉典

    安井委員 時間がありませんので、これできょうはやめます。
  44. 菅太郎

  45. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私は、きょうは、第三次防に基づくミサイル・ナイキの基地の設置について、若干質問してみたいと思います。  たしか六月の二十五日ごろであったと思うのでありますけれども、突如として、新聞の報道によって、大阪府の能勢町の天王、深山、こういった地区にナイキの基地が設置される、こういう報道があって、当該町村はもちろんのこと、周辺の地方公共団体も、全く寝耳に水であった。事前に何らの連絡等もなく、全く新聞辞令でもってこのことを知った。そこで、地元では、たいへん大騒ぎをしている。こういうことであります。  そこで、防衛庁にお伺いしたいのでありますけれども、このナイキの基地設置について、いままでやってきたところの経緯について、ひとつ説明を願いたいと思います。
  46. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 三次防におけるナイキの設置の問題でございますが、まず三次防では、一次防で第一ナイキ、二次防で第二ナイキ、三次防では第三ナイキとして、北海道地区に、道央地区にこのナイキ基地を設置するということで、今回のいわゆる中京、京阪神地区を一体とします候補地としては、第四ナイキということで計画をいたしておるわけでございます。  第四ナイキにつきましては、昨年四月、この第四ナイキの実際の設置の考え方と申しますか、いろいろ庁内での一応の検討を終えまして、そして昨年の秋以来、岐阜県の各務原市にございます岐阜飛行場地区に司令部を持つ一個中隊、それから滋賀県高島郡安曇川町に一個中隊、それから三重県一志郡白山町に一個中隊、それから大阪府豊能郡能勢町に一個中隊ということを一応候補地として選定をいたしまして、その能勢町につきましては、大体五月の中ごろからいわゆるナイキ施設の設置に関します技術的な検討、それからいわば地主の御意向といったような面を調査中でございます。ところが、お話のような六月二十二日に至りまして新聞にこの件が報道されました。直ちに関係の能勢町御当局のほうにもそのお話をいたしたわけでございますが、やはり調査の段階で明らかになったというようなことで、われわれとしてはもう少し慎重な配慮でやるべきであったというふうには考えております。  大体以上であります。
  47. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、さらにお伺いいたしますが、五月ごろから三次防に基づく第四ナイキでありますか、この設置について内定をした、庁内できまった。それから引き続いて地主並びに技術的な調査を始めた。そういうことが先行しないできまったというふうに、われわれいまの報告では承知するわけなんです。それはむしろ逆でなかろうかというふうに私は判断します。しかも突如として新聞でもって当事者、地方団体責任者が初めて知ったというようなやり方は、こういった問題を処理していく防衛庁のたてまえとしては非常に不謹慎じゃなかろうか。だから、青天のへきれきのごとく彼らは驚いててんやわんややっておる、こういうようなことであります。いま、非常に残念だと言われますが、そんなことはわかり切ったことであって、初めからそのくらいの配慮がなくてはこういった問題の解決はなかなかできないのじゃないかと私は思う。その点についてはよく注意してもらいたいが、一体だれがその調査をやったのですか、これをちょっと伺っておきたい。
  48. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 先ほど申しました技術的調査につきましては、航空自衛隊のいわゆる航空幕僚監部の系統の制服の者がいたします。それから地主等の意向の調査につきましては、防衛施設庁の出先機関であります防衛施設局がやっております。
  49. 阪上安太郎

    ○阪上委員 その防衛施設局の者が現地で語っておるところによると、これはまだ本ぎまりじゃない、本ぎまりじゃないけれども、われわれは予備調査をやっておるのだというようなことを言っておるのでありますが、あなたのおことばを聞くと、きまっておって、さらにそれに伴う調査をやっているように聞こえるのですが、どっちですか。
  50. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 それは通常設置個所を選定いたしますにあたっては、ある程度私どものほうとしては複数の個所というものを一応頭上に描きまして、そうしてそれぞれ防衛関係の専門家、それからいわゆる取得の難易につきましては、局のほうのいろいろな情報というふうなものを総合いたしまして、だんだんと一つにしぼっていく。この能勢町につきましては、そうしたある程度一つにしぼられていくような過程でもってこれが出たということでございます。
  51. 阪上安太郎

    ○阪上委員 この第四ナイキの設置について他の場所でも行なわれておると思うのでありますが、その辺の住民あるいは地方公共団体の出方、これはどうなっておるのですか。
  52. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 現在、六月の二十六日に地元能勢町当局では町議会で反対の決議がなされ、それから明けて七月の十日には大阪府の議会の全員協議会でもって能勢町の反対決議を支持するというふうな意味の決議が行なわれております。これは正式の議会ではございませんが。それから一方、新聞等で承るところでは、京都府の園部町あるいは亀岡市あるいは京都府の当局のほうでもそうした反対意思の表明が行なわれておるやに伺っております。  以上であります。
  53. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私の承知するところでは、いまあなたがおっしゃっておること以外に、京都府の定例部長会で反対決議をやった。それから京都府の船井郡の六つの町長の構成するところの郡町長会、これが反対の申し入れをしておる。それから大阪府議会の全員協議会、これがやはり同じように能勢町の決議を支持するという議決をしておる。それから京都府議会は反対決議をしておる。それから大阪府の茨木市の議会、これも反対決議をしておる。それから京都府の船井郡の議長会、これが反対の申し合わせをしておる。兵庫県の多紀町、ここでは説明会をしようとしたあなた方の側に対して、その説明会を中止しておる。それから大阪府の高槻市議会が反対決議をしておる。それから先ほどあなたのおっしゃった能勢町の議会は、協議会で反対決議をしておるのではなくて、議会を正式に開いて、そこでもって反対決議をしておる、こういう情勢であります。  そこで、このようにして能勢町をめぐる周辺の地方公共団体があげて一斉に反対決議をしておる、あるいは協議会等において反対の意思を表明しておる、こういう事態。  これについて私はひとつこの際自治大臣に伺いたいと思うのでありますが、いままでこの種の問題についていろいろと全本土にわたって問題を起こしておるのでありますけれども、このように当該町村とそれからその周辺の地方公共団体あるいはそれを含めたところの府県会というようなものが反対決議をやっておるというこの事態に対して、自治省としてこれをどのように受け取っておられるか、この点をまずお聞きしたいと思うのであります。大臣、いかがです。
  54. 秋田大助

    秋田国務大臣 ただいまお話しのような問題につきましては、地域住民の意思を十分尊重いたしまして措置をすることが望ましいし、また、実際上それでなければ、いかに強行しようとしてもできるものではありませんので、ぜひそういう気持ちで、そういう措置のもとに問題を解決したい、あくまでも地方住民の意思を尊重してまいりたいと考えるわけでございます。
  55. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私が期待したような秋田大臣からの御答弁をいただいたんだけれども、そこで防衛庁に伺います。  自治大臣は、あのような地方自治の本旨、いわゆる住民自治というものに対してこれを非常に尊重された発言をされたように私は思う。この場合防衛庁は、なるほどいままでこの種の問題で問題を起こし、いろいろともんちゃくがあって、解決された向きもあるが、それらのところはほとんどが当該地方公共団体が反対の決議をやっていない、そういった情勢の中であなた方は防衛施設の設置をやってこられたのでありますけれども、いま言ったような、こういう関係するすべての団体が反対決議をやったような情勢の中で、防衛庁としてはどう対処するつもりか、これをひとつ伺いたい。
  56. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 いま大臣から言われましたように、私のほうも地元の住民の方の御意思を十分尊重して、このナイキがいわれるごとく非常に危険な性格を持っていないということについて、従来ややともすれば私どものそういう面の材料と申しますか、PRと申しますか、そういった面で不足しておった面も十分反省をいたしまして、今後そうした反対の意思の表明というものにつきましては、私どもの真意をよく御理解いただくように努力をいたしまして、なお、そうした面の住民の御意思尊重というものの考え方に立ちまして進めてまいりたい、こういう考えでございます。
  57. 阪上安太郎

    ○阪上委員 どうも防衛庁の考え方は少しおかしいと私は思う。いま言ったように、具体的に地方公共団体の意思というものが明確になり、しかもその背後には、主として団体意思を執行していくのは、これはおそらく長であろうと思う。同時に住民の意思というものを反映しておる場所というのは、やはりそれぞれの地方議会ではなかろうかと思う。この二つながらが反対をしているというこのことについて、なお今後ナイキが危険でないというような説明をし、それを説得することによってこの問題を片づけていこう、あるいは防衛庁の趣旨を貫徹しようとする考え方自体が大きな誤謬をおかしておるのではないかと私は思うのですが、そういうところにあなた方の地方自治というものに対するところの考え方というものがあまりにも軽佻なものがあるんじゃなかろうかと私は思うのであります。ここまで明白になっておるものに対して、なおこれを説得しようというような考え方、これは誤りじゃなかろうかと思う。  ことにあなたはいま、ナイキが危険なものでないという説得をすると言っておる。なるほど先ほど私が申し上げたような地方公共団体の決議、意思決定の中には、ナイキは危険であるというものの考え方から反対している向きもある。けれども、当該市町村の能勢町の考え方というものはそういうものの考え方に立っていない。それはあなた方ちっとも勉強していない。ここにあるのは、この能勢地域というものは大阪府民のいこいの場所である。そうして緑と自然の環境を保持しながら、これをひとつ大阪府民のいこいの場所として将来開発していきたいのだ。そこへナイキというようなものが入ってくるということは、そういった開発に、あるいは開発目的にとって非常に支障を来たすのだ。ここは少なくとも近畿圏整備法に基づくところの保全地域として指定されておる場所であるというような観点から、土地利用というようなものの考え方から反対をしている態度が非常に強いのであります。したがって、ただ単にナイキが危険であるとか、それを発射したときに起こるところのいろいろな危険を予想して反対している向きばかりでなく、もっと大阪府の総合開発というような観点からこの問題を取り上げて反対しておる。こういったところをもっと防衛庁は真剣に考えてやったらどうか。巷間いわれている、ただ単に危険であるとか、イデオロギーによるところの反対であるとかいうような向きばかりでなく、そういった面を強く彼らは主張しているのだ。これに対してあなたは向こうに行って、そういう主張をして反対しているのに、いやナイキは危険ではありませんよなんと言って歩いたって、くその役にも立たぬ。もっと国土開発の面から大きくこういった問題は調和をはかっていかなければならぬ問題じゃないですか。この点についてあなたの感想を伺いたい。
  58. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 防衛施設の設置にあたりましては、やはり地元のいろいろな利害の面とあつれきを生ずる場合が確かにございます。その点につきましては、私どものほうも防衛施設周辺整備というふうなものの考え方にも立ちまして、そうした総合開発というふうなものを町なり関係地方団体のほうで御計画になっておるならば、そういう面との調和、調整、共存共栄と申しますか、そういう面の道をいろいろと探りながらやっていくということは、さっきは述べておりませんでしたが、そういうこともあわせて考えてまいりたいと思っております。
  59. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこでお伺いしますが、今後そういうことを考えてどうするというのですか。あきらめるというのですか、あきらめぬというのですか、そこのところをもうちょっと。
  60. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 三次防における第四ナイキ計画につきましては、やはり私どもとしては計画をいたしまして、逐次設置を進めていくという考え方には変わりございません。そういう面での努力はいたしたいと思っております。
  61. 阪上安太郎

    ○阪上委員 どうしても地方公共団体が了承しない、住民はもちろん反対であるという段階に煮詰まったときに、防衛庁は強権を発動して土地収用法等によってこれを収用する考え方があるわけなんですか。
  62. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 当面土地収用等の手段をとることは考えておりません。
  63. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ですから、当面じゃなくして、いま言ったように、もう非常に地元住民の意思なり関係住民の意思なりは明確に出ているわけです。それに対して当面やる意思はないということは、最終的にはやるという意思ですね。
  64. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 なお今後御理解をいただくように努力をするという意味でございます。
  65. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ちょっと自治省にお伺いしますが、どうでしょうか。自治法というもの、これに基づく議決をやっておるという、この議決に対して、防衛庁設置法という法律との関係で、一体どちらに優先権があるんですか、これをひとつ伺いたいと思います。
  66. 宮澤弘

    宮澤説明員 あるいは御質問の趣旨を十分理解をしていないかもしれないのでございますが、自治法によります議決、防衛庁が防衛施設をつくりますこと自身、これはどちらが優先するしないは法律上の問題ではないと思います。しかし、先ほど来大臣が申し上げておりますように、国の防衛作業ということももちろん必要でございますけれども地域住民の納得と理解の上に防衛作業が実施されるということが現時点においては最も望ましい形であるわけでありまして、私どもといたしましては、やはり地域住民の理解ということが前提になっていろいろなことが行なわれなければいけない、こういうふうに考えております。
  67. 阪上安太郎

    ○阪上委員 さらに、ついでに宮澤さんに伺いたいのですが、自治権の問題なんです。この自治権というものについてどういうふうに考えておられるかということなのであります。自治法というものはいわば憲法の付属法典である、こういうふうにいわれておるわけであります。裁判所法あるいは国会法、これなどとともに憲法の付属法典だといわれている。なるほど法律それ自体に具体的なものを持ってこない限りにおいて優劣は論じられないと私も思いますけれども法律以前の問題として考えた場合に、そういうことが言えると私は思うのであります。地方自治の基本法であるこれと防衛庁の設置法をてんびんにかけて考えるという場合に、私は、やはり憲法が法に優先するがごとく、付属法典である自治法というものはそういった優先性を持っているのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、ひとつ見解を伺いたいと思います。
  68. 宮澤弘

    宮澤説明員 法律的に申しますと、私は優先するしないという議論はなかろうかと思いますけれども、おっしゃいますように、自治法は憲法の付属法典でございますし、地域住民の意思をもとにして国、地方を通ずる行政をやっていくということが、まさに日本の憲法的秩序でございますから、そういう意味合いにおきましては、地域住民の意向ということが最も基本に考えらるべきものだ、こういうふうに思います。
  69. 阪上安太郎

    ○阪上委員 これは釈迦に説法でありましょうけれども、自治法が制定されたいきさつを考えていくときに、自治法は憲法の委任を受けてつくられた基本法でありますとともに、その自治法全体を通じた発想というものは、旧憲法下におけるところの地方自治と対比して、やはり国の権力的な関与というものをできる限り排除したいという立場に立ってこの法律ができた、私はこう解釈しております。したがって、国と地方の関係においては非権力的な国の関与というものは当然認められていいでありましょう、アドバイスも必要でありましょう、協力も必要でありましょう。けれども、権力的な関与というものはできるだけ排除すべきでなかろうか。そういう立場から、一つの権力であるところの防衛庁と地方公共団体というものを考えた場合に、国が権力的な関与をするということについてはできる限りやはり押えていかなければならぬ、そういう立場にあるのではなかろうかと私は思うのであります。こういったことを考えたときに、法以前の優劣問題としてもっともっと地方自治法というものは尊重され、国の権力関与をできるだけ排除していくという立場をとるべきであり、それを擁護すべき考え方というものがなければならぬと思います。いまさら憲法九十一条を引っぱり出す必要もなかろうと私は思いますが、どうでしょう、その点。もう少しき然たる態度でこういった問題に対処されることが私は必要ではなかろうかと思うのであります。その見解をひとつ大臣から伺っておきたいと思います。
  70. 秋田大助

    秋田国務大臣 なかなかむずかしい、かつデリケートな問題であろうと思います。法律的には、私、浅学非才でまことに申しわけございませんが、宮澤君がいま申しましたとおり、防衛庁設置法その他と地方自治法との関係、これは並列的な関係にあって、法理論上これをもって優位とする——なるほど憲法付属の法典である性格は持っておりますけれども、優位性ということにつきましては、同位性に解釈をすべきものではなかろうかと存じておりますが、しかし、実際上の運用につきましては、地方自治立場を守る意味におきまして、住民の意思を尊重されて、その納得と理解のもとに国の施策は行なわるべきものであろうと存じます。しかし、この際に、国がなすことは権力的であって、すべて悪であるというきめつけもまたどうかと思うのでございます。そのところは、先ほども申しましたとおり、並列的な関係にはありますけれども、国政運用、地方自治運用の実際におきましては、あくまでも地方住民の意思を十分尊重しながら行なわるべきもの、こういうふうに私は心得ております。
  71. 阪上安太郎

    ○阪上委員 大臣、浅学非才などと言われますけれども、私はそうは信じません。言うまでもなく、防衛庁の事務というようなものは行政であります。行政は三権分立のたてまえから内閣に所属するものであります。しかし、この行政権というものは立法権とかあるいは司法権というものと違った形で憲法上明文化されておる。たとえば立法権の主体である国会、これはもう私が言うまでもなく、唯一の、最高の機関であります。裁判所につきましても、これはすべての裁判という形で表現されているわけでありますが、内閣の行政権についてはそういった立場は与えられていない。したがって、内閣がやってもいいし、地方公共団体がやってもいいし、特定の私人がこれをやっても差しつかえないという形で憲法はこれを保障しているわけであります。そういう観点からものを考えていったときには、何かその行政権の執行の内容規定したところの関係法律と、いま言った地方自治法というようなものを並列に考える考え方自体がおかしいのじゃないか。そういう意味で、私は優位優位ということばを先ほどから使っておるわけなんであります。住民意思を尊重しなければならぬという地方自治の本旨、しかし、その中にも団体意思もやはり尊重しなければならぬということでなかろうかと思うのでありまして、そうなると、ああいった議決というようなものを簡単に考えてしまってこれを処理するという考え方か少し——在来から政府が持っておる考え方であるかと思いますけれども、何か国がそういった面で、地方自治権などというものは国の統治権に由来するところのものであるがゆえに、権力的な関与をやったって何も差しつかえないんだというようなところで、どうも一般にそういうふうに安易に考えられている。いま起こっているこの問題などは、私はそうじゃないかと思うのです。防衛庁などにいたしましても、何か地方自治権というようなものについて幾らか、おれは国の機関であるからというようなところから、非常にこれを軽視する向きがあるんじゃないかと私は思うのであります。そういうことがあっちゃならぬ、こういうふうに思うわけであります。これらの点について、十二分に将来ひとつ運用していただきたいと私は思います。  最後に、防衛庁に伺います。この間、あなたのところの防衛政務次官でありますか、大阪へ行ってこの問題について何か発言をされておる。万博が終わるまでひとつ黙っていたいと思っておったんだけれどもというような不謹慎な発言をしておるようでありますが、これは大阪府の議会で協議会を持ってこの問題を論議したときの議事録に載っておる。言ったということを、知事に対して議員が問い詰めておる。防衛庁ではやはりそういう考えで、万博が終わるまではひとつ静かにしておきたい、万博が終わったら脱兎のごとくこの問題を処理するんだ、こういう考え方を依然として持っているのですか、どうでしょう。
  72. 蔭山昭二

    ○蔭山説明員 私どもといたしましては、こうした問題を考えます場合に、やはりいろいろ周囲の状況なり何なりというものは一応考慮に入れるわけでございます。しかし、そういうものがあるからといって、私ども計画についていろいろ具体的な配慮を加える。その結果、それが終わるまで待って、終わったらやるというふうな考え方はとっておりません。
  73. 阪上安太郎

    ○阪上委員 ひとつそういう考え方でこの問題に対処していただきたい。  以上をもって私の質問を終わります。
  74. 菅太郎

  75. 細谷治嘉

    細谷委員 二点ばかりお尋ねしたいのですが、七月の二十日の日に地方公務員給与問題研究会報告書、こういうものが自治大臣に出されております。これを読んでみますと、いろいろと問題点があるわけでありますが、新聞等によりますと、二カ年の日時を費やしてでき上がりましたこの報告書を受けて、さらに助教授クラスのメンバーで、地方公務員給与問題専門調査研究会を発足さして来年度中に結果をまとめる、こういうことが報ぜられておるわけでありますが、自治省としてはこの報告書をどう受け取り、どう対処しようとしておるのか、まずお尋ねしておきたいと思います。
  76. 山本明

    山本説明員 お答えいたします。  地方公務員給与問題研究会が七月二十日報告になりました。これは設立の当初からもいろいろな問題があったわけでございますけれども、性格といたしましては、研究会あるいは勉強会というような性格のものでございまして、一般にいうところの審議会というものではないということで、自由に給与の専門家に御議論いただきまして、それをまとめて、そうして一つ方向づけというものが出てまいった、このように承知しておるわけでございます。しかし、方向づけなりはいたしましたけれども、すなわち現在の地方公務員の給与が国家公務員に準ずるというたてまえ、あるいはこれを指導しておるその指導は変更する必要はない。ただ、準ずる幅だとか、準じ方だとか、非常に具体的な問題が出てまいりますので、さらにこの問題を具体的に詰めていく専門委員会をつくったらどうであろうかという御意見でございます。  われわれといたしましては、この研究会の方向に従いまして、さらに専門の調査会をつくっていただきまして、これは助教授並びに第一線の、たとえば人事委員会というようなところの専門家の方にお集まり願いまして、具体的に等級制度なり号級なりあるいは専門職の問題等検討を進めていっていただきたい。その結果によりまして、地方公務員の給与問題につきまして一つ自治省指導の態度というものをきめてまいりたい、実はこのように考えておる次第でございます。
  77. 細谷治嘉

