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1970-04-02 第63回国会 衆議院 地方行政委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年四月二日(木曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 菅  太郎君    理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君    理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君    理事 古屋  亨君 理事 山本弥之助君    理事 斎藤  実君 理事 岡沢 完治君       亀山 孝一君    中村 弘海君       中山 正暉君    安田 貴六君       山崎平八郎君    豊  永光君       綿貫 民輔君    井岡 大治君       阪上安太郎君    土井たか子君       細谷 治嘉君    桑名 義治君       和田 一郎君    青柳 盛雄君  出席国務大臣         自 治 大 臣 秋田 大助君  出席政府委員         自治政務次官  大石 八治君         自治省財政局長 長野 士郎君  委員外出席者         自治大臣官房参         事官     佐々木喜久治君         地方行政委員会         調査室長    川合  武君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改  正する法律案内閣提出第六三号)      ————◇—————
  2. 菅太郎

    ○菅委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡沢完治君。
  3. 岡沢完治

    岡沢委員 最初に、地方公営競技に対する政府基本方針、大きな問題でございますが、大臣に聞きたいと思いますが、おられませんので、政務次官に、大臣にかわった立場で、根本方針をお伺いいたします。
  4. 大石八治

    大石政府委員 昭和三十六年に公営競技調査会から答申が出ているわけでありますが、その問題の前提には、いわゆる公営競技というものが世の中にあることについてのいろいろな問題点というものが論議された結果だろうと思うのであります。しかし、調査会答申としては、公営競技存続という点については、原則的にこれを認めるという前提で問題を進められておるわけでありまして、それはいわゆるギャンブルというものの性格を全くゼロにしてしまうということが、一体この社会であり得るかどうかという問題から、そういうことであろうと思います。しかし一面、地方財政という問題が、現実にギャンブル収入から相当の寄与を受けているという事実もまた、これを無視できないという点等配慮から、あのような答申が出ていると思うわけであります。しかし同時に、いわゆる公営競技弊害という問題をなくするようなことを考えろということも、当然それに付帯して答申をされているわけでありますから、私どもはその答申の線に沿ってやっていくという考え方でございます。その答申自体は、もう岡沢委員十分御承知でありましょうから、重ねて私申し上げませんけれども、私どもはこの答申の線で、実際問題としてさらに忠実にやらなければならぬということは考えておりますし、いまやっていることが一〇〇%その答申どおり、全く一厘も差がないかといえば、私どもはさらに改善をしていかなければならぬところは十分あると思いますが、その線に沿って仕事を続けていきたい、こう考えているわけであります。
  5. 岡沢完治

    岡沢委員 このギャンブル関連いたしまして、政務次官もよく御存じのアレックス・ラブナーが「ギャンブルは適度に楽しむことが望ましく、また適度に楽しむことができるものだ。そして悪を制しても善を生ずるとは限らず、法律によって悪を制すれば、自由社会の人間は別な悪を生み出す。」と言っておりますが、なかなか味のあることばだと思います。大体この考え方が、いま次官の御指摘の、三十六年七月二十五日の公営競技調査会答申の精神でもあろうかと思います。  いま次官も御答弁になりましたように、この答申では、「現行公営競技存続を認め、少なくとも現状以上にこれを奨励しないことを基本的態度とし、その弊害を出来得る限り除去する方策を考慮した。これがため、おおむね下記の線にそう必要な改正を加えることが望ましい。」と、具体的に十三項目指摘をしているわけです。特に「附記」として日本中央競馬会に対する意見もあるわけですが、これらについて、その後約九年経過しておるわけでありますが、この十三項目指摘等がどのように是正されてきたか、あるいは配慮されてきたか、またラブナーの言う適度に楽しむことが望ましい、また適度に楽しむことができる。ところが、なかなか適度にはいかないで、弊害が生じておるわけでありますが、その辺の配慮実績、今後の方針等についてお尋ねいたします。
  6. 大石八治

    大石政府委員 私、公営競技のあまりこまかい勝負のしかたを存じませんので、実は専門用語もあるようでありますので、こういうことを大体やってきたということで申し上げますが、各競技について射幸心の過熱を避けるために、投票方式として重勝式を廃止する、そうして連勝複式を採用する、かつ連勝単式を制限した、また競技環境整備明朗化を推進するために、競技場施設設置基準強化し、自営警備力強化ということをはかってまいったわけであります。その他過度の宣伝行為を自粛させる、競技関係者養成訓練というものを強化する、不正レース発生防止というものをはかってまいったわけでありますが、なお、今後の施策としては、どなたかの質問お答えしたとおり、施設場それ自体改善をさらに私ども強化しなければならぬと思いますし、警備力強化ということを一段と強化することに努力をしなければならないと思うわけでありますが、いままでやってまいりましたいろいろの方向を、さらに今後も進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
  7. 岡沢完治

    岡沢委員 いま政務次官から、公営競技健全化対策について一般論お答えがありました。しかし、競馬競輪オートレースモーターボート、それぞれ具体的に幾らかニュアンスが違うと思いますが、これは次官でなくてもけっこうですから、担当者の方に、どういう改善策をとられたかお尋ねいたします。
  8. 長野士郎

    長野政府委員 一般的ということでございますが、結局各競技に共通いたしますことは、いわゆる射幸心を過熱するというようなことを防ぐということでございますから、一つは、いまの重勝式を廃止するとか、そういうやり方をしましたのは、当たりの大きいというような、非常に差の出るようなものをなるべく押えていく、共通的にそういうことが言われておったようでございますが、競技場施設、これはやはり十分整備していいものにしていく。この環境整備が非常に悪いと、いろいろな意味環境が非常に影響いたしますので、秩序だった運営が非常に不可能になる、こういうことが言われておったわけでございまして、それは各競技に共通するようなことであります。   〔委員長退席古屋委員長代理着席〕 それから同時に、もう一つは、いわゆる予想屋というんですか、それが非常によろしくない形でファンの射幸心をあおる。それがやはり共通した現象でございますので、そういうものを払拭するということになってまいっておるわけでございます。
  9. 岡沢完治

    岡沢委員 個別的なことを聞いているのです。一般論お答え政務次官からあったわけですから、特に競輪の……。
  10. 長野士郎

    長野政府委員 特にと言いましても、結局、警備力強化する、それから施設整備する、そういうことに尽きていくんじゃないか、こういうふうに思っております。
  11. 岡沢完治

    岡沢委員 優秀な財政局長ですけれども、あまりこんなこまかいことを言うのはあれですが、ほんとうは、競馬関係なら農林省競輪オートレース関係なら通産省モーターボートなら運輸省を呼ぶべきであったと思うのですが、御遠慮申し上げて、十分監督指導をなさっているという前提でお伺いしているわけですから、一つぐらい、競馬の場合はこういう改善策競輪オートレースの場合はこういう改善策、あるいはモーターボートの場合はこういう改善策をやった、またやろうとしているんだというお答えがあってしかるべきなんで、局長さんでなくてもけっこうですから、お答えをいただきたいと思います。
  12. 長野士郎

    長野政府委員 おことばを返すようですけれども、大体、各種公営競技場に共通した弊害といわれるようなものが、それぞれに当たるわけのようでありまして、そこでそれを全部に共通して直さなければいけない、こういうことになっているわけです。  それで、競輪というのが一番弊害が多いといいますか、混乱が多いということは、非常に言われたと思います。この整備が、一番そういう意味での取り締まりといいますか、対象の中心であった、こういうことになっておるように私ども聞いております。
  13. 岡沢完治

    岡沢委員 それでは、このいわゆる健全化対策責任者はどこなのか。これはまあ競技団体等もありますけれども監督官庁としての責任自治省が締めくくっておられるのか。いま申しましたように、競馬の場合は農林省競輪オートレースの場合は通産省モーターボートの場合は運輸省なのか。その辺、責任の所在と、それについての横の連絡等運営はどうなさっているのか、指導助言等についての対策をお伺いいたします。
  14. 大石八治

    大石政府委員 私は、実はあまり法律的なことについては詳しくはわかりませんけれども、この法律ができる段階といいますか、それを契機に、自治省のこのことの方面についての意思をもう少し強くする必要があると思うのです。競技自体は、いままでそれぞれの所管省でやっている。回数もそこできめるということでありますけれども、こういうことをやる段階から、自治省ももう競技について他人ではない、そういう意味で、もう少し発言をはっきりしていかなければならぬと思いますが、私ども聞いている問題の中でも、一つには、この選手訓練というものをもっと本格的に、これはやるところは選手会等でやるようでありますが、その点についての訓練強化というような問題が、分配金等の使途の問題で当然出てくると思うわけです。そういうことで、訓練をしっかりするということ、ないしは選手待遇の問題も私は一面関係があると思う。ですから、選手待遇をよくするということに、われわれの側も働きかけていくというような形で、選手をこき使って、ギャンブルのまた中のギャンブルでもうけるようなことをあまり考える必要がないようにしていく必要がやはりあるんではないか。そういう処遇問題と同時に、規律、訓練といいますか、そういう点等もまたこれからやっていかなければならぬことではないか。そういう点について、権限とかそういうこと等は別として、自治省としては、やはり考えていく方向であろうというふうに考えております。
  15. 岡沢完治

