○広瀬(秀)委員 大蔵
大臣にお伺いしたいのですが、先ほども
運輸大臣に、
経済社会発展計画で大体
賃金が一二・一%ずつこれから六年間伸びていくだろう、こういう試算がされて、これは
閣議も
承認をしておられる。国鉄の再建計画を見ますと、いま副
総裁がお述べになったように九%、再建のいろいろないわゆる
合理化計画、こういうようなものとからみ合って、これはすなわち人員を、十六万五千を再建計画では六万減らすということになっているわけですが、そういうのと、さらに赤字線を廃止するあるいは中間の小駅等の旅客取り扱い、貨物取り扱い等をばたばた整理して無人化するとか、こういう国民にとってもまた国鉄の労働者にとっても非常に抵抗の多い問題点を非常にかかえている再建案と抱き合わせでなければやれないということが表明されている。しかし、一方において、
給与の引き上げは九%しか上げないのだ。一般全産業を通じての
賃金労働者の
賃金引き上げは一二・一%ここ六年は少なくとも続くだろう、こういうことを
政府も
承認されている。これから見ても三%も低いものが、しかも首切りだとかあるいは無人化だとか業務の縮小というような形を
意味する
合理化計画、こういうものをのまない限りその九%すら実施しないということでいいのかどうか、こういう問題点があろうと思うのです。
三
公社の中でも国鉄の場合は
——ほかの
電電公社も
専売公社もとにかく利益が
予算で計上される
企業体ですが、国鉄の場合には逆に赤字が計上される
状態、こういう中で、そういう賃上げに対する基本的な態度というものは、額の面でも九%と一二%というようなことで、一般を三%も下回る。十年先を見通せば四〇%も差が開くというようなものになっている。しかもそれすらも、九%というものすらも、首切りを労働者がのまなければやらないのだ、こういう
状態になっている。これは非常に問題があろうと思うのです。
これは、
政府の国鉄に対する対策がきわめて貧しいというか、たとえばフランス国鉄は、日本と同じ
意味の国鉄ではないにしても、
予算の二〇%は
政府が直接、金を出している。ところが今度、再建補助金あるいは再建債の利子補給金、こういうようなものでようやく百二十二億、
予算規模に対して大体〇・一五%ぐらいですか、〇・一五%にもならないぐらい、こういうものしか国は出してない。それで二兆円にもなるような長期の借金を持って国鉄が運営されている。元利払いで千六百億にもなるという、そういう
企業体になっている。そういう場合に、少なくともほかの
公共企業体並みの賃上げというものは、これは当然やはり
政府の責任においても確保していかなければなるまいと思うのです。おまえのところはこういう
状態で、モータリゼーションや、航空機の発達や、あるいはトラックの発達や、そういうようなものとの競合にさらされて、かつて独占を誇った時代とは違うのだから低
賃金であきらめろ、こういうことではいけないと思うのです。それに対してはやはり
政府みずからが何らかの
財政的な対策というもの、人並みの
賃金を与えられるだけの対策というものは講じてやらなければならない立場にあるだろうと私は思うのです。この点についての
大臣のお考えをこの際はっきりお聞きいたしたいと思うわけです。