    細谷委員 地方公務員の給与というのは国家公務員に準ずる、これが大原則ですね。この調査報告書でも準ずるという大原則を是認しておるわけでございますが、よく読んでみますと、いままたおことばがありましたように、準ずるという原則によって、準ずる幅なり準じ方、こういうようなことが書かれてあります。それからたとえば地域給の幅等を若干弾力的に考慮すべきであるとか、さらに都道府県の一般職員と市町村の職員の給与水準というのは決定する条件というのが違ってよろしいのだ、こういうような内容と受け取れる点が書かれてあります。そうなってまいりますと、たとえば市町村の場合には大都市との距離、そういうものも給与決定の一つの要素にしろ、こういうようなことが書いてありますね。こういうことでありまして、そこを読んでみまして、一体何を言っているのかわからない。準ずる幅だとか準じ方だとか、それから対応がどうのこうのとか、何を言っているのか一つもわからないのですね。これはどういうことなんです。
  78. 山本明

    山本説明員 地方公務員の給与が国家公務員のそれに準ずることとするにつきましては、地方公務員と国家公務員と同じ公務員であるとか、あるいは職務の類似性があるというようなことから、準ずるということについては、従来の自治省指導内容はいいであろう。ただ、先生のおっしゃいましたように、大都市との距離というのは、これはそこで出た先生方の御意見は、たとえば山間部の町村あたりにおきましては、国家公務員に準ずるといっても、その地域で、たとえば農協の職員がおる、これとの均衡をやはり考えなくちゃいかぬではないか、あるいはこの中に、民間の地場賃金との均衡という論もございます。これがはたして山間部のような農村地帯にそういう工場があるだろうか。ないということになりますと、その地域産業との比較ができませんので、そういう問題等を、先ほどおっしゃいましたように、大都市との距離というようなことで御意見が出てまいったわけでございまして、いずれにいたしましても、非常にたくさん、先生方六人ぐらいのいろんな御意見がございまして、その最大公約数的なものが第二の「基本的なあり方」ということに出てまいったわけでございます。  そこで、第三のところにございますように、「地方公務員給与の適正化確保対策についての検討事項」というところは、これはもう各委員方がおっしゃいましたことを併記してくれと——いろんな意見が出ましてまとまらないので、委員さんたちは併記をしてもらいたい。したがって、冒頭に申し上げましたように、これは審議会でもなし、研究勉強会であるから、いろんな御意見をここに出して自治大臣のほうに報告をしよう、さらに、それを具体的にもう少し必要なことは詰めていこう、こういうかっこうでございます。
  79. 細谷治嘉

    細谷委員 いまの説明を聞いても私は少しもわからないのですよ。端的にお聞きしますと、「準ずる」というのは、国家公務員に準ずるわけですね。これは大原則です。これはその原則は認めながら、都道府県の一般職員と市町村の職員との給与の決定のものさしについては少し違えろと書いてあるのですね。それが「幅」なのかあるいは「準じ」なのかわかりませんけれども、まあ非常にわかりにくいものですから、ちょっと聞いたわけです。  それからその次に、級別定数等がなかなかできておらないということを認めておるわけですが、ここに「いわゆるわたりの運用は、」「禁止する必要がある。」こう書いてあるのですね。その次に長長と、「ただ、現在行なわれている」云々といってわたり禁止の前提条件が書かれておる。これは前提条件と解釈してよろしいのですか。
  80. 山本明

    山本説明員 お答えいたします。  委員会といたしましては、いまおっしゃいましたように、わたりというものは禁止する必要がある。ただ、実態的に見ますと、ここにも書いてございますように、職員の等級の態様に適応した標準職務の関係を考えていく。ただ、いまのところは七等級から五等級、四等級と渡っていかずに、職務の等級関係を考えたらどうだろうか。実際はいま国家公務員が八等級を使っておりますのを、地方公務員は七等級を使っております。そういうところからこういう問題が出てくるのではないだろうかというようなことから、あとに書いてありますような問題を踏まえながら、わたりというものを禁止する方法を考えたらどうだろうか。こういう趣旨でございます。
  81. 細谷治嘉

    細谷委員 そういたしますと、「ただ、」と書いて「総合的に講ずる必要がある。」と、こういう条件が前提条件で、簡単にわたりなんていうことは禁止すべきじゃないということをここに主張しているわけなんですね。そう理解してよろしいわけですね。
  82. 山本明

    山本説明員 都道府県におけるわたりの中には、いまおっしゃいましたような問題もあるので、それを総合的に検討して、もっと正常化といいますか、あるいはその職務給的な性格のものといいますか、そういうものに考えてみたらどうだろうか、こういうことでございます。
  83. 細谷治嘉

    細谷委員 その職務給も、簡単には職務給なんという性格は打ち出せぬぞ、こう書いてあるわけですね。ですから、いまおっしゃったこともどうもぴしゃっとわからないということです。そこで、最後のほうに、地方公務員給与基準法、こういうような法律をつくって「同法において給与基準を定め、その範囲内において各地方公共団体が自主的に決定するものとすべきである。」こういうことをいっているわけですね。これはこんな基準法でもつくる御意思はありますか。
  84. 山本明

    山本説明員 印刷物の中には、そういう基準法をつくって、その基準法を基準にして具体的にその地域の民間企業その他と比較しながら準ずる幅を自由にきめたらどうだろうか、こういう御意見でございますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございまして、われわれとしても十分検討をしなくてはならぬ問題ではないだろうか。現在、地方公務員に対しまして全般的に適用する基準法をつくるというのは、実際に作業しますと、なかなか困難な問題であろう、このように考えております。
  85. 細谷治嘉

    細谷委員 地方公共団体が自主的に決定すべきもの、その大原則は国家公務員に準ずる。こういうことでやられてきたわけですね。それに地方公務員の給与基準を国が法律できめてしまう、その範囲内でやれということは、がんじがらめにするということですね。これはやはりたいへん問題があると私は思うのです。ですから、第三者機関を設置してこの給与基準の原案の作成をやれなんて書いてありますけれども、これもたいへん問題があると思うんですよ。  そこで、いろいろ聞きたいことはありますけれども、この二年前にこの調査会が発足するときにも問題があったわけですね。そして新聞の報道では、自治省は、これからまた今度は助教授クラスの調査研究会というのをつくって、そうして来年度中には結論を出す、こういう御意向のようでありますが、そういうことなんですか。これは案外意味ないじゃないですか、いかがですか。
  86. 山本明

    山本説明員 先ほどもお答えいたしましたように、この研究会といたしましては、改善の方向、それから改善策検討の視点、留意すべき問題点というものを一応指摘してございます。そこで具体的には、やはりこれを制度化するについては、さらに専門家の調査によって具体的な問題を取り上げていったらどうだろうかというのが、この委員会の御意見でございまして、われわれといたしましては、この委員会の御意見もございますので、さらに専門的に調査願う委員会をつくって検討を願おう。このように考えております。
  87. 細谷治嘉

    細谷委員 大臣に最後にお尋ねしたいのですが、この二年間の日時を費やして、そして峯村教授を座長にいたしまして、六人の委員の人が何か一向わからない報告書を出しているわけですが、これは金もかかっているんだろうと思うのですよ。これからまた助教授クラスで具体化しようということでありますけれども、私は、大原則はきまって、しかも自治省は毎年地方公務員の給与の実態調査というものをやっておりますね。それに基づいて指遵守しているわけですから、こういう形のものは必要ないのではないか、こう思いますが、いかがですか。
  88. 秋田大助

    秋田国務大臣 調査会をおこしまして、いろいろ問題点を究明していただいて、ただいまいろいろ御質疑中にも非常にわかりにくいデリケートな問題が多々あるということを御指摘なさった。しかし、大原則はもうわかっているんだからいいじゃないか、費用もかかるということも十分わかりますけれども、一応踏み出したものでございますから、専門家のさらに詳細な意見だけは伺ってまとめておきたい、こう存ずる次第でございます。
  89. 細谷治嘉

    細谷委員 時間がありませんから、次の問題に入ります。  きのうの新聞に、大蔵省の考えとして、住民税の減税問題が記事に出ておるわけです。  そこで、私はお尋ねしたいのでありますけれども、この新聞記事を読みますと、大体所得税は標準世帯で百二万円が課税最低限、それから地方税の場合ですと、それと約二十九万円の差がある七十三万円程度になっております。そこで、大蔵省の側としては、来年はもうあまり所得税の減税をやらないで、地方税の減税をやろう、そして課税最低限が所得税も住民税も同じようなものに三年か五年くらいの間に持っていこう、そしてことしの予算委員会でも大蔵大臣が言っておりましたように、徴税費にむだがあるから、ひとつ住民税なんというのは所得税、国税の付加税にしてしまおう、そうすれば徴税費は助かるじゃないか、こういうことが書かれてあるわけでありますけれども、いわゆる所得税と住民税の一元化、これはやはり地方自治の根幹に触れる問題だと私は思うのであります。新聞にも大蔵省の「自治省説得がカギに」こう書いてあるのですが、自治大臣はどうお思いですか、この問題について。
  90. 秋田大助

    秋田国務大臣 ここ両三年住民税の課税最低限引き上げによる税負担の軽減に自治省としてもっとめてまいっておるところでございまして、このことはこのまま続けてまいりたいと思いますが、さらにこれを徴税技術上の合理化から進んで、付加税に持っていこうという点につきましては、これが地方財政上基幹的な税目でもありますし、地方財政、ことに市町村税に及ぼす影響等も考えて、減税とともに、地方財政確立の見地から、付加税的な取り扱いをするということは、私は従来からも賛成をしておりませんし、現にその考えを現在変えておりません。徴税技術上の合理化という点についてはさらに検討余地もありましょうし、またお互いに協力する点もございましょうけれども、これを所得税の付加税として処置していこうという方向にはわれわれは反対でございます。
  91. 細谷治嘉

    細谷委員 所得税の付加税的なものにすることについては、自治大臣としては反対だ、これはまあ地方の独立財源でありますから、自治大臣の考えはわかりました。  そこで、お尋ねしたいのでありますけれども、私は税制調査会が動き出すごとに感ずるわけでありますけれども、地方税というのは、どうも大蔵ベースで進んでいって、自治省というのはただあとについていっているような印象をいつも受けております。今回もそのとおりでございますが、大臣、大蔵省は所得税と住民税の課税最低限は三年か五年間で一つにしたい、こう言っております。この考えは従来の考えと違っておると私は思うのですね。  それからもう一つ、来年度は住民税の課税最低限は所得税の課税最低限に近づけるということについては、大臣、もう異議ないと思うのですが、一体どのくらいとお考になっているのですか。この二点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
  92. 秋田大助

    秋田国務大臣 課税最低限をだんだん引き上げていくことについては異議はございません。しかしながら、それを所得税のそれと一致せしめる点等につきましては、地方財政全般に及ぼす影響というものを過程におきまして十分考慮してまいらなければならないので、そういう点につきましては、政府機関である税調等にもはかりまして、それらの議論を待って慎重に検討、処置をすべきものと考えております。
  93. 細谷治嘉

    細谷委員 いま来年度も住民税の課税最低限の引き上げはやられるおつもりのようでありますが、ただどの程度かというめどをお答えいただけなかったのをたいへん残念に思います。  次に、お尋ねいたしますけれども自治省では十兆三千五百億という第六次の道路計画について、道路財源がいま地方団体でたいへん問題になっております。「地方財政」の八月号というものをちょっと拝見いたしますと、行政投資は四十三年度四兆円をこえておるわけでありますけれども、その内容を見ますと、財源構成は、けっこう行政投資は伸びていっておりますけれども、国の負担率というものは下がっておるのですね。構成割合は都道府県や市町村の負担率が上がってきている。行政投資の問題も、どうも過密・過疎を一そう促進するような行政投資のあり方だと思っておりますけれども、問題はやはり第六次の道路財源、いまの負担よりも何倍にもなるわけですね。たいへんな大きな問題だと私は思うのです。これについて、道路財源等について来年は一万円くらい引き上げるのだ、こういうふうな自治省のお考えがあるやにも伺っておるのでありますが、この点いかがですか。
  94. 降矢敬義

    ○降矢説明員 第六次の道路整備の五カ年計画におきましては、御指摘のように、市町村中心とした単独事業の伸びが約二倍程度になるわけでございます。そこで、これをまかなうにつきまして、やはり相当の目的財源を必要とするという考え方でございますが、先ほど御指摘がございましたような考え方は、そういうような市町村中心に道路の目的財源を相当高めるという考え方をとりますと、たとえば、いま御指摘がございましたように、かりに自動車一台一万円程度ということであれば、約七千五百億くらい五カ年で埋めるであろう。そうすることによって、市町村の道路の整備に要する財源のうち、特定財源として使えるものを相当の比率として確保できるというような案を前に考えたことがあるわけでございます。いずれにいたしましても、道路財源は、市町村の道路の整備中心にいたしまして、相当高めなければならぬ。それにはいろいろな考え方があるわけでございまして、まだ確定としてやることをきめたわけではございませんけれども、一応そんなことも考えとして発表したことがある程度でございます。
  95. 細谷治嘉

    細谷委員 大臣、これは常に問題になっている大きな問題でありまして、十兆三千五百億という第六次の道路計画、その主力というものは、地方道の改築、舗装にあるわけですね。そして自治省財政局のほうでは、今後長期計画的な財政計画を進めていくのだ、こう言っておりますと、その条件を整えるには、重要な一つとして道路財源を与えてやらなければいかぬ。しかも今日道路財源では、市町村の道路財源というものが大きな問題であろうと思うのですが、この点についてひとつ十分な検討をお願いしておきたい、こう思います。  それからもう一つお尋ねしたいのでありますが、これも新聞等で拝見しているのでありますが、国民健康保険税の頭打ちについて御検討なさっていらっしゃいますか。
  96. 降矢敬義

    ○降矢説明員 御指摘の国民健康保険税の課税の限度額五万円というのは、ずいぶん前にきめられたままになっております。御案内のとおり、所得が伸びてまいりまして、だんだん具体の町村におきましては五万円をオーバーして頭切れになる人がふえてまいってきております。そこで、この保険料の場合においては、頭打ちの規定がございませんので、七万円とか八万円とかいうことでありまして、結局、国民健康保険税の場合に頭を切られたその額は、やはりまた他の負担納税世帯のほうにかぶってまいります。したがいまして、この際多少この五万円の限度を引き上げたらどうかということについて、市町村の実態をもう少し調べまして、そしてこれについての一つのめどを立てたいという気持ちを持っておりまして、厚生省とも連絡をしながら市町村の実態はどうなっておるのか、かなり個別的には陳情等をわれわれ受けておりますけれども、全体としてどうなっておるのかということをもう少し調べました上で、この問題にめどをつけたい、こう考えております。
  97. 細谷治嘉

    細谷委員 所得税がずいぶん重い、それよりも住民税が重い、それよりも国民健康保険税が重い、こういう実態であることは申すまでもありません。それだけに、この国民健康保険税のたいへんな負担、しかも現在の課税の体系、これについては検討すべき多くの問題点があるのではないかと私はこう思っております。ひとつぜひ御検討をいただきたい、こう思っております。  それから次に、問題提起だけで、最後でありますが、農地の買い上げについてワク外債を設けることになりましたね。ところが、ことしはギャンブルの利益を少しピンはねして公営企業金融公庫の利子を下げようとしたけれども、公募債等の条件が悪くなったために、資金コストは逆に高くなっちゃった。縁故債でまたワク外で一〇〇%充当する、こういうことになっておるわけですけれども、こういう問題についての財政措置なんというのは、一向ないようでありますけれども、どうお考えなんですか、これは。大体地方債計画なんというのは、毎年毎年のことでありますけれども、あってなきがごとし、こういうような形になっておるわけですが、今度は縁故債等の利子というのは大体四厘くらい上げてくれということで、地元ではみんな突き上げを食っているわけですね。ですから、予想以上のこれは利子負担であるということになるんではないかと私は思うのです。この辺についてひとつ伺っておきたいと思います。
  98. 長野士郎

    ○長野説明員 起債につきましては条件改定が行なわれたわけでございますが、これは昨年来企業の社債につきまして条件改定の話が出てまいっております。それから、ことしの四月になりまして政保債その他の条件改定ということがあったわけであります。それで、大体いままで公庫の関係で言いますと、七分三厘というのが大体公庫の貸し付け利率であったわけでありますけれども、大体それがほかのいろいろな条件改定とにらみ合わせて考えてみますと、約三厘くらい上がり七分六厘くらいになるだろうということが予想されております。  それでありますから、先ほど御指摘がありましたいわゆるギャンブルの収益の均てん化の問題でありますが、この点につきましては、当初はそのギャンブルの納付金を用いまして、平均三厘下げるというようなことで、地方財政法等の一部改正の当時御説明申し上げたわけでありますけれども、非常に状況が変わりましたので、そこで主として公共料金に非常に影響するような、特に住民生活に直接するようなものを中心にしてというようなことで、上下水道、工業用水道などのものに集中して、いわゆる均てん化の納付金の利下げの作用を働かせたい、そういうことによりまして、その三つの水道につきましては、七分三厘を六分七厘まで下げていく、六厘下げるということで集中をさして、ことしはやってまいりたい。  ただ、その後におきまして、納付金の納付の状況もございますが、私どもはさらに広げられれば広げまして、貸し付け金利が全体として高くなってまいりますけれども、いわゆる公共料金関係に響きますようなものにつきましては、なるべく均てん化の実がそこにいい影響を与えるようにいたしてまいりたい、このようなことで考えておるわけであります。  それから水田買い上げの話でございますが、水田買い上げにつきましては、いまの全体の国策との調整がいろいろありましたが、とにかく先行取得の意味を含めて、非常に具体的じゃありませんけれども、将来必ず、そういうところの地域の水田を買い上げておくことが、公共用地あるいは公用地に利用できるという見込みのあるものについて、この際水田買い上げということも考えられるので、そういうことで先行取得、広い意味の先行取得を進めていくということにいたしておるわけであります。  これにつきましては、財政措置をどうしたかというお話でございますが、これはそういう意味の先行取得でありまして、その意味で、その資金は、もちろんお話のように、縁故債であります。  したがいまして、いわゆる条件改定がありましたが、相当高くなりはしないかという御心配があると思います。私どももそのことは多少心配しておりますけれども、そういうことで、見込みのあるところを買っていくということであれば、先行取得というものは、多少の金利が上がりましても、なお先行取得したほうが、将来の建設、整備をいたしますために、非常に得策であるというようなところについて、まず水田買い上げという方法でやっていくということと、両方目的を達していけるのじゃないか、こう考えております。
  99. 細谷治嘉

    細谷委員 公募債のために縁故債が圧迫を受けている。で、条件が悪くなった。私どもが六十三国会で地方財政計画を、審議する場合には、ことしは十分じゃないけれども、資金コストを少し下げるぞ、質のいい地方債だ、こう言っておったら、条件が改定されたために、全部去年よりも資金コストが上がっちゃったわけですね。あなたのほうで出している「地方財政」の八月号の八三ページを見ますと、一般会計債も上がった、準公営企業債も上がった、公営企業債も上がった、特別地方債も上がったということで、全部上がっちゃっているわけですね。こういう点であるところへ持ってきまして、今度のそういう政府のしりぬぐい、食管問題のしりぬぐいのために、縁故債等は各地方ともかなりふえそうである。そういう需要はふえていく、しかも市場はそうじゃない。こういうようなことで、七・三%というのが七・七%ぐらい、現に〇・四%ぐらいは上げてくれということは全部来ているわけですね。問題があろうと思うのです。大臣、時間がありませんから、こういうことでありますので、何らかの財政措置をやらなければ、国のしりぬぐいというものをこういう形で地方に押しつけるということはよろしくないのじゃないか、私はこう思うのでありますが、いかがですか。
  100. 秋田大助

    秋田国務大臣 お答え申し上げます。  細谷先生御指摘のような点も十分考慮しなければならないと思いますが、何ぶんにも土地の高騰の情勢でありますから、かつ公共用地を先行取得しておかなければならない情勢も熾烈なものがございます。この間の事情を考慮いたしまして、あのような措置をとっておりますので、現在のところ、やむを得ざる措置であると思いますが、今後の要請に応じまして、御指摘のように、財政措置をとらざるを得ないというような情勢が現出しますれば、その場合には考慮いたしたいと思っておりますけれども現状におきましては、まず妥当な措置であろう、このように考えておる次第でございます。
  101. 細谷治嘉

    細谷委員 現在において妥当な措置であるということでありますが、それは起債はよろしいでしょうけれども、金利負担というのが予想を上回っているわけですね。ですから、しかも十一万八千ヘクタールというのは、ひょうたんからこまが出たように地方団体に押しつけられたいきさつがあります。こういうものでありますから、その金利補給等について適当な財政措置はしかるべきではないかと私は思います。これをひとつ強く要望して、予算の補正段階においては、この措置が具体的になされるように大臣に要請して、私の質問を終わっておきます。
  102. 菅太郎

    菅委員長 華山親義君。——予定の時間がだいぶ延びましたので、なるべく簡潔にお願いいたします。
  103. 華山親義

    華山委員 では、ひとつ簡潔にお答え願いたいのですが、ちょっと伺いますけれども、過日、種痘の予防接種のことで三百五十万でしたか、そういうふうなことで、損害を受けられた方にお見舞いをするというふうなことがきまりましたけれども、その半額ですか、それは地方で持つのだということになっているように聞きますが、そのとおりでございますか。
  104. 長野士郎

