○
山口(鶴)
委員 私
どもは新
東京国際空港、いうところの
成田空港、これに対していろいろな疑点を持っているわけでありますが、これについて明確にいたしますためには、どうしてもやはり本部長であります
運輸大臣の御出席をいただかなければならぬと思います。本日は
運輸大臣の予定で来られぬようでありまして、その点はたいへん残念でありますが、少なくともこの法案の審議中に
運輸大臣が当
委員会に出席をして
事態を明らかにしていただきますように、これはまずもって
委員長のほうに要望いたしておきます。
それから軍事目的には使わない、こういうことを私と同郷であります中曽根元
運輸大臣が胸を張って堂々と
発言をされたのでありますが、その後
原田運輸大臣になりますと、やや元気がなくなるといいますか、その点があいまいになりましたが、今度の
運輸大臣は自民党内におきましても相当実力のある方と聞いておりますから、これは中曽根元
運輸大臣と同じように、非常に元気のいい態度を明らかにされるんじゃないかと心から期待をいたしておりますが、場合によりましては、事はやはりアメリカとの
関係、安保条約との
関係、さらに地位協定との
関係にもかかわる問題でありますから、
運輸大臣の御答弁いかんによりましては、外務
大臣の御出席もいただかなければならぬ、こういう場合があり得ると考えます。その場合につきましては、これまた
委員長のほうで十分お取り計らいをいただきますように、これも前もって
お願いをいたしておきたいと思います。
さて、私
どもがこの法案のもとになっております
成田空港に対して疑点を持っておりますところは、以下のとおりであります。
一つは、安保条約、地位協定の
関係による軍事目的のためには一切使わぬという、かつて元
運輸大臣の
発言があったわけでありますが、これが必ずしもそのようなふうにはならない。軍事目的のために使用され得る危険性というものが十分想定されるということが、まず第一点であります。
それから第二番目としましては、先ほど
綿貫委員もお触れになりましたが、やはり
土地を守ろうとする農民の
方々が、この問題に対して非常に
反対をされておる。私も現地に三度ほど参りましたが、あの地域の
土地というものは非常な沃野、非常にいい
土地だそうであります。そういった沃野を守ろうとする、あるいは祖先伝来の
土地を守ろうとする農民の立場というものは、私
どもは十分尊重しなければならないと思います。また、地域の人たちは騒音に対して非常な
心配をいたしております。これらの問題についても、今日までの議論の過程では必ずしも明瞭でありません。騒音がどの
程度あるのか、また騒音
対策については万全を期することができるのか、こういう点についても疑点がございます。これが第二点であります。
第三点といたしましては、今回
提出されましたこの
法律によりまして、周辺
整備のための事業につきましては、
財政上の特例を講じようといたしております。はたしてこの特例で十分なのかという問題であります。奄美大島振興法その他によりましては、これ以上の補助金のかさ上げも現に制度としてあるわけであります。で、かりに新
東京国際空港が
成田に設置をされた場合、これに伴うところの関連事業、この関連事業のために自治体として相当な負担をしなければならぬ。補助金の特例等はありましても、この負担がかさみますために、
成田市及び芝山町周辺の町村が、本来の自治体が果たすべき固有事務、住民の福祉のために果たさなければならぬ事業、こういうものが大きな制約を受けることになるのではないだろうか。いわば、
成田市を中心とする地域の自治体の
財政に対して悪い影響を与える懸念がありはしないか、こういった問題であります。
さらに、これも
綿貫委員がお触れになりましたが、
空港だけ畑の中にぽんとできても、これは使いものになるはずはないわけであります。これと結ぶところの東関東自動車道、あるいは都心と結ぶところの湾岸道路あるいは高速道路、こういったものが一体どうなっているのか。こういったものが昭和四十六年の四月差でに完備をされなければ、これは畑の中に
飛行場だけぽんとできたということでありまして、これでは
飛行場としての、新
東京国際空港としての機能は果たし得ないと思うのであります。しかるに、前の国会におきましていろいろ議論をいたしましても、これらの関連する最も重要な事業というものがさっぱり進展をしていない。こういうことでは、
飛行場だけつくっても全くむだじゃないか、新
東京国際空港としての機能が、現在の
仕事の進捗では果たし得ないのではないか、こういう問題であります。したがいまして、私
どもといたしましては、これらの問題を、逐次
質疑を通じまして、明らかにしてまいりたいと思っております。
初めに、私
どもが考えております立場というものを明らかにいたしまして、以下お尋ねをしたいのでありますが、本日は、自治
大臣も
運輸大臣も、それからまだ
運輸政務次官もお見えでありませんで、責任ある立場としては大石
自治政務次官以外にいないのでありますが、どうですか、いま私
どもが
提出をいたしましたこれらの疑問、これを完全に果たし得る――いや、いま
山口が申したような
心配はないんだ、こういうことで、自信を持って
お答えができますでしょうか。まず大石
政務次官の御所見を承って、それから
質問に入りたいと思います。