○門司
委員 いまの答弁だけじゃ、私の聞いたことと食い違っておるところもあり、また一部分のようにも聞こえますが、実際
消防大学があり、研究所があることは私もわかっております。私もときどき出かけていくのですが、そういう問題でなくて、政治的にこれをまとめて、そうしてどうにもならないのだ、ここにこういう火災が起こったらほんとうにお手上げだ——私は極端な表現でもちっとも差しつかえないと思うのです。そうしないと、ほんとうに政治の中では気がつかないと思うのです。個々の
事件が起こったときだけ、さっきから申し上げておりますように大騒ぎをするが、その
事件が一応おさまってしまうと、
あとは災害なんというものはいつ来るかわからない。しかし、災害は忘れられたころに来るなんという話もあります。それに対処し得る
消防の仕事というものは非常にじみな仕事であって、あるいは一面はでな仕事に見えるかもしれない。しかし、実際は縁の下の力持ちというか、いかに災害をなくすかということです。災害はないのがあたりまえであって、あるのはどうかと思うのです。そういう観点からいえば、非常にじみな仕事であって、はでな仕事ではないが、しかし、
消防を従来の
警察行政の中から離して、そうして
消防庁という
一つの役所として、自治省の内局みたいなものですけれ
ども、
一つの役所として資格を与えたということは、そういうところに最大の原因があったはずである。したがって、私は、もう少し
消防庁自身がこれらの問題に対するはっきりしたデータを出していただきたい。かりにいま
東京湾の中にある、あるいは四日市もそうでありましょうし、あるいは
山口県の岩国等においてもたくさんそういうものがあるようでありますが、こういう石油コンビナートで火災が起きた場合にどう対処するか、どういう想定ができるかというようなモデルがございましたら、ひとつこの際そういう問題を明らかにしてもらいたい。そうして、その上に立って
お互いに検討する必要がありはしないか。そういった基礎
資料がなければ、われわれがどんなに叫んでみたところで、それは単なる夢みたいなことを言っているんだというようなことだけになったのでは、これは発展はしないと思うのです。
私が、この際、
資料をお願い申し上げますのは、そういうわが国の今日の非常に大きな石油コンビナートの地域における火災についての想定の
一つの
消防庁の
考え方をひとつ明らかにしてもらいたい。そうしてどのくらいの——何も現在の財政がこうだから、あるいは現在の状態がこうだからといって遠慮する必要は私はちっともないと思うのです。もしここで火災が起こった場合には、こういう形になるであろうというようなことでも私はけっこうだと思うのです。何も遠慮しないで、そうして一応の想定をひとつつくっていただくことを、この際、私は要求をいたしておきますが、この点は
委員長からもひとつ話していただいて、そして大きな災害に対処し得る実態をつくってもらいたい。私がこういうことを申し上げますのは、よく地震に対してどうだこうだということがございます。しかし、いまの
日本の現状から言えば、地震があったらどうにもならないですね。
消防といっても動けない。これだけ上に架線がたくさんあって、架線がみんなこわれてしまったら、
消防自動車が歩こうにも歩きようがないでしょう。何もないところなら歩けますけれ
ども、
消防活動というのはほとんど不可能に近い。水はとまってしまう。道路には亀裂ができてしまう。そして上のほうの架線は全部下に落ちてしまう。歩こうったって歩きようがない。これは
日本で一番大きな震災であった例の
大正十二年の大震災等においては、大体みんな経験済みのことなんです。ところが、そういう問題に対してどう対処するかということ等について、やはり
消防庁として、現状はこうなんだ、これにはどう対処すべきだというようなものが考えられないか。そうしてそういうものが絶えず発表されて、もう少し、
消防意識という
ことばを使えばどうかと思いますが、災害
防止に関する意識を高める必要がこの際あるんじゃないかということを私は考える。そういう観点から、いまの
資料を実は要求するわけでありまして、ときどき震災に対する演習等がやられておりますが、私はあの演習を見ておって、
大正十二年の震災を経験した私としては、はたしてああいうことをやっているけれ
ども、一体
消防車が一応歩けるのかなというような感じがする。こういう問題についてひとつ思い切ったデータをこの際出していただきたい。私
ども消防小
委員会においていろいろ法律の内容の改正その他当面する問題の解決をはからなければなりません。しかし、将来に備えるためのそういうものが私は必要だろうと思いますので、この点を要求しておきますので、ひとつ出していただきたいと思います。
委員長、ひとつきめておいてください。