    ○長野説明員 この予防接種の関係についてお答えしたいと思いますが、予防接種の関係の見舞い金というようなことだそうでございますけれども、そういうものにつきましての応急的な措置、つまり私どもが厚生省当局から聞いておりますところでは、現在の法制にはそういう制度がない。また同時に、現在の——これは間違いかもしれませんけれども、私どもの受け取りました印象では、予防接種というものは決して国に責任がない。しかしながら、現状においてということで、過去にある程度さかのぼりながら見舞い金をお出しいたしたい、こういうようなことでございまして、それは予防接種法の体系には全然ないことだが、ひとつ国、地方が一つになってそういう見舞い金を出したいからというようなお話がございました。かれこれいろいろないきさつがございましたけれども、結論的には、いま御指摘がございましたとおり、最高たしか三百三十万円でございましたか、それに対して国半分、府県四分の一、市町村四分の一というような形で見舞い金を出すというようなことに一応きまっておるわけでございます。
  105. 華山親義

    華山委員 予防接種のための法律上の負担は法律できめてありますけれども、この問題は、どこが責任があるとかなんとかいう問題ではないにしても、地方では何の責任もないではありませんか。原因は何にあるのかわからないけれども、とにかく一番初めの種苗というか、そういうことにあったのではないかというふうにも考えられるのであって、全面的にもし責任があるとするならば、これは国の責任だ。実施したのは国からの委任事務になるかもしれませんけれども、何の責任もない地方団体に対してそれを負担させるというふうなことは非常に悪いことじゃないか。こういうふうな前例が、何ら法令の根拠もない、理屈もないことで地方に分担させる結果になるのじゃないか。いろいろいきさつがあったと言われますけれども自治省は一応抵抗したんですか。
  106. 長野士郎

    ○長野説明員 予防接種について御指摘のような考え方はもちろんあるわけであります。現在は、御承知のとおり、国三分の一、県三分の一、市町村三分の一ということで予防接種の負担をしておるわけです。今度の措置の中には、いわゆる種痘のように義務的に国民に強制をしておるような予防接種と、そのほかにいろいろな、ジフテリアでございますとか、百日ぜきでありましたか、そういうふうな中で必ずしも強制してないものでも、衛生当局の措置あるいは市町村当局の措置によってしましたもの、そこでそういう事故が起きましたことにつきましても、同じように見舞い金を出したいというようなことでありまして、これは、ですから、単なる予防接種法の体系の中だということになりますと、逆に国三分の一、府県三分の一、市町村三分の一でいいじゃないかという議論もあり得るわけであります。しかしながら、私どもは、この問題はやはり予防接種法の体系の外の問題ということについては関係当局とも一応合意をしております。したがって、それをどういう形で見舞い金というものを出すかという問題であります。これについてはいろいろな意見が出てまいります。私どもは、国が全額という考え方が当然あるべきだということも、議論の過程ではいろいろやっておりましたが、時間が切迫するというような問題もいろいろあったようでございます。結局そういうことで、どういう形でも出し得る、したがって、ここのところは暫定的にことし限りの特別な措置だというようなことで、それじゃというようなことになった結果が、国二分の一、府県四分の一、市町村四分の一、こういうことに相なった次第でございます。
  107. 華山親義

    華山委員 そういうふうに、いろいろな国の事務について、国の当然やるべきだと思われるようなことについて市町村や府県に、地方に持たせるというふうなことをやすやすと自治省側が引き受けられるということは、私は非常に危険だと思う。現に、それとは直接の関係がないでしょうけれども、今度は赤字路線の赤字の地方負担という問題が出ているわけです。このことにつきまして、いろいろ運輸省からもお話しがあったと思いますが、自治省はどうお考えになりますか。当然にやるべきことだとお考えになりますか。これは地方で持つような性格のものでないというふうにお考えになりますか。
  108. 秋田大助

    秋田国務大臣 先ほどの種痘の問題でございますが、局長非常に遠慮をされて答弁をされたので、決してやすやすと引き受けたわけではございません。その点は御了承を願いたいと思います。今後、自治省として、主張すべきことは主張してまいりたい。現に、この問題につきましても、閣議におきましては、私は発言を求めまして、将来、この問題を措置する場合に、十分国の責任という点について考慮をされた措置をされたき旨を希望しておいたわけでございます。  さらに、国鉄の赤字の問題につきまして、これが地方公共団体に赤字補てんについて引き受けてもらいたいというような措置につきましては、もちろん賛成をいたしかねるところでございまして、鉄道自体は全国的規模において考えるもの、また、今日、国鉄の赤字の原因は、地方自治団体の責任範囲以外のところにその原因もございます。また、地方団体がいろいろ他の団体に寄付することは望ましいことでもございませんし、しかしながら、いろいろ国鉄のためには処置をした点も過去にはございますし、また、赤字路線のある場所は、大体において過疎地域でございます。それらに対する措置をこそいますれ、国鉄の赤字を引き受けるということは、その効果を減殺し、かつ皆無にし、またマイナスを生ずるおそれなしといたしませんので、理論上から申しまして、また、その他のただいま申しましたような理由からも、国鉄の赤字は、国家的な見地において検討さるべき問題ではなかろうかということを考えておる次第でございます。
  109. 華山親義

    華山委員 これ以上は、私、申しませんが、いま大臣の言われた方針で、さらに貫いていただきたいと思います。おっしゃるとおり、先ほどの出たところによりましても、約一千億円のものを、これを国と地方と国鉄で持つというのでございますから、いろいろな案もございましょうけれども、とにかく、私は、その後の赤字も増しておりますけれども、その一千億円という推定は、もう四十三年度でございます。私は、おそらく地方の負担というものが三百億円をこすのじゃないか。そういう重要な問題でもありますし、いま大臣のおっしゃられたものの考え方で、ひとつこういうふうなことが地方財政に持ち込まれないように希望をいたしておきます。たいへん私の申し上げることに御同情くだすって、意を強くしておりますから、大臣、頼みます。  それから、実は、私の県で恐縮でございますが、私の県に最上川というところがございまして、その最上川で、渡船が転覆したために、学校の二人の先生が殉職したという事件があります。事の経緯は、最上川をはさんだ村でございますけれども、非常に貧弱な分校が本校の対岸にある。それで、そこに先生が二人おられまして、そして運動会の合同練習のために子供を渡船に乗せて本校に来たわけです。その帰りのことでございますけれども、三時ごろに、渡船のエンジンから火を発した。それで両先生も、八人の子供を連れていたのでございますが、これを消そうとした。そのうちに、エンジンの力がなくなりましたので、船頭さんは、あわてたのかどうか知りませんけれども、とにかく船が押し流されるのをとめようと思って、いかりを投げた。ちょうど雪解けの水の多いときなものですから、そのいかりが底に届かない。そのいかりを投げたはずみで船が転覆したわけです。それで、この船には八人の生徒が乗っていたわけでありますが、子供用の救命胴衣があったけれども、一人分が足りないわけです。それで先生たちは、とにかくばらばらになっていちゃたいへんだから、みんな集まれというわけで、集めて、そうして一人の救命胴衣を持たない子供は、七人のその浮力といいますか、そういうことでその仲間に入れて、そうしてまとめておけば救助しやすいだろうということでやったわけです。ちょうどそれを岸で見ていた人がございまして、船で救助にきてくれた。それで幸いに、まとまっていた関係もありますし、子供さん方は助かった、船頭も助かった。けれども、この先生方は押し流されたということであります。非常に水の多いところでございましたから、死体の発見までに相当な時日を要したわけであります。  これにつきまして、いろいろなことがございましたけれども、地方といたしましては、私はできるだけのことはしたと思います。しかし、その中でも、いろいろな法規上の問題が私には考えられるわけであります。これは文部省のほうでございますが、叙勲もございました。それから、合同の葬式には文部大臣の代理の方もおいでになったそうです。そういうふうなことでございますけれども、このことにつきまして、当然、これは地方公務員の災害補償法が適用されるわけでありますが、いろいろ調査した結果、災害補償法を適用するということから、二人の先生の親に年金が出ました。ところが、一人の方は、両親とも五十五歳である。片方は、おかあさんがまだ五十五歳にならなかったということのために、違いが出てきた。年金でございますけれども、いま時間等もございませんから金額は申し上げませんが、違いが出てきた。私は考えるのでございますが、こういうふうなときに、たった五十五歳未満である。しかし、五十五歳になったならば、おかあさんの分としても、この年金というものは増すのでございますか、もう死亡当時五十五歳未満だったならば、永久にその額で固定するのか、どうなんでございますか。
  110. 山本明

    山本説明員 お答えいたします。  公務災害補償法のたてまえからいきまして、一応年齢制限はいたしておりますけれども、この方のおかあさんが四十八歳でございますが、五十五歳になりますれば、百分の三十というのが百分の三十五というふうにふえることになっております。公務災害のほうではふえることになっております。
  111. 華山親義

    華山委員 それじゃ、死亡当時の年齢でなくて、まあちょっとこれから七、八年たって五十五歳になりますと、増額になるわけですね。——それから、この共済組合法も適用になるわけでありますが、地方公務員災害補償法によって何らかの給付を受けた場合には、共済組合法の給付に影響がありますか。
  112. 山本明

    山本説明員 お答えいたします。  地方公務員災害補償法におきましては、この職員の父母、いまの場合ですと父母でございますが、父母であって、職員が死亡の当時にその収入によって生計を維持しているということでいま対象になったわけでございます。現在のところ、共済組合法におきましては、主として……
  113. 華山親義

    華山委員 私、それを聞いているのじゃないのです。両方とも併給ができますか。
  114. 山本明

    山本説明員 併給は、共済組合法のほうで対象になりますればできますけれども、現在のこの具体の例は、共済組合法の規定上できないということになるわけでございます。
  115. 華山親義

    華山委員 それで、この併給ができるものであるということでございますけれども、ところが、共済組合法の適用がないのでございます。先ほどおっしゃいましたように、「主として」「生計を維持していたもの」というふうになっておりますが、この一人の先生のおとうさんは、鉄道職員で、間もなく定年に達する人でございますし、一人の人も細々と町でたばこを売りながら生計を維持している。学校の先生の月給でございますから、これに全然たよっていた、主としてたよっていたということはないと思いますけれども、そういう実情でございます。「主として」「生計を維持していたもの」という、この「主として」ということばはひとつ省くことができないのか。この点につきまして、この方々に、私、非常に気の毒だと思いますので、感づいたのでございますし、また、いろいろ教えていただいたところによれば、附帯決議等も地方行政委員会であったということでございますが、これはどんなふうになるものでございましょうか。
  116. 山本明

    山本説明員 先生のおっしゃいましたように、私たちとしては、先般の法律改正においてぜひともこれを抜きたいということで、関係方面と折衝いたしました。その際に、先ほど、先生、おっしゃいましたように、死亡当時の問題もあるけれども、一定期間内に遺族にする問題もあるのじゃないかというような御意見もございまして、実は先般の法律改正までに問に合いませんでした。しかし、私たちといたしましては、次期国会でこの修正をするということを前の委員会でも、私、お約束を申し上げておりますので、これは削除いたしたい、このように考えております。
  117. 華山親義

    華山委員 ほんとうにこの災害が一年ばかりの違いで御両親にたいへんお気の毒なことになったと思うのでございますが、法制上私は無理だと思いますけれども、それほど多くないと思いますので、遡及して適用するというわけには改正の段階ではできませんでしょうか。
  118. 山本明

    山本説明員 先生のお気持ちもわかりますし、私たちもできるだけ努力はしたいと思いますけれども制度上はさかのぼることは困難であろう、このように考えております。
  119. 華山親義

    華山委員 こういうふうなことは、さかのぼってやるべきだと思いますし、そして、この人たちが、生活のいろいろな面で、ほんとうに年をとられたという段階ではやるのだというふうなものの考え方を、少なくとも法規には盛り込んでもらいたい。(「さかのぼった例があるじゃないか」と呼ぶ者あり)私は知らないのですが、さかのぼった例もあるそうでございますから、ひとつ御検討願ってやっていただきたい。私はこういう問題は、気の毒な人を救うために、さかのぼるとか、法令上の問題、そういうことはやはり何か超越したものの考えがありませんといけないのじゃないかと思うわけであります。  それからこれにつきまして、いろいろな給付ができましたけれども、いわゆる賞じゅつ金というものが出ました。この賞じゅつ金につきまして、ほかの委員会だと思いますけれども、各省の賞じゅつ金が金額にまことにばらばらの点がある、それでこれは統一すべきじゃないかというふうなことを申したことがございますが、この問題にあたりまして、いろいろ各省の賞じゅつの規定、内規等を見ますと、大体二百万円ということが基準になっているようでございます。私がお願いした当時とはちょっと事情が違うようでございますが、しかし、いまでも賞じゅつ金は警察官には多いのですね。そうめったにあるものじゃないわけですが、たとえば賞じゅつ金を受けた警察官はどれだけあるかと言いますと、四十年度で一件、四十一年度には十二件、四十二年度が七件、四十二年度には五件、四十四年度は六件。それで、その際にどういうふうなことが行なわれたかと申しますと、場合場合によって非常に違っているのですけれども警察庁長官は、国の予算の中から二百万円ですか、大体出しているようでございますが、そのほかに府県がまた出している。大阪市内でガスの大爆発事故が発生した際に、それを指揮して活動中に多量のガスを吸ったためになくなったという人に対しましては、警察庁長官は百六十万円でございますが、ほかに大阪府は四百万を出しているそれから高知県でもまた、台風のときに人を救ったために自分がなくなったという人に対しましては、警察庁長官は、内規が変わったのだと思いますが、この際には二百万円を出して、高知県は二百万を出しております。日大の紛争事件で、警備活動のときに学生が投げた石でなくなったという事件がありましたが、その際も警察庁長官が賞じゅつ金として二百万円を出して、東京都が四百万円を出しておる。今度は結果においてどうだったかと言いますと、山形県では、警察官に準ずるものとして二百万円を出しただけなんです。こういうふうに、同じ殉職であって、いろいろな身分関係が違うからといって賞じゅつ金が違うということはおもしろくない、私はこう思うわけであります。  私はこの点、きょうはいらっしゃいませんが、そのうちに文部大臣にも機会があったならばお願いしようと思いますが、学校の先生というのは非常に危険な仕事ですよ。子供を見なければいけない、交通から守らなければいけない。そういう際に、文部省は何も賞じゅつ金を出さない、地方が二百万。こういうふうなことでは公正が保たれないのじゃないか、こういうふうに私は思いまして、ひとつ自治省にもお願いしておきますけれども、この点から、自治省所管の職員というものについて、おれのほうの所管じゃないということでなしに、関心を持っていただきたいと思うわけであります。  それから、この問題について、私はこの人は非常に不幸だったと思うのでございますが、公務によって死亡したことは明らかです。殉職であることも明らかである。ところが、この渡し船というのは貧弱な村が経営している。船頭は資格を持たない。船の検査もやっておらないなどというふうにいわれるわけです。それを問い詰めていきますと、私は村の責任をかれこれ言うわけではありませんし、それは本心ではございませんけれども、過失による死亡ということがまたこれに重なってきているわけです。これが交通関係であるならば、現在自賠法によって少なくとも五百万円のものはあるわけです。これを七百万円にふやそうというふうなこともいわれるわけでありますが、裁判所の判決でもこのごろは非常に高い。そういう面についてはこの人には何らの救済がないのです。民事上の問題は別だという議論があるかもしれませんけれども、そういうふうな状態で私は気の毒だと思うのです。  そしてもう一つ考えられることは、この人は若い。若いから、いろいろな年金等の計算の基礎が、月給も低い、在職年数も少ない、そういうことで低くなっているわけです。ところが、これが民事裁判ということになるならば、ホフマン方式ですか、これによって相当高いものになる性格を持っている。こういう実態。  私はここで民事上の問題をかれこれ言いませんが、ひとつ十分御検討願いたいことは、若い人が死んだときには、何らかの方法によって、法律によるのが一番いいのでございますけれども、もっと補償が高められるべきじゃないか。自分の意思で役所をやめて恩給をもらうのとは違うわけであります。そういう点につきましてひとつお考えを願いたいと思うのでございますが、大臣、私、申し上げましたけれども、どういう御感想をお持ちになりますか。
  120. 秋田大助

    秋田国務大臣 ただいまの先生の選挙区における小学教員の殉職に対しまして、心から弔意を表します。また、お説いろいろ伺いました。ごもっともと思われる点が多々ございます。いろいろ法上の権衡を失しておる点等は直してまいりたいと思いますし、また特別の事情による公務災害に対する特別援護金制度等についても、人事院を中心検討中でございます。こういう点につきましては、自治省としては警察官あるいは消防団員のみならず、一般職員におきましても、そういう制度の適用があるよう前向きに検討し、これが実現につとめてまいりたいと考えております。  若き方々の死亡、さらに老齢の方々等の死、死そのものについての弔慰という点について、先生、いろいろお説がございましたが、若きがゆえに少なしということは、人の命のとうとさにおいては変わりないものと存じます。そういう見地から万般の措置について考えてまいりたいと思います。
  121. 華山親義

    華山委員 大臣、これは私の選挙区ではありませんから……。
  122. 秋田大助

    秋田国務大臣 失礼いたしました。山形県ですね。
  123. 華山親義

    華山委員 山形県ですけれども山形県は選挙区が二つありますので……。  それから、いまおっしゃいましたけれども、労働省にも非常に関係がございますし、それから人事院にも関係がございますし、いろいろなところへ私、お願いに上がればいいのでありますけれども、そういうふうにもまいりませんので、ひとつ自治省中心になりましてこの問題を検討してやっていただきたい。  そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  124. 菅太郎

    菅委員長 午後二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時十五分休憩      ————◇—————     午後二時六分開議
  125. 菅太郎

    菅委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、華山親義君より発言を求められておりますので、これを許します。華山親義君。
  126. 華山親義

    華山委員 午前中に自治省お尋ねした点につきまして、自治省のほうで、答弁のうちで訂正したい点があるという申し出がありましたので、自治省当局に対して発言を許していただきたいと思います。
  127. 菅太郎

  128. 山本明

    山本説明員 先ほど公務災害補償法と共済組合法とこんがらがりましてまことにみっともない答弁をいたしましたけれども、片一方の方のおとうさんのほうが対象になります遺族になりまして、それからおかあさんのほうは四十八歳でございますので、公務災害補償法では死亡当時におきます年齢制限がございますので、これは対象にならない。したがって、二人のうち片一方の方は乗率が百分の三十五、片一方の方が百分の三十ということになりますので、その点間違いましたことを訂正させていただきたいと思います。
  129. 華山親義

    華山委員 四十八歳で、五十五歳になったならば支給になるかということに対して、なるという御答弁があったのでありますが、その点を、その当時の状態で永久に続くんだということで訂正になったわけでありますけれども、これは私の質問に対して当然のこととお考えになって、誤った答弁をなすったんじゃないかと思うわけであります。この点はぜひひとつこの次の機会に法律を改正して、そしてさかのぼってこういう人たちにも適用になるようにやっていただきたい、そのことを希望いたします。
  130. 菅太郎

    菅委員長 斎藤実君。
  131. 斎藤実

    斎藤(実)委員 私は一般的に基地公害と言われております騒音対策について、防衛施設庁にお尋ねをいたします。  自衛隊あるいは駐留軍が使用しておる飛行場の周辺で、ジェット機の飛行訓練による騒音が非常に問題になっておるわけであります。したがって、日常生活が非常に困難を来たしておるところが全国的に非常に多い。いま公害問題がいろいろ問題になっておりますが、国は一般産業公害については非常に問題にしておりますけれども、基地の騒音についての対策を早急に立てなければならぬ、私はこういうふうに考えるわけですが、防衛施設庁におきましては、基地の騒音対策をどういうふうに考えておるのか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
  132. 長坂強

    ○長坂説明員 お答え申し上げたいと思いますが、防衛施設と申しますか、自衛隊の基地あるいは米軍の基地の周辺におきます騒音の対策といたしましては、駐留軍の関係の飛行場の騒音につきましては、実は昭和二十九年以来実施しておるところでございます。それから昭和四十一年のいわゆる防衛施設周辺整備関係法の制定を見まして以来は、自衛隊におきましても昭和四十一年からその法によって騒音防止の対策を講じているところでございます。それで、たとえば教育、医療、保育、養護等に与える騒音の障害を防止するために、学校とか病院、保育所、診療所、救護施設というような基地外の施設につきまして、必要な防音の工事を行なうものに対しまして補助金を交付しておるというのが第一の施策でございます。それから住民の生活上の障害の緩和に資するために、救護施設あるいは養護老人ホームというようなものに対しまして、その生活環境施設整備を行なう市町村に対して補助金を交付するというのが施策の第二点でございます。それからさらに、特定の飛行場の周辺におきますところの住民の方々のこうむる障害、それに対しまして、その障害の軽減に資するために、その住民の方々の住居を移転する等の必要がある場合に、その移転に際しましての補償等の措置を講じております。これが騒音関係の施策の第三点ということになろうかと思います。その他、農林業の経営等に与える損失を補償する、それが施策の第四点でございますが、以上のほか、それぞれの飛行場の実情に応じまして、飛行方法とか飛行時間あるいはエンジンの試運転作業等の規制を行なう、あるいは消音装置を自主的につけてもらうとか、そういうような措置を講じまして、その防止につとめておるという実行上の措置が第五点になろうかと思います。  そのほか公害との関連で申しますと、公害関係では紛争処理というような制度が設けられておるわけでございますが、この防音あるいは基地関係の障害関係につきましては、やはり異議申し出制度もございますし、それから争訟等のやり方がございますが、私どもの役所の防衛施設中央審議会等におきましては、これらの取り扱いの統一的な基準を定める目的をもってこの長官の諮問に答えるというような機能を果たしておりますが、そのような制度の運営によりまして、苦情とか紛争の処理に当たっておるということが言えようかと思います。  以上でお答えといたします。
  133. 斎藤実