    岡沢委員 ほかの質問もしたいので、この辺でこの問題については終わりますけれども、ここで問答の言いっぱなしとか、あるいは調査会答申出しつばなしでは意味がないので、方針は、次官がおっしゃること、局長がおっしゃることはいいと思うのですけれども、それを競技団体に、あるいは選手に、あるいは具体的に、環境整備ならば、実績改善策を実現しなければ意味ないと思うのです。その方向努力をひとつお願いいたしたいと思います。  それから、この法案の一番のねらいは、いわゆるギャンブル収益均てん化と言われています。ところが、中身を見ますと、きょうお配りいただきました資料によりましても、「納付金の率に関する事項」ということで、「納付金売上額に対する率は、昭和四十五年度から昭和四十九年度までの間は〇・五%とし、昭和五十年度から昭和五十四年度までの間については別に政令で定めるものとする」、非常に中身はお粗末といいますか、微温的といいますか、これでうたい文句の均てん化ほんとうに実現したと思われるのか、実があがると思われるのか、その辺、自治省の考えを聞きたいと思います。
  16. 大石八治

    大石政府委員 均てん化ことばの解釈になるかと思いますが、私は、相当均てん化ということができていくんだろうと思います。いま政府お答えとしては、五十年段階において何%にするかということについて、その時点でなければ確たるパーセンテージを言うことはできないということを終始申し上げておりますけれども日本の場合の十年先というのは、全くわかりません。しかし、私は、どんなことをしても一そこに四百十何億という数字が五年先の段階蓄積されるだろうと書いてありますけれども、少なくも千億をくだることはもうないわけだと思うのです、十年先の場合は。千億という数字をはるかに出てくるんじゃないだろうかというふうに考えますので、私どもは、そういうことでいえば、その資金蓄積というものは、相当広範囲に均てん化の作用をなし得ることになるんではないかというふうに想定をいたしておるわけであります。  ただ、具体的に五年先でパーセンテージをどうするか、どういうふうに皆さんとの話し合いをつけるか。社会的な雰囲気の問題も出てきましょうし、この点で確たることは言えませんけれども、ずばり千億が十年先にというか、千億以下ということはもうない、千億をこすだろう、まあ私はそう思っておるわけであります。その金は相当のものであるというふうに考えております。
  17. 岡沢完治

    岡沢委員 いま政務次官は、十年先のことはわからない、しかも、十年先には千億をくだらない。お互いそれは十年先のことはわからないのがほんとうだと思います。そこでこの納付金を十年と限られたのかもしれませんが、その十年と限られた理由、何で十年ときめられたのか。十年たてば均てん化の必要はなくなるという意味もあるのか、また、その時点で期間の延長、あるいは新しい均てん化措置を考えるというのか。十年たっても利下げを続けていくということであれば、多額基金が必要ですね。これはいまのお話では、積み立てられるという見通しなのか、その辺のところを重ねてお尋ねします。
  18. 大石八治

    大石政府委員 私は、慎重な返事のしかたではないかもしれませんけれども、いま申し上げたとおり、十年先においては千億をくだらざるものが蓄積されるだろうというふうに考えますので、それだけの基金蓄積ができれば、それは回収されていっていくわけですから、相当ものをいうことになるんだろう。ほんとうにその時点でなければはっきりしたものは言えませんけれども、それだけの原資があることによって、その後もいわゆる利下げの問題についての効用を持ち得るんではないだろうかというふうに想像をいたしているわけであります。ただ、われわれはその時点に至ってもう何もほかに考えないということではない。その時点に至れば、その時点のいろいろの条件の中で、新しい問題が展開し得る可能性はあるというふうに思っておりますけれども、それはいま政策として、その時点でどうだということを申し上げるのではないので、一応十年ということで行って相当の効果をあげるのではないかというふうに考えているわけであります。
  19. 岡沢完治

    岡沢委員 十年先の議論をこの辺で終わりまして、御承知のとおり、公営企業には従来から交付金制度がございましたね。それと今度の法律で設けられます納付金との関連について、従来競馬協会あるいは各種振興会への交付金、これをそれぞれ法律によって公益事業にも、競馬を除いて使われているようでございます。これとの関連、あるいはこの法案ができるまでについて各種団体からの反対意見等もあったようでありますが、その辺も含めてお尋ねいたします。
  20. 長野士郎

    長野政府委員 先ほどのお話にもございました、答申改善されるということの中に、いまお話がありました交付金関係が、そういう形でも実は実現されておるわけでありまして、そのときに、私どもの伺っておりますところでは、競輪については自転車振興会とか、オートレースについては小型自動車振興会競艇船舶振興会競馬については地方競馬全国協会というような形がはっきりいたしまして、そしてその交付金制度というものも確立されまして、その中で、いまお話がございました競馬でございますと馬匹の改良とかあるいはその他の畜産事業競輪については自転車その他の機械オートレース小型自動車その他の機械競艇船舶等関連工業振興に充てる。それからそのほかには、スポーツでございますとか、社会福祉とか、文化的な事業に充てていく。そのほかに、さらにそういう競技実施の適正な運営をはかるという意味で、競馬競輪オートレースはそれぞれの振興会実施主体になる、それから選手養成もする。こういうことが行なわれるようになりまして、その基礎として交付金を交付するということになったわけでございますが、そういうことでございますから、こういう調査会答申契機として、そういう合理化がはかられたわけでございますが、確かに御指摘のとおり、収益金の一部がそういう関連事業とかスポーツ振興とかいうものに充てられるという意味では、それは広い意味での均てん化といえば私ども均てん化だと思います。ただ、この場合は、いま出しておりますのは、地方団体財源に入りましたものが、地方団体間の財源調整という意味を含めての均てん化というものが、いままでの各振興会文化事業とか関連公共事業に出しただけでは地方団体としての均衡という点では、なかなか均衡という点でのおさまりがつかない、というと語弊がありますが、財源調整という点には当たっていませんので、その点で収益になったものをさらに均てん化していくという方法として、今回の納付金制度というものを考えるという必要が出てまいり、そしてその納付金の額その他の問題について、御指摘のように、紆余曲折を経ましたが、現在のような割合で出発していく、こういうことになったというふうに御了解をいただきたいと思います。
  21. 岡沢完治

    岡沢委員 そうすると、いまの財政局長の御答弁から見ましたら、従来の交付金は広い意味均てん化には当たる、今度の場合は地方公共団体間の均てん化ということを直接のねらいにしたいというふうに解していいわけですね。  時間の関係で次の質問に移りたいと思いますけれども御存じのとおり、地方公営企業経営経理というものは、非常に悪いですね。いま累積赤字はどれくらいございますか。
  22. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 昭和四十三年度の決算におきまして、累積欠損金は、法適用事業の全事業を合わせまして約千六百十五億ということになっております。
  23. 岡沢完治

    岡沢委員 いま御答弁になったとおり、千六百億をこえる赤字ですね。その経営の悪い原因がどこにあるのか、大きな問題ですけれども、それからまた、その対策経営健全化対策といいますか、大きいところをひとつお答えいただきたいと思います。
  24. 長野士郎

    長野政府委員 公営企業につきましては、いまのような千六百億をこえることになっております。企業の種類にもよりますが、全般として言えますことは、その原因企業の中にあるものと企業の外にあるものとに分けて考えられると思いますけれども、たとえば赤字の非常に多い交通事業等におきましては、いまの外部的な要因というものが非常に企業経営能率を阻害しておる。つまり都市における路面交通というものが非常に阻害をされまして、バス事業とか電車事業運行能率が非常に悪くなった。これが悪化一つの大きな原因になっている。地下鉄などになりますと、今度は建設費が非常に高いということで、資本費の高いということが経営を圧迫している原因だ、これはある意味では内部要因かもしれませんが、そういう事情があります。それから病院等におきましては、まず第一に医師なり看護婦なりを獲得する、確保する、そのためにたいへんな支出を余儀なくされる、あるいは十分確保されないために収入が上がらない、それからいわゆる医療保険点数制度など、社会保険医療保険制度そのものがまた影響する、こういうようなことになるわけでございまして、そういうことでそれぞれその持っておるところの問題が違ってまいります。また工業用水等につきましての赤字は、いわゆるこれは先行投資でございまして、どうしても地盤沈下対策とか地域開発事業とかいうことでやります場合には、やらなければならぬことであります。そういうことで、これが経営悪化原因にならざるを得ないという事情を私どもは本質的に持っておると思います。それから、全般的に資本費増高が非常に著しいということでございまして、そこで事業債元利償還金料金収入に占める割合も、全般を通じまして、三十九年度には二八・五%でありましたものが、四十三年度には三六・一%にも上昇しておる、こういうような状況でございます。  そこで、現在大まかに申しまして、路面交通におきましては、バス路線などの優先確保と申しますか、こういう優先交通確保ということで、ぜひ道路交通上の問題も、ぼつぼつそういう問題もやっていきたい。地下鉄につきましては、建設費が非常に多額でございますから、国や地方団体助成措置を講じていく。これは本年からはいわゆる国が二五%、地方団体が二五%という方式と、それから四十三年度までの起債に対しますいわゆるたな上げ債等措置も一応できることになったわけであります。それから病院等につきましては、いまの医師看護婦確保という問題があります。それから工業用水道事業につきましては、これは良質の資金によって利率の引き下げを考えていくということが非常に大きく影響するわけでございますが、今回は、公営企業金融公庫貸し出し利率は七分三厘でありましたものを、補給金を予算で認められることになりまして、七分に引き下げていく、こういうことを考えております。  さらにはまた、一般会計企業会計との間で、企業経営基盤強化するという意味で、一般会計からの出資を考えまして、資本費増高にできるだけ対処をして、そして公営企業としての経営健全化に資するようにしていきたいということで、毎年地方財政計画なりで一応合理的なと思われるものを算定いたしまして、そして交付税措その他も考えていくという形で、いろいろと措置をいたしておるというかっこうでございますが、なお、そのくらいでは十分ではないといいますか、なかなか——いまのところはそういうあれこれの施策を通じながら経営合理化に力を加えていきたい、こう考えているところであります。
  25. 岡沢完治

