○門司
委員 もう
一つ聞いておきますが、いまの御
答弁はきわめてあいまいでありまして、これはだれでもそういうことは言うことなんです。この
武器と凶器の境、一体凶器とは何ぞやということ、これはもう使用によって違うわけであります。普通の鉛筆を削る小刀でも、人を刺せば凶器になります。そういう解釈になるわけであります。私が聞いているのはそういうことでなくて、
武器の限界というものと、それから
武器の使用というものについては、私はもう少しはっきりした定義があってもよかったのじゃないかということ、それは先ほど
小澤さんからもちょっと
質問があったかと思いますが、射殺をしたということ、ところが新聞その他を総合して、またきょうの
答弁等を聞いてみますると、どうしても上半身を撃つようなかっこうのときに発砲しているようなことがいわれておる。上半身を撃てば、必ず当たりどころによっては
——おそらく上半身はどこに当たってもまごまごすれば命がなくなることはあたりまえのことである。そういうときはたとえ上司から命令で撃てと言われても、やはりどうしても
警察官としての
立場から
考えた射手の判断がなければならないと私は思う。今度の場合でも、一体そういうことが
考えられなかったのかということである。何か上半身しか撃てないような
状況にあったときに発砲しているということになると、私は何も射手を責めるわけではありませんが、一体
警察の訓練の中にそういう配慮が欠けておったのではないか。あの場合にもう少し
考えられることがなかったかということです。これは
長官の言うように、正当防衛だといっても、私は人を殺してもいいという理屈は、万やむを得ざる場合以外にはないのであって、戦争だって人を殺してもいいということではない。戦闘力をさくためにどういう兵器を使うかということであって、人を殺すから殺人兵器ということなんだけれ
ども、
考え方はそうなんでしょう。相手方の戦闘力だけをさけばそれでいいのであって、だから通り一ぺんのことでなくて、この
事件についてはもう少し慎重に
考える必要がありはしないか。そうして、一面これがみせしめになったとか、あるいはこれが契機になってどうとかというようなことでなくて、
長官がさっき話したように、ほんとうに
警察というものの存在、
警察というものの価値というようなものが
国民の良識の中に植えつけられていくというようなことでなければ、威力と圧力によっての平和というものは正しい平和じゃありませんで、必ずどこかにそれに対抗するものができてくるのであって、私はやはり
警察制度の中のこの七条の
武器の定義についてはもう少しはっきりした定義を持っていないと、おそらくこの次に凶悪
犯罪が機関銃でも持ち出してきてがらがらやるということになると、それでは
警察はそれに備える、いまの
長官の
答弁からいくとそういうことになろうと思う。
警察がまた機関銃を持ってきてばらばらやるということになるとたいへんなことになると思う。その辺のかね合いについては、もう少しこの機会にお互いが真剣に
検討していく必要がありはしないかということを
考えますので、これは
長官には
答弁ができないかもしれませんが、さっきの
答弁で気にかかるところがありますから、念を押しておくのであるが、相手方がそういうことでエスカレートしていけば
警察の
武器の定義というものもエスカレートしていくのかどうかということですね。これは非常にむずかしいと思いますよ。むずかしいと思いますが、やはり
警察法自身というものをずっと見ていく場合に、この辺にある程度の歯どめというものがなければ
——私は何も
警察を憎んで言うわけじゃありませんけれ
ども、実は七条にはこれを乱用してはならないということをくどく書いておるわけであります。しかし、乱用される危険性が出てきはしないかということ、それがこの間の威嚇発射
——けがをさせたというあの場合でも、威嚇発射をさせなければならないほどの事態であったかどうか。
犯人逮捕のためにはピストルを撃っていいのだという概念が若い
警察官に出てくると、将来非常に大きな誤りをおかすと
考えて、その辺のところをもう一言だけ、ひとつ御
答弁を願っておきたいと思います。