    斎藤(実)委員 いま施設部長からこの対策についてのお答えがありましたけれども、部分的にはあなたから話があったように、私も認めます。ですけれども、率直に言って、住民感情からいって、騒音による公害の被害というものは非常に大きいし、なるほど病院であるとか、学校であるとか、保育所等については防音の工事等もやっておりますけれども、やはり一般住民についてはこれはいろいろな大きな問題になっておるわけですね。この間、これは北海道の千歳ですけれども、中学生三百十九人を対象にして騒音に対する意識調査をやっておる。この飛行機の音はどうかというアンケートに対して、うるさいというのが九十五人、約三〇%、非常にうるさいが二三%、耐えられないが一〇%、こういうふうに出ておるわけです。家の中で会話はどうか。普通の声だというのが三〇%、大きな声が四五%、大きな声でも聞きにくいが二四%。したがって、千歳の人間は声が大きくなるはずだといわれておる。電話の通話も非常に聞きにくいというのですね。こういったことから私は考えると、全国で基地の騒音による被害というものが存在して、まだ相当国民の中に広がっておると思う。私はこういったことから、少なくとも当面の問題は窓を二重にしなければならぬ。したがって、騒音の侵入を少しでも少なくするために、助成なりあるいは低利融資の道を開くべきではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
  134. 長坂強

    ○長坂説明員 先生御案内のように、この滑走路の延長千メートルの区域を限りまして、いわゆる特定の区域として指定をいたしまして、その区域の中にある民家については、先ほど申し上げましたような移転の際の補償をしていこうということに相なっておるわけでございますが、電話等につきましては、実はこれも御指摘のような御趣旨から、たとえば騒音を防止するような電話機の設置というような事柄につきまして、これもいろいろ各方面で研究が進んでおりますところをまたこちらも調査をいたしまして、そのような電話機の設置方について目下検討をいたしております。これは実現の方向を目ざして検討を現在行なっておるところでございます。  一応以上お答えいたします。
  135. 斎藤実

    斎藤(実)委員 いま防衛施設周辺の整備等に関する法律のことについていろいろお話がありましたけれども、これが告示されたのは昭和四十二年三月三十一日だと思いますが、この告示はだれが責任を持って住民に周知徹底させるのか、その責任はどこにあるのですか。
  136. 長坂強

    ○長坂説明員 防衛施設庁長官であると存じております。
  137. 斎藤実

    斎藤(実)委員 それは告示になってからどれくらいの間をおいてやられるのですか。
  138. 長坂強

    ○長坂説明員 ちょっと御質問の意味があるいは、私、取り違えておるか知りませんが、法律として公布しまして、あとはそれぞれ施設局、施設事務所を通して関係市町村等に実際上の説明を行なうというようなことをもって実施をしておるはずでございます。そのように承知をしております。
  139. 斎藤実

    斎藤(実)委員 それは、地域住民に、局が関係市町村を通して、関係市町村長がその責任において地域住民に対して、こういう告示になりましたよ、申し出があればいろいろな補償が出ますよ、こういうふうな仕組みになっておるのですか。懇談会なり説明会なりをやるようになっておりますか、その点いかがですか。
  140. 長坂強

    ○長坂説明員 一般的には告示をもって法的な周知方法としては一応は完結するというふうに了解いたしておりますが、なお集団移転等関係の深い向きにつきましては、実際上防衛施設局が市町村長のほうにもお話しをする、またその方々の御協力を得まして、話を進めてまいるというような方法によっておるわけであります。
  141. 斎藤実

    斎藤(実)委員 なぜ私がこういう話をするかと言いますと、北海道の千歳は、御承知のように、一千メートルというふうに指定されました。こういう法律ですからむずかしいわけで、住民はなかなかわからない。官報を見るにもなかなかそういう機会もないでしょうし、最近になって、昭和四十四年二月と六月に、二年間たって防衛施設庁の局が自衛隊等の使用する特定飛行場周辺の建物の移転処理の書類を町内会長に渡して、ひとつこれを説明してくれ。二年間たってそれで住民がわかったわけですよ。それで、どうせやるなら、市町村の協力を得て各戸に配布して、説明会なり懇談会なりを設けて、法律の趣旨はこうですよ、こういうものが対象になりますよというふうに、そういった法律の趣旨を住民に徹底させるという努力が必要じゃなかったか。最近になってから、この町内会で、八百戸ありますけれども、要領が得ないわけですし、施設局でも各戸に配って説明会もあまりやらないし、しようがないから、町内会で自分でアンケートをつくってそして渡しているわけです。その結果によりますと、条件によっては移転してもいいというのが全体の七〇%なんです。騒音でもうとてもここにいられぬ、いいところがあれば移転をしたいという気持ちの人が七〇%。それで条件によっては移転してもいい、その条件とは一体何だ、こまかいことは要らぬけれども、ある一定の基準というものを示せば、われわれは、じゃ、これくらいの補償になるのだなという判断がつくわけですよ。ですから、局で行なった三年前のアンケートは各戸に行っていないわけです。そこで町内会を通して何人かの人のアンケートをとった、こういう結果になっている。それで百六十二戸の返事が来た。その中で百戸ぐらいは移転を希望するという。対象地域内のごく一部分なんですね。これでは私は不親切なやり方だと思うのです。ですから、国の施策としてやる以上は、やはりもう一ぺん住民の立場に立ってアンケートを全戸に配って、説明会なり懇談会をやるという親切な姿勢をとるべきではないか、こう私は思うのですが、いかがですか。
  142. 長坂強

    ○長坂説明員 現地説明会の開催等の状況、たとえば四十四年の二月二十七日とか三月八日、三月九日、三月二十九日というような日をもちましてそれぞれの町内会の方々に千歳の防衛施設事務所長以下が御説明を申し上げ、それぞれ努力はいたしておるようにうかがえるわけでございますが、なお、先生、御指摘のように、徹底を欠いているのじゃないか、親切を欠いているのじゃないかという面もあろうかと存じますので、今後引き続きましてさらに周知徹底方をはかりたい、このように存じておるわけでございます。
  143. 斎藤実

    斎藤(実)委員 この間、私は千歳に行って住民から実は陳情を受けたわけです。そして懇談会もやってきたわけです。それで、あそこにいる対象地域の住民の方は相当長くおるので、気持ちとしては動きたくない、そうかといって騒音の問題がある、こういったことから、何も移転をしなくても、南のほうは原野で、家も一軒もないのだから、飛行場を千メートル南のほうに延ばしたらどうか、こういう意見も出ておりましたけれども、こういったことについていままで検討されたことがありますか。
  144. 長坂強

    ○長坂説明員 現在、自衛隊関係といたしましても、それから駐留米軍といたしましても、特にそのように滑走路を動かすというような計画その他は持っておらないようでございます。
  145. 斎藤実

    斎藤(実)委員 それでは、あと一、二点でこの問題は終わりますけれども、飛行場の進入転移表面下の問題として、あそこに千歳の市営のガス工場があるわけです。万が一、事故があった場合、これは五百メートル四方が火の海になる非常に危険を伴うガス工場があるわけですけれども、これはぜひとも移転させたいという希望があるわけです。これについてどういうふうにお考えか、承りたいと思います。
  146. 長坂強

    ○長坂説明員 先ほど来お話し申し上げておりますように、滑走路の延長千メートルのところが指定区域ということに現在されておるわけでございまして、千メートル以内のところでございましたならば、いわゆる移転の対象ということに措置できるわけでございますけれども、問題のガスタンクはそこからさらに五百メートルほど離れております。したがいまして、現在は指定区域外になっておるわけでございます。  そこで、要求元でございますところの千歳市とも話をしておるところでございますけれども、いっそ現在の千メートルという指定区域のところを、さらに延長いたしまして指定区域とする考えはないかというようなことで話し合っております。これがかりに指定区域に変更に相なりますれば、一般の例と同じように、移転の対象となし得るわけでございますけれども、そこら辺に問題がございまして、私どもといたしましては、この指定区域の変更の問題との関連において今後検討していきたい、このように考えております。
  147. 斎藤実

    斎藤(実)委員 指定地域の中に、告示後、これは善意の住民ですけれども、何もそこへ入って補償費をつり上げようとかなんとかいうのじゃなくして入ったのが五十五戸ばかりあるのですね。これもやはり補償の対象にしてもらいたい。これは何も知らないで入ってきておるわけです。告示されてからここ二、三年の間に、住宅事情等でその地域に善意で入ってきた住民がおるわけです。この人たちを除外するとなれば、そこを危険区域に指定したという意味がなくなるわけですね。これも何らかの行政措置等で対象にすべきではないかというように考えるのですが、いかがですか。
  148. 長坂強

    ○長坂説明員 この指定区域の中に前から住んでおられた方、建物を建てておられた方は、御案内のように、問題がなく移転の対象になるわけでございますけれども、いまの御指摘のように、あとから建てたというものは、現在の取り扱いといたしましては、対象外として取り扱っております。しかしながら、実情といたしまして、これをまさに救済の対象と申しますか、補償の対象として取り扱うべきではないかというような御趣旨はよくわかるところでございますので、なお、どのようにいたしたらよいかよく検討いたしたいと思います。
  149. 斎藤実

    斎藤(実)委員 では、騒音の問題はこれで終わります。  次に、基地交付金についてお尋ねいたします。  基地交付金は、膨大な基地施設が所在することによって、基地所在の市町村の財政運営上非常に影響を与えていると思うのです。したがって、基地交付金は固定資産税にかわるべき一般財源として交付されているものだというふうにいわれているのですが、そのように理解してよろしいですか。
  150. 降矢敬義

    ○降矢説明員 基地交付金は、その創設の経緯から見ましても、われわれは固定資産税に源を発する制度、淵源を有する制度というふうに理解しております。
  151. 斎藤実

    斎藤(実)委員 自治省の御答弁は、固定資産税の対応措置だというふうにわれわれ考えておるわけです。  基地交付金の総額については、昭和四十五年度は三十一億五千万円、この総額の八割を、対象とする国有財産台帳価格の総計に案分するというふうにわれわれは理解をしておるわけです。残りの二割を基地施設が所在する市町村の財政事情あるいは施設の状態を勘案して配分するようになっているというふうにわれわれは理解しております。  そこで、八割の案分にかかわる基礎となる国有財産台帳価格について伺いたいと思うのですが、この基地交付金の配分の基礎となる国有財産台帳価格は、市町村の固定資産の評価額とあまり差のないような価格にすべきではないかと思うのですが、いかがですか。自治省の見解を伺いたいと思います。
  152. 降矢敬義

    ○降矢説明員 国有財産法によりますと、評価は五年に一回ずつやるわけでございますが、評価につきましては、これは大蔵省の専門の方に聞いていただけばよろしいと思いますが、国有財産法の規定によりますと、たとえば土地については類地の時価を考慮して評価をするというようなことになっておるわけでございます。ただ、御案内のように、基地交付金の対象となるものの中で、たとえば土地の現況がすでに変わっておるものがございまして、台帳上、山林、原野、雑種地になっておりますが、そういうものが現況が変わっているものがございます。したがいまして、昨年から現況について著しく変わっておるものについては、実際の現況に即した評価をやるということで、大蔵省のほうでそういう指令を出しまして、ことしの配分におきましては、そういう改定をしたものを基礎にして配分をするということに相なろうかと存じます。
  153. 斎藤実

    斎藤(実)委員 この国有財産台帳の評価が相当に低く評価されているという実は資料があるわけですけれども昭和四十年に国有財産の台帳価格が、千歳の場合は九億五千二百万円、それから市町村の固定資産税の評価額が七十二億七千万円というふうに、国の国有財産台帳価格はものすごく低いわけですね。同じく恵庭についても、国有財産の台帳価格が三億八千万円、市町村の固定資産税の評価額は五十七億九千万円、ものすごく低いわけですね。ですから、私は、昭和四十五年度のこの国有財産台帳価格の改定にあたって、これは当然市町村の固定資産税評価額との差をどのようにするかということは非常に問題だと思うのです。この点についてもひとつ自治省はどういうお考えなのか、あらためて再度御答弁をいただきたいと思うのです。
  154. 降矢敬義

    ○降矢説明員 ただいま御指摘のような差異でありますが、対象資産その他どういうふうな把握をしたか詳細に存じませんが、いずれにいたしましても、国は五年ごとに評価がえをいたしますし、来年がその評価がえの年であります。したがって、財産法の規定によりますと、評価の基準が施行令以下に書いてあるのでございますが、そういうものに従って適正に評価していただくことをわれわれとしては要望しておりますし、また、先ほど申し上げましたように、本年度評価がえの時期ではありませんけれども、現況がすでに変わっておるものについては訂正をしていただくというような措置もすでに講じてまいった次第であります。
  155. 斎藤実

    斎藤(実)委員 昭和四十五年度の基地交付金について三億円の新しい措置がとられたわけですけれども、この措置の性格と、どのような配分になるのか、伺っておきたいと思います。
  156. 降矢敬義

    ○降矢説明員 施設等所在市町村助成交付金でありますが、これはそういう資産が、かりに国有提供の資産であれば基地交付金の対象になるものが、米ドル資産としてあるために、対象にならない。それは、しかし、市町村に対する財政上の影響も非常に大きいということで、これをとらえまして財政援助というかっこうで市町村に交付しようとするものでございます。交付の考え方は、米ドル資産の価格に案分するということでありまして、なお、その他市町村の財政上の影響を考慮して配分をする、こういうことに考えております。米ドル資産の価格その他につきましては、防衛庁を通じまして目下取りまとめをお願いしているところでございます。
  157. 斎藤実

    斎藤(実)委員 米軍が使用するものについては対象となって、自衛隊が使用するものについては対象資産から除かれる、こういうことになっておりますが、自衛隊が駐屯することによってこの市町村行財政に与える影響は、有形無形を含めて非常に大きいと思うのです。したがって、この米軍資産が対象になって、自衛隊の使用資産が対象にならないというのは、私は非常に納得がいかぬ。方面総監部あるいは自衛隊の地方連絡所あるいは防衛施設局、これらの一般行政財産が除かれるということは、私もこれは納得できます。しかし、教育訓練あるいは廠舎等、防衛施設上の駐とん地に使用する施設については、基地交付金の対象資産にすべきではないかと思うのですが、いかがですか。
  158. 降矢敬義

    ○降矢説明員 基地交付金の対象としてここ何年間追加要求をしてまいりましたものは、演習場等の建物、工作物でございます。それからもう一つは、自衛隊が使用している港湾施設でございまして、いまお話しありましたように、この点につきましては、基地交付金では、米軍が使っている場合でもそれから自衛隊が使用している場合でも、建物、工作物は、演習場、飛行場についてはなっておりませんが、これはやはり適当ではあるまい、こう思いまして、昨年度もその前の年も予算要求の額に入れて基地交付金の要求をいたしておるわけでございます。この考え方は今後も続けたいと思っておりますが、基地交付金の額がまだわれわれの要望する額まで実際の予算ではなかなかつきがたい状態でありますので、予算の状況とにらみ合わせながら、要望としてはいま一番大きい建物、工作物を中心要望してまいりたい、こう考えております。
  159. 斎藤実

    斎藤(実)委員 官民共用の空港ですね、自衛隊と民間の共用する飛行場の交付金について伺っておきたいのですが、空港整備法では、指定される空港については国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律によって交付されるようになっておりますけれども、自衛隊と共用する空港は対象になっていないわけですね。飛行場の土地だけは交付金の対象になっているようでございますが、滑走路その他の工作物や建物が除外されている。しかも空港の整備にあたっては地方自治体が負担をしなければならぬ、こういうことになつておるわけですね。ですから、当該地方自治体は非常に財政的に苦しいわけです。こういう点について自治省としてどういうふうにお考えになっているのですか、自治省のお考えを承っておきたいと思います。
  160. 降矢敬義

    ○降矢説明員 現在、御指摘のように、交付金では空港整備法の対象になっておる固定資産を取り上げておるわけでございます。これは国に対しましてわれわれは、いまの千歳の場合も含めまして、自衛隊あるいは米軍等が使っております飛行場の土地、建物を入れますと、ちょうど固定資産全体になりますので、何年か前からこの要望を出しているわけでございまして、こういう考え方で来年も予算の要望をいたしたい、こういうふうに考えております。
  161. 斎藤実

    斎藤(実)委員 これらの問題について二号配分で調整するとかなんとか言っておりますけれども、私はこういったことは改めて、もう長い間この問題は国会でも取り上げられてきておるのですが、この基地交付金制度の中で、これらの施設対象の範囲に含めるか、そうでなければ納交付金制度の中に織り込むか何かして、地方自治体の行財政確立のためにはっきりした体制をとるべき時期に来たのではないかと私は思うのですが、この点、大臣、いかがですか。ひとつ御答弁いただきたいと思います。
  162. 降矢敬義

    ○降矢説明員 いま御指摘のような問題もありまして、やはり民間空港についての固定資産に見合うものは、土地のほかに建物、工作物というものが非常に大きなウエートを占めております。したがって、これを入れることがやはり先決じゃないかということで、ここ何年間かそういう要望をして予算の要求をしてまいりました。ただ、問題は、額のふえ方が、努力の足らざるところ、少ないものですから、そういうものを一挙に道町入いたしますと、市町村間の従来のベースが極端に一挙にくずれるわけでございますので、そういうことも考慮いたしまして、もう少しやはり額が積極的にふえる機会をとらえ、またふえるように努力をして、そういうふうな是正方をやっていきたい、こういうふうに考えております。
  163. 斎藤実

    斎藤(実)委員 最後に、防衛施設庁に、先ほど私の質問に対して答弁漏れがありますので、ひとつ御答弁いただきたいと思うのですが、先ほど学校とか病院とか保育所等については防音工事等の補助もしているようですけれども、一般住民感情からして、やはり相当騒音に悩まされておるわけです。したがって、窓を二重にして騒音を少なくするような何らかの一般住民に対する助成あるいは低利融資の道を開くべきではないかというふうに、先ほど御質問申し上げたのですけれども、これについての御答弁がありませんので、ひとつ国の責任において、この地域住民の生活を守るという立場から、本腰を入れて前向きの対策を講ずべきではないか、こういう御質問を申し上げたのですが、これに対して御答弁がありませんので、御答弁をお願いいたします。
  164. 長坂強

    ○長坂説明員 御質問の趣旨は実はよくわかっておるところでございますが、現在やっておりますところの学校防音等は、これを鉄筋の建物にいたしまして、窓を二重窓にする、あるいは防音の天井をつける、壁をつけるというような設計上の効果のあがる方法でやっておるわけでございます。ところが、一般の住宅になりますと、木造とかあるいは構造等も区々でございまして、はたして二重窓だけで防音の効果があがるかどうかというようなことにつきまして、ことし及び来年にかけまして実際の実験調査をやっております。その効果等を見まして、これを実施に移すべきかどうか、あるいはその他の何かいい方法があり得るかどうか、目下検討しておるところでございます。
  165. 斎藤実

    斎藤(実)委員 以上で質問を終わります。
  166. 菅太郎

  167. 桑名義治

    桑名委員 最初に、防衛施設庁のほうにお伺いしますが、現在、日本水域の中で米軍並びに自衛艦の演習場がどの程度あるか、その個数をまず教えていただきたいと思います。
  168. 長坂強

    ○長坂説明員 米軍の用に供しておりますところの、漁船の操業を制限している水域といたしましては十九の水域、一万六千三百十八平方キロ、それから漁船の操業の制限を必要としない水域といたしましては二十九水域、約三万二千平方キロでございます。自衛隊につきましては、ちょっとお待ち願います。
  169. 桑名義治

    桑名委員 では自衛隊はあとで教えていただくとしまして、これら水域の補償問題でございますが、まず一つの例といたしまして、宮崎県あるいは四国双方を結ぶリマ水域について問題を提起してみたいと思います。  このリマ水域の補償問題、まず宮崎県の場合を考えてみましても、漁連の推定が約一億六千万の補償額を要求しているのが実情でございますが、現実の金額といたしましては、昨年度は四百十二、三万の補償がされているにすぎない、このような状況でございます。これらの問題を考えてみますと、たとえばリマ水域を例にとってみますと、このリマ水域は宮崎県、鹿児島県、大分県、あるいは高知県、こういった水域の漁連が非常に重要な漁場として使用しておったわけであります。ところが、終戦後、この重要な漁場をまず米軍の演習場として奪われ、現在は自衛隊も共同して使用しているという状態でございます。その後、新しく漁場を種子島の沖合いに求めたわけでございますが、この種子島の沖合いもまた同じように、今度はロケットの使用ということで漁場を追われてしまった。しかも近海は、皆さんも御存じのように、公害公害ということで、多くの漁場を失っているというのが実情でございます。こういった実情にかんがみまして、地元の要求の一億六千万円、これは宮崎県だけでございますが、それに対して四百十二万円程度の補償額ではたしていいものかどうか。これを一世帯の金額に直しますと、年間約二万円足らずという補償が与えられたにすぎないわけでございます。この補償の問題について、今後もう一度算定の基礎をつくり直してアップする意思があるかどうか、お答えを願いたい。
  170. 長坂強

