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1970-03-12 第63回国会 衆議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年三月十二日(木曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 毛利 松平君    理事 上村千一郎君 理事 金子 一平君    理事 藤井 勝志君 理事 山下 元利君    理事 広瀬 秀吉君       奧田 敬和君    木部 佳昭君       木村武千代君    坂元 親男君       高橋清一郎君    地崎宇三郎君       中村 寅太君    丹羽 久章君       坊  秀男君    松本 十郎君       森  美秀君    吉田 重延君       阿部 助哉君    平林  剛君       堀  昌雄君    八木  昇君       貝沼 次郎君    二見 伸明君       春日 一幸君    竹本 孫一君       小林 政子君  出席政府委員         経済企画庁総合         開発局長    宮崎  仁君         大蔵政務次官  中川 一郎君         大蔵省主計局次         長       船後 正道君         大蔵省主計局次         長       橋口  收君         大蔵省主計局次         長       竹内 道雄君         運輸政務次官  山村新治郎君         運輸省航空局長 手塚 良成君  委員外出席者         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 山口 真弘君         運輸省航空局監         理部長     川上 親人君         大蔵委員会調査         室長      末松 経正君     ————————————— 委員の異動 三月十一日  辞任         補欠選任   竹本 孫一君     河村  勝君   小林 政子君     谷口善太郎君 同日  辞任         補欠選任   河村  勝君     竹本 孫一君   谷口善太郎君     小林 政子君     ————————————— 三月十一日  自動車新税創設反対に関する請願(菅太郎君紹  介)(第一〇〇七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  経済及び技術協力のため必要な物品外国政府  等に対する譲与等に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出第三六号)  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に  伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第四〇号)  空港整備特別会計法案内閣提出第三一号)  国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第三二号)      ————◇—————
  2. 毛利松平

    毛利委員長 これより会議を開きます。  経済及び技術協力のため必要な物品外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  3. 毛利松平

    毛利委員長 政府より順次提案理由説明を求めます。中川大蔵政務次官
  4. 中川一郎

    中川政府委員 ただいま議題となりました経済及び技術協力のため必要な物品外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。  御承知のように、現行法律によりますと、経済及び技術協力のため譲与等をすることができるものは物品に限られており、また、譲与等相手方も、開発途上にある外国政府とその機関国際連合とその専門機関に限られておりますが、経済及び技術協力を効果的に実施するためには、譲与等をすることができるものとして、物品のほか、船舶、建物等を加えるとともに、譲与等相手方につきましても、新たに国際連合とその専門機関以外の一定国際機関を追加する必要があります。  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  昭和二十七年八月、わが国国際通貨基金及び国際復興開発銀行加盟して以来、この二つの国際機関わが国経済発展に寄与するとともに、世界経済成長と安定に多大の貢献をいたしてまいりましたことは申すまでもないところであります。  この間、これら両機関は、資金需要等の拡大に伴い、昭和三十四年及び昭和四十一年に増資を行ない、わが国追加出資に応じたのでありますが、さらに今回、世界経済及び国際貿易発展に対処するため、昨秋の年次総会において増資の方針が決議され、このほど増資案決定を見るに至りました。この増資案によりますと、国際通貨基金割り当て額総額は約二百八十九億ドルに、国際復興開発銀行出資額総額は約二百五十四億ドルになり、わが国につきましては、最近におけるわが国経済成長を反映いたしまして、国際通貨基金割り当て額は十二億ドルに、国際復興開発銀行への出資額は十億二千三百万ドルに、それぞれ増額されることとなっております。  したがって、わが国としては、国際通貨基金に四億七千五百万ドル、邦貨に換算して一千七百十億円、国際復興開発銀行に二億五千四十万ドル、邦貨に換算して九百一億四千四百万円の追加出資が必要となったわけでありますが、国際流動性の増強と発展途上国に対する開発援助充実に積極的に協力する等の見地から、これに応ずることといたしたいと存じます。  この法律案におきましては、今回の両機関に対する追加出資に応ずるため、これに必要な規定を設けることといたしております。  国際復興開発銀行への出資については、従来どおりの取り扱いといたしておりますが、国際通貨基金への出資については、外国為替資金特別会計負担において行なうことといたしました。これは、特別引き出し権制度発足等に伴い、同基金わが国との取引が複雑かつひんぱんとなってきていることをも勘案し、この際同基金に関する他の取引と同様に、出資についても外貨資金管理を行なう外国為替資金特別会計に一元化し、かつ、その取引機動的運営をはかろうとするものであります。それと同時に、同基金に対する出資国際通貨制度上の金融機能充実強化に充てられるという特殊な性格にかんがみ、なるべく一般財源に依存しないこととするような制度にしようとするものであります。また、これに伴い、同基金に対し、円貨にかえて交付する国債につきましては、その名称を基金通貨代用証券とし、同基金が保有する円貨について、基金通貨代用証券により外国為替資金に回収することができることとするほか、基金通貨代用証券について償還の請求を受けた場合には、一定範囲内で日本銀行に対しこれを買い取ることを命ずることができることといたしております。  このほか、この法律案におきましては、わが国国際通貨基金に対する貸し付け金債権日本銀行に譲渡できることとするとともに、今回の国際通貨基金への追加出資のうち、金及び現金で払い込みを必要とされる分についての財源に充てるため、外国為替資金特別会計積み立て金の一部四百四十四億六千万円を限り、外国為替資金に組み入れることができることとする等の措置を講じ、その他所要の規定整備をはかっております。  以上が、経済及び技術協力のため必要な物品外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案ほか一法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  5. 毛利松平

