○安田
委員 次に、私は現下の
地方自治の振興発展と、それに対応する
地方財政の
充実強化のために、
自治省の機能をさらに拡充する必要があるのではないかという観点から、御質問を申し上げたいと存ずる次第であります。
現在の地方行政の中におきまする問題点については、しばしば議論がなされておるところでございますけれ
ども、簡単に申しまして、過密都市の
交通の麻痺、あるいは住宅公害その他都市機能の膨張に対応しての生活
環境の改善の問題、あるいは
過疎地域におきまする国鉄の赤字路線あるいは赤字バスの運行
対策、あるいはまた、農山漁村におきまする生産基盤の
整備その他の諸政策の緊要性、こういうようなものに加えまして、貿易の自由化あるいはまた資本の自由化の波の中で、近代化と合理化をやり通さなければならない中小企業
関係者に対しまする諸
対策の問題、あるいはまた
道路、教育
施設等生活
環境の
整備促進に対応するための各般の面にわたる
社会資本の
充実促進の問題等、非常にいろいろな問題が山積いたしております。それに加えまして、地方住民の
市町村の行政に対しまするいわゆる行政水準の引き上げに対する期待、欲求というものは、私は年々社会の発展とともに非常に高度化してまいっておるものと理解をいたしておるわけでございます。またさらに、国自体といたしましても、あるいは各地方におきまする
地域開発
関係の
立法、あるいは本日ただいま議決されましたところの
過疎対策の緊急法、そういうものから、あらゆる国の施策が積極化すればするほど、私は、それとともに地方行政の行政量、
市町村の行政量というものは拡大をしてくるというふうに見ておるわけでございます。そういうような状態の中で、したがって
地方財政の
需要というものは当然拡大されてまいります。
このような実情に対応いたしまして、適切な地方公共団体の行政規模というものを、これは
自治省自体は非常に熱心にいろいろな
財政面についての測定をはかっておられますることは、よく理解をいたしておりますけれ
ども、こういう国全体の動き、あるいは経済、社会の発展に対応する変化、そういうものに
市町村民の、いわゆる地方
市町村行政に対しまする期待感というようなものと、それからいろいろな——私自身はそういうことをあまり口にしたくないのですが、わが国の発展とは逆に、起きておりますところのあらゆる面のひずみ現象、こういう面に対しまするところのものを
市町村行政でカバーをする、補完をするという、いわゆる地方行政事務量の行政の拡大というものが、
自治省で測定をされておりますもの以上に大きいのではないかと見ておるわけです。
自治省の現在御
努力を払われておりまするのは、
地方財政の
需要という観点の、国、都道府県、
市町村といういわゆる行政事務の負担区分、
経費の負担区分というたてまえに重点を置いた現在の
地方交付税法にいたしましても、何にいたしましても、私は大体そこに主体が置かれておって、特別の
立法によって、さらに行政事務量が必要なものに対してはそれにプラスしていくというような立場をとられておるのではないかと思うのですが、これがもし間違いであるならば、その点はひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
いずれにいたしましても、戦後二十五年、自治法が施行になりましてからもう二十年以上たっておるわけでございます。したがいまして、シャウプ勧告以来でも相当の年数がたっておりますが、その後
自治省におきまして、
市町村行政、都道府県行政の適切なる行政規模とは、一体どの
程度のものであるかということを、
財政面からの
お話を聞きましたけれ
ども、行政面からの
お話はお聞きいたした例は、不勉強のせいでもありますけれ
ども、ないわけでございます。こういうような実態と、こういうような急変するわが国の経済、社会の実態から見まして、現在においてもうそろそろいわゆる行政規模の適切な測定というものを、ある
程度の長期的な見通しに立って実施をすることが必要なときに来ておるのではないかと私は
考えるわけでございます。そういう面に対応する
自治省の諸般の前進策が、地方行政的に施されていないところがあるがゆえに、いまのような
過疎立法というものが
議員立法で特別に制定されなければならない、あるいはあらゆる
地域立法が続々と出なければならない、あるいは各省におきましても山村振興法でありますとか、ああいうような——私の見解から言えば、むしろあの種の
法律の中で実施されておるものは、
自治省の中で行なうこともできる面が相当多いのではないかと思うのですが、そういう面が経済企画庁というような役所で行なわれておる。そうしてその中では、先ほ
どもお話がありましたけれ
ども、いわゆる部落の再編成というような問題が経済企画庁の中でモデル的に行なわれようとしておるわけでございますが、そういうような面を
自治省が前向きに乗り出して、
自治省の立場において行ない得る姿勢というものを私は望んでおるわけでございますが、そのようなことがたくさんございます。しかし、この場合、それを列挙する
考えはございませんけれ
ども、一例をあげるならば、そういうものがあるわけでございまして、そういうようなことを見ますと、どうしても
自治省におきます行政局の分野におけるところ、これはもちろん
財政局のほうも相協力する
内容になりましょうが、いわゆる地方行政規模に対しますある
程度の長期的な観点に立ったところの適切な行政量の測定ということを、ぜひ実施していただくべき時期に来ておるのではないか。その中で現在の国あるいは都道府県、
市町村の事務再
配分、あるいは
経費に対しまする負担区分に対しましても、現状でいいのかどうかということを
検討されるべきではないか。それから非常に特別
立法的なものが現在多いわけでございまして、それやこれやを
考えますると、そういうような時期に来ておるのではないかと私は
考えるのでありますが、その点に対しまする
自治大臣の見解をお聞かせいただきたいと存じます。