    ○長坂説明員 防衛施設庁といたしまして、いわゆる漁船の操業制限法が制定されまして以来現在に至りますまで、この漁業補償につきましては、法令の規定によりましてつとめて適正な補償額を支払うように努力してまいっておる所存でございます。この漁業補償の補償額そのものの算定はなかなかむずかしいことであると思いますけれども、いまの御質問のリマ水域の宮崎県関係のことでございますれば、その補償額の要求にあたりまして具体的な、いわゆる妥当な根拠資料と申しますか、そういうものの御提出があれば、私どもといたしましても十分調査いたしまして、さらに適正な額を支払うようにつとめてまいりたいと存じております。  なお、御質問の補償額につきまして、一億三千数百万円という補償額の申請に対して、四百七十五万円を払っておるわけでございますが、私どもの資料によりますれば、これは対象者五十三統、補償額一人当たり九万円というふうに承知をいたしておるところでございます。
  171. 桑名義治

    桑名委員 いずれにしましても、このリマ水域によって揚げられておった水揚げというものが大きな漁民の生活のかてになっておったわけでございますが、このような制限を受けたことによって非常に生活を圧迫されておるというのが実情でございます。いま九万円というお話がございましたが、二万円何がしという金額は、私、現地に行って現実に漁民に聞いてきた金額でございます。  この問題と同時に提起しなければならない問題は、このリマ水域のいわゆる補償問題が確定した時点にリマ水域で操業をしておった漁船にのみ補償が与えられる。それでその人がなくなって次の代に承継された場合には、その補償金はどうなるのか、この法律上の問題が残っておるわけでございますが、この問題についてどのように考えているか、また水産庁としてはこの問題に対して防衛庁にどのような対策を要求しておるのか、その点についてまず水産庁からお答え願いたいと思います。
  172. 藤村弘毅

    ○藤村説明員 水産庁といたしましては、この区域が関係漁民の非常にいい漁場であるということを十分認識しておりますので、事あるたびにこの区域の全廃をお願いしておりますが、それができませんので、現在のところは、それの区画を縮小するなり沖合いに出すようにお願いしているのが現状でございます。それと同時に、漁況、海況の調査をいたしまして、できるだけ漁業の被害のないように演習期間の短縮等もそれにあわせましてお願いしております。
  173. 長坂強

    ○長坂説明員 従来この漁業に従事しておって、補償の対象者として補償を受けていた方がおなくなりになった、その者の月後の措置はどのようになっておるのか、こういう御質問と解しておりますが、この補償を実施しております根拠でございますところの漁船の操業制限法におきましては、この法律制定の際、現に漁業を経営しておった者という対象の限定がございます。したがいまして、補償の対象者はその方にのみ行くわけでございますが、その方がおなくなりになったような場合、そのいわゆる漁業権と申しますか、その漁業の経営を継承された長男の方には、補償の対象としてお取り扱いをいたしておるわけでございます。では次男、三男の方はどうなるかという問題が実は長らく懸案でございまして、次男、三男の方も、同じ場所で同じく漁業の経営に従事していた場合には、やはりこの補償の対象とすべきではないかという論がこの数年方非常に強うございます。そこで、長らく研究をいたしておったわけでございますが、今年度から、これらの方々のうち、そういう従来の補償対象者であった方々の長男は先ほどのようなこと、それから次男、三男の方で、分家をし独立して現在損失を受けておられる方々には漁業見舞い金を出そうということで、これを実施しているわけでございます。  以上、お答え申し上げます。
  174. 桑名義治

    桑名委員 時代の推移によりまして、船舶も漁船も同じようにだんだん大型化していくことは事実だと思います。そういった立場から考えますと、たとえば一つの漁業組合——私が行きましたところは宮崎県の富島漁業組合でございますが、この漁業組合でも当時はいわゆるリマ水域における操業船は十隻しかなかった。ところが、現在は約三十隻の船がその漁場で漁ができる、そういうような状態でありますが、現在の法律は、その当時、いわゆるリマ水域が制定されたその当時のいわゆる漁船のみにしか補償がないわけでございます。そういったことになると、いわゆる漁民の将来の見通し、あるいは将来の発展が阻害をされていく、こういうことになるわけでございます。こういった漁船に対しても今後補償していくように法改正をすべきである、このように思うわけでございますが、防衛庁の見解をお尋ねしておきたいと思います。
  175. 長坂強

    ○長坂説明員 先ほどお答えいたしました次男、三男の対策というのも、実はこれは時代の推移、情勢の変化というようなものに対応していく一つの対応策というふうにお考えいただけるかと存じますが、いま御指摘のような事情の変化というようなものには、それに即応したような対策を立てていくべきであるというような方向で、目下検討しておるわけでございます。
  176. 桑名義治

    桑名委員 当然このリマ水域のようなこういう演習場の指定をはずすということが最も好ましいことでございますが、全国的の各水域、これらをさらに再検討すると同時に、リマ水域のように最良の漁場をわざわざ指定する必要はない。これは幾らか場所を変更させるという措置ができないものか、またそういう意思があるかどうか。これは日米安保条約とのかね合いもあろうと思いますが、まず防衛施設庁の見解をただしておきたい。
  177. 長坂強

    ○長坂説明員 このリマ水域につきましては、いわゆる在日米海軍側といたしましても、また海上自衛隊といたしましても、訓練区域といたしまして、気象条件とか船舶の航路あるいは基地からの距離等から見まして、十分検討の上で設定されたものでございまして、これにかわるようないい水域は訓練区域としてはなかなか見当たらないということで、実は過去におきましても、そのようなリマ水域の設定変更というような御要望がありました時代に、米軍側とも打ち合わしたことがございますけれども、いろいろ検討の結果は、ここがやはり訓練上きわめていいところであるということで、これにかわる適当な区域を見出すことは困難であるという結論に達した経緯がございまして、現在におきましても、その事情はなお変わっておらないというふうに申し上げることができるかと思います。御了承いただきたいと思います。
  178. 桑名義治

    桑名委員 訓練場としては最良の場所かもしれませんけれども、漁民にとっては最悪の場所でございます。そういった食い違いが相互に起きてくるとは思いますけれども、いわゆる政治の場で論ずる場合には、当然地域住民の生活というものを優先してものを考えていくべきではなかろうか、このように私は思うわけです。今後そういうふうに演習場として最良であるからこの地域を絶対に動かすことができないという立場をとらないで、もう少し漁民の立場に立っての対策を立ててもらわないと、先ほどから申し上げましたように、沿岸はいわゆる公害問題で近海魚はほとんどとれないという状況に追い込まれ、しかも少し沖合いに出てくると、このように演習場によって、その付近で漁をするときにも非常に危険な状態に置かれて、不安の中で操業をしていかなければならないという状況にあるわけですから、そういったことを十二分に勘案しながら、今後の移動への努力を続けていただきたい、このように要望しておきたいと思います。  さらに、漁民のいろいろな話を総合してみますと、この付近の漁場はしめなわ漁業をやっております。したがいまして、海の上になわを張る。海流によってはそのなわがときにはリマ水域の中に流れ込む場合もあり得る。そのときに、米軍の演習のときには当然よけて通ってくれるけれども、自衛艦の演習のときにはなかなかよけて通ろうとしない、そういうことで非常な危険を感ずる。アメリカの軍隊がよけて通ってくれて、なぜ自衛隊の船がよけて通ってくれないのか、こういうような不信感が非常に強いものがございます。この点についての実態を教えていただきいと思います。
  179. 福田勝一

    ○福田説明員 海上自衛隊の洋上におきます訓練、さらには洋上を航行中におきましては、他の船舶の航行や漁船の操業に支障を来たさないようにということで、十分注意をいたして実施している次第なのでございますが、今回、六月十一日から十四日までの間におきまして、仰せの四国南方のリマ水域におきまして護衛艦九隻と潜水艦四隻による訓練を実施したわけでございます。申すまでもなく、水上を航行しておりました護衛艦等につきましては、仰せのしめなわの張ってあること等につきましては十分注意をいたし、また航行中の船舶につきましても十分注意をいたしておった次第でございますけれども、四隻の潜水艦が潜水をする前におきまして、十分見届けたのでございますが、そのしめなわの存在を確かめることができず、これが一たん潜水いたしまして浮上いたしました際にしめなわの損傷を招くという、まことにお気の毒な事故を起こしてしまった次第でございます。そういうことでございますので、今後も潜水艦が潜航する場合は、周囲の状況を十分確認いたしまして、潜水航行するよう指導する考えでございます。
  180. 桑名義治

    桑名委員 直接具体的な例を私はお話を申し上げませんでしたが、おたくのほうから話が出たわけです。実は六月の十二日に、いまの答弁の中にありましたように、しめなわが切られたということで、補償問題がいま持ち上がっております。呉のほうから総務課長が七月十五日に現地に急行して話し合いをやったが、その後の補償問題は明確でない、こういうふうに漁民は話しておりました。この補償問題が現在どういうふうになっているのか、また現地ではこちらの要求の約八〇%程度の補償しかやってくれないのじゃなかろうか、たとえ古い品物であろうとも、切られればぜひ新しいものを調達しなければならない。そうすれば、やはり全額の補償はぜひしてもらいたいというのが現地の意見でございますが、この補償問題についてどういうふうに考えておられるのか、明確に答弁を願いたいと思います。
  181. 後藤真平

    ○後藤説明員 御指摘の損害賠償状況についてお答え申上げます。  七月の三日に宮崎県の漁業協同組合連合会から被害の通知がございまして、呉地方総監部では直ちに現地に出向きまして状況調査しましたところ、当該水域におきまして訓練を実施しておりましたことを確めまして、七月の十五日に宮崎県の細島港にございますところの富島漁業協同組合で、呉地方総監部の担当官二名と宮崎漁連の指導課長補佐並びに被害者と会いまして、被害収況を聴取し、かつ、いろいろ賠償について打ち合わせを行なったわけでございます。その結果、賠償の話し合いがつきまして、目下損害賠償を行なうための裏づけ資料の送達を待っている状況でございます。これが参りましたならば、早急に適正な損害賠償を支払うようにする所存でございます。
  182. 桑名義治

    桑名委員 今回の場合は、たまたましめなわでございましたので、人命に関係がないで終わったわけでございますが、この訓練も話によりますと、無通告の訓練であった、こういうふうに伺っております。このような大がかりな訓練をやる場合には、必ず通告をした上でやっていただきたいと思いますが、訓練をやる場合に必ず通告をするものかしないものか、あるいはまた六月十一日から行なわれた演習が実際に無通告であったかどうか、その点も明確にしておいていただきたいと思います。
  183. 福田勝一

    ○福田説明員 海上自衛隊の演習につきましては、原則といたしまして、射撃あるいは投射訓練、そういった訓練を伴う演習につきましては、官報に告示をすると同時に、地元の関係者の方々、特に漁業に従事しておられる方々に御通知できるように、海上保安庁等を通じまして具体的にお知らせしているわけでございます。射撃または投射訓練等の伴わない訓練につきましては、原則として官報の告示もいたしておりませんし、そこの海域に入る、いわゆる航行中の船舶あるいは漁船等の所有者等、そういった方々にお知らせするということはやっておりませんけれども、今後そういうしめなわ等を切ってしまうというような心配のある潜水艦等の訓練につきましては、できるだけそういう措置をとっていくように努力をさしていただきたい、かように思っております。
  184. 桑名義治

    桑名委員 先ほどから海上の演習場の問題につきましてるる申し上げましたが、これは地域住民と直接いろいろな関係があるわけでございます。そういった立場から、自治大臣の所見を最後に伺っておきたいと思います。
  185. 秋田大助

    秋田国務大臣 一連のリマ水域における行動につきましては、地方住民の日常生活また経済生活に関係の多いことでございますので、防衛庁及び防衛施設庁としての権限から実施されることでありましょうが、今後きめこまかにいろいろ措置をされるよう配慮方を、われわれとしては切に希望する次第であります。
  186. 桑名義治

    桑名委員 当該の問題はこれで終わりたいと思います。  次に、消防庁に関する質問を少ししておきたいと思います。  まず消防力の基準の問題でありますが、現在の消防法の中にはその基準が明記されておりません。そして昭和三十六年の八月一日付のいわゆる消防庁告示第二号によって初めてここに明示されているわけでございます。ところが、約十年の年月がたっているわけでございますが、その間に社会の発展というものは著しいものがございます。一面には過密地帯を生み出し、一面には過疎地帯を生み出し、それぞれの地方の財政能力やあるいは社会の形態というものがずいぶんと変わっているわけでございます。そういった中で当然消防庁といたしましても、それに対応した消防力の強化をやっていかなければならない、こういうことから努力をされてきたことと思いますが、消防施設及び消防の定員の基準に比較した場合の充足率をここで明示願いたいと思います。
  187. 松島五郎

    ○松島説明員 消防力の実態は、基準に対しまして大体六〇%程度となっております。
  188. 桑名義治

    桑名委員 人員が何%、それから施設が何%、このようにお答え願いたいと思います。
  189. 松島五郎

    ○松島説明員 施設が、いま申し上げましたように大体六〇%程度であります。人員は大体五〇%程度に相なっております。
  190. 桑名義治

    桑名委員 そうして御答弁いただきますとふしぎに思うわけでありますが、昭和三十六年八月一日付で消防庁の告示が出され、そしてそこで消防力の基準が明確になっておりながら、十年もたっていまだにこのような六〇%に五〇%という非常に低率な姿を示しているわけであります。その反面、東京都におきましては、もし関東大震災が起こったならばというような想定をしながら、いろいろな消防力のいわゆる検討をなされている。ところが、消防力の基準になるものでさえも六〇%、五〇%という非常に低いものであるということは、これは何か非常な矛盾を私は感ずるわけであります。さらに、昭和三十六年度に制定された基準が、いまだにそのまま何の改定もされず現在まで生きているということ、このことにも私は問題があるのではないかと思うのですが、消防庁としましては、なぜこのようにいわゆる消防力が社会の変革に対応できなかったか、その点を明確にしていただきたいとともに、いわゆるこの基準を改定する意思があるかどうか、あるならば、いつをめどにしてなされるのか、その点を明確にしておいていただきたいと思います。
  191. 松島五郎

    ○松島説明員 消防力の基準ができましてから今日まで、消防施設等の充実が必ずしも十分でなかったことは御指摘のとおりでございます。ただ、年々の施設整備のあとを振り返ってみますと、おそいとはいいながら、かなり充実の方向に向かってきていることは事実でございますが、何ぶんにも相当の経費を要することでもございますので、その歩みがきわめておそいということでございますけれども、私どもといたしましては、今後さらに一そう補助金その他の面においても努力をいたしてまいりたいと存じます。  なお、消防力の基準につきましては、御指摘のとおり、制定されましてから約十年経過しておりますので、時代の進展に合わないという面も多々ございます。これは二つの面がございまして、一つ消防機器の能力が向上をしてきておりますために、従来たとえば小型動力ポンプ一台は〇・七〇という換算率を用いておりましたけれども、今日の消防から申しますと、もっと高いものになっているという面で、是正をしていかなければならない問題もございます。また、それよりも大きな問題は、やはり御指摘のございましたように、新しい都市への人口の集中化、過密化あるいは産業施設の増加というようなものに対応する消防力の基準というものを定めていかなければならないという問題がございまして、たとえばはしご車の問題にいたしましても、今日では中小都市に参りましても、五階、六階程度でございますならば、そういう建物がめずらしくない状態になってきておりますので、そういったことも踏まえまして、化学消防施設と申しますか、そういったものの整備をはからなければならないというふうに考えております。そういったことを含めまして、消防力の基準の改定を目下作業中でございまして、今年中にはこの作業を完了して新しい基準といたしたい、かように考えております。
  192. 桑名義治

    桑名委員 現在の消防力の基準は、全国的視野から定められているようでございますが、大都市、中小都市あるいは町村のランクで各市町村の実態に即応した基準に改善すべきである、こういうふうに思うわけでございますし、消防庁のいまの答弁の中では、いわゆるその地域に対応した基準を設けていきたい、このように答弁があったわけでございますが、問題点は、現在、消防整備五カ年計画というのが実施されて、来年か再来年かで終わるわけでございましょうが、しかしながら、五カ年計画を立てても、さらに消防力が遅々として進まないというところに問題がある。だから、新しい基準を設けたところで、はたしてその基準がまた充足できるかという問題が控えているわけですから、ここで特別な財政措置をとっていかなければならぬのではないか。必ず財政的な裏づけのあるところに消防力の前進はある、このように私は考えるわけでございます。  それで、過密都市あるいは工業都市にのみ必ずしもいわゆる化学消防車がなければならないということではなく、現在のような道路網の姿をながめてみますと、過疎のところでも危険物はどんどん車で運ばれております。あるいはどんなところにもガソリンスタンドがあり、どんなところにもガスがあります。そういったことを考えますと、必ずしも都会にのみ化学消防車が必要であるという論理は、いまや成り立たないと思うわけです。したがいまして、そういった過疎の場所においても化学消防車の一台は必ず必要ではないか、このように思うわけです。現在の消防施設を充足するためには、非常に資金が必要でございまして、各市町村においては、財政困難のおりから、なかなかそれが充足できない。そういったことで、消防の一部事務組合等が、いまもあちらこちらでできております。しかしながら、これは過密と過疎と両面から考えました場合には、お互いに問題点はあると思うのです。いわゆる都市部におきましては、先ほどお話がございましたように、化学消防車、はしご車、こういったたぐいのものが要ります。ところが、過密、過疎の一部事務組合のできたところは、たとえば交付税がおりても、交付税を吸い上げる場合には、なかなか市町村が手放せない、そういうこともあるわけです。あるいはまた化学消防車一台をぜひ買いたいとは言っておりますけれども、現在の価格で一台が約五百六十万円相当の金額がかかるそうであります。そうなりますと、その車をなかなか買うこともできない。しかもそういった過疎地帯においては、ほとんどが山間部、山を持っております。ところが、その山火事のときに、それに対応するところの山林火災工作車を買うこともできない。こういうような緊急に購入しなければならない機共があるわけでございますが、こういったものに対する特別な財政的な措置ができないものかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
  193. 松島五郎

    ○松島説明員 過疎地帯の消防施設整備につきましては、ただいま御指摘のございました山林火災工作車を含めまして、補助率を本年から三分の二に引き上げることにいたしております。これによって、そういった市町村における消防力の充実はかなり容易になるのじゃないかというふうに考えております。
  194. 桑名義治

    桑名委員 さらに、そういった一部事務組合ができましても、結局は機動性を重んじていかなければ、何のために合併をしたのかわからないわけでございます。そういったところには、必ずまた消防独自の通信網が必要でございますが、そういった通信網には、また非常にばく大なお金がかかるわけです。そういった意味で、通信網の整備をやっていかなければ機動性、科学性が要求されている現在の社会情勢の中では、どうしても対応できないという実情にあるわけですから、こういったいわゆる一部事務組合等については、広域化はけっこうではございますけれども、そういった面にもこまかい配慮を払ってこそ、初めてその効率的な力が発揮できるのではなかろうか、このように思うわけでございますが、消防庁としては、こういった通信機器の購入にまでも配慮が願えるのかどうか、その点も明確にしておいていただきたいと思います。
  195. 松島五郎

    ○松島説明員 御指摘のとおり、消防と通信とは切っても切れない問題でございます。どれだけ施設整備をいたしましても、通信機能が十分発揮されませんと、迅速に必要な地点に出動する、あるいは出動した消防隊が十分に活動するということはできないわけでございまして、消防の通信施設整備につきましては、私どもも特に力を入れてまいっておりまして、無線機等に対します補助金も、もちろん、実施いたしておりますが、さらに無線の波の増加ということも必要でございますので、無線の波が近く増帯化される機会に、消防無線波の増波についても努力いたしたい、かように考えております。
  196. 桑名義治

    桑名委員 過密、過疎、双方に言えることでございますが、最近は消防団、いわゆる非常備消防ですか、この消防団員になる人が非常に若い人の中で少ない、こういうふうに言われておりますし、あるいは過疎地帯におきましては、さらに出かせぎ等で男手がない、こういうような状況で、非常に憂慮すべき状態になっているわけでございますが、こういった状態に対して、消防庁としてはどのように対策を考えておられるか、具体的な対策があれば、お聞かせ願いたいと思います。
  197. 松島五郎

    ○松島説明員 消防団員がだんだん減少しておりますことは、御指摘のとおりでございます。ただ、その原因を調べてまいりますと、戦後から今日までの間で一番多く減少いたしました時期は、大体昭和三十年前後でございます。これは、やはり町村合併等が行なわれまして、それに伴いまして消防団の再編成が行なわれたというようなことが関係があったのではないかというふうに考えられます。そのほかの原因と考えられますこともいろいろございますが、中には常備消防が、御承知のとおり、だんだんふえてまいっておりまして、本年の政令指定を含めまして、全国で千余の市町村が常設消防を設置するようになってまいったわけでございまして、こういった常設消防整備されるに伴いまして、消防団の肩がわりをしていくという面もございます。あるいは、消防団が減ってきたから常設消防がふえたのか、これは問題がございますけれども、そういったことで減っている面もございます。また、先ほどから御質問のございます消防の機械力がだんだん充実をしてきたということで、従来は五人の人が必要だったものが三人に減ってきたという面もございます。そういった面からのものもございますが、また他面においては、人口都市への流出というような現象、さらには消防団員になるというようなことを好まなくなったという問題、いろいろ考えられる原因がございます。いずれにいたしましても、現在、消防団のみにたよっております地域消防団員が大幅な減少を示すことになりますと、地域消防を維持することができなくなるわけでございまして、私たちもその対策をいろいろと検討いたしております。一つは、やはり消防団員に対する処遇の改善をはかっていくことであろうというふうに考えまして、それにつきましては、本年度交付税措置等においてもできるだけの努力をいたしてまいっております。さらには、人手不足を補うための消防施設の近代化ということも、先ほど来お話がありますように、さらに進めていく必要があろうかと考えております。それからまた、やはり消防団に魅力を与えるという意味では、消防団の装備を近代化していくということも必要でございまして、こういった面につきましても、できるだけの配慮をいたしてまいりたいというふうに考えております。しかし、いずれにいたしましても、今日の社会情勢の中で、これがきめ手だというような形のものはなかなか見出せないのが現状でございまして、私たちもいろいろな方面の意見を聞きながらこの問題に対処していきたい、かように考えております。
  198. 桑名義治