    毛利委員長 これにて提案理由説明は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 毛利松平

    毛利委員長 次に、空港整備特別会計法案及び国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案議題といたし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。八木昇君。
  7. 八木昇

    八木(昇)委員 空港整備特別会計法という新しい法律を設ける積極的な理由は何かということを質問したいと思うのですけれども、その前に航空問題、なかんずく空港問題について若干質問をしたいと思います。  御承知のように、軍事用としてアメリカ軍が使用しておるものあるいは防衛庁が使用しておる空港、これは別としまして、公共用に供しておる空港を、一種空港、二種空港三種空港、こういうふうに分けてあるわけでございます。はたして現行のこの制度が合理的であるかどうかということについて、私は若干の疑問を感ずるわけであります。特に、一種空港と二種空港というものを分けることについては、これは国際空港国内空港という形に分かれておるわけでありますから、これには確かに理由があると思うのでありますけれども、この国内空港をさらに二種空港三種空港というふうに分類をしてあるわけであります。しかもその二種空港三種空港実態を、私も詳しくはわかりませんけれども、見てみますと、一体何を基準にしてこのように分けたのであろうかと疑問を感ずる面があるわけです。たとえば山陽筋の広島は二種空港である。そして岡山は三種空港である。むろん若干の違いはあるのでありましょうけれども、このように分かれておる。出雲とか鳥取というようなところあるいは宇部、これらは三種空港であるけれども、高松あるいは松山あるいは大阪のすぐはずれにあります八尾、これは二種空港である。こういうふうに種別を二種と三種に分けておる。その基準というものを、詳しく御説明いただくことは要りませんけれども、御説明いただきたい。
  8. 山村新治郎

    山村政府委員 お答えいたします。  二種空港の場合には地方的いわゆる主要空港、また三種空港の場合はほんとうに地方的一部分的なものであるというようなことで分けてあるわけでございますが、詳細は航空局長のほうより御説明いたさせます。
  9. 手塚良成

    手塚政府委員 抽象的には、空港整備法の第二条によりまして、いま政務次官がお答え申し上げましたようなことになっております。ただ具体的な空港のそういった種別につきましては、過去の経緯等もございますが、おおむね輸送需要動向、これは現状並びに将来の見通しを含めまして、そういった動向、あるいはその利用率の態様あるいは路線日本国土全体の開発等におきます重要性等々、総合勘案をいたしまして、現状のような区分になっております。
  10. 八木昇

    八木(昇)委員 ただいまのような御説明でありますけれども、具体的に見ていきますと、必ずしもそのような御説明に当てはまっていないように思うのであります。たとえば九州の場合は、ルートは別といたしまして、佐賀県を除いて九州各県に一つずつ、福岡県は板付小倉とあるわけでありますけれども、いずれもこれは二種空港ということになっておりますですね。     〔委員長退席金子(一)委員長代理着席〕 それで、実は相当前から佐賀県にも一つ空港がほしいという動きがございまして、というのは佐賀から板付へ行くについては、現在国道の交通が非常にふくそうをいたしております。そういうことで、時間帯によっては三時間近くも時間を要する。小倉福岡問よりもはるかに多く時間を要する、こういうようなことでございます。そうしますると、全体のこういった状態から見て、かりに佐賀あたりに新たに空港設置するとすれば、それは二種空港になるのかどうか。
  11. 山村新治郎

