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山本(弥)
委員 この期間の前後を比較いたしますと、確かにただいまお話しの三十七名という数字は、ある程度減少しているということは言えると思います。ただ、その前の四十五・七人という数字は昨年の平均の四十四人を上回っている。また四十三年の一日平均は三十九人ですが、それに比べましても、警察官多数を動員して、また各省協力いたしましてやっている、努力している運動の期間ですら、私は今後の趨勢は非常に心配な
状態である、こういうふうな感じがするわけでありまして、この期間を契機として、各都道
府県におきまして、この仕事に全力を尽くしてもらいたい、かように考えるものであります。
そこで、先ほど
高鳥さんからお話がありました、運動期間中の警察官の
交通事故、私は、これは運動期間中ということではなくて絶滅を期していただきたいわけでありますけれども、そういう期間中に警察官自体が
交通違反、しかも中には相当悪質な
交通違反を犯しておる。この事態は、警察自体が
交通取り締まりというものについて重点を置いておると言いながら、私はその重点が、表面的と言うと語弊がありますけれども、そういう感じを持つわけであります。
本来、警察の仕事は、長官も御承知のとおり、いまの警察は民主的
運営、
交通取り締まりや悪質な犯罪に対しましては、厳重に取り締まる。悪質犯の絶滅を期するという意味におきましては、
交通取り締まり警察官といえども強くならなければいかぬ。しかし、こういうものは、
国民総ぐるみで事故の絶滅を期するという意味におきましては、
国民の理解を受け、あるいは根強い指導によりまして絶滅を期さなければいけない。これは運転者のみならず、一般歩行者の問題もございましょうし、また、こういう
経済成長の中でその業態の
発展を願うというあまりの
経営者の態度——いま自動車がなければ、営業も何もできないわけでありまして、バス、タクシーといったような当然車を営業の基礎としておるものはもとよりのこと、その他の営業におきましても、いわゆる零細企業におきましても車を使う。それらをいかに能率よく
運営するかということに、私は、いまのこういった激動しておる時代におきましては全力を尽くしておると思う。そこに何らかの無理がある。それをどう指導していくかということは、真剣にやらなければならぬ問題だ。昨年一
年間の学生運動を中心とする治安
対策、これは長官をはじめ皆さん、
国家公安委員会を中心として非常に御心痛になった問題で、非常に苦労なさった問題だということにつきましては、私は十分理解ができると思います。しかし、それに重点を置いて——私は昨年も
質問を申し上げたのでありますが、本来、こういった
交通戦争といわれるように、過去の戦争におけるよりも死傷者が多いというような事態の
交通問題には、やはり真剣に取り組まなければならない。いわば機動隊で出動する警察官の心がまえと
交通警察官の心がまえというものは、ある程度相当違わなければならない。そういう意味におきましては、重点が機動隊に置かれたということによる警察官——民衆処遇の問題あるいは
交通取り締まりの問題、これらにつきましては、やはり警察官といえども世相を反映しておる一つの社会であるわけであります。常に指導につきまして、警察各般にわたる警察官の指導が重点に置かれざるを得ない。従来、管区警察あるいは
府県の警察学校におきましては、こういうものにつきましては、主要犯罪と同様、
交通取り締まりにつきましては、私は十分な教養、訓練ということが行なわれたと思うのです。管区警察が機動隊の訓練ということに重点が移され、また管区学校におきましても、そういう対象の少ない警察におきましても、問題がある程度まで機動隊の訓練というふうになっていますと、勢いそういった方面に欠陥を生ずるおそれがある。そういうことが重要な
交通安全運動のさなかに、警察官それ自体が悪質な
交通違反を犯すという事態。本来は、多数の警察官の中にたまたま起きた事犯であるというふうに私は了承はいたします。いたしますが、基本的な問題のあり方、あるいは警察が、警察の各般にわたる取り扱いの問題、教養の問題ということに常に関心を持ち、御指導を願わぬと、重要な時期の警察官の
交通事故という問題は、今後の
取り締まりに大きな支障を来たす、私はかように考えるわけでありまして、この点、長官から御所見を承りたいと存じます。