    岡沢委員 財政局長はその道の専門家であり、私らが質問するほうがおこがましいのかもしれませんけれども、いまの御答弁、的を射ているとは思います。経営悪化原因は、いまおっしゃったように、企業ごとにそれぞれ性質も中身も違ってくるのは当然だと思いますが、その中でこの委員会で特に論議すべき点としては、内部事情にお触れになりました資本費増高ということが、企業の圧迫の一番の原因だと見る見方もできるかと思います。その対策として、いま政府資金企業債のための出資の増額というお話がございました。先ほどの理事会でもその方向でのお話がございましたし、これはぜひわれわれも努力をすべきだと思いますが、あわせまして地方公営企業——私はここで知ったかぶりをする気持ちはさらさらございませんけれども、いわゆる私企業のよさと公企業のよさの両方を生かし、マイナスをなくしていくという努力、そのためには、いわば政治も人、企業も人といわれますが、たとえば地方公営企業の人の管理あるいは運営組織だけではなしに、個々人のいわば企業意欲といいますか、あるいは民間のよくいわれるバイタリティーとかアイデア、こういうものをもっと公営企業の職員に植えつける努力といいますか、指導助言というようなものも大事ではないか。経済合理性と、一方で公営企業としての利潤を無視した運営、非常にむずかしい要求でもありますし、へたをすると武家の商法になって悪い面だけが生きてくるということになろうと思うのです。その辺について地方公営企業の実態を見ました場合に、大都市なんかで、人材をそろえ、またそれについてのいろいろな資金的な用意もあるところ、あるいは組織の充実したところは問題がありませんけれども、小さい公営企業地方公共団体で、そういう面についての教育なり指導なりあるいはまた人材の不足なりが全く考えられていないという地区があろうと思うのです。それは幾ら地方自治だといっても、その自治体にまかせっきりでは、結局住民の面から見ても国民の面から見ても不利益だし、せっかく地方公営企業法が設けられた趣旨が生かされていないという点があろうかと思うのです。  そういう点で、そういう企業に対する指導と助言こそ、優秀な人材をそろえておられる自治省一つの役目ではないかと思うわけです。その辺についての配慮、先ほどギャンブル健全化についての意見を聞かしていただきましたけれども、同じような意味で、地方公営企業経営合理化といいますか健全化について、いわゆる財政上、金融上の措置以外に、人の面での、教育面での、あるいは指導面での方策というものについて何か御用意があるか、あるいはすでにこういうことをされたという問題がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
  26. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 確かに御指摘のとおり、公営企業を動かすものは人であります。そういう意味で、公営企業を担当しております職員の質の向上というのが一面におきましては最も重要な要素になるということは当然のことでございます。そういう意味におきまして、現在地方公営企業法の制度の上におきましても、企業の管理者というものを、一般職員とは別に、いわば特別職に準じた地位にすると同時に、その身分の保障ということも考えて、自分の責任において十分に企業運営ができるような体制をとってまいっておるわけであります。  それと同時に、私どものほうとしましても、一つは自治大学校に昭和三十四年以来公営企業課程という別科の課程が設けられまして、毎年計画的に職員の教育を行なっておりますと同時に、また別途の機会をとらえまして、私どものほうから、各ブロックごとに職員の経理の講習その他につきましても、毎年計画的に実施をいたしまして、企業職員の質の向上をはかっておるという状況でございます。
  27. 岡沢完治

    岡沢委員 御努力をしていただいているようでありますけれども、目には見えませんが、いまおっしゃった教育訓練と申しますか指導助言と申しますか、特にこういう面はいわゆるお役人さんには少し弱いものでございますだけに、いい意味での民間企業のよさ、経理的な感覚あるいは特に経済合理性的な感覚というようなものが必要だと思いますので、機関誌等を通じましてもぜひその方面の御努力を期待したいと思います。  最後に、公庫の資本金がほかの公庫に比べて低過ぎるんじゃないかという感じが私はするわけなんです。これも先ほど理事会のほうでも意見が出たわけでございますが、地方公営企業経営悪化一つの理由に、資本費増高、特に水道事業あるいは鉄道事業等の場合に一そう指摘されると思うのでございますけれども、そういう意味からいくと、今度の法案のように、ギャンブル資金の一部で公庫の貸し付け利率の引き下げをやるのも一つの方法には違いありませんけれども、もっと本質的に、政府出資あるいは補給金を増額するという必要があるのではないかと思うのでございますけれども、この辺の見解を、これは遠慮なしに率直に聞かしてもらいたいと思います。
  28. 大石八治

    大石政府委員 お話しの点は、私ども全く同感であります。自治省としては、順次財政的な強化をするということで努力をしてきたわけでありますし、ことしも二億、この数字が二億ということで皆さんにしかられるのかもしれませんけれども、二億の出資をいたしまして、なお補給金もたしか二億六千万だったと思いますが、してきたわけであります。いま政府からの出資総額が三十七億ということでありますが、その数字がほかの公庫等に比べて非常に少ないという点については、私ども認めざるを得ないことであります。したがいまして、本質的に政府出資をさらに強化するということは、当然私どものしなければならないことであるという意味で、今後も努力をし、なお補給金の問題等につきましても、続けて配慮をいたしていきたいと強く考えているわけでございます。
  29. 岡沢完治

    岡沢委員 終ります。
  30. 古屋亨

  31. 阪上安太郎

    ○阪上委員 公営競技均てん化関連して若干質問したいと思います。  まず最初に、公営競技の開催といいますか、指定基準といいますか、これが自治省から出ている資料によりましても、また法律によりましても、きわめてばらばらになっておる。そして、公営競技について指定基準あるいは指定団体をこういうふうにきめたという理由について、逐一見解を伺いたいと思います。   〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕 これは他省にまたがることもありますけれども自治省でありますから、そのくらいのことは全部承知しておられると思いますので、なぜこういうふうなばらばらな指定基準を設けたのか。何らの統一性もない。このことについてひとつ伺いたいと思います。
  32. 長野士郎

    長野政府委員 確かに御指摘のとおり、この指定基準は、法律におきましても非常にばらばらの印象を私どもも強くいたすわけでございます。何さま公営競技につきましてのそれぞれの沿革がいろいろあるわけでございまして、そういうことからこういうことに相なっておる。この中で一番範囲が限定されておりますのは、競馬でございます。競馬につきましては、いわゆる中央競馬と申しますか、昔は国営競馬といっておったと思いますけれども、そういうふうに中央で行ないます競馬と地方で行ないます競馬と両方あるわけでございます。そういう意味で、競馬についての考え方は、府県はみな開催能力が与えられておりますが、市町村につきましては、著しく災害を受けた市町村か区域内に競馬場が存在する市町村ということに限定をされておるわけでございます。それから競輪につきましては、これは市町村につきましても、人口とか財政等を勘案するということになっております。競艇につきましては、人口、財政等を考慮して指定する。それからオートレースにつきましては、そういう開催能力のあるものが法律上一応きまっておるといいますか、そういう形になっておるわけでございます。この辺の根本の法的なたてまえが、そういう意味では扱いが非常に違うというかっこうになっておりますが、市町村の財政を勘案するという場合には、自治省としては、全般的な収支の状況とか、経常収支率とか、税の徴収ぐあいとか、あるいは今後のそういう意味の建設事業費等の増高する計画というようなものとにらみ合わせながら、指定をするということで考えておるわけでございます。しかし、そういいましても、やはり指定を受けて競技を行ないますということになりますと、これは一種の特別な組織と技術的な、あるいは経営管理の能力なりというものが要求されるようになってまいりますし、それから競技場というものも限定をされております。そういう点もございまして、それ以外の従来からそういうことに関係のなかったものを直ちにこれに加えるということが、実際問題として非常に困難な実情でございまして、どちらかと申しますと、調査会答申におきましても、これを奨励するというような形じゃなくて、存続は認めるが、その弊害をできるだけ少なくしていくという形で、いわゆる節度ある運営ということをやっていきたいというようなかっこうになっておりますので、現実問題としては、そういう点から、開催の回数でございますとか、全体のそういう日取り等につきましても、一応のワクができてしまっているようなかっこうに実は相なっております。  そういうことから、従来行なっておりますものが引き続き行なうという形にどうしてもなりがちでございまして、新しく加えるとか廃止するというのは、実は競馬等におきまして、災害を受けて、災害復旧事業等の実際の必要というものがおおむね終わったときには廃止することになりますが、さらばといって、その場合に新たなものを具体的な条件に該当すれば加えるということも、規定の全体の回数なり全体の開催日数なりの間でならばできるわけでございますけれども、それがその県の中でたまたま該当しないような場合になりますと、そこで一応打ちどめというような形に相なる。そういうようなことで、現状は確かにある程度片寄っていっておる。そこで、できる限り県を単位にいたしまして、組合方式の施行形態をすすめておりまして、それによって新たなものが加わっていける機会をより多くいたして、実質上の均てん化措置を講じていきたい。こういうふうな考え方で逐次進めてまいるということでやっていくほかないと思っております。
  33. 阪上安太郎

    ○阪上委員 競馬の開催権は歴史的なものであるかもしれません。たとえば昭和二十三年、競輪競艇あるいはオートレースというようなものがマッカーサー司令部の許可を受けて出発したわけでありますが、競馬はそれ以前からあったわけです。そういった歴史的な過程からこういうことになったのかもしれないけれども競馬の開催権が公共団体と同時に中央競馬会に与えられている。民間に与えられているのはこれだけじゃないかと私は思うのですが、それについて、これはどうもおかしいなという気にはなりませんか。その点どうでしょう。
  34. 長野士郎