    山村政府委員 三種空港ということになるようでございます。
  12. 八木昇

    八木(昇)委員 その根拠をちょっと説明してください。
  13. 手塚良成

    手塚政府委員 先ほど抽象的に申し上げましたように、現時点において考えられます輸送需要あるいは利用率、そういったものから勘案いたしますときに、やはり地方的主要な空港とまではまいりませんで、地方ローカル的な空港と考えざるを得ないのではないかと思います。これは数字でもって、需要が何十万人になったならば二種であり、何十万からどうであるというようなことにはなり得ませんので、的確なるあれにはなりませんけれども、これから新たに設置をし、開発をしようというようなところにつきましては、大体地方ローカル三種空港、こういうような考え方で進むべきではなかろうかと考えております。
  14. 八木昇

    八木(昇)委員 しゃにむに一つの型にはめてそこへ持っていこうとすればそうかもしれませんが、たとえば大村空港は二種空港ですね。そうしますと、大村は確かに佐世保からはさほど距離がありません。しかしながら長崎、それから島原半島方面はむろんだと思いますけれども、その人たちは列車で福岡へ行って、そうして板付空港からほとんど乗降しておるというふうに私ども感じるのですが、長崎から大村へ行くということのほうがずっと不便ですね。その大村は二種空港であるということになっておるのですが、何かそういった特別の事情がございましょうか。
  15. 手塚良成

    手塚政府委員 いまの主要都市からのアクセスという問題との関連、そういうものも場合によりましてはもちろん一つのファクターになるかと考えられます。ただ九州で具体的な姿を見ますときに、福岡は御承知米軍提供飛行場で準国際的な扱いをいたしております。あと熊本宮崎鹿児島、大分、いずれも二種、大村もいま先生おっしゃいましたように二種でございます。大体こういったところの関係を結びますような姿が九州におきます主要路線網というふうに考えられるかと思います。したがいまして、佐賀という具体的なところにつきまして、これらの基幹路線網との関係を一応客観的に見ます場合には、やはりこれは地方ローカルというような考え方になるのではなかろうか。需要等につきましても、今後これはいろいろ精査しないといけないと思いますけれども、鹿児島熊本宮崎、こういったところに比べますと、当面そうたいした需要ではないというようなふうにも考えられますので、設置するとすれば第三種と考えております。
  16. 八木昇

    八木(昇)委員 まあ一応その議論はさておきまして、三種空港の場合は地方自治体飛行場建設費並び付帯施設費、さらにはその後の運営管理費、これらを一切受け持つ。そのうち、その建設基本施設費の五〇%、それから付帯施設費の五〇%以内、これを国が負担あるいは補助をする、こういうことになっておりますね。ところが二種空港の場合には、若干地方自治体負担というのがありますけれども、これは国庫でやる、こういうわけですね。そうしますると、地方自治体がこの空港建設するために相当ばく大な経費が要る。その後の運営管理維持、こういうもののためにも相当大きな経費が要る。しかも地方空港需要が比較的少なく、利用率も比較的低く、また国土全体の開発の面から見てもウエートが比較的低いというところが地方ローカル空港として三種空港だとするならば、結局着陸料やその他の収入も二種空港よりも非常に額も少ないし、まあ条件が悪い。そこへもってきて地方自治体建設費から運営費からこれをやらせるというようなことは、むしろ逆に矛盾じゃないか。利用率が高くそれから需要もどんどん伸びる、こういうようなところならば、地方自治体がそれを建設し、維持管理しても財政的な負担というものはさしてないわけであります。だから、地方自治体にやらせるのでは相当無理があるというところをむしろ国がやるというのが、私はごく客観的に見て、常識的に見てそれのほうがむしろ正しいんじゃないか、こう思うのですけれども、これは政務次官、そういうふうにお感じにならぬでしょうか。
  17. 山村新治郎

    山村政府委員 第三種空港のこの地方負担について原則的には五〇%。しかしまあ北海道というようなところは空港整備法で、財政が豊かでないというような県にはその特例法をつくっておる。また離島についても同様でございます。それぞれ負担率を軽減する措置を一応その地方地方財政に見合ってとっておるわけでございますが、現在のところほかの地区につきましては負担率を軽減するというような考えはないわけでございます。
  18. 八木昇

