○春日
委員 私は別の問題で五分ばかりと思ったんでありますが、いま質疑応答を伺っておりますると、私は非常に大きなショックを受けたわけなんでございます。というのは、
銀行局では何ら
真相がつまびらかになってはいないのではないか。ことごとく、司直の手で
調査中だから、
調査結果を待って云々という答弁に終始されておりまするが、これは
銀行法に基づいて政府には
指導、監督権がある。強制検査権もあるわけなんでございますね。だから、こういうような
事故の続発を防ぐことのための
通達が出されたと言ったんだけれ
ども、
通達を出すにあたってはその
真相というものが
銀行局当局によって十分掌握されておるのでなければ、肝心かなめの点について注意を喚起することができないではございませんか。どういう手口によってどういうような背任あるいは詐欺、横領がなされたのであるのか、こういうことを他山の石として全国の
銀行に向かって大いに注意を喚起する、警告を発する。これはやはりその問題のかなめのポイントが明示されて、かるがゆえにということでなければならぬと思うのですよ。あなたのほうにはその
指導、監督、強制検査権というものがある。司法、立法、行政三権分立である。本来的には行政庁としてあなたのほうが全部調べて、調べるまで
警察のほうちょっと待っておってくれ、その結果事実
関係が明らかになったら君のほうで手を染めてくれとか、あるいは一緒に調べようとか、私はそれだけの権威と
責任があっていいと思うのですよ。何にもわからない、
警察に
お願いしておるからその結果を待って判断したい、こんなことでは
——千万や二千万の問題ならいいけれ
ども、十九億というような大きな問題でございましょう。かつて三菱
銀行事件には某官房長官の十億
事件がございました。何もかもミステリーじゃございませんか。私はこういうようなことでは、少なくとも六十兆円になんなんとするその
金融について
国民の疑惑、不安感というようなものは将来ますます増大するのではないか。あるいは、のみならず相次いでこの種の
事故があちらこちらの
金融機関に続発をいたしておる。そういうような続発の原因は、端的にいうならば、
銀行局自体が何もかもあいまいに事を過ごしておるからではないか、こう思うのだが、何で調べないのでございますか。私はあなたの答弁を伺っておりますると、何にもわかっていらっしゃらないんじゃないの。これじゃ
銀行に向かってどういう監督ができるのですか。どういう注意ができるのですか。続発する
事故を今後食いとめるといったって、何ともきめ手がないじゃございませんか。ただ何となく、こういう
事件があった、
警察で調べておるけれ
どもまあ注意しろやというようなことであなたの職責は尽くせますか。あなたが真剣になって誠実に答弁されておる、私はその努力は多とするのだけれ
ども、
銀行局長のこの責務というもの、国家的職責というものはそんなものじゃないと思うが、どうなんですか。徹底的にこれを調べて、いまの貿手の問題かあるいは輸出
手形の先貸しの問題か、どういうことでどうなったんだ、だからこういう手口を戒めろよと、そんなことがなされていいと思う。月に一回の
委員会でございますから、
国民は本日の大蔵
委員会の質疑応答を重大な
関心を持って見詰めておると思う。両君が相当の資料をもって質問されましても、何にもわからぬじゃありませんか。
警察の調べ
——とにかく
銀行局は
銀行局の本来の使命がある。
警察は
警察本来の使命がある。優先する使命はあなたの使命ですよ。何にもやってないんじゃないのかね。どうなんですか。私は大きなショックを受けたものだから、ちょっとこの点について注意を喚起しつつ、実態はどうなんだと伺いたいのです。