    桑名委員 いまの答弁の中で、消防団員が少なくなったのは、消防署員が多くなったからだとか機械化できたからだとかお話がございましたけれども、これは実際は二面を見た姿ではなかろうか、このように私は思うのです。しかも、消防団員の手当というものは大体年間に三千円ですか。
  199. 松島五郎

    ○松島説明員 一般の団員は、昨年までは二千円を基準にいたしておりましたが、ことしから五千円を基準にいたすように交付税では算定をいたしております。
  200. 桑名義治

    桑名委員 ところが、そういった財政力の非常に弱い市町村に行きますと、それが全部本人たちに渡されていないという実情もあるわけですね。あるいはまた、出動したときには手当が出ますけれども、その手当も四百円程度の手当になって、あとは機械類のほうにお金が回されている。消防全体として使えばいいじゃないかというような考え方があるわけです。そういったことを考えますと、いかに消防に対する交付税が少ないかということも一見うかがわれることではなかろうか、このように思うわけでございます。そういったことで全体をながめてみますと、実際にこれは特別な予算措置をやっていかなければ、決して社会の状態に対応できる消防力のいわゆる充足はできないのだ、ここが私は最終的な結論ではないかと思います。そういった面から、自治大臣はこの消防体制の完備についてどのような決意で今後臨まれるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。
  201. 秋田大助

    秋田国務大臣 確かに消防団員の充実のために団員に対する処遇の改善あるいは退職金制度整備等々の必要を痛感いたしております。その他前段にいろいろお話のございました消防力の基準の強化なり改正なり充足率の改正、これらすべて関連をいたしておりますが、処理の改善につきましては、ただいま消防庁長官からお話のありましたとおり、四十五年度は交付税の基準財政需要額の算定において、その増加率におきまして、絶対金額はともかくとして、画期的な増加率を示した。それだけにわれわれはいろいろと努力し、配慮したところでございます。しかし、いろいろ財政力関係からそのとおり配付されていない面もありますが、これらの点につきましては、さらにひとつ充実をすべく、基準財政需要額の改正等順を追うてできるだけの処置をいたしたいと思っております。  なお、消防力の強化につきましては、新しい都市計画の進行等にもかんがみまして、画期的な措置を講じなければならないと存じて、いろいろ消防庁を督励して配慮をいたしておるような次第でございまして、この点さらに一そうの努力を尽くさなければならぬと考えております。
  202. 桑名義治

    桑名委員 もう時間が非常に短いので、あと簡単に危険物、劇物、毒物あるいは救急業務について二、三お伺いをしておきたいと思います。  現在の危険物、毒物、劇物の統制の問題でございますが、これは一応消防法で規定された危険物のように、統制のとれた法規制のもとにおける適切なる行政措置が行なわれているものについては、われわれはやや安心をするわけでございますが、それ以外に、重複行政のために、災害が起こったときにいわゆる責任の所在が明確でない、あるいはまたこれを処置をする上において非常に戸惑いを起こす、こういうような問題が最近は多く惹起しております。こういったことにかんがみまして、自治省もしくは消防庁としては、いわゆる危険物、毒物、劇物の統制についての一元——これは法制上もございましょうしあるいは制度上もございましょうが、そういった考え方なりあるいは原案なり、そういう働きかけなりをいままで行なったかどうか、あるいは今後行なうかどうか、その点について伺っておきたいと思います。
  203. 松島五郎

    ○松島説明員 危険物の問題につきましては、消防法で取り扱っておりますのは、一口で申しますと、いわゆる火災危険のある危険物というものを取り扱っておるわけでございます。火災危険に直接連ならないたとえば塩素ガスのようなものについては、現在は高圧ガス取締法あるいは毒物、劇物関係法律で規制をされていまして、役所の所管といたしましては、通産省とかその他の役所で取り扱っておられるという状態でございます。ただ、御指摘のとおり、火災危険は必ずしもなくても、それが輸送中等に事故を起こした場合に、いろいろ問題のあるものも最近は非常に多くなってきておりますので、これらについて消防が何らかの関与をする必要もだんだん多くなってきておるように考えられます。たとえばプロパンガス等の規制については、消防においても必要な関与をする方向に進んでまいっておるわけでございまして、また、今回のガス事業法の改正に際しましても、消防が必要な関与をするというようなことも新しくきめられてきておるわけでございます。そういった方向で、私どもも単になわ張りの問題でなくて、消防として必要な規制なり関与なりはできるという方向で問題を処理するという方向で進んでいきたい、かように考えております。
  204. 桑名義治

    桑名委員 消防業務というものが、いわゆる各地方自治体におきましても、現在までは何か付属的な考え方がとかくあったわけでございますが、いまやこの消防業務は住民の生活を守り、財産を守る上におきましても非常に重要な業務に変わってきた。この認識をさらに強くされまして充実した消防力をつくり、そうして住民に安心感を与えるように最大の努力をしていただきたい、このように要望しておきたいと思います。  次に、救急業務の問題でございますが、この問題は非常に重要な問題だと思います。現在、交通事故等を考えてみましても、救急業務というものは最近は非常に重要な地位を占めてきた、このように思うわけでありますが、まず救急指定病院の問題もこれは大きな問題の一つでもありますし、この救急指定病院になる場合に、公営の病院では交付税を三段階にランクをして処置をしているという話でございますが、私立の病院の場合、これはひとつの制限なり、あるいは要求はしておっても実際には何の恩典もない、あるいはときには救急車で運ばれてきた人が逃げてしまってお金が取れないというような、こまかいところまでいきますと、そういうような問題があるわけでありますが、こういった私立の病院が救急病院に指定された場合には、多少でもいわゆる財政的な措置をとってやるということが必要じゃないかと思うわけでございますが、その点を伺っておきたいと思います。  もう一点は、高速道路の事故の問題でございますが、これは過去、論議をされたときに、道路公団において自営の救急体制をつくる、こういうふうに論議をされたわけでございますが、その後立ち消えの状態であるように思います。この問題がどういうふうになっているか、伺っておきたいと思います。  さらに、この救急業務に従事している隊員の資格でございますが、これは救急業務実施基準において五つの資格がうたわれております。で、医者でない以上は、隊員が特別な講習を受けて資格を取らなければならない、こういうようになっておりますが、少なくとも現在の事故の状態から勘案してみたときに、最低線この法令にありますように、いわゆる衛生看護士ぐらいの資格を与えるまで講習をすべきでないか、こういうふうに思うわけです。なぜ私がこう申すかと言いますと、私の近くの町村で交通事故が起こったわけです。ところが、救急車がないということで、トラックで運んだ。応急処置をとっておれば何とか助かったんだけれどもという実際の話があったわけです。そういったところから、私は、隊員にいわゆる看護士までの資格を与えるべきではなかろうか、このように思うわけですが、この三点についての見解を伺っておきたいと思います。
  205. 松島五郎

    ○松島説明員 高速道路の問題と救急隊員の資格の問題についてお答えを申し上げたいと思います。  高速道路の救急体制につきましては、道路公団が道路の管理業務とあわせて実施をする方向検討するということで、一応閣議に報告がなされたのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、昭和四十五年度から当然予算を計上して、道路公団としてはその方向で仕事を進めるものというふうに考えておったのでございますけれども、現在までのところでは、いまだそのやり方その他が具体的に進んでいないようでございます。私どもとしては、そういう方向でやるということをきめた以上は、その方向で進むようにということで、いわば督促と申しますか、をしている状況でございます。  それから救急隊員の資格につきましては、御指摘のとおり、できるだけ高度の技術を持った者であることが望ましいわけでございますけれども、医療法との関係もございますので、直接治療に当たるというような行為にまで及ぶことはできませんが、少なくとも応急的な処置において誤りのないような教育は十分施していかなければならないということは、私どもも十分考えておりまして、消防大学におきましても、救急課程を四十三年度から新たに設けまして、必要な教育をやるようにいたしております。また、県の消防学校においても、救急課程の充実をはかるよう指導をいたしておるわけでございます。ただ、これは救急隊員だけの問題でなくて、消防職員についても同様の悩みでございますけれども、小さい単位の団体において、職員に採用いたしました者に教育を受けさせるということになりますと、どうしても長い期間をかけて教育をするということが非常にむずかしいという問題がございます。二十人、三十人程度の消防本部署で、しかもそれが何交代かで勤務するわけでございますから、一日に働く人は幾ばくの人数もいないという状態において、何人かの職員を長期間教育訓練を受けさせるということが、なかなか関係町村としてもできかねるというのが現状でございまして、そのために、こういった教育につきましても、十分行き渡らない面もございますが、その辺はやはり事柄の重要性によって問題を考えなければならないわけでございますので、私どもといたしましても、町村に対する財政措置等についても関係当局に十分連絡をして、特に人命を預かる救急隊員の養成ということにつきましては力を入れてまいりたい、かように考えております。
  206. 北川力夫

    ○北川説明員 ただいまお尋ねの救急告示病院に対します助成でございますが、従来私どもは一般の救急医療センターと申しますか、救急告示病院のさらに基本になります病院について全国的なネットワークをつくって整備をいたしておりまして、このほうは相当な整備が進んでおります。また、これに従事する医師につきましても、毎年研修をやりまして、高度の技術を与えるような措置をとっております。それと並行して、いま仰せのとおり、救急告示病院の中で特に私立のものについて何がしの助成をすべきだというような御意見が前々からあるわけでございますけれども、確かに二十四時間救急体制をしいておりますと、その間のから振りと申しますか、そういう関係のロスがあるわけであります。しかしながら、個々の私立の診療所につきましてまでそういった助成をするかどうかということは、非常にむずかしい問題でございますし、また、事、実名地域によりましては、その市なりあるいは町村の単位でもって輪番制の救急体制をとるというような、そういうところが相当多数ございますので、今後の考え方といたしましては、そういった輪番制をとっているようなものに対してどのような形でどのような助成をするか、そういうことについて現在相当問題を詰めて検討をしておる段階でございます。
  207. 桑名義治

    桑名委員 お約束の時間が来てまことに申しわけないわけですが、もう少し時間をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次の問題に移りたいと思いますが、現在、過疎地帯あるいは僻地地帯における重要問題の一つとしまして、医者の不足がうたわれております。この問題につきまして、秋田自治大臣は四国におきましていわゆる医学高専の問題、医学高等専門学校の設置の構想を述べられました。それと同時に、国立大学の医学部の増設あるいは定員増やあるいは公立病院に勤務する医学生の奨学資金貸与制度の大幅拡充とか、さまざまな構想を打ち出されたわけですが、この構想について秋田大臣から面接伺っておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  208. 秋田大助

    秋田国務大臣 御承知のとおり、先般国会を通過いたしました過疎法の過疎地域における無医地区の医師及び歯科医確保が、国及び地方公共団体の責任として明記されておるわけでございます。これにこたえまして、過疎法執行の主務官庁である自治省といたしましては、いろいろだだいま御指摘のような構想をいたしたわけで、高知県庁における一日自治省におきまして、七月四日、あのような構想を発表いたしたわけでございます。しこうして、この構想中心は、いわゆる医専の創設でございまして、全都道府県を設置者とする学校法人として医学高等算用学校、中卒後六年の修学年限を持つ医学面等専門学校を創設いたしたい。それの基礎といたしまして、日本のお医者さんの数が少ないのではないか。諸外国の実例に徴しまして、人口の割りに考えても少ない。まずこれを増設する必要がある。そこで、大学校の課程における医学部の増設なりあるいは定員の増なり、同時にこれらの学校に学ぶ人に対する奨学資金の大幅な増額、優遇措置も必要であるが、どうしても辺地に行っていただいて、そこにある期間居住して医療に診療に従事してもらうお医者さんを実現することが、やはり過疎法の無医地区における医療の確保、医師の確保になるものであって、これがために、やはり特別に考えられました医学校が必要ではないか。すなわち中卒後、年若くしてひとつ使命感に燃えた若い青年を考え、特別の大幅な奨学制度につきましても、優遇措置を講ずることによりまして、ある一定期間僻地に居住して医療に従事してもらうことができるのじゃないか。しかしながら、これは強制的なことは現行法上困難でございますので、一定期間居住し、僻地において勤務していただくならば、貸与をした債務の支払いを免除するという方法によって、実効をあげていきたい、こう考えたわけでございます。  しこうして、医学専門学校は日本の医学の水準あるいは医療の水準を低下せしむるものではないか。こういう御非難あるいは批評がございますが、これに対しましては、六年修業年限後さらに二ヶ年間インターンの期間、あるいは母校との通信教育、スクーリングの制度を設けまして、これによってさらに近代医学の進歩におくれをとらざるよう、また足らずと思われる点を補充修学される便を設けまして、その後現行の国家医師試験を同じく受けていただいて、合格された方を医師として採用し待遇するわけでございまするから、その点医専の教育等よろしきを得るならば、決して日本の、医学並びに医療水準の低下に通ずるものではない、こういうふうな構想のもとにあの構想をあえて発表いたした次第でございまして、過疎法の精神に忠実に、かつ長い間、私の記憶するところによりますれば、半世紀にもわたりまして日本の社会に無医村という深刻な社会問題がございますが、これが解決に資したい、こう思った次第でございます。
  209. 桑名義治

    桑名委員 この問題に対して厚生省あるいは文部省がいろいろな批判なりあるいは論評を加えておるわけでございますが、この問題について厚生省、文部省の見解をただしておきたいと思います。
  210. 北川力夫

    ○北川説明員 ただいま自治大臣からお話しのございました医学高等専門学校の構想につきましても、しょせん目的は、いまお話にございましたように、僻地の区療を確保するということにあると思います。特に大臣のお話にありました中で、僻地の住民に対しまして定着した医師を確保する、こういうお話があったわけでございます。私どももその最終的な目的と申しますか、僻地の医療を確保するという点につきましては、全く目的を一にしておりまして、ただ、医学高専というふうな構想でもってそれを確保することが適切であるかどうかという点について若干の疑念を持っているような次第でございます。  僻地の医療の確保の問題は、すでに御承知のとおり、厚生省といたしましても、昭和三十一年から年次計画にいたしまして三回にわたりましてあるいは僻地診療所の整備あるいはまた患者輸送車、そういったものの整備をやってまいったわけでございます。でございますが、過去十何年の例によりましても、最近の医師をめぐる諸環境と申しますか、あるいはまた、非常に激変いたします過疎現象というものを考えますると、どうも僻地に医師を定着させるというふうなことについては非常な困難性があるというふうに考えまして、第三次の僻地医療対策におきましては、すなわち四十二年度からでございますが、むしろ機動力でもって僻地の医療を確保する、こういうところに重点を切りかえてまいっております。  しかしながら、これは当面の対策でございますから、長期の対策といたしましては、当然医師の絶対数を増加させる、あるいはまた、現在、極度に偏在をいたしております偏在そのものを是正する、こういう対策が出てまいろうかと思うのです。その意味で、医師の養成増をいたしますことは、もちろんわれわれも賛成でございます。すでに何年か前から文部当局に対しましても、相当数の医師の養成増をお願いしておりまして、事実この十年間の養成定員は二千八百人から四千三百八十人までふえておるわけであります。そういう中で、今後も引き続いていま申し上げました医科大学の新設でございますとかあるいは既存の医学部の定員増でございますとか、こういったことをお願いするつもりでございますが、ただいまお話しのございました医学高等専門学校につきましては、これは文部省のほうでもお考えがあろうかと思いますけれども、何ぶんにも中学卒業という基礎学力の上に立って専門的な教育を行なうということにつきましては、現在のような医療が高度化いたしました時代、また今後も疾病構造がますます複雑になりますし、人口構造も変化をいたします、そういった社会経済的な条件が激動する中で、はたしてこれは住民の意思に合致したような医療を提供する人ができるかどうか、われわれは非常に疑問に思っております。それと同時に、かりにいま大臣がおっしゃいましたようなりっぱなものができるといたしましても、現在、医師の養成といいますものは、正規の大学の課程でもってその養成を一元化する、こういうことになっております。この医師養成の一元化ということは、国際的にも先進諸国でほとんど大多数の国が取り入れておる問題でございまして、また現実の問題といたしましては、先進諸国との間にインターナショナル・ライセンス、いわゆる国際的な共通免許というふうなことも具体的な話題にのぼっておる段階でございますから、そういったことを考えますると、私どもは、まず理屈の上からいっても、たてまえの上からいっても、医師の養成について、この際、医療低下のおそれのある中卒六年というふうな考え方については賛成をしがたいというふうな状況でございます。また実態問題から考えましても、今後六年……(桑名委員「時間がございませんから簡単にしてください。要点だけでわかるから。」と呼、ぶ)今後六年プラス二年で八年かかる。それからまた一校医専をつくるにいたしましても、相当な財政投資を要する。また、いまお話しのありましたように、はたして養成した医師が僻地に定着をするかどうかというふうな、そういう懸念もあるわけでございます。実際問題から申しましても、現在あります医学部の定員増でありますとかあるいは、医科大学の新設というふうなことでもってまかなっていって、結果的にはほとんど変わりはないのではないか。したがって、私どもはできるだけ医師の養成の定員を増加して、また養成増が効率化するように、また偏在が是正できるように、そういった具体的な対策を立てるべきである、このように考えております。
  211. 安養寺重夫

    ○安養寺説明員 いまお話がございました医師の養成と医師の確保、これはきわめて相関度の高い問題でございまして、文部省が主として担当いたしております医師の養成、教育の面からだけお答えを申し上げます。  御承知のように、学校教育法によりまして、六年の専門教育を大学においてやるというのが、医師養成の唯一の現在の方法でございます。最近いろいろ医療の高度化というようなことがございまして、その六年も短い、もっと長くすべきではないかという意見もございます。かたわら、高等専門学校は、これも学校教育法にございますように、現在、工業と商船に限って制度を運用しておるわけで、この主眼といたしますところ、趣旨は、要するに、若年のころから、一般的な基礎的な教育とあわせて、技術的な教育を施す、そういうことにいたしまして、技術者の養成に貢献しようというところから出ておるわけでございます。そういうような制度を彼此勘案いたしまして、文部省といたしましては、当一面、現在の医学教育の制度内容充実ということに心がけるべきではないか、かように思っておるわけでございます。なお、当面の問題でございます医師の養成の増ということにつきましては、既存の大学といろいろ相談をいたしまして、増員というふうなこともだんだんに助長するように、また実現するように努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  212. 桑名義治

    桑名委員 いま秋田自治大臣から構想を聞き、さらに厚生省、文部省から見解をお聞きしたわけでございますが、厚生省、文部省ともに、この問題が惹起するまではどのような対策をとったか、これを考えたときに、いままで安閑としておったと言わざるを得ないと思うのです。現在、答弁を聞いておりますと、作文的ではございますが、現実的ではない。こういうふうに手を打っていこうという現実的な施策こそがいまは急務ではなかろうか、このように思うわけでございます。本来ならば、きょうは深く掘り下げて検討したかったわけでございますが、何せ私の与えられた時間ももう大幅にオーバーしましたので、ここで質問はやめたいと思いますが、そういった意味で、文部省、厚生省も積極的な態度で具体的にこの施策を推進していただきたい、このように思います。  きょうの新聞の中にも「お粗末な離島の医療」、こういうことで医療対策が非常におくれているということが、この投書の中にも出ておりますし、さらに一点つけ加えて、この問題を批判をしてみますと、秋田自治大臣がこの問題を提起しまして、そして厚生省、文部省それぞれがそれぞれの思惑の中に積み上げた施策を発表しているわけです。お互いに大きな食い違いがあります。少なくともこのような重大問題は、この三者ががっちりと話し合いを進めた上で、そしてこの問題と積極的に取り組んでいただきたい。このことを要望して、終わりたいと思います。
  213. 菅太郎

    菅委員長 委員長から一言お願いをいたします。  ただいま自治大臣からお話もございましたが、先般できました過疎地帯の緊急措置法は、当委員会が提出をいたしました議員立法でありますが、自治大臣が言われましたように、この過疎地帯の医療の充実は国の責任とはっきり規定をいたしました。そういうわけで、いま桑名委員から申されましたように、三省の間に意見の食い違いはありましょうが、ぜひともこのわれわれがきめた法律の趣旨に従って早く充実しますように、ひとつ歩み寄りを示されまして、実効をあげられますよう、委員長からこの際お願いをいたしておきます。  門司亮君。
  214. 門司亮

