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堀委員 実は、ちょうどこの競争の問題を強く取り上げるようになりましたのは、かつて高橋さんが
銀行局長であったころ、山高きがゆえにたっとからず、預金の量をもって競争するだけでは本質的な競争ではないのではないか、さらに各種の面において銀行行政が過
保護に過ぎておるのではないかという問題提起をいたしました。当時、
近藤さんは総務課長としておられたので、当時のことはよく御存じであったと思うのであります。その後澄田さんが
局長になられた
段階においてこの問題は一段と推進されまして、競争原理の導入ということが非常にはっきりしてまいりました。ただ、澄田さんが
局長になられた当時の
日本経済の諸条件は今日と非常に違いまして、
昭和四十年の不況期がかなり深刻であったために、われわれは、
昭和四十年代の
日本経済というものはもう少しスローダウンするのではないかという判断を持っておりました。同時にそのことは私自身の判断だけにとどまらず、当時の
経済界あるいは大蔵省その他の官庁においても、おおむね四十年代の後半というのは、景気の
成長というものはそれまでよりはスローダウンするであろうという予測が大勢を占めておりましたけれ
ども、実はこの予測は大きく狂ってまいりまして、今日再び
昭和三十年代の中期以降におけると同じに近い異常な
高度成長が起こるという
経済環境に変わってきたのであります。
そこで、こういう
経済環境に変わってきたときに、
一つは、いまお触れになった
経済合理性の追求なり経営効率の向上ということが確かに必要ではありますが、そのために二次的に起きてきたところの過疎過密の問題、都市集中化と地方というような問題は、当時よりは急激に
傾向を強めてきておるという
関係もありますので、私は当初に競争原理を唱えてきたわけでありますけれ
ども、ややもするとその競争原理ということのほうに比重がかかり過ぎて、いまお触れになった社会性、公共性がおろそかにされるおそれもあるやの
感じがしてきましたので、最近は逆に社会性、公共性についての認識を少し強調しなければ、いまお触れになったようなバランスをとる上からもむずかしくなってきておるという
感じを今日持つに至っておるわけであります。
そこできょうは、議題になっております金利の問題でありますけれ
ども、実はこれまで
金融制度調査会でいろいろと論議をされてきておりますけれ
ども、その中の非常に中心的な課題の
一つに中期預金問題というのがあります。これは昨年の予算
委員会の分科会でも、福田
大蔵大臣との間の論議で、その取り扱いについては十分慎重な配慮が必要である、こういうふうに申し上げているわけでありますが、その背景といたしまして、特に都市銀行の場合には、現在店舗の問題を含めて
経済効率中心主義、
経済合理性追求に非常に加速度がかかっております。しかし、そのことは都市銀行の性格として、私
どもとしてはある
程度やむを得ないことだと考えて、それはそれなりに認めているわけでありますけれ
ども、他方、
経済合理性の追求なりあるいは経営効率の向上について、地域的な条件のために制約を受けておる各種
金融機関があるわけであります。この地域的な条件によって拘束を受けてその効率が悪いから、効率のいいところに店舗の配転を行ないたくても行ない得ない、公共性、社会性にくくられている
金融機関の立場をも考えてすべての問題の処置をしてまいりませんと、これは非常に異質なものの中に同一競争を展開させるという不合理性につながってくるのではないかという判断をしてきたわけであります。
そこで最初にお伺いしたいのは、現在の都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫における預金の中に占める定期性預金の
比率というのは一体どうなっているのか、これを最初に
お答えをいただきたいと思います。