    長野政府委員 競馬につきましては、お話しのように沿革がありまして、昔から国営競馬というものをやっておったわけであります。同時に地方競馬というのもあったわけでございます。たしか戦前は府県に馬匹組合というような組合がございまして、その組合が施行しておったというかっこうになっておったように私ども記憶いたしておりますが、それが戦後におきましては、国が直営で行なう、それから地方公共団体が直営で行なう、こういうのが認められた。そして国のほうは中央競馬会というような形のところに持っていった。地方のほうは、ちょうどお話のございましたように、ほかの公営競技もこれは地方団体が公営で行なうということが立てられましたこととも関連があったかと思いますが、民間に移すということでなくて、府県なり競馬場の所在する市町村が引き続いて行なっていくという形ができ上がって、今日に至っておると思うのであります。中央競馬のところだけが競馬としては違っておるわけでございますが、それは競馬というものの沿革なり特殊な実情からそういうことになったのだと思いますから、個々に画一的に整備していくことができないで、現状のようになったのではないかと思っております。
  35. 阪上安太郎

    ○阪上委員 引き続いて伺いますが、オートレースの開催権が都道府県と五大市のみになっておる。これは先ほど言われたように、開催能力が他のものにはないから、したがって都道府県と五大市のみということにしたのかどうか、その経緯はどうなんですか。
  36. 長野士郎

    長野政府委員 私もその経緯がよくわかりませんけれどもオートレースということになりますと、特別な施設ということでもないと思いますけれども、その当時オートレースというものについての開催可能なところというのが、市町村でありますと、やはり旧五大市とかオートレース場の所在の市町村とかに限定せざるを得なかったというような状況ではなかったかと思います。
  37. 阪上安太郎

    ○阪上委員 これには何か財政的な目途があったのではないかとも思うのですが、その点はありませんですか。特段に都道府県と五大市に何らかの財政措置をしてやらなければならぬというような配慮が含まれておったのかどうか、その点はどうでしょう。
  38. 長野士郎

    長野政府委員 その当時でございますから、財政的には、いずれのところでも戦後間もなくでございますので、いろいろな意味での復旧事業なり整備事業というものが山積しておったと思います。特にその点では、大都市を中心にしてその荒廃が激しかったということは当然言えたと思うのであります。そういう意味と、それからオートレースを行なって、その経営をささえながら同時に収益を上げるというような見込みのあるところというものになりますと、おのずからその当時の状況では限定をされたというふうに思われます。
  39. 阪上安太郎

    ○阪上委員 財政目的でもないというようなことのような御答弁ですが、そこでひとつ伺っておきたいのは、いま宝くじはまだあるんでしょうか。
  40. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 宝くじは現在やっております。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 この発売権は都道府県ですね。——だと思うのですが、どうですか。
  42. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 現在は都道府県と五大市を入れております。
  43. 阪上安太郎

    ○阪上委員 最初は国がやったのですが、国が放棄してそういうふうになったんだと思うのであります。これは公営競技ではない、収益事業だと思うのですけれども関連してこれの財政上の扱いというのか、こういったものについては、どういうふうにやっておられるのですか。
  44. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 現在宝くじにつきましては、単独で宝くじを発売しておりますのは東京都だけでございまして、その他の府県、五大市の場合には、大体ブロックごとに協議会の方式をとりまして、それぞれのブロックで、たとえば近畿宝くじあるいは関東、東北宝くじとかいうような方式で、いわば共同で発売をするという方式をとっております。したがいまして、大体この収益は各都道府県、五大市に、それぞれの地域におけるいわば発売額等を基準にいたしまして、均てん化されておるような方式になっておるわけでございます。そういう意味で、宝くじはおおむね全都道府県、五大市がその収入とされておるというような実態になっておるわけでございます。
  45. 阪上安太郎

    ○阪上委員 宝くじの収益がいま言ったように、発売状況から見て均てん化された形をとっている。そこでその収益を得たものは収益の使途について何か指導、あるいは法律その他によってこれはきまっておるのかどうか、その点どうですか。
  46. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 宝くじにつきましては、公共事業の費用の財源に充てることを目的とする、こういう方針になっております。
  47. 阪上安太郎

    ○阪上委員 三角くじとかスピードくじとか、いろいろなのがあったように私記憶しておるのです。それらがなくなって宝くじだけが残されたという理由は、どういうことでしょう。
  48. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 国が宝くじを発売しておりました時期におきましては、三角くじ、スピードくじといったような、買ったところで直ちに当落がわかるようなものもあったわけでございますが、やはり宝くじにつきましても、できるだけ射幸心をそそるような方式の発売方式をやめていきたいというようなことで、現在やっておりますような発売方式に逐次変えていったということになっておるわけであります。
  49. 阪上安太郎

    ○阪上委員 最近世間では——最近でもありませんが、公営競技が持つ反社会的な面、これに対して世論がわいておるわけなんですが、それにのっとりまして特定の都府県の知事あたりが、公営競技を廃止していくのだというような方向をいまたどっておるように思うのでありますけれども、それにしても宝くじだけが残っておるということを考えていくと、やはりこれも射幸心を極端にそそるようなことがあってはいけないというようなことから、逐次自粛を始めて、そうして宝くじだけになっておるという形だと私は思うのです。  そこで、収益事業としてやっておるこの宝くじのようなものと公営競技の反社会的な面というものは、どちらが大きいか、こういうことについて自治省としてお考えになっておりますか。どういうように判断しておられますか。
  50. 大石八治

    大石政府委員 研究が足りないのでいま直ちにあれですが、何かギャンブル性という一つの感じからいえば、私は宝くじのほうが少ないんじゃないかという感じがいたします。ことにこの間発売した近畿何かというやつは、万博宝くじというのをたしかやったのじゃないかと思います。これも実は目的がかなり限定されて、季節的にも限定された問題をやっておるように思います。いま阪上さんの質問を聞いていて、わりあいにたくさんいろいろなものがまだ残っておるという感じがいたしたわけで、宝くじの功罪——私もいま一体発売額がどのくらいなのか、地方団体収益金の配付額がどのくらいのものなのか、実はそのスケールがちょっとはっきりいたしませんので、返事がいたしかねますが、感じとしては、いま申し上げたとおりで、なお当局から御返事をさせたいと思います。
  51. 阪上安太郎

    ○阪上委員 これは、公営競技はかけておるのですが、いわゆるかけですか、賭博ですか。
  52. 長野士郎

    長野政府委員 宝くじは昔から富くじというんですか、江戸時代からもあったようでございまして、だから、その意味では、やはりこれも一つのかけはかけだと思います。ただその意味で、政務次官が先ほど申し上げましたように、かけではあっても金額は非常に小さいわけでありまして、射幸性という点では一番軽いのではないかということは、私どももそのように思います。
  53. 阪上安太郎

    ○阪上委員 よくわからぬのですが、刑法がいう賭博ではないのですね。どうですか。   〔委員長退席、大西委員長代理着席〕
  54. 長野士郎

    長野政府委員 やはり宝くじも通常の状況では許されない射幸行為に入っておると思います。
  55. 阪上安太郎

    ○阪上委員 こんなこと言っていたらしようがないのですが、天保の改革のときに、水野越前守が富くじを一時停止しておったのですよ。   〔大西委員長代理退席、古屋委員長代理着席〕 あまり盛んになっちゃったからいけないということで、停止している。その後これが復活している。いずれにいたしましても、いまいわれている均てん化という問題は、これはただ単に、今度法律に出されているような収益金の一部を納付さして、そして金融公庫の中の健全化基金の中にこれを入れて、そして企業債の利子を低くするんだというようなのが均てん化だとお考えになっていることは、私はおかしいと思うのです。均てん化ということになりますれば、われわれ考えなければならぬのは、開催権の所在とか、指定基準というものがやはりあると思うのです。これが均てん化されることが必要だ、こういうふうに考えるのです。健全化なんていうことばを使っておられるので、どれだけのことをやるかと思って、法律をよく読んでみると、何のことはない、そういうテラ銭を集めて、そうして利子を下げる、だから均てん化だ、こういうふうに考えられたようでありますけれども、何かそこに発想として間違いをおかしておられるのじゃないか、こういうふうに考えるわけで、したがって、私はしつこくこの開催権を言っているわけなんですが、どうでしょうか。政務次官、あなたはときどき思い切ったことを言える人ですから、お伺いしますが、これを均てん化するという考え方、このような法律でばらばらな指定基準を設けてやっておるということについて、これを均てん化しなければならぬのだというお考えを持っておられるかどうか、これをひとつ伺ってみたいと思います。
  56. 大石八治

    大石政府委員 私もこのことを少し勉強してみると、そういうことも一つ考え方だという感じがいたします。ただその場合に、既得権という感じを非常に逆にまた一面持っているわけでありまして、それを取り上げてしまって、そして片一方のほうにまた回してやっていくということができればいいわけでありますが、それは逆に、答申の、奨励はしないという一つ考え方にも多少衝突するところがあるわけであります。そういう意味で、いま私どもも最終的にこれでやるんだとかこういう方法をするんだとかというところに至っておりません。しかし、既得権ができているような形になっている点については、常々疑問がありますし、またそれゆえに実はこういう今度のような発想をせざるを得ないところにもきたわけであります。しかし同時に、阪上委員のおっしゃるような問題は、私どもも実は残っているというふうに思います。ただ、これは同時に、根拠法というのが別個にありまして、それに根源があっての実は問題でありますので、この問題はもうこれで一切のけりがついちゃったという感じは、私自身としてはしにくい気持ちでありまして、なお、一体どういうふうにしていくことがいいのかという点は、今後も一つの問題として当然残り得るし、またそういうふうな考え方は慎重に検討を進めていきたい、こういうふうに思います。
  57. 阪上安太郎