    八木(昇)委員 いまのじゃちょっとあまり説明になつとらぬですがね。もう少し具体的に局長あたりから説明してくれませんか。
  19. 手塚良成

    手塚政府委員 第三種空港性格は、先ほども申し上げましたように、言うなればその地方の非常な地方的な要望といいますか、そういうローカル府県単位における必要性府県単位において考えられておつくりになるというような考え方空港でございまして、これが基幹路線網の一環として、国の立場においてぜひ輸送体系上必要であるというようなところになりますと、これはやはり運輸大臣設置管理する国の空港、こういうことになるわけでございますので、当面確かに地元負担としてはそれ自体は大きいかもわかりませんが、そういう負担にたえてでもつくりたいという面からいまのような補助率をきめてあるわけでございます。  ただ、いま政務次官もお話しになりましたとおり、府県その他においていろいろ特殊事情がございますので、これは整備法にもそういった特例、たとえば北海道につきましての特例はきめてございますが、それ以外離島であるとかあるいは後進地域であるとか、そういったところにつきましてはそれぞれの特例法によりまして空港整備法による五〇%以上の国の負担率というものがきめてあるわけであります。
  20. 八木昇

    八木(昇)委員 どうも相当地方自治体が大きな負担をしなければならないのだけれども、そういう負担にたえてでもつくりたいというならおつくりなさい、それは認めましょうというのは、これは運輸省航空行政当局のとるべき態度としてはどうも私は理解できないのですがね。いまの全体の情勢というものをにらんで、いまの段階ではもう現在ある二種空港三種空港、これだけで当面飛行場はよろしいならよろしい、あるいはもしふやす必要があるとするならば、全体をにらんでどことどことどこくらいには、ここ十年先とか二十年先を見通すことはできないにしても、少なくとも今後五カ年間くらいの時点の中で必要であろうという必要性というものを認めるかどうか、そのことのほうが空港建設認可の第一義的な、行政当局としては決定の要素にならなければならぬ、基礎にならなければいかぬのではないか、こういうふうに思うのですが、あまり必要性は認めない、佐賀あたりはいま飛行場は必要ないのじゃないか、、だけれども地方自治体で相当の負担をしてやるというなら認めましょう、こういうわけですか。そういうようなところが各地にどんどん出てきますね。そういう場合にはそういうことで認めるわけですか。     〔金子(一)委員長代理退席委員長着席
  21. 手塚良成

    手塚政府委員 航空輸送体系につきましては、これは絶えず長期にわたっての体系を考えていかなければならないと思うのですが、現状におきまして私どもが考えておりますのは、いま空港新設を行なう必要があると考えるものは——おおむねいまできております範囲において空港自体としてはよろしいのではないか。特に既設空港の容量が不足をし、新空港がどうしても必要であるというように思われます地域等現状においてはあまり考えられない。むしろ現在あります空港を、もう少し滑走路を延ばすとかあるいはその必要面積を広げるとか、あるいは滑走路の本数をふやすとか、そういうようなことが主として考えられる。国際空港につきましてはこれはまた別な観点がございますけれども……。そういうような観点で見ておりまして、これをさらに長期にわたってどうするかというような長期展望に立った場合の将来の計画というのは、これまた現時点においてはいま実は率直に申し上げて検討中でございまして、現状におきましては、先ほど申し上げましたような観点新設空港というのを考えていけば十分ではなかろうか、こういうふうに考えております。
  22. 八木昇

    八木(昇)委員 ところで、いまお答えできればお答えできる範囲内で答えていただきたいと思うのですが、いわゆる三種空港ですね、これの建設費、全体の総経費の中で、国が負担もしくは補助した費用は全体の何%ぐらいに当たるものであるか。それからその後の運営あるいはこの管理、そういった経費の中で、航空会社から使用料として入ってくる分は、一体大体平均して何%ぐらいであるか、そういうものをおおよそのところ答えられますか。
  23. 手塚良成

    手塚政府委員 的確なる数字を手元に持ち合わせておりませんが、総じて三種空港におきましていわゆる着陸料その他による収入、そういった面につきましては、先ほど来先生御指摘のとおり、離着陸回数が非常に少のうございます。まあ特殊な遊覧飛行等が行なわれておりますような南紀空港等におきましては、これは大体維持費をカバーできるような状態ではないかと思いますが、大体の三種空港においては、そういった維持運営等とんとんにいくというようなことがむしろ目標であって、現状はそこまでいってない、こういうような姿であろうと思います。ただ三種空港自体は、これを建設いたしましてからまだ日が浅うございますので、それほどたいした維持費というものはかからない状態ではないか。これがあと数年たちますと、やはり基本施設等にいろいろ修繕費等がかかってくるというような事態が起こってきますので、そういった際にいま言った着陸料その他の、いわゆる維持費等についての問題が起こってくるかと考えております。
  24. 八木昇