    ○門司委員 きょうは主として公害問題をお聞きしたいと思っておりましたが、担当の大臣がおいでになりませんので、それは自治省でわかっておる範囲の資料をひとつ出しておいていただきたいと思います。これは資料だけの要求ですが、公害については、御承知のように、十に近い法律があります。それから地方自治体がみんなおのおの条例を持っております。法律のほうはわれわれのところで調べればすぐわかるわけでありますが、各自治体の持っておる条例というのは、どういう条例をこしらえてどうしておるかということは、実際はわからないのです。したがって、この次の会議に地方の自治体で——私は何も小さな町村までとは言いませんが、大体都道府県と産業をかかえておる地域の自治体の公害に対する条例を一応出してもらいたいと思います。これは大体わかっておるはずだと思いますので、これをひとつ公害問題について資料要求として出しておきます。  それからこの機会に、きわめて簡単に聞いておきたいと思いますことは、自治省がごく最近に事務次官名で、来年度の予算の基礎的なものをつくることのためと考えられるような意味で、九十何項目かにわたる各省に対する注文というか要請をいたしております。それをここで全部質問をするわけにまいらぬと思いますが、そういうものが出ておるのを踏まえて、私から私なりに一応聞いておきたいと思うことは、あの九十数項目にわたる各省に対する要求がされておりますが、これは要求がされておるのであって、来年度地方財政計画についてはほとんど触れておりません。非常に大きな問題になってくるのは、来年度地方財政計画の中で、私、これは率直に聞いておきたいと思いますことは、一体地方税の改正をする意思があるかということであります。この点をひとつ先に聞いておきたいと思います。
  215. 長野士郎

    ○長野説明員 税務局長がただいまおりませんが、地方税については、住民負担の軽減、合理化ということはなるべく進めてまいりたい、こういう基本的な考え方であります。
  216. 門司亮

    ○門司委員 税務局長がいなくたって、大臣と次官とおいでになるのですから、これ以上のことはないと思いますが、私が聞いておるのは、そういうことを聞いておるのではなくて、いま政府が考えておる付加価値税、これは一体どうするつもりか、あるいは自動車税はどうするつもりか。これを道路財源に充てようとしておるが、私は、この二つの新しい税制をしこうとする政府の意図が那辺にあるのか、その点をひとつ大臣から明確にしておいてもらいたい。
  217. 秋田大助

    秋田国務大臣 付加価値税につきましては検討をいたし、これが創設につきましては研究をいたしておるわけであります。なお、自動車税の創設につきましては、第六次の道路整備五カ年計画の実行におきまして、特にわれわれとしては地方道の整備強化に重点を置いております。これらの地方道の整備強化——改善、舗装等につきましては、どうしてもこれに見合うところの道路目的財源の確立を必要と考えておりますので、これらの目的に合うものといたしまして、自動車税の創設を考慮いたしておるところでございます。この点につきましては、建設省ともいろいろ摩擦を起こすところもありましょうが、地方道を整備いたしまして、地方における社会資本充実の責務を果たすべくわれわれは最善を尽くしていきたいと考えております。
  218. 門司亮

    ○門司委員 私、きょう、ほんとうはこまかい御説明はいただかないでもよかったので、創設の意思があるとかないとかいうことだけでよかったのでありますが、私がなぜそういうことを聞くかというと、付加価値税については、これは問題のある税金ですね。これを新たに設けようとするには、一体いまの事業税をどういうふうに変えていくか、それをやりませんと、非常に大きな問題が出てくるわけであります。付加価値税なんという税金は、世界に像とんど類例がございません。フランスにかろうじてあるようでありますが、フランスの付加価値税というのは、昔わが国で、法律だけはこしらえたけれども実施はしなかった当時の付加価値税とは、非常に趣を異にするのであります。名前だけは同じような付加価値税という名前をくっつけておるようでありますけれども、かなり違います。そういう点について、ほんとうに自治省は研究されてこれを実施されようとするなら、やはり構想なりその他の問題をひとつ明らかにして、お互いにこういう問題では検討する必要が私はあろうかと思ってお聞きしたのでありますが、付加価値税はそういうことで検討しているという段階のようであります。  それから自動車税については、これは目的税としてと、こういうことでありますから、ここで私ちょっとひっかかりますのは、地方道といわれておりますけれども、いまの日本の道路行政というのは、三つあるのですね。都道府県も道路を持っておりまするし、それから建設省も持っておりまするし——大体道路は建設省の所管と考えるのは大間違いであって、運輸省が道路行政をやっておりますね。港湾に関する道路は大体運輸省の所管であります。それから林道、農道、それから漁港の道路というのは、これは農林省の所管であります。そしてこれらの問題はみな地方にあるわけであります。市町村がみなこれを背負っておる。そこで、道路行政だけを一つ抜き出してみても、一体財源をどこに求めるかといったって、地方ではこれは弱っておるのですね。ことに農道、あるいは例の林道のごときは、所管も三つになっている。国が所管しているやつもあれば、県が所管している、あるいは市町村——これは自治体と勘定してもよろしいのでありますが、あるいは森林組合が所管しているものがある。こういうふうになって、日本の道路行政というのはめちゃくちゃであって、地方の自治体に行ってみるとわからない。したがって、ここでもいつか問題になりましたが、建設省の出してくる道路の長さと、自治省の計算している道路の長さとかなり違うわけでありますね。それから幅においても、町村に行くと、大体二・五メートルでよろしいというし、建設省に行くと三・五でよろしいというし、建設省の同じ関係でありまする建築基準法からいけば、大体四メートルの道路がほしい、こうおっしゃるし、一体何が何だかちっともわからない。そういう問題等がありますので、私は、特にこの自動車税等については、一体どういう形で——これをただ単に地方財源とするというようなことで、これが一般的の、そういうさっき申し上げました農林省所管であるとか、あるいは運輸省所管であるとかいうような道路を除いた道路であるとするということになってまいりますと、多少の私は問題が起こりはしないかということが考えられる。その点をこれから追及するといったって、時間がございませんから、私は聞きませんが、その辺を十分ひとつ考えておいていただきたい。  それからもう一つ、税制改正をしようとするのに問題になるのは、先ほど消防の問題がだいぶん出ておりましたが、消防には財源が実はないわけでありまして、なかなか消防の財源というのは、どうも消防庁遠慮しておって、火消しばかりやっておるものですから、消すほうにばかり回っておって、つけるほうに回らぬので、少し消防庁は予算の関係で火をつけたらよろしいと思いますが、こういう問題で、結局、長年問題になっております消防施設税というような税金を創設されるような御意思があるかどうかということを、この機会にもう一ぺん聞いておきたいと思う。
  219. 秋田大助

    秋田国務大臣 消防力の強化の問題で、いろいろ積極的に財源を考えたら、ないわけじゃないというお話であります。いろいろ昔もあったし、いまもいろいろなことが言われております。まだ自治省として正式ではございませんが、私なども個人的にいろいろ考えて、消防庁長官とも話し合っているものはございますけれども、いまだ具体的になってはおりません。ひとつ将来検討をしてまいりたいと思いますから、いろいろ門司先生にも御教示を願いたいと存じます。
  220. 門司亮

    ○門司委員 さっきも大臣からの答弁もございましたように、自動車税を創設して、そしてこれを道路の目的税とする、これが一つの考え方ですね。そうしますと、消防を強化することのために、いわゆる消防施設税というような税金を私は設ける必要があると思う。今日の損保業界はどれだけこれでもうけているか、税金で全部の消防車を準備をし、いろいろな施設を行なってきて、そうして火災が少なくなれば少なくなるだけ、もうかるのは損保業界なんですね。だから、利害の関係からいえば、当然私は消防施設税として損保業界に特別の税金をかけたからといって、ちっとも差しつかえないわけであります。これは絶えず問題になっておる。しかも自治省は一回か二回くらいこれの立案をした経緯がある。そのたびごとに大蔵省の銀行局から押えられて、そんなことをしたらたいへんだということで、結局、どういう回り合わせかわかりませんが、金持ちには政府はきわめて弱いのでありまして、何百億か数千億の利益をあげておる損保業界から、わずかに一年に三十億か五十億の税金を取れないということでは、私はどうかと思うのです。そんなことで火が消えるかというのです。私はこういう問題についてはひとつ真剣に考えてもらいたい。自治省は遠慮していて、そういう問題を検討している——研究しているだけでなくて、すでに自治省自身が二回くらい立案して出しかけたのであります。しかし、大蔵省の銀行局で押えられて、結局、出ておらない。裏を返せば、結局、金持ちに押えられておるということである。私はこういうふうな不合理な世の中をこしらえるものではないと考えておりまするし、やはりそれから得る利潤の特別にある団体については、あるいは業界については、当然こういう税金を課して、そうしてお互いに消防の充実をするということ——私は消防施設がずっと充実してまいれば、いまの損保業界はもっともうかると思う。類焼が一つなくなれば、あるいは二つなくなれば、それだけの分は一体だれがもうけるかといえば、損保会社がもうけるにきまっている。決して損はないと思う。だから、損害保険の歴史を見てごらんなさい。明治四十二年までは消防施設というものを保険会社が持っておった事実があるでしょう。保険会社自身が消防施設を明治四十二年まで持っていたはずだ。これは自己防衛のためだ。この自己防衛として持っておった消防施設を地方の自治体に肩がわりしておるわけでありますから、その自己防衛のときの考え方があるならば、そのために税金を納めたからといって、私は不都合ではないと思う。ところが、これをいつまでも実施できない。そうして消防が弱体だ、弱体だということで、国会のあるたびにいじめられておって、言いわけばかりいたしておるということである。もう少し私は元気を出してもらいたいと思います。きょうは時間がございませんから、それ以上は申しません。  それからその次に、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、地方財政の問題で一番いま問題としてわれわれが取り上げなければなりませんことは、いま申し上げましたような税制の問題と切り離すことのできない税の配分の問題がございます。ことしの四十五年度の予算計画と国の予算とのかね合いから見ますと、国民の税負担の一二・八%というのは、これは国税に納められておりましょう。三・三%が府県税である。二・七%が市町村税であります。この二・七%というのは、昨年よりコンマの一%落ちているのであります。市町村税というのはこういう形で年々ウエートが下がってきておる。そうして国税と府県税だけは年々伸びておる。こういう税配分の関係です。国に言わせますと、そうは言うけれども、国庫支出金で、あるいは交付税でというようなことでよく言いますけれども、実際問題としての税配分と仕事の分量とを考えてまいりますと、非常に大きなアンバランスがあるのである。私はこの税の配分をぜひ変える必要がありはしないかということである。そうしなければ、これはとても市町村というのはやっていけない。たとえばいま非常にはやっておりまするゴルフを見てごらんなさい。娯楽施設利用税は都道府県税でしょう。そういう広い地域を占領されておる市町村はどうなっておるかというと、これは耕地にも当たらない雑種地としての固定資産税がかけられておる。一体こういうことでよろしいかどうか。しかもそこには非常に高価な芝が非常にたくさん全部に植えてあるはずです。企業をいたしております鉱工業に対しましては、そういう機械器具等に対しても、一定の控除率を差し引いた残りにはちゃんと固定資産税がかかっておる。ところが、ゴルフ場に対して、当然芝は一つの大きな資本であることは間違いない。しかし、これには税金がかけられない。雑種地としての一番安い固定資産税がかけられているということ、ここには不合理性がある。私はこういうものは是正すべきじゃないかと考える。何もむずかしい仕事じゃない。レジャーブームが非常にはやっておりますけれども、この中でも、たとえば温泉地等に行って一生懸命施設をしなければならないのは市役所なんです。そして市役所にどれだけの税金が落ちるか。遊興飲食税は国がそのまま取り上げて、そうして府県に持ってくる。店の売り上げの事業税は府県が持っていく。当該市町村に落ちるものは、わずかに一晩に二十円の入湯税だけでしょう。こういうものを数えてごらんなさい。幾らでもあるんだから。こういうものはやはり是正していって、そして年々ウエートが減ってまいります市町村税というものの充実をはかっていくことが必要であって、仕事は一番たくさんやらせるが、しかし、税金のほうは年々そのウエートが下がっていくというような形の今日の税財源の問題。この税財源の配分の問題をこの際自治省としては十分考える必要がありはしないかということでございます。私は、これは国と地方との配分関係——大蔵省はすぐ交付税が多過ぎるとか、ハチの頭とか言っておりますけれども、こういう問題は、私は必ずしも大蔵省の言い分を通すわけにはまいらない。固定資産税であろうと、あるいはいろいろな税金がどういう形になるかということであります。したがって、こういう問題に対する税財源の再配分ということについて、自治省の中には、御承知のように、大臣の諮問機関として、これらの財政その他を協議している審議会がございます。私は、大臣はこういう審議会に対して税財源の配分等について諮問される御意思があるかどうか、この際聞いておきたいと思います。
  221. 秋田大助

    秋田国務大臣 ただいまの税配分のことにつきましては、かねがね自治省としても検討いたしております。各種の委員会、調査会等にもはかりまして、今後事務配分の適正な区分けとともに、適応いたしました税の配分につきましては、国と、地方の中における県と市町村、これの関係を十分に考慮いたしてまいりたいと思います。
  222. 門司亮

    ○門司委員 それではもう一言だけ。あまり老婆心過ぎておしかりを受けるかもしれませんけれども、何かといいますと、すぐ事務の再配分とおっしゃるのですよ。私はいま事務の再配分なんか言っちゃいない。税の再配分です。事務のほうはいじらなくったって——非常に不均衡、が出ているのですから、これはひとつ先に直しておいてください。事務のほうは事務のほうとして、これはこっちにこれだけよこせということは、同じような状態のときである。いまはそういう状態じゃないのであります。まず何といっても税財源を、税をこっちに移すということが先の問題。そうすれば、おのずからこの事務の配分等についてもゆとりができてくる。このような状態でどんなに事務の配分をしても、事務の配分をして都道府県に事務がおりてくればくるほど、赤字になって実際迷惑するんですよ。その前にやはり税財源の配分を行なって、その上に立って事務の再配分をする必要があるなら、その意味で考えることが私は自治省としては筋だと思っているんですよ。それを忘れておって、両方すぐみんなおっしゃるものだから、どうもうまくいかないんです。配分をするからこれだけ税源をよこせと私どもは言っているのじゃなくて、現状ではどうにもならないからこれだけよこしてくれと言っている。税の伸びを見てごらんなさい。市町村の税の伸びなんというものは、非常に率は少ないですよ。私、きょうはそういう質問をするつもりでなかったから、詳しいそういう資料は持ってきておりませんが、終戦後でも、昭和二十三年までは税配分については市町村は都道府県の三倍ぐらいあったはずですよ。それがいま逆に七割くらいに落とされている。これはどういうことかというと、経済に依存をする財源というものが国と県に集められて、地方の市町村は、固定資産税を中心とした固定した財源、これに住民税を加えたいわゆる固定した財源にこれを求めておる。これでは税財源の健全性というものを——その当時はそれでよかったのであります。ところが、経済がこういうふうにばかばかしく伸びてくるということになりますと、経済に直接関係のある税金というものは非常に伸びてきて、そうしてこの固定化した財源というものは枯渇化することは当然であります。この時代の推移というものがやはり税制の中に、配分の中に考えられなければならぬと思う。ところが、こういうものをお考えにならないで、私は事務の再配分と両方を考えていますということは、私は自治省としては少し甘いと思うんですよ。実際は現状ですらどうにもならぬことです。そういう問題について、これ以上私はきょうは質問いたしませんが、ひとつ四十六年度の予算編成に当たるにつきましては、先ほど申し上げました九十七項目のものを一つ一つ聞いてもいいと思っていますけれども、きょうはそんなこと聞いておりますと、夜の明けるまで聞いていなければならぬから、この辺で一応やめますが、ひとつ大臣はそういう点について御配慮願いたいと思います。
  223. 菅太郎

    菅委員長 林百郎君。
  224. 林百郎

    ○林(百)委員 主として自治大臣にお尋ねしたいと思います。  公害防止に関しての問題ですけれども、公害問題に関して権限を大幅に国から都道府県、市町村に移して、公害行政に住民の意思が反映しやすいようにすべきであるというのが大体世論化してきたと思うのですね。それで自治省もこういうことをお考えになっていると思うので、きょうはひとつ率直にその意見を聞かしていただきたいと思うのです。ということは、公害の被害者が直接その公害を訴える窓口というのは、やはり地方自治体が窓口になる。一々公害を国のそれぞれの所管庁まで上京してきて訴えるということはなかなかできないことで、やはり地域の住民としては直接地方自治体、市町村、府県へ行くと思うんですね。そこが窓口になり、しかも待ったなしの措置をそこでしなければならないような問題が起きてくると思うんです。  この八月七日の美濃部さんの東京都議会における所信表明を見ますと、七月十八日の一日だけで光化学スモッグで都民の被害を受けたのが六千人というのですから、そういう六千人もの被害者が発生しているということを都庁が知っていて、そうしてそれに対して何らの手をも打てないということでは、これは地域住民に対する地方自治体としての責任を果たさないことになるわけですね。山中総務長官も、これも拾ってみると、こんなようなことを言っているのです。「国の基準は最低基準であって、地方の実情に応じて法律に上乗せする形で条例を強化すべきであり、そうした条例を法律違反とするのはおかしい」というような意見を山中君は述べている。それから、これは有力新聞に談話として出したのですが「条例で法律を上回る規制はできないということになっているが、そういうしゃくし定木的な考えはとらないでやっていこうと思う。国が、全国の内水面を含めた全河川について水質汚濁に対する最低基準を設ける。このあとは地方の、実情に応じた規制を知事がとれるような権限を譲ったらいいと思う。」それからさらに、内田厚生大臣が七月二十八日に、これも有力新聞に語っているところによりますと「公害は地域的現象だから地元で対策を立て、それを国が援助するという形、そして中間で県なりがバックアップするのがよい」ということを言っております。また八月三日には、これも新聞に、行政管理庁は、国民の身近な公害苦情の処理には、地方自治体の力が大きな役割りを果たしているとして、地方自治体への権限の委譲の必要を示唆しているということが新聞に報ぜられております。これは同じ国務大臣として山中総務長官などがそう言っているわけですけれども、自治大臣の秋田さんは、これに対してどういうお考えを持っていますか。どうもあなたの答弁は抽象的で、実のないような答弁が多いわけですけれども、ひとつ率直に聞かしてもらいたいと思うのです。
  225. 秋田大助

    秋田国務大臣 公害防止対策につきましては、自治省としては、その積極的な展開に対しまして、六月十九日に自治省としての考え方はすでに発表しておるところであります。もちろん公害問題は、本来地域的な問題でありまして、地域実情に即して地域住民の意思を体して、その健康の保全あるいは自然の保全のために解決される必要がありますので、やはり権限等は、実情をよくわかっておる都道府県知事等に権限が委譲されることが好ましいわけでありますが、そこで、自治省としては都道府県知事に対して次のような権限の委譲をはかるべきであるという見解をすでに発表しておるところであります。おそらく各閣僚も、むしろ時期的に申しましても、自治省の態度に大体従われておるのじゃなかろうかとさえ思われるところでございます。  それによりますれば、工場排水につきましては、現在、都道府県知事に権限が委譲されていないパルプ、紙または紙加工品製造業、水銀電解法苛性ソーダ製造業、アセチレン誘導品製造業、石油化学工業、石油精製業、鉄鋼業等について、また大気汚染につきましては、電気事業及びガス事業についてその規制権限を早急に都道府県知事に委譲するよう関係省庁と協議をいたしたいという態度でございます。かつ一酸化炭素、鉛、さらには窒素酸化物、オキシダントによる公害を防止するための交通規制を都道府県知事が要請することができるような措置を講じたい、こういう考えを持っております。さらに、国の定める規制基準を再検討するとともに、地域特性に応じて地方公共団体が国の基準に上乗せすることができるよう所要の法改正を講じたい。そういうように各関係主管庁と取りはからいを行なうというような態度、またそれに必要な官庁間の折衝等をいろいろやってまいりたい。これらは関係閣僚会議なり中央の公害防止対策本部において順次取り上げられまして、早急に解決を求めるよう自治省としても希望し、それが促進をはかっておるようなわけでございまして、これらのことはすでに六月十九日にその態度を表明いたしておるところでございます。
  226. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、こういうことですか。工場排水では、除外されておるのが、酒が国税局、パルプ、紙が通産、水銀電解法苛性ソーダ製造が通産、アセチレン誘導品製造業が通産、石油化学工業が通産、石油精製業が通産、鉄鋼業が通産、鉄道車両が運輸、それから船舶の酸、アルカリ洗浄施設、電気メッキ施設、こういうのが工場排水法では地方に権限委譲する分から除かれておるわけですけれども、これに関する権限を地方自治体に委譲する。それから大気汚染では、御承知のとおり、火力発電、都市ガス、鉱山、航空機等が除かれております。この規制も地方自治体のほうに移管するようにと、こういう交渉をしておるということですか。
  227. 秋田大助

    秋田国務大臣 大体おっしゃるとおりでございますが、多少違っておったと思います。ただいま私が初め申し上げたものにつきましては、おっしゃったものでその中に含んでおるものもありますが、含まれていないものもございますが、主要なものにつきましては、ただいま私が例示をいたしましたものは、少なくともこれは地方の都道府県知事に権限を移譲してほしいというふうに各省に交渉をし、ひとつ御協議を申し上げ、善処方を要望しておるところでございます。
  228. 林百郎

    ○林(百)委員 その権限の委譲の内容ですけれども、そうすると、環境基準と排出基準の設定ですね、まあこれは各地方自治体の独自的なそれぞれの特殊性がありますので、これはやはり各都道府県知事にそれぞれの地域の環境基準、排出基準の設定権限を持たせたほうが実情に合うようになると思います。一方この意見に対しては、いや各府県ででこぼこがあったのでは国民の権利を擁護するという点では欠ける点が出てくるのじゃないかという意見もありますが、しかし、実情としては、たとえば東京と長野県とが同じような環境基準と排出基準をきめるなんということは実情に合わないことであって、先ほどの大臣の言われた中央行政官庁が把握しておる権限を地方自治体に委譲するように自治省も考えて、そういう交渉をしたいと言っておる中で、環境基準、排出基準、それを各地方自治体できめるような、都道府県あるいは町村に委譲するような、そういう考えはお持ちか、あるいはそういう交渉はおやりになっておるかどうか。その辺はどうでしょうか。
  229. 秋田大助