    ○阪上委員 いま政務次官がおっしゃったように、既得権というものを尊重しなけばならぬというたてまえから、いま言ったような開催権の均てん化ということはできないのだ。そういうことになりますると、本来、競馬は別として、それ以外の公営競技というものの出発点が、戦災復興にあったということは言えると思うのでありまして、その戦災の復興というものもすでにもう終わってしまっている。こういう段階で、しかもさらにその後にでき、行なおれておるいろいろな競技、それに対する既得権というものは、おそらく災害が起こらなければそういうものは出てこないだろうと思うのですね。そうすると、この既得権を確保するためには、開催権を確保するためには、災害を起こさなければならぬということになるわけなんです。だから、既得権に所在を求めて、そうして均てん化というものがなかなか困難であるという、そういう考え方は私はおかしいと思う。そういうことをばりっとやらなければいけないのであって、どうも自治省はへっぴり腰で公営競技というものに取り組んでおる。均てん化というのも一種のごまかしであって、何がごまかしかというと、世論に非常に気がねをしておる。確固たる信念をもって公営競技というものをやっていない。だから、いま言ったような怪しげなる均てん化方向が出てくる。今回の改正案がそうだと思う。こういう状態では、いつまでたったって均てん化なんてできるものではない。この点さらにひとつ、大石さん、あなたにお答えいただいたから、あなたから御答弁をいただきたい。
  58. 大石八治

    大石政府委員 関係する各省も多いことでありますので、私どもは、いま御指摘の問題というのは、今後も関係各省と連絡をして研究をしていきたいと思います。
  59. 阪上安太郎

    ○阪上委員 さらに均てん化の問題で、それぞれの競走法によりまして、収益金の使途については明示されていると私は思うのです。あるいはまた、財政局長の三十六年ごろの行政指導といいますか、通達等によりましても、そういう使途が明確に指導されておるというふうに私は思うのでありますが、これはそのとおりですね。
  60. 長野士郎

    長野政府委員 御指摘のとおり、これらの収益金につきましては、公共事業とかあるいは関連産業の振興のためというようなことで、支出対象事業が一応法律の上で明記されております。
  61. 阪上安太郎

    ○阪上委員 公営競技調査会答申、これは三十六年の七月の二十五日に行なわれておる。それに伴って措置がされておりまして、これはそれぞれ法的措置も行なわれたと思うのですが、大体各競技について要約していくと、地方公共団体収益金の使途というものは、一つは畜産の振興、あるいは機械工業の合理化というようなものがちょっぴり出ておりますが、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、体育の振興その他住民の福祉の増進をはかるための経費の財源に充当するように努力すべきであるというようなことで、これがそれぞれ法制化され、義務づけられておる、こういうことだと思うのです。  そこで、今回あなた方が出されておる均てん化方式というものも、これは何かわからぬですが、とにかく利子を下げる、利子を下げることによって、企業債について全部が収益均てん化に浴することができるのだ、こういう解釈なんですが、この点においてそれぞれの競走法のたてまえを考えてみたときに、大きな矛盾があるのじゃないか。こんな方向に使えというようなことが許されていいかどうかという問題なんです。この点どうでしょうか。
  62. 長野士郎

    長野政府委員 いまお話しのような関連産業とか公共事業、その他スポーツ振興、文化、社会福祉、そういう関係におけるところの事業に充てるというのが一つ考え方でございます。その中におきまして、この収益金の一部を納付しまして、それを公庫が公営企業の貸し付け利率の引き下げに用いるということは、私どもとしては、その大きな全体の使途の明示されておりますものの範囲の中に該当しておるものだというふうに考えます。
  63. 阪上安太郎

    ○阪上委員 畜産の振興にしても、社会福祉の増進にしても、あるいは医療の普及その他、先ほど言いましたようなものは、ほとんどが公共事業じゃないかと思う。公共事業に使えというたてまえをとっておるのに、公営企業だけにこれを均てん化していって、公営企業によってこれをカバーするのだという理屈は、私はどうしても成り立たぬと思うんですが、どうでしょう。
  64. 長野士郎

    長野政府委員 公営企業というものは、やはり住民福祉の向上といいますか、そういう面では一番大きな役割りの一つを果たしておるわけでございますから、そういう意味で、たとえば競輪関係で申しますと、自転車競技法の十一条には教育文化、いろいろ書いてありますが、体育の振興その他住民の福祉の増進というものが一つの大きな柱になっております。社会福祉の増進、住民福祉の増進という範囲には当然に入ると思いますが、なおそのほかに、公営競技収益金は、それぞれの振興会なりあるいは、今回は公庫ということになりますが、それ以外に各地方団体におきまして、その収益金を充てておる事業というものが一番の中心になるわけでございますが、それにつきましては、いままで一番多く充てておりますのは、実は土木関係の経費でございますが、主としては公営住宅でございます。その次には教育、つまりそれは端的に申しまして、学校施設整備に一番多く充てております。従来からもこの二つが一番多いわけでございますが、これはそういう意味の公共事業と申しますか、社会福祉、住民福祉の向上ということと、教育文化の発展ということの趣旨に沿っておるものと私どもは思っております。
  65. 阪上安太郎

    ○阪上委員 長野さんは頭は非常にいいのですが、何かちょっと混乱を起こしているのじゃないか。一般社会福祉という概念は、そういうものじゃないでしょう。地方公共団体公営企業をやっておる。たとえばバスの企業をやっておる。確かに住民のための福祉であることは事実でありましょうけれども、そういうようなものを法的に、あるいは日本の法体系からいって、社会福祉といえますか。学校を建てる財源にこれを充当するということと、それから公営企業に充当するということとどういう関連があるのですか、その点どうですか。
  66. 長野士郎

    長野政府委員 社会福祉と申しましたのは、民、生関係ということで考えたほうがいいので、私の御説明がどうも十分でなかったと思いますが、そういうものを含めまして、住民福祉の向上に寄与するために使うということに相なっておりますから、私どもといたしましては、公営企業資金利下げに用いるということも、やはり全体としてはその目的の中に入っておるというふうに考えるわけでございます。その点も今度は法律におきまして規定をするわけでございます。そういう意味でも、それにかなうものというふうな法的な根拠とも相なるというふうに考えておるわけでございます。  それから、それ以外にも、先ほど申し上げましたように、公営競技収益金は、各振興会のいろいろな関係関連した産業等にも使っておりますが、主として地方財政財源賦与という面が、公営競技を行ないまする一つの大義名分になっております。地方団体収益金として、民生、衛生、土木、農林水産業、商工関係の経費、教育費等に用いておるというのが実態でございます。
  67. 阪上安太郎

    ○阪上委員 なかなかがんばりますね。競馬法の二十三条の三、自転車競技法の十一条、小型自動車競走法の十七条の二、モーターボート競走法の二十条の二、こういうことで御案内のように使途が明示されております。でありますから、いま言われたような考え方で、非常に幅の広い、珍しく自治省は幅の広い解釈を始めたわけなんですが、はたしてそういう法解釈が成り立つのですか。どうせこれはあしたわれわれのほうは反対で通すからいいようなものの、やはりこういった点はもう少しはっきりしたものを持っておられぬといかぬのじゃないですか。どうでしょう。
  68. 大石八治

    大石政府委員 私、中間的な、個人的な感じですけれども、私は山本弥之助さんからそういう質問を受けているときに、なるほどそういう考えもすなおな考え方だなとし実は思ったわけです。それから、これはまだ財政局長や何かに聞いているわけではないのですが、そのうちに、いや片一方は関連事業ということばで、公益事業というふうに使途が出ているわけです。それで公益事業のほうに出す場合の問題というのは、その施行団体収益があるかないかということは関係ないわけです。もうからなくても、何千万円かの売り上げ以上は出すんだというふうになってきている。だから、それはそのことをやる行為、つまりそういう公営競技をやる行為から当然出てくる問題というふうにして、それぞれの根拠法で出している。今度の場合は、われわれのほうの法律は、収益の中からということが書いてある。だから、赤字なら・取らないわけです。しかし、計算方法としては、五億を引いて、いま計算的にはとりあえず〇・五%というもの、それは考えてみると、その団体に入るいわゆる財政収入という問題で、先ほど均てん化ということばがお気に召さないようですが、それを少し分け合おうじゃないかというふうに問題を展開した。したがって、それぞれの競技法の中に書かないことも一つの道理であろうなという感じが、私はこの二、三日来実はしているわけで、法律上の見解では、いわゆる純法理論では、私はとてもお答えできないわけですけれども、山本さんの話を聞いているときは感心してみたり、そのうちに、いまは自分の解釈で、そういう感じがしてみたりしているわけでありますけれども、実は率直に言ってそういう感じであります。収入がない場合は取らないんだ。つまりその団体にそういうお金が入ったという前提の上に問題が出てくる。片一方は、やる行為それ自体で、やるならこういうものを納めなさい、こう、いうところに区別があるので、そっちのほうの法律の中に一々書かないというのも、何となく道理があるらしいというふうに、いまちょっと心で慰めておるところもあるわけであります。
  69. 阪上安太郎

