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山田説明員 いま御
指摘の千数十億という
数字は正式に
国鉄から出したものではございません。これは形式的なお答えになりますが……。ただ、その中身につきましては、どういう
考え方でやったらそうなったかということは承知いたしております。それで、御承知のように正式な
予算成立までには、
国鉄が運輸省を経由して
大蔵省に
予算を
要求いたします。その過程におきまして運輸省が
国鉄予算を調整するということになっておりまして、そうして
大蔵省の手元で正式に
予算が成立するわけでございますが、まだその調整を受ける
国鉄予算としてまとまったものは提出いたしておらない
状況でございます。ただ、漫然と日を延ばしているわけではございませんで、来年の八百六十億という
償却前の
赤字をどういうふうにして消したらいいかというようないろいろな
考え方で、こういう
考え方で試算したらこういうことになる、こういう
考え方ならこうなるというような、そういう試算はいろいろいたしております。その中で出てきたものがいま御
指摘の
数字であるわけでございまして、これは正式なものではございません。
その
考え方といたしましては、先ほど私が申しましたように三つの柱、そのうちの、来
年度は私
どもとしては
運賃値上げは
考えておりません。これは一応はっきり申し上げておきます。結局残る
二つの柱で、
国鉄の
合理化の問題と、それでどうしても出てくるものについては
政府援助をいただきたいということで一応
考え出しましたものが、先ほど御
指摘になりました
数字の基礎になっている
考え方でございます。
国鉄の
合理化の問題につきましては、時間もあまりありませんし、内部的な問題でございますので長々御説明はいたしませんけれ
ども、
国民の皆さん方には、昨年の六月から十月、それからことしも九月の十二日、二十五日という、私
どもとしてはまことに遺憾な、いわゆるストライキというような
状況を踏まえての徹底的な
合理化をやっておるわけでございまして、これは来
年度以降につきましても、さらにできる限りの
合理化はいたしたいと
考えております。
それから
合理化の、ほかの
一つの方法といたしましては、
国鉄の中だけでは解決できません問題、これも先生が先ほど御
指摘になりました駅の整理とか、あるいは駅での
貨物扱いなり
旅客扱いを職員の手でやることをやめるという、いわゆる駅を停留所にしてしまう、汽車はとまりますけれ
どもそこには駅員がいないというような、そういうような
合理化、これは
国民の
協力を得る
合理化でございます。
それからさらに徹底いたしたものとしましては、将来もう
自動車にまかせたほうが地元の人も便利であるし、
国民経済的にもそのほうが効率がいいと思われるようなところからは、残念ながらやはり
国鉄は撤収していくような、これも徹底した
合理化の
一つの
考え方だと思います。それは、一応いままでは八十三
線区、二千六百キロという、一応のたたき台になる案を
国民の前に示しまして、一線一線について地元と協議はいたしておりますが、これも現在までのところ二線、キロ数でいいますと約二十五キロでございます。二千六百キロに対しまして一%しか地元の同意を得ておりません。私
どもこれは、一たん言い出したからはしゃにむにやるというような
考えでもございません。逆にまた八十三線だけで済むかどうか。今後十年間の間には同じような
状況になる新しい線も出てくるのではないかということも
考えられるわけでございまして、これらにつきましては今後も相当弾力的に
考えていきたいと思いますが、そういうように
国鉄の内部でできます徹底的な
合理化、それと
国民の
協力を得てやります
合理化、これをやはり四十六
年度予算の中にも反映し、これからの
再建計画にも取り入れていかなければならないと
考えております。
それで
考えましても、先ほど申されたような二万一千キロの現在の営業キロから発生する
赤字はなかなか退治できない
状況でございます。
赤字が発生するといって仕事をやめるわけにはもちろんまいりません。公共的な輸送義務が
国鉄としてあるわけでございますので、したがいまして、それから発生する
赤字については、どうしてもやはり大きな目でめんどうを見ていただかなくてはできないのじゃないかというところで次の、
政府から
援助をいただきたいということが出てくるわけでございます。
それで、これもまだ運輸省、
国鉄として決定的にこれだというきめ手がないわけでございますけれ
ども、
新聞等にも出ておりますように、そういう
赤字が出てくる大きな線がいわゆる二百四十六線、二万一千キロの営業キロの大部分でございます。それで、
政府からも
援助をいただくと同時に、私
どもしろうとでございますけれ
ども、国全体の
財政を
考えますと国の
財政と地方の
財政とあるんじゃないか。それで国の
財政からも
援助をいただけないか。それから同時にいわゆる地方
財政からも
援助をいただけないかというような
考えも、いま
現実に検討しているところでございます。それと同時に、従来いただいております
孫利子なりそれから工事費の
利子の補助、これも
考え方をもう少し幅を広げる
考え方ができないだろうか。そういうような
考え方をいろいろ組み合わせた
一つの結論が、先ほど御
指摘になりましたような、いわゆる
国鉄以外からの
援助の額が千数十億となるような
一つの試算が出たわけでございます。