    八木(昇)委員 まあローカル空港というものがとんとんにいくなどということには私はなかなかなるまいと思います。それからまたローカル空港とんとんにいくような状態になるときは、二種空港等はもう事情がものすごくよくなっている、こういうふうに考えるわけですね。特に壱岐島とかあるいは福江とか、屋久島、種子島、こういうような九州でいえば離島飛行場等が主として地方自治体負担になっているということは、これはやはり問題だ、かりに二種、三種という制度の存在を是認するとしても。こういうふうに思うのですが、一応この際将来のための参考にもしたい思いますので、詳しい資料でなくてけっこうですから、三種空港維持管理費用、最近数年間どのくらい使用しておるか、そしてそのうち着陸料等収入等幾らで、自治体自体支出しておる額等幾らであるというような簡単な資料をいただきたいと思います。
  25. 手塚良成

    手塚政府委員 後日調査をいたしまして、御提出いたします。
  26. 八木昇

    八木(昇)委員 そこで、私自身が佐賀県の出身だから特に関心を持つのですけれども、率直なところ、佐賀空港建設するというので、三月の県の議会では当面その調査費一千数百万円というものを知事が議会提出をする、こういうことになっておる。そうして建設費に相当ばく大な費用が、三種空港ということになれば県自体支出が必要なわけです。しかも人口わずか八十万、しかも年々歳々何万ずつか人口が減っておるという県の状態において、そういう乏しい県民の税金収入の中からそのような支出をして空港をつくる。しかし空港必要性ということについて大方の世論というものは、それ自体については是認をしておる。しかしこれを三種空港としてそのようなばく大な、県税収入から支出をしてまでということについては、反対世論が圧倒的に強い、こういう実情なんですね。そういうことを考えますと、いまの制度そのものをかりに変えることができないとしても、もう少しローカル空港実態に応じて、国の負担もしくは補助割合というようなものをもう一度検討し直してみる、こういうことは考えませんか。これは政務次官からお答えをいただきたい。
  27. 山村新治郎

    山村政府委員 先生おっしゃられました線で十分検討はさせるつもりでございますが、ただ空港と同じように、港湾または漁港等、それぞれ地元のやはりいろいろの負担をちょうだいしておるというようなことがございますので、それらとやはりバランスをとりながらやっていきたい、そのように考えております。
  28. 八木昇

    八木(昇)委員 それではさらにお伺いいたしますが、これは局長からお答えいただきたいのですが、大体今後の空港新設というものについてのおおよその考え方というものがあろうと思うのです。それをお示しを願いたい。  それと同時に、橋本運輸大臣国際空港群を新たに建設するという構想を発表されておりますね。つい何日か前です。これは読売新聞によりますと、——三月七日の読売に載っております。「国際空港群の構想、橋本運輸相」、こうなっておりますが、現在建設を計画しております成田空港のほかに東京に新たな国際空港を二つつくり、大阪周辺ではただいまの大阪国際空港のほかにここでも二つ新たに国際空港建設をするという構想が発表をされておりますが、これらをもひっくるめて空港新設計画、何か概要を示すことができましょうか。
  29. 手塚良成