    ○阪上委員 大石政務次官の発言は、これは私の意見でございますが、というのが非常に多いのです。議事録を調べてみると、ずいぶん数があるだろうと思うのです。もう百ぐらい出ているのじゃないか。そこで、それが一般的に自治省考え方という考え方にならなくてはいけないだろう、こう思うのです。あなたは非常に斬新な意見をお持ちですけれども、それはすべてあなただけの考え方、こういうことになるわけです。第一、いまおっしゃったように、五億円を控除しているではないか。もうからぬほうから金を取るなんという、そんなでたらめなことはない。それはあたりまえのことだ、高利貸しではあるまいし。だから、そういうことはたいしてぼくは理由にならぬと思うのですよ。公営競技をやる目的がそこにあるのですから。だから、どうしても私はこれはおかしいと思っているのです。いまあなたがおっしゃった発言内容は、あとでぼくはそれにひっかかって少し意地の悪い質問をしようと思っていますが、実は非常に重大なポイントなんですよ。そういうところを暴露していただいてまことにありがとうございました。  この問題はこの程度にいたしまして、次に、公営競技収益金のアンバランスの問題なんですが、アンバランスの実態はどうなっているのですか。これはいただいた資料の中にないと思うのです。公営競技収益金額の大きい市町村、これは基準財政需要額を一つの基礎にしてパーセンテージが出てくると思うのですが、そういったパーセンテージをお示し願えないですか。
  70. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 昭和四十三年度の決算をもとにして申し上げますと、都道府県の場合には、基準財政需要額に対する収益金割合は、一番高いところでも八%以下でございます。市町村におきましては、いろいろございまして、五%以下のところも七十七ぐらいございますけれども、一〇〇%をこえるような市町村が二十ぐらいあるといったように、その分布の状況は、市町村の場合には非常に幅広く分布されておるということが言えます。
  71. 阪上安太郎

    ○阪上委員 いま四十三年度の決算に基づく調査によるお話があったのですが、ずいぶんひどいのがありますね。東京都の立川市は一五一という数字が出ておりますね。収益金と基準財政需要額一五一。それから青梅が一八九・七、ずいぶんひどいですね。それから愛知県の蒲郡が一二四。それから大阪の箕面、これはかって収賄事件で問題を起こしたところなんですが、その市長はもうやめちゃったんですけれども、この箕面市が一五八。どうですか、広島県の宮島町というのは五七九・八という数字が出ていますね。そうでしょう。徳島県の鳴門、これがちょうど一〇〇、それから福岡県の芦屋町、これが一七五。まことにこれはばらばらじゃないですか。ものすごいじゃないですか、これは。これをああいった公営企業金融公庫にちょっぴり入れて、十年間で千億ほど入れて、そしてそれと運用によって利子を低めていく、そんなものでもって均てん化とかへったくれとかいっていることがおかしい。だから先ほど言いましたように、どうしてもやっぱり開催権の均てん化ということが必要じゃないですか。かつて政府はこれを、あるいは自民党さんのほうでもこれを取り上げて、そうして一昨々年でございましたか、公営競技収益金の配分というようなことについて、そういった開催権の均てん化を目途としてやろうとしたことがあるのですよ。いつもやかましく言う亀山先生がそこにおるのですが、これが反対して自民党内で調整がつかなかった、こうなっている。きょうどこへ行ったか——こんな状態でこれはいつまで放置しておるんですか。ぜひひとつ、この均てん化についてはもう少し思い切った考え方自治省で持っていただきたいと思うのです。自治大臣、ひとつ御答弁をお願いします。
  72. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 確かにこれはこの法案に関する問題点一つであり、また大きな問題であろうと思うのであります。お話しのとおり世間でも問題にもし、地方公共団体においてもいろいろ希望もある問題かと思うのでございます。党内にも問題があった。それだけにこれが解決をここで抜本的にはかろうといたしますと、非常に困難もありますし、時間も要するわけでございまして、要すれば、まことに遺憾であるが、次善の策としてこの法案の成案を得た、こういうものでございます。
  73. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私も長い間こういった問題と取り組んでおりますから、事情はよくわかっております。しかし、いつまでもこの程度の次善の策では私はいけないと思う。それをやっておりますから、世間が騒ぐのじゃないか。ということは、自治省がもっとき然たる態度をもって、公営競技というものに対して自信を持ってこれを施行していくという強い考え方がないものですから、地方公共団体間におきましても、御承知のように、それぞれ意見の相違が出てきているというようなことで混乱を来たしておる、こういうことだと思うのでありまして、ぜひひとつこの開催権等を中心とした均てん化方向というものを思い切って打ち出す、こういうふうにひとつ御努力を願いたいと私は思うのです。いかがでしょうか大臣
  74. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 今後さらに関係方面と検討をし、努力を続けてみたいと思っております。
  75. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで最後に、私、いろいろありますけれども、伺っておきたいと思うのは、大体戦後の公営競技の出発点が間違っておったんじゃないか。戦災復興のために公営競技によってその財源を捻出していく、こういう考え方が大きな誤りをおかしておる。今日公営競技に対していろいろと批判もあるが、大体その批判が出てくる理由を追及していくと、結局最初の出発点において大きな誤りをおかしておったからこういうことになる。つまり戦災復興のための財源、これを公営競技に求めるということで出発したところに大きな問題があるんではないか。そんなものは当然一般財源でもって、あるいは国庫でもって処理すべきものであったにもかかわらず、そういう道をたどってきた。それがだんだんと習慣になってきて、そうしてその後発生するところの災害に対して同じような安易な道を求めてきた。一般財源で処理されるべきものをこういったものに求めたというところに、出発点から公営競技というものが非常な誤解を受けているんじゃないか。今日公営競技を廃止しようとする人々、それから公営競技をあくまでも存続していこうという人々があり、公営競技を廃止するという人々の考え方というものは、この出発点において一般財源でもって処理すべきものを公営競技に求めておる、しかもその対象の事業というもの、たとえば戦災復興というものだってもうすべてが終わってしまっておる。   〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕 災害も、少なくとも過年度災害を含めてもそう長い期間でもってそれが続けられるはずがない。そうなってきますと、戦後出発したこれらの公営競技というものは、公営として開催する理由がなくなってくる、こういうことになるのじゃないかと思うのであります。一方、あくまでも公営競技存続していこうという人々も、きわめて皮相なものの考え方で、ただ単に財政的な見地から、公営競技はなお必要であるというようなものの考え方にとどまっておる。こういうところに私は大きな問題が横たわっていると思うわけであります。  そこで、今後一体自治省として、こういった公営競技開催の意義というものを、依然として財政的な理由に求めていこうとするのであるか、それとももっと大きな、遊技本能あるいは賭博本能というものは払拭できないので、やるならば公営でやって、できるだけ反社会的な問題の発生しないような努力をするというような高い見地から、公営競技というものを進めていこうとするのか、この点についてひとつ大臣からお答えを願いたいと思います。
  76. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 阪上先生の第一の理由から、時代はまさに第二の理由によってこの問題を処理すべき段階にまいっておると思います。しかし、これらの問題を決定いたしますのには、やはり社会的な合意というものが必要でありまして、それの合意を得つつ、認識を得つつ事を処理し、法律を立法するという配慮もまた立法者として必要ではないか、またそれによって処置をしていくということは行政上必要ではないか、こういうふうに考えられますので、御趣旨のあるところを十分尊重しながら、今後この法案運営なりまた改正を考えてまいりたいと思います。この立法の趣旨は、まさに先生がおっしゃるように、第二の理由に立ちまして、しっかりした根拠のもとにやるべきものである、こう考えております。
  77. 阪上安太郎

    ○阪上委員 一九七〇年代の国民生活というものを考え、あるいは今世紀末における国民生活というものを考えていった場合に、レジャーの占める位置というものは、これは大臣承知のように、非常に大きなものになってくる。したがって、私どもは、このレジャーに対する配慮というものは、常にこれから大きく位置づけていかなければいけないだろうと思うのです。この場合、こういった競技そのもの、これはどうしても廃止できるものではない。それは別荘に入って、そうして自分の自主的なレジャーを楽しむ恵まれた境遇の人もあるかもしれません。けれども、一般国民大衆というものがこういったものにレジャーを求めていくということは、私は当然のことじゃなかろうかと思う。したがって、この場合、あくまでも財政的な見地から、いま大臣が言われたように、一挙に社会の合意を求めなければならぬので、だから逐次こういった財政的な見地からの公営競技というものを見直していかなければならぬということでありますならば、いま出ております法案の内容にあるような均てん化というような程度のものじゃなくして、極端に言うならば、もうかろうがもうかるまいが、廃止することができないレジャーであるならば、これは公営でやるという考え方に徹して、もしそのために赤字が主催団体に出た場合は、一般会計から補てんをしてやるというぐらいの考え方に持っていかなければいけないと思うのですが、さらにこの点について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  78. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 徹底されました阪上先生の御意見は御意見としてよくわかります。尊重すべきものと存じますが、やはり実際に政治をやる、行政をやっていくたてまえにおきまして、これはおしかりを受けるかもしれませんが、財政上の理由も皆無ではないのでございまして、いまの御処置のとれるような国家及び地方財政の情勢ならばまた何をか言わんやでございます。こういうことを申しますと、これは立法のほんとうの趣旨を心得ないからそういう意見が出るのだというおしかりを受けるかもしれません。しかしながら、ひとつ今日の財政上の事情を勘案いたしまして、こういう処置をとっておることをぜひ御了解願いたいと存ずるのでございます。
  79. 阪上安太郎

    ○阪上委員 公営競技に対する基本的な考え方、同じような考え方大臣お持ちのようであります。ぜひひとつ、自治省内部もそういった気持ちになって、新しい公営競技運営についてさらにお考えいただきたい。均てん化方向等につきましても、先ほど申したとおりであります。ぜひこの際、もうこの辺で踏み切っていただくようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  80. 菅太郎

  81. 土井たか子

    ○土井委員 私は、公営企業金融公庫法の改正案の中に盛られております均てん化の問額について、続きまして簡単に質問をしたいと思います。  私の住んでおりますのが兵庫県の西宮でございまして、西宮と申しますと、兵庫県下で三大ギャンブル都市として有名なところでございます。ほかに尼崎があり、伊丹があるわけでございますが、この西宮の競輪場開催地あたりに参りますと、主婦のギャンブル廃止の声は非常に強うございます。御承知のとおりに、周辺住民への公害といたしましては、自動車の排気ガス、騒音、いたずら、けんか、交通麻痺、たかり等々があるわけでございますが、特に主婦の方々が強くギャンブル廃止を訴えられます理由には、子供に対する教育上の悪影響がたいへんあるわけでございまして、何とかならないかと年々言われ続けてきているわけでございます。しかし、それにも増して強いギャンブル廃止に対する要求は、何でこんなことにたよらなければ地方自治体の財政がもたないかというふうな理由から出ている議論が強いわけでございます。  そこでお伺いしますが、現在このギャンブルによる依存率というのは、どういうぐあいになっておりますか。全国でこれに依存をしている率の最も高いところは、どういうぐあいになっておりますか、お伺いいたします。
  82. 長野士郎

    長野政府委員 ギャンブル収入に大きく依存しておるといいます場合は、財政規模に比較いたしまして、あるいは税収等に比較いたしまして、公営競技収益金の非常に高いところということに相なると思いますが、そこで、先ほど阪上先生のほうから御指摘のございました、たとえば広島県の宮島というところがございます。厳島神社のあるところでございますが、そういうところになりますと、歳出の中の半分程度のものがギャンブル収入財源にしておるという形になっております。あるいはまた、福岡県に芦屋という町がございますが、ここも一般会計のほうには出ておりませんけれども、特別会計のほうに収益金を直接受け入れまして、そしていろいろな事業を行なっておるというような形をとっております。ここもそういう意味では、非常に収益金に依存をしておるという形でございます。いま先生御指摘の兵庫県の市のように、市も相当ありますけれども、概して申しますと、町村で規模の小さいところが、予算上に占める収益金割合が大きくなっておる、こういうふうに思っております。  私どもが一番心配をいたします点は、そういう規模の中に占める割合が大きいということも、もちろん一つの注意しなければならぬ問題でございますが、同時に、その使い方の問題がありまして、それがいわゆる公共事業なり必要な施設整備事業に使っていっておるということであれば——これはまあ収入というものは安定したいわゆる本格的といいますか、性格上も安定した不変的な財源というわけではございません。性質の非常に不安定なものでございますから、そういうものがいわゆる経常経費というものに使われるようになることは、どうしても避けなければならない、こういうふうに思っております。
  83. 土井たか子

    ○土井委員 私は、使い道を健全にということももちろん大事だと思いますが、そこを問題にしているのではなくて、いわゆる財源確保というような意味からいいまして、こういうギャンブルにたよらなければ財源確保できないということを、いま問題にしつつあるわけでございます。先ほどおっしゃいました依存率の問題では、たいへんに高い依存率を示している都市がそのほかにもたくさんあるわけなんでございまして、その依存率を見た場合に、高いというだけでなしに、さらに年度別で見ていったら、年々増加してきているということが言えるかどうか、この辺はいかがでございますか。
  84. 長野士郎

    長野政府委員 一般的に申しまして、場所にもよりますが、この種競技の売り上げ金がここ数年来大体二〇%をこえた売り上げを示しております。そういう意味では、収益金の額もそれに応じて高まっているわけでございますが、ただ一面、税及び基準財政需要額等に算入いたします交付税の関係でも、大体同じような割合で高まっておりますから、全体の比率として収益金のほうが非常に割合が大きいというほどには——これは団体によっても違いますから一がいに申せませんが、平均的には、大体同じくらいの割合でここ数年来は高まっておるということが言えようかと思います。
  85. 土井たか子

    ○土井委員 それでは、一般の現象からかけ離れているのかどうか、そこのところがちょっと私はおかしいと思うわけでございますが、兵庫県のギャンブル都市として、先ほど申し上げました上位三市の収益依存状況というのは、ここ四十年以後もうこれが飛躍的にふくれ上がってきているわけでございます。年々たいへんなふくれ上がり方でございまして、特にはなはだしいのは、伊丹などの例をあげますと、昭和三十五年当時におきましては、大体九%くらいの依存率を示しておりましたものが、四十年になりまして一九・七%、四十一年二一・一%、四十二年二三・七%、四十三年度になりますと二八・六%、実に飛躍的なふくれ上がり方を示してきているわけなんでございます。ほかの西宮につきましても尼崎につきましても、同様のことが言えるわけでございますが、自治省のほうでは、各年度別の依存状況から、ここ数年来飛躍的に年々依存率が高くなっているというふうにはお考えになっていらっしゃらないわけでございますか。
  86. 長野士郎

    長野政府委員 先生御指摘の兵庫県の三市の場合には、お話のような形がございます。私どもいま手元に持っております資料は三十九年度からでございますけれども、伊丹市の場合に、四十三年度と三十九年度とを比較いたしますと、基準財政需要額は二倍にふえておりますが、収益事業収入は大体四倍半をこえております。尼崎市の場合に、三十九年度と四十三年度の比率では、需要の伸びは一八六、二倍ちょっと切っておりますが、収益事業収入の伸びは四倍半をこえております。西宮市におきましては、需要が大体二倍を切っております。収益は二・四倍ということで、西宮市がやや均衡しておりますが、そのほか特に一般の規模の伸びに比較いたしまして収益金が目ざましく伸びておりますのは、尼崎のようでございます。
  87. 土井たか子

    ○土井委員 そういうふうなあり方に対して、健全な地方財政のあり方というふうにお考えになっていらっしゃいますか、どうですか。
  88. 長野士郎

    長野政府委員 いまのような状況でございますので、これらの都市の財政運営におきますところの収益事業といいますか、公営競技に対する全体としての依存度がむしろ高まっておるということは、御指摘のとおりだと思います。ただ、これらの都市におきますところの需要の大きさというものは、いろいろな観点から見てまいりますと、都市的な施設の非常に著しい立ちおくれ、あるいはこのあたりは非常な過密地帯でございますし、同時に公害対策その他の事業についても、いろいろ住民の要請が非常に強いところだと思います。そういうところでございますから、そういう事業整備に一面追われている。自治省としても、そういう人口急増地域でありますとか、過密都市に対しますところの需要を年々拡充いたしておりますけれども、そういう努力は一面いたしながらも、現実の都市の運営におきましては、一度に大きな事業に対する住民の要請にこたえていかなければならないという問題もあるわけでございまして、そういう意味で、このような依存率の高い運営の状況がいいとは決して思いませんけれども、現実にこれが全く不要であるというふうにもなかなか断定するわけにはいかないと私は思っております。今後とも都市財政の充実のために私ども努力をいたさなければならぬわけでありますが、これらの都市の現実の需要をこういう形でまかなっておるという現実も、認めていかざるを得ないのじゃなかろうか、こう思っております。
  89. 土井たか子

    ○土井委員 そういう現実のあり方に対して、健全とお考えになっているかどうかということを、私はお伺いしているのです。
  90. 長野士郎

    長野政府委員 先ほど申されましたような個々の実態を、私いま承知しておりませんけれども、これが経常的な関係の中でこういう財源に寄りかかっておる姿であれば、私は不健全だと思います。ただ、そういう臨時に急速に整備をしていく各種事業財源に充てているということであれば、現実の必要から考えまして、それが絶対によろしくないとは言い切れないと私は思っております。
  91. 土井たか子

    ○土井委員 現に西宮におきましても、尼崎におきましても、伊丹におきましても、新年度の予算計上で、大体の収入見込み額というものを想定して予算を組むわけでございますから、いまおっしゃった意味からすると、不健全というふうに理解をしなければならないのじゃないかと私は見るわけでございます。いかがでございますか。
  92. 長野士郎

    長野政府委員 いま申し上げましたように、予算で当初から予定する事業を実施いたします場合にも、それに必要な財源というものは考えるわけでございますから、そういう意味で、この財源を経常的な経費に充てるということにもうなってしまって、当然に自分の財政規模を競輪とかそういうものの収入を当てにして、経常的な経費の一つのささえにしておるということであれば、これはよろしくないと思います。しかしながら、急速に整備を必要とする都市施設事業、下水道の整備でありますとか、あるいは清掃施設整備でありますとか、住宅とかのために、急速な整備としてこういう財源を予定するということは、ある程度認めてもやむを得ないのではないかと考えます。事業の、要は運営のしかたなり財源の充て方の問題として考えてみてやらなければいけないと思います。
  93. 土井たか子

    ○土井委員 いま御説明になりました上下水道の完備であるとか、教育施設の完備であるとか、公共事業に対して投資をするというふうな問題について申しましても、これは当然国が負担すべき財源であるはずなんで、そこからいきますと、本来国と地方自治体の財源は一体であるべきものであるにもかかわらず、それがどうもギャンブルに両者が依存して、これが何かクッションのような役割りに現在使われてきてしまっているという印象を私は持つわけでございます。そういうふうな意味からすると、いびつな財源地方財政のゆがみというのが、これは年々依存率が高くなればなるだけ、何だかゆがみもひどくなってきているということを言わざるを得ないと思うのです。  そこでひとつ、財源健全化というふうな問題から考えてまいりますと、ギャンブルに依存しないで、何か地方財源確保の道はないものか、確保していく方法はないものかということを、根本的にここらあたりであらためて考え直してみる姿勢こそ、私は必要じゃないかと思います。こういうギャンブルに依存しないで財源確保する方法として、自治省は何らかのお考えをお持ちでいらっしゃいますか、どうですか。
  94. 長野士郎

    長野政府委員 いまのお話は、確かに根本的な問題でございまして、これからの都市行政というものについての考え方をどのように見定めて、都市の役割りというものをどういうふうに考えていくかという、一番大きな問題として私どもは常にとらえていかなければならないというふうに思っております。そういう意味で、この都市化の時代における都市財源の充実ということは、一般的にはこれが一番先決だということに相なると思います。そういう意味で国と地方との事務の負担の関係の整理をし直しますとか、あるいは財源の配分を整理し直すとかいうことは考えていかざるを得ない、これから根本的に考えていくべき問題だと思っておりますが、さしむきそういう面で年々自治省としてとり得ます措置としては、地方財政計画の策定におきましても、できるだけ都市財源の充実という方向を兼ねまして、都市の財政需要というものを的確に反映する努力を続けてまいっておるわけでございます。  ただ、公営競技といいますのは、いま全国で地方団体が三千五百ばかりあるわけでございますが、その中で三百八十八の団体がやっておる。言ってみれば、非常に片寄ったところでやっておるわけでございまして、その財源をその団体のためにだけ肩がわりするというような形というものは、これは全体としては非常にやりにくいことでございますし、一般的に都市財源あるいは都市行政の充実のために的確な財政需要を把握していくということで詰めていくほかにはいたし方あるまいと思うのでございます。なお、自治省としては、そういう意味での都市全体の財源の充実については、全般として今後も努力を続けていかなければならない、こう思っております。
  95. 土井たか子

    ○土井委員 この均てん化の問題をここで取り上げて法改正案の中に盛られる問題以前に、この事柄を十分わきまえられていないと、このギャンブルに安易に依存をいたしまして、いままで続けてまいりましたギャンブル依存によるところの地方財政のあり方、これに一そう拍車をかけて悪循環を来たすというふうなことも、これは予想にかたくないというふうに憂慮するわけでございます。ですから、どうかこの根本問題について、目を閉ざしてしまうんじゃなく、常に探求の努力を怠らずやっていただきたいと思います。  そこで、最近、東京都の美濃部都知事が、例のギャンブル廃止の宣言をなさいまして、歳入の純化により財政の骨格を改めて都政の姿勢を正すということで、ギャンブル廃止を打ち出されたわけでございますが、そう日がたたないうちに、三月二十六日、御承知のとおり、農林省が、せっかく四回廃止いたしましたその四回分を、東京の特別区に一回と周辺の川崎、浦和、船橋各市に一回ずつ肩がわり追加をして開催させることに決定したわけでございます。これはどこでもこういう現象があるわけでございますが、片や回数を減らすと必ずそれに飛びつく、肉を目がけて飛びつくハゲタカのようなかっこうで、開催権を求めて群がるというふうな傾向がございます。この開催権をめぐっていま均てん化の中に、開催権に対する是正、開催権に対する交通整理というふうな問題がとらまえられているかどうか、この辺を少しお伺いしたいと思うわけでございます。
  96. 長野士郎

    長野政府委員 お尋ねの趣旨と違ったお答えになりましたら、あらためてお答え申し上げますが、現在の東京都は一番たくさん公営競技を実施しておる団体になっておりまして、四つの公営競技を全部実施しております。それでこの回数の問題は、開催権の問題じゃなくて、開催権は持ちながらその回数を制限するという形で、東京都は、とりあえず競馬につきましてそういう措置をとりたいということで、いろいろ御検討になっておるように伺っておりますが、それとやや問題は違いますが、今回の均てん化措置は、そういう競馬なり公営競技の指定とか開催ということを直接何か調整するという意図は実は持っておりません。それは別個の問題でございますけれども大臣政務次官お答えしておりますように、政府としては、公営競技調査会答申の趣旨に基づきまして、積極的な奨励はしないけれども、その存続を認めながら弊害をできるだけ除去していくというような考え方。同時に、都市における、あるいは都を含めた都道府県におきますところの開催をするかしないかという問題も、それぞれの都市の、あるいは地方団体の住民なり議会なりというものの意向に従って、自主的に決定をして判断をすべきものだというふうな考え方をとっておりまして、その点で今度の均てん化措置から、開催の調整とか指定の調整ということは考えておりません。
  97. 土井たか子

    ○土井委員 これも実は、均てん化という問題を考える場合に、私は重要な問題じゃなかろうかというふうに思うわけでございます。それは、開催権をめぐりまして、地方財政の窮乏化を告げているところがよけいこれに魅力を感ずるわけでございまして、何とか自分のところで開催できないかというので、そこにはいろいろな醜い陋策も動くわけでございまして、やはり地方自治体のあり方といたしましては、まことに思わしくないという一連の傾向も呼んだりいたしますから、この点について均てん化をお考えになる場合には、大事な一つのあり方ではないかと私自身は考えるわけでございますが、どのようにこの点についてはお考えになっていらっしゃいますか。
  98. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 いまの問題は、ただいま局長からも申されましたとおり、開催権と開催の日数の問題でございまして、今度の問題は、開催権ではなくて、権は持っておるが、日数をふやしたい、それが均てん化の問題と関連がある、こういうお話でございます。  御承知のとおり、自治省は、開催権につきましては関係がございますが、開催の日数につきましては、こちらに権限がないので、具体的な今回の問題については自治省は実は関係しておらない。御相談を受けてもおりませんし、こちらから意向を申し上げたことも事実ないのでございます。しかし、理論的に申しますれば、開催日数が余りました場合、これがなるべく均てん化の趣旨に沿いまして配付をされるということは望ましいことでもございます。  そこで、東京都にありましたものが他の市町村に行きましたことにつきましては問題もございましょうが、この問題についての私の感想を申し上げますれば、同じ東京首都圏の中にあって、川崎、浦和、そして船橋でございますか、いずれもこの十年間に人口が著しく増大をいたしました過激な過密都市でございます。ここにおける財政上のいろいろの需要というものは熾烈なものがございまして、自治省でも、交付税あるいは特交あるいは地方債の配分について種々力を尽くしておるところでございますが、これらの都市の御要望としては必ずしも十分満足をしておらないものがあるのでございます。考えて見ますれば、こういうところに人口が過激に一時に集中をしておるわけでございまして、若い方の集まり、これらの人々の健全な娯楽におけるところの地方施設の利用に対する何らかの対価というような点を考えてまいりますと、ここに配付された農林省措置におきましては、一種の均てん化、ある意味において次元が低いかもしれませんが、過密都市に対するところの措置を講じたという意義が看取されるわけでございます。
  99. 土井たか子

    ○土井委員 いま大臣お答えにございました過密都市に対する配慮というふうな意味からいたしまして、いよいよその均てん化が進められますと、例をあげれば、兵庫県の尼崎あたりでは、現在ございます一億七千万円、西宮市からは七千二百万円、これが公営企業が受ける恩恵を見た場合に、尼崎市が六十万円、西宮市はせいぜい見積もっても三十万円ぐらいにしかならないわけなのでございます。全額吐き出すのとこれはあまり変わらないわけで、吸い上げ率は五十年度から一%アップということになってまいりますから、たいへんにきびしい状況がございまして、開催地はなかなか渋い顔ということになるかと存じますが、こういうことに対する配慮というものが、それは西宮市にいたしましても、尼崎市にいたしましても、いわゆる過密都市というふうに考えられていいわけでございますから、そういう問題に対する配慮というものをどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか、続けてお伺いしたいと思います。
  100. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 御質問の趣旨が私、十分理解できなくて、あるいは誤解をいたして、回答が御趣旨に沿わないかと存じますが、今回の法案均てん化の趣旨を十分実現しておるとは考えておりません。しかし、先ほども申しましたとおり、開催権のいろいろ配分、ある都市に行ってそれに均てんさせる、回数にいろいろ考慮を加えるという点から、なかなかむずかしかったので、こういう措置をとりました。こういう措置をとることによって、取られるほうはそれだけ取られるのでございますから、取られないほうがよろしいのでございまして、いろいろの御不満もあろうと思います。しかしながら、最低限これらの均てん化措置をとることを御承認願わなければならぬということで、全体のコンセンサスをここに集めてこういう法案になった。したがって、取られる地方公共団体においては御不満もございましょう。しかしながら、均てん化の趣旨において最低限度この程度のことは均てん化に御賛成を願いたい、こういう趣旨で、この法案ができたのであります。  私のお答えが、先生のいまのお尋ねに合っておるかどうか、ちょっと私自信はございませんが、御承知置きを願いたいと思います。
  101. 土井たか子

    ○土井委員 どうも均てん化の問題が進められます背後には、いまのお答えを聞いておりましても、私は感ずるわけでございますが、地方財政の立て直しというものに対して、根本策が、これというきめてがまだはっきりないことのために、やはり相変わらずこれがギャンブルに依存せざるを得ない。だから、これを続ける限りは、何とかこの是正策というような問題がないものだろうかという出発点で、事が始まっておるように私は思います。より根本的な問題は、どこまで行きましても、本来ギャンブルに依存したところの地方財政のあり方というのは、与野党問わず、各地方自治体の長の立場からしますと、思わしくない、好ましくない、できることならばこういうものに依存しないでやっていきたいというふうな声が非常に強いわけなんでございますから、これはもはや一般国民の要求するところ、地方住民の要求するところというふうに申し上げていいと私は思うのです。だから、こういう声にはやはり耳をもっと強く傾けまして、一番に考えるべきは、こういうギャンブルにたよらないで、何とか地方財政を健全な方向に持っていくという方法がないものかということに対するくふうであり、検討であり、配慮であろうというふうに思います。それがすなわち地方財政法にいうところの健全な地方財政のあり方であろう、そういう財政法の趣旨にも合致するゆえんではないかというふうに考えます。私の意を十分尽くしてお伺いすることはできませんでしたけれども均てん化に伴う矛盾の幾ばくかをここでお伺いした次第です。  きょうはこれで質問を終わりたいと思います。
  102. 菅太郎

    ○菅委員長 次回は、明三日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十七分散会