    秋田国務大臣 その点につきましても申し上げたところでございますが、国はやはり最低の基準と申しますか、そういうものを定め、地方の実情によりまして基準の数値につきましては上乗せができるということが、法的な体系上できておるということが望ましいと思います。したがって、そういうふうな法改正をするようにお願いしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
  230. 林百郎

    ○林(百)委員 そうしますと、それについてはあれですか、公害対策基本法についての法改正にそういうものを盛り込みたいというのか、それとも、地方自治法のほうに盛り込む、あるいは独立の法律をつくる、法制的な体系といえばどういうことを考えていますか。まだそこまでは考えていませんか。要するに、公害基本法を大臣のいま言ったような内容のものに改正したいというふうに考えておるわけですか。
  231. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 現在私どもが考えておりますのは、大気汚染について基準を定めております。あるいは工場排水でありますと、工場排水規制法に基づきまして基準を定めておるわけでありますが、その中に一条加えまして、この基準は、平淡俗語でいうとナショナルミニマムであって、当該地方団体実情に応じてこの基準に付加して上乗せすることができることを妨げるものではないという式の条文を入れたらどうだろうか、こういうことで……。
  232. 林百郎

    ○林(百)委員 公害基本法にですか。
  233. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 それぞれの法律でございます。
  234. 林百郎

    ○林(百)委員 わかりました。  それから、一例を申しますと、大気汚染が一番現実的に私の次の質問に適応した状況になると思いますが、大気汚染の状況に応じて臨機応変の措置を企業に対してとる。要するに、防止の措置を企業に義務づけるとか、自動車の交通規制をするとか、住民の意思が十分に反映する実効ある公害防止対策が実施できるような権限を地方自治体に持たせる。御承知のとおり、私のほうも調べてみたのですけれども、たとえば自動車については、構造については通産省が権限を持つ、免許については運輸省が持つ、規制については警察庁が持つというようなことで、排気ガス一つの規制についても三つの省が関係しているというような関係ですね。こういう場合、東京都で光化学スモッグが起きたような場合に、そこの首長の権限で交通規制がとりあえずできるというような権限を都道府県知事に与えるというようなことは、私はしたらいいと思うのですけれども、何か問題がありますか。あるいはそういうことを実現するために努力されているわけでしょうか、どうでしょうか。これはなかなかむずかしい問題だと思いますが…。
  235. 秋田大助

    秋田国務大臣 いまお話しの問題の点につきましても、ただいま申し上げたつもりでございますが、窒素酸化物であるとか、オキシダント等による公害を防止するためには、設備の規制はいろいろ各省に権限がある。これはやむを得ないと思いますが、さしずめ発生をいたしております公害の防止のためには、交通規制を都道府県知事が要請することができるというような措置を講じておきたい。都道府県知事が直接規制をするということは、いろいろ道路交通法その他の関係がありますのでどうかと思いますので、いまここにこれだけのオキシダントによる公害の発生があるので、交通等について規制をしてもらいたいという要請を少なくともする。それに応じて、それを尊重した何らかの措置をとる、こういうことにしたらどうだろうかというようなことを、自治省としては考慮いたしております。  先般、美濃部さんがおいでになりまして、この点につきましても、美濃部東京都知事の見解を述べられておりましたが、私自身に規制の権限をいただくことは、この点についてはどうかと思う、しかし、こういう公害発生状況については、交通規制をしていただきたいということを要請し、それを尊重していただくという態度は少なくともとっていただくというようなことが望ましいと思う、というような見解も述べられておりました。たまたま六月十九日に発表いたしましたこの中にそのことも載っておる。大体見解は一致しておるところでございます。
  236. 林百郎

    ○林(百)委員 これは言うまでもなく、大臣もまた関係の方々も御存じだと思いますが、大節汚染防止法の十七条には、「緊急時における都道府県知事の措置等」があって、それに「指定地域内においてばい煙を排出する者に対しばい煙の排出量の減少について協力を求めなければならない。」という、要するに協力規定なら、現在も十七条であると思うのですけれども、いま大臣が言われたのは、これとどういうように違うのですか。これより一歩進んだものなのですか、どうなんですか。
  237. 秋田大助

    秋田国務大臣 私の申しておりますのは、警察に対する要請の問題でございまして、なお、この問題については検討いたしたいと思いますが、少なくとも警察当局に対して交通をある程度規制する措置についていろいろ申し出ることができるというような措置をとったらどうかというように考えておるわけでございます。
  238. 林百郎

    ○林(百)委員 大気汚染防止法十七条は、直接ばい焼の発生者に対しての協力だから、大臣の言うのは、規制力を持つ警察に協力を求める、そういうようにしたいということですね。
  239. 秋田大助

    秋田国務大臣 そうです。
  240. 林百郎

    ○林(百)委員 それから、立ち入り検査権というのですか、企業の秘密というようなことで調査をしようと思っても、それが拒否される場合がある。法律によっては、それが要するに立ち入り検査権があって、それを地方自治体の首長に委譲することができるという条項のある条文もあります。一般的にたとえば大気汚染防止法の二十六条には、都道府県知事は「特定有害物質排出者の工場若しくは事業場に立ち入り、ばい煙発生施設、ばい煙処理施設、特定施設その他の物件を検査させることができる。」とありますけれども、しかし、工場排水法あるいは水質保全法等に関してはこの権限がないので、やはり知事市町村長は公害防止のため必要のある場合には、公害発生企業の関係帳簿、書類その他のものを提出させたり、あるいは自由な立ち入り検査ができる、これを公表する、こういう権限をもう少し強化させる必要があると思うのですけれども、それについてはどういうように考えていますか。
  241. 秋田大助

    秋田国務大臣 公害基本法の二十二条に「権限の委任」という規定がございまして、「この法律により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長又は都道府県知事に行わせることができる。」という規定がございます。これは水質保全にかかっておるそうでございますので、この条項でできるのではないかというふうに考えております。
  242. 林百郎

    ○林(百)委員 現実にそれは行なっているのでしょうか。——それじゃ私は一つお聞きしたいのですけれども、これはきょうのある新聞に出ているところなんですが、東京湾の重金属類の汚染を調べたわけなんですけれども、一方では、海上保安部で調査しているわけですね。そうしてこれは東京湾の横浜港本牧沖漁場に不法投棄されたヘドロから百七十PPMの高濃度の総水銀、それから亜鉛、鉛等が発見された、これを公開してもらいたい、こういう申し出をしたところが、横浜海上保安部では、これは刑事訴訟法四十七条あるいは百九十六条で被疑者の立場も考慮しなければならないから発表できないということで断わったというのですけれども、刑事訴訟法の四十七条によれば、公のための利益のある場合は公開してもよろしい、書類の公開ができるわけです。それをこういうような形で、事実上公害を発生している工場の調査あるいは書類の公開、提出命令というようなことが地方自治体では非常に困難を来たしておるというように考えられるのです。この点について、自治省と海上保安庁から来ておるわけですから、これはどうして公開できないのか。新聞によれば、昭和電工の川崎工場の投棄物から検出ということで、もう新聞でも出ておるわけですけれども、どうしてその結果を市なり市民に公開することができないのでしょうか。
  243. 菅太郎

    菅委員長 それぞれ所管庁がお見えになっておりますから御答弁を願います。
  244. 秋田大助

    秋田国務大臣 ただいま公害基本法と申しましたのは間違いでございまして、工場排水等の規制に関する法律第二十二条でございますので、そこを訂正いたしておきます。
  245. 菅太郎

    菅委員長 それでは最初に海上保安庁からお答えいただきましょうか。
  246. 上原啓

    ○上原説明員 お答え申し上げます。  今回の事件は、先生よく御承知のとおり、刑事事件として捜査中のものでございまして、これにつきましては、ただいまお話しのありましたように、百九十六条と四十七条である程度の規制があるということは、先生に御説明申し上げるまでもないことでございますが、海上保安庁の第一線で捜査を担当する海上保安官は、その点をいい意味で非常にきまじめに解しておりまして、従来から捜査段階の事項については、よほどの事情がない限り、発表しないという基本的な態度を持ってきておるわけでございます。これを今回の場合、はたしてそういう態度がよかったかどうかという点は非常に疑問でございますけれども、従来のこういう、いわばきまじめな態度というもの、それは尊重してやらなければならないと思っております。また、特にわれわれも同意いたしました点は——同意と申しましても、事前ではなくて、事後に納得したという意味でございますけれども、公害センターに鑑定を依頼いたしましたその内容につきまして、われわれか——われわれと申しますか、第一線の海上保安官が知りたい一番大事なポイントがぼけておるという点がございまして、これを軽々しく、不必要な誤解を招き、不必要な不安を招くようなことはしたくない、そういう考え方であったと思っております。  ただいま申し上げました第一線の捜査官の考え方というようなものは、一般論としてはそれでもいいかと思いますが、こういう公害事件というような地域住民の健康なり福祉にとって直接的な、非常に重大な関係があり、関心の深い事件につきましては、特段の支障がない限りむしろ公表するという方向に進むべきではなかろうか。自今こういう点につきましては、第一線の職員が誤解することのないよう、これまた逆な意味で誤解されると困りますので、誤解のないようにその趣旨を徹底させてまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。  特に今回の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、重要なポイントにつきましてはっきり知りたい点が不明確な回答が参っておりますので、ただいま再鑑定を依頼いたしておりまして、この結果が出ますのが、早ければ二、三日、おそくとも十日以内には回答が出る見込みでございますので、その段階におきましては、よほど重大な支障がない限り、これは公表する、こういう考え方でおります。  以上でございます。
  247. 林百郎

    ○林(百)委員 これで見ますと、これは神奈川県の公害対策推進本部でそのデータの公表をしてもらいたいという要請をした。ところが、これがあなたがいま言ったような理由で発表されない。神奈川県議会では、社会、公明、共産各党から、この真相をただすために早急に臨時県議会を開けという意見が出ている。沿岸住民もすっきりしないということを言っているわけですね。あなたの言う刑事訴訟法の四十七条を見ますと「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」とあるのですよ。絶対にいけないとは書いてないわけです。しかもこれは、昭和電工からこういう無機水銀が百七十PPMも出ているというようなことがあなたのほうのデータで出ているとすれば、正確を期すならば、正確を期すということを条件にして、とりあえずそのことを神奈川県の公害対策推進本部へ報告したって、それは地方自治体ではあっても、お互いに役所と役所の関係だからいいのじゃないですか。だから、あなたがこういうものを発表しないということは、むしろ海上保安部が、ここのだれが見てもわかっている、川崎の昭和電工の立場に立って、その人の名誉と称して、この危険な状態を一緒になって隠しているという誤解を受けませんか。あなたがおっしゃるような事情だったら、そういう事情を加味して、そうして神奈川県の公害対策推進本部へ知らしたらいいじゃないですか。これは中間です、最終的な結論はいずれ出します、こういうので足りるのじゃないでしょうか。ということは、公害問題で一番重要なことは、一日もすみやかにその実情を公にして、そうして対策を講じ、その公審から地域住民を守るということ、そのためには一口も早く公開するということが、公害問題については非常に重要なことだと思うのですよ。それを、あなたのほうがこういうことを言いながら、公害問題については慎重にならざるを得ないというようなことを手塚君が言って発表しないということは、これは正しい態度でないのじゃないですか。  それでは、いつ結果が出て、いつ責任をもってそれを神奈川県の公害対策推進本部に知らせることができる見通しなんですか。もうそのために県会まで開けという要求が出てきているわけですから、いつごろになる予定ですか。
  248. 上原啓

    ○上原説明員 繰り返してお答え申し上げますけれども、このような地域住民の健康、福祉に直接非常に重要な関係があるような、こういう事件につきましては、良識をもって公表すべきものは公表をすべきであるという方向へ、第一線の捜査官、保安官たちをよく今後指導してまいりたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。今回につきましては、やがて間もなく再鑑定の依頼の回答が参るはずでございますので、その段階においては特段の支障がない限りは公表する、こういう気持ちでおります。これは先ほど申し上げましたとおり、早ければ二、三日、おそくとも十日以内ぐらいには回答が来るというぐあいな連絡を受けておる次第でございます。  なお、昭和電工云々につきましては、昭和電工を擁護するとかなんとかいうような考えは毛頭持っておりません。そういうような考えを持っておりましたならば、第一線の海上保安官たちは、これを刑事事件として捜査に乗り出すことはないはずでございます。そういう意味で、これはある特定の企業を保護するとかなんとか、そういうような気持ちは毛頭ない。むしろ正義感にかられて、もし元凶が昭和電工であるならばという気持ちを持って捜査に当たっておる。私はそのように確信しておる次第でございます。
  249. 林百郎

    ○林(百)委員 そう言っておりますけれども、海上保安庁内部にも、横浜海上保安部が秘密主義をとっていることに批判の声がある。「漁民や市民が  一番知りたがっている水銀含有量の数値は公表するのが当然。証拠を隠滅されるおそれはないし、捜査に支障を来たすとは思わない。」捜査に支障を来たすはずはない、海に幾らでもヘドロがあるから、それを隠すわけにはいかないでしょう。「公表を避けることは、どこかで正力がかかり、われわれがそれに屈したような誤解を受ける。」というような批判があるということだけ申し上げておきます。
  250. 菅太郎

    菅委員長 なるべく簡潔に、予定時間が参りましたので。
  251. 林百郎

    ○林(百)委員 工場排水法二十二条、「権限の委任」ですけれども、権限の委任で委任を受ける条項は十四条の「立入検査」ですが、「主務大臣は、指定水域の水質の保全を図るために必要な限度において、その職員に、工場排水等を指定水域に排出する者の工場又は事業場に立ち入り、その者の帳簿書類、特定施設、汚水処理施設その他の物件を検査させることができる。」——「この法律により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより」道府県知事に行わせる。要するに、政令によって制限されるわけですけれども、これは実例として工場排水等の規制に関する法律の二十二条で地方自治体の首長が権限の委任を受けたという例はありますか、あったら知らしていただきたい。
  252. 菅太郎

    菅委員長 主管庁から御答弁を願います。
  253. 根岸正男

    ○根岸説明員 お答え申し上げます。  ただいま御質問のありました権限委譲につきましては、先ほど来いろいろ御討議のありました、たとえば通産省の所管業務であれば、四十業種のうち三十三業種の権限を委譲しております。それから残る七業種につきましても、今年ないしは来年度の早々になるかもしれませんが、全部権限委譲手続をしたいというふうに考えております。そうしますと、これは工排法の十九条に異議の申し立ての手続というところがございますが、これ以外の権限につきましては、全部都道府県知事に移るわけでございます。
  254. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、その都道府県知事に権限の委譲を現実にしているかどうか。さらに、現実に工場などを調べに行くのは市町村ですけれども市町村の首長との関係はどうなんですか。どんどん行って調べることができて、工場が工場の秘密ですからお断わりしますということが、この条項によってできないことになるわけですね。
  255. 根岸正男

    ○根岸説明員 工排法のたてまえでは、御指摘のとおり、都道府県知事にしか権限は委譲できないことになっております。それで大気汚染防止法では、政令市への権限委譲ということで一部例がございますけれども、今後法律の改正等によりまして、そういうような形にもできるようにしたいと考えております。
  256. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、市町村へも権限委譲ができるようにしたいと思う、そういうことですね。
  257. 根岸正男

    ○根岸説明員 そのようにいま検討しておるところでございます。
  258. 林百郎

    ○林(百)委員 それは法改正によってそうするという意味ですか
  259. 根岸正男

    ○根岸説明員 そういうことであります。
  260. 林百郎

    ○林(百)委員 次に、条例との関係なんですけれども、これは大気汚染防止法の三十二条に「条例との関係」があるわけですが、条例と公害基本法の経済条項との関係、これは自治大臣どうお考えになりますか。法令の範囲内で条例をきめることができるという、その法令の範囲内には、この経済条項は入らないという解釈でよろしいでしょうか。だから、必ずしもこれは条例の中にはうたわない。たとえば東京、あるいは長野県のも、私、調べてみましたが、長野県にも経済条項は入っておりません。今度は沖繩でも経済条項は入れない、京都でも入れないというのです。いま私の手元で調べて経済条項の入っているのは、神奈川、千葉、愛知、大阪、兵庫、岡山。だから、経済条項が入っているところもあれば入っていないところもあるわけですね。東京には御存じのように入っていない。これは法令の範囲内で条例をきめることができるという、この法令で拘束されるものからはずしていい。だから、これは条例でうたわなくてもいいというように解釈していいかどうか、ちょっと責任ある答弁を求めたいのです。
  261. 秋田大助

    秋田国務大臣 条例におきましては、経済との調和ということ、それは書く必要はないという見解を持っております。
  262. 林百郎

    ○林(百)委員 経済条項は、御承知のとおり、非常に重要な意義があって、これがあるために実際は公害対策がはなはだ不十分で、むしろざる法だとまで言われておるわけなんです。これは昨日の夕刊ですけれども、山中長官は、「経済調和条項は盲腸みたいなものだ。盲腸炎を起こさないように手術して切りとらねばならない、ということで宮澤通産相とも意見は一致している。公害防止事業費の負担区分は、国がどのような財源的な特例措置をとるか、公害の種類ごとに企業にどの程度負担させるかなどを検討中」云々、こういうのがあります。これは山中公害対策副本部長、担当大臣の答弁ですけれども、自治大臣としては、国務大臣としてやはりこういう御意見ですかどうですか。
  263. 秋田大助

    秋田国務大臣 同じ意見でございます。云は別問題といたしまして、第一条は書きかえて時代の進展に応ずる必要があるし、その際に経済との調和というものは削除していくことがしかるべきものである、こう考えております。
  264. 菅太郎

    菅委員長 林委員に申し上げますが、予定を十分超過をいたしておりますから、どうぞ簡潔に…。
  265. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、こう考えていいですね。国務大臣として、これは自治大臣としての責任もありますが、大体政府方向としては、公害基本法からもう経済条項は取り除くという方向で、大体閣僚の間では意見が一致している。したがって、これからつくる各府県の条例なども政府の方針がそういう方針ならば、これはうたう必要はないということに当然なるわけですけれども、大体政府の意向としては、公害基本法から経済条項を取り除くという方向で考えていいですか。あなたにえらい言い過ぎたことを言わせて、あとで責任をあなたにかぶせるようなことを答弁させたくないわけですけれども、大体こうまでいって新聞に出ているわけですから、そう見ていいかどうかお聞きしたい。そうすると、条例の関係から、これは入れなくてもいいことに当然なるわけですから。
  266. 秋田大助

    秋田国務大臣 正確に申しますと、まだ公害基本法の改正原案について閣議決定に至っておりませんから、政府としてそうきめたということは言い過ぎになろうかと存じますが、公害関係の閣僚の問におきましては、大体それに意見が一致をしておる、こう申して差しつかえなかろうかと思います。
  267. 林百郎

    ○林(百)委員 最後に、私これで質問終わりますが、御承知のとおり、地方自治体が占めておる公害問題に対しての責任というのは非常に重大でありまして、やはり地域住民としてはとりあえずそこへかけ込み、そこが窓口になるわけなんです。したがって、そこでは責任のあるいろいろのデータの調査をする施設も必要ですし、それからとりあえずの規制も必要ですし、人員もふやさなければならないということで、これはあらためて地方自治体としては、公害対策として相当の予算が必要になってくると思うわけなんですけれども、来年度予算編成にあたって、地方自治体に対して公害問題での予算的な措置については大臣はどういうようにお考えになっていますか。それがないと、絵に描いたもちになってしまうので、あるいはそれは財政需要額の中に入れて、そして交付税交付金の中で見るとか、あるいは特別な補助を出すとか、あるいはそれについては起債を考慮するとか、財政的な方向はどう考えているのでしょうか。
  268. 秋田大助

    秋田国務大臣 総合的な監視体制と整備を将来地方自治体でしてもらいたい、公共団体でしてもらいたいと思いますが、まあ手始めに数府県におきまして、ことに広域性を念頭に置いて、そして監視体制と総合的な整備に要する費用というものを予算要求をいたしたい。  その他、先ほどから申しております、六月の十九日に発表いたしました「公害防止対策の積極的な展開」という中におきまして、自治省としては「地方公共団体における公害の調査、規制を充実し、監視・測定、紛争処理等の体制を整備するため、これに必要な機構、人員、機器整備等の大幅な充実を図ることとし、地方交付税の算定を通じて、所要の財源措置を講ずる。さらに、食品衛生監視等、国民の生命と安全を守るための各般の行政についても格段の配慮を加えるものとする。」こううたっておりまして、基準財政需要額の配分等についても今後十分考慮してまいりたい、その他起債等についても十分配慮をいたしたい、こう考えております。
  269. 林百郎

    ○林(百)委員 わかりました。それじゃ委員長、いまの自治省の発表を資料として委員会にくださいませんか。
  270. 菅太郎

    菅委員長 それじゃ、なるべく早く資料をいただきます。
  271. 林百郎

    ○林(百)委員 これで、私の質問を終わります。
  272. 菅太郎

    菅委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後五時十四分散会      ————◇—————