    手塚政府委員 先ほどもちょっと触れましたわけですが、新規に空港をつくるという場合といたしまして、抽象的ではございますけれども、その必要性が起こるのは、周辺の輸送需要を考えまして、既設の空港の容量で非常に不足をして、どうしても新設が必要だというような場合、あるいは御承知の、現在の航空界におきます技術革新、大型高速化というような点で既設の空港が手狭である、あるいは滑走路が短い。それを大きくし、延ばすということが空港周辺の都市化等によってできにくいという場合に、この空港を移転いたします、そういった移転というような場合の新設、あるいは大都市圏周辺におきまして今後考えられますことは、小型の飛行機、いわゆる自家用的な飛行機、これはアメリカなどでは非常にいま盛んに活用されておるわけでございますが、こういった小型機用の飛行場というものが近い将来に必要となってくるのではなかろうか、そういうものについての新設、あるいは離島におきまして民生安定をはかるために、やはり離島という特殊性に徴しての新設必要性、こういうものが考えられるかと思うわけでございます。  先般運輸大臣の申されました東京あるいは大阪地区におきます空港群というようなお話につきましては、東京、大阪等が、いわゆる新全総計画等に徴しましても、将来の中枢管理的地位に立つ関係上、ますます膨大な姿になって、これからの輸送需要というのは非常に大きくなる。特に日本の特殊性といたしまして、航空路というのが東京、大阪を中心として直接に地方と結ぶというような姿になってまいりますので、関東地域あるいは大阪を中心にした近畿地域というものに無数に集まってくるかっこうになります。そこでここの空港の容量というのが非常に問題になってくるわけでございます。東京におきましては御承知の、現在羽田、それからいま新設中の成田というのがあるわけでございますが、六十年ごろの長期の見通しの概算を考えてみますときに、この二つの空港等におきましては、なお容量は足りなくなるのではなかろうかというふうなことが考えられております。大阪につきましては現在の伊丹空港というものが——一つ、八尾というのが別途な意味においてございますが、国際並びに国内主要空港としましての伊丹というのが、これまた五十年前後におきまして容量が不足してくるということが考えられまして、大阪におきまして新国際空港の話が出ております。こういったことで、運輸大臣が申しました空港群といいますのは、相当長期の見通しに立ちまして、いま申し上げますような新設の程度では足りなくなる。やはり外国の例に徴しましても、東京あるいは大阪程度の都市の周辺には複数の空港設置されておるというようなことから空港群ということを申されたわけでございます。現在のところでは、私どもの考えておりますところでは、東京に直ちに第三の空港建設する必要はないというふうに考えておりますし、大阪地区におきましては、ただいま申し上げました関西新国際空港といいますか、巷間そういう名前のもう一つのものは、近い将来に考えなければならないと思います。そういった程度のことを現在空港として考えておるわけでございます。
  30. 八木昇

    八木(昇)委員 ところで昨日の夕刊、けさの朝刊等に大きく報道されておりますジャンボジェット機、パンアメリカンの一番機が羽田に来たわけであります。新聞等で報ぜられておるところによりますと、むろん日本航空のみならず、諸外国航空会社から今後はどんどんジャンボが日本へ入ってくる。日本におきましてもむろん日本航空がこれを使用する、こういう話であります。そこでそうなってきますと、飛行場整備というものは飛躍的にこの費用が拡大される。しかもジャンボが使用されることになってきますと、従来国際線に使っていた日本空航等の大型ジェット機が、今度は国内線に転用されるということになってくるでありましょう。そうしますと、今度はずっと順送りになってまいりますから全般的に空港整備というものの経費は飛躍的にふえていく、これは当然そうなっていくだろう、こういうふうに考えます。  したがいまして、今後数カ年間に一体どのくらいの経費空港整備のために必要であると運輸省自体は考えておるかということを聞きたいのですけれども、その前に、日本の国内におきましては、たとえば日本航空あたりは、伝えられるところではことしの七月からまずジャンボを国際線に使う、当面十四機の購入計画、こういうふうに伝えられておるわけですが、その辺のところを概略御説明願いたい。それから、国内線においては、一体いつごろからこのジャンボジェット機というものを使用する考えであるのか、そこを説明願いたい。
  31. 手塚良成

    手塚政府委員 ジャンボジェットのお話でございますが、日本航空におきましたは、ただいまのところジャンボジェットの購入計画としては、ことし、来年で九機を予定しております。ことしの四月、五月、六月に各一機、来年六機というものを計画いたしております。そのほかにDC8のクラスのものをさらに数機考えておりますが、将来の技術革新を考えますと、いわゆるSSTというものが出てまいりますので、これにも対処する意味で、英仏で開発しておりますコンコルドというSSTを三機購入の契約をいたしております。それから、それから数年おくれて出ると思われますアメリカのSST、これは英仏のコンコルドに比べますとさらにスピードが早い大きなものでございますが、これにつきまして五機購入を考えておる、こういう状態でございます。  国内につきましては、現在幹線の主要機種になっておりますのが、御承知のジェットの727というのであり、さらに主要地方ローカル空港には、全日空につきましては727というジェットと、そのほかにYS11というターボプロップの飛行機なり、フレンドシップというのを使っております。先ほど申し上げましたように、将来航空輸送需要が飛躍的に伸びると考えますので、飛行場等との関連を考えまして、やはり大型高速化をはかっていくということがぜひとも必要だと考えます。そういう意味で国内におきましては、少なくともいまのフレンドシップあるいはYS11というのは、ここ数年くらいでジェットに切りかえたいというのが現状考えておるところでございます。  そのジェットにつきましても、幹線の727等につきましては、すでに従来の727よりも大型の200型というのを導入しておりまして、これがさらにだんだん大型化する、四十七、八年ごろには具体化するかと思われますが、いわゆるエアバスというような式のものが考えられてくると思っております。先生先ほどお触れになりました、国際線の大型の飛行機がだんだんに国内に入ってくるという問題につきましては、一部そういったものも考えられます。たとえば日本航空におきまして、現在中近東に主力に使っておりますDC8の61型、こういったものは直ちに国内にも使えますので、これらはいずれ国内に入ってきます、特にことしは万博の輸送需要のため、輸送力の増強を考えまして、これを国内に入れたいという計画を持っております。  ただ、それ以外のもの等につきまして、これを漸次全部国内に持ってくるということにするかどうか、これはいろいろ考え方なりがございまして、直ちにそういうことにもなりかねる。と申しますのは、国内は総じて空港間の距離が短うございますので、この短距離のところに長距離を主体にした飛行機というのは経済性の観点から必ずしも適当ではない。たとえば先般、コンベアの脚というのを日本航空は七機持っておりましたけれども、整備観点からもございますが、国内で使うのには不適当であるということで国外に売却をするというようなことをやっております。だんだんにやはり国際線の長距離型と、それから国内に使う短距離型というのは、最初から機種が別個なものとして開発、使用されていくような傾向と考えます。特に国内におきまして飛行場面から考えますときに、滑走路をそうむやみに長くすることができません。したがって、むしろ現状滑走路に近い状態で使用できるような飛行機というのが開発され、それを購入、使用していく、こういうふうな考え方で進んでいこうかと考えております。したがいまして、エアバスなどというのも、現状の二千メートル滑走路を少し延長した程度のもので使えるようなものを今後選択し、使用していこうというような考え方になっております。
  32. 八木昇

    八木(昇)委員 ところで、日本経済新聞の昨年末十二月二十四日の記事によりますと、こういうことが書いてあります。「空港整備は新関西国際空港新設するほか、主要ローカル空港鹿児島熊本、大分、高知、松山、青森、秋田、函館の各空港を別途新設または増設する。運輸省ではこの機材投入と空港整備を軸に新航空政策を作る予定」「同省の試算による空港整備事業費は六千六百億円にのぼる見通しである。」こういう記事があるのでありますが、これは一体何年から何年ぐらいまでの間を見通してのものであるか。六千六百億円というこの記事はほぼ正確であるかどうか。それから、このような考え方の中に、いまのジャンボジェット機等が今後どれぐらいふえていくだろうというようなこと等もすでに含まれてのこの数字が出されておるものであるかどうか、これを簡潔にお答えいただきたい。
  33. 手塚良成

    手塚政府委員 先ほど来申し上げておりますが、航空の需要といいますのは飛躍的に伸びるであろうということで、この需要予測につきましてはいろいろな観点から検討いたしております。現在、一つの試算といたしまして、五十年度におきましては国際線の旅客が四十三年度の三・九倍に当たります八百二十万、国内線旅客は四・二倍の三千五百五十万というふうな見通しになっておりますし、さらに六十年あたりになりますと、国際線につきましては四千万人、あるいは国内線につきましては一億二千万というような数字などが一部にいわれておりまして、私どものほうでは、現在の空港整備五カ年計画が来年をもって終了いたしますので、そういった新しい観点に立った需要予測を考え、それを前提にした長期の航空政策をまた考えなければならないということで、実はいま検討中でございます。省内におきましても、そういった意味で学識経験者を交えましてそういった検討をいたしております最中でございますので、ただいまの数字等につきましては検討中という以外に申し上げるわけにまいりません。
  34. 八木昇

    八木(昇)委員 それでは、どうもわれわれしろうとじゃ見当がつかないので、この数字は当たらずとも遠からずですか。
  35. 手塚良成

    手塚政府委員 先ほど来申し上げておりますように、機材的に見ましては非常に大型化をされ、そしてまたその輸送頻度が非常に旺盛になる。それから航空保安施設等につきましても、安全性の見地からこれを充実していかなければならないというようなことで、空港整備に必要とされます金額は相当に多くなっていこうかと考えております。
  36. 八木昇

    八木(昇)委員 そこで少し本題のほうの事項について若干具体的に質問したいと思います。  ここに空港整備特別会計というものを設けようという以上は、それを設けるための積極的な意義ということを考えまするときに、今後空港整備のためにばく大な経費を要する、それに対応し得るように、会計の制度も新しくこういった特別会計ということでやっていこう、こういうことだろうと思うのですね。そうしますると、結局具体的にいえば、この空港整備の予算額というものがふえなければ、会計の体系をどう変えてみたところで一つも実利はないわけなんですね。そうすると、本年度のこの特別会計予算額というものはわずかに百八十四億円にすぎない。一方において運輸省の試算では、六千六百億円という膨大な金額の空港整備費が近々の間に必要である、こういう試算が発表されておる。こういうことについて、特に大蔵当局としてはどういうふうにお考えになっておるのか。一体こういうことでいいのかどうか。将来この整備費を飛躍的に増加しなければならぬことは間違いないけれども、一体その財源はどうしてまかなうという構想のもとにこの法案をお出しになったのか。
  37. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 お話しございましたように、空港整備につきましては、最近の状況を見ましてもかなり飛躍的に増加しておる状況でございますが、そういった将来の空港整備に対する需要をさらに充足していく、整備を促進していくという観点からいたしまして、今回空港整備特会をつくることにお願いいたしておるわけでございます。  もう一つ空港整備特会を設けようといたしまする理由のものは、飛行機と申しますものは、鉄道でございますとか船や電車のような他の交通手段に比べまして、特定の者が利用するという度合いが高いものでございますから、そういう意味でできるだけ利用者の負担で事業の仕事をまかなっていきたい。そのためには特別会計を設けて、空港整備事業というものがどのくらい利用者の負担によってまかなわれておるかということをあわせて明らかにする必要があるということで、空港整備特別会計を新たに設けようとするものでございます。  しかし、これからの空港整備需要というものを考えますると、着陸料収入だけでまかなっていくということはなかなかむずかしいかと思うのでありますが、運輸省のほうでもこれから長期の計画をつくっていかれるということでございますので、着陸料収入そのほか一般会計からの繰り入れ等見合いまして、将来空港整備に遺憾がないようにいたしてまいりたいというふうに考えております。
  38. 八木昇

    八木(昇)委員 ところで空港整備五カ年計画というのがございますですな。それは昭和四十二年三月に閣議了解になっておる。その動機は、一般に伝えられるところによりますと、松山沖でYS11が遭難をした。その遭難の原因についてぴしゃり結論が出ておるわけではないけれども、やはりどうも滑走路が短かったんじゃないか。それで着陸をするときに、操縦士のほうにも手落ちがあったのかもしれないけれども、どうもこのまま着陸したんでは滑走路を突っ切ってしまう、そういうことで着陸を中途からあきらめて海のほうへ出ていった、そこで遭難しておるらしいというようなことが当時しきりと伝えられたわけです。そういうことがやはり動機となって、その直後にこの空港整備五カ年計画というものがつくられたものであろうと私は思います。  その空港整備五カ年計画によりますと、昭和四十二年、四十三年、四十四年、四十五年、四十六年の五カ年間に千百何億ですかの金額をもってこの際空港整備をやる。このことがさらに昭和四十四年三月の閣議におきましても再確認をされて閣議決定をされている。ところが実際には昭和四十二年から昭和四十四年までの三カ年間にその進捗率は三七%にすぎない。来年度百八十四億円の空港整備費を予算化しておりますが、これが全体の五カ年計画の一八%にこの金額は相当いたしますから、そこで三七%プラス一八%とすれば、昭和四十五年度末において空港整備五カ年計画の五五%が終了する、実施に移される、こういうことになる。そうすると残り一年、昭和四十六年度で残りの四五%、これを完遂しなければならぬということになるわけです。  申すまでもございませんが、この飛行機に関する問題は一般の国の財政支出の場合と大いに事情が違うと私は思う。たとえばすし詰め学級だと、それは教師の数の予算が問題なんでなくて、そこの学校については生徒がふえるが、建物が狭い、そこで一学級に四十五名なら四十五名の児童を置いておかなくちゃいかぬ。こういう問題については、予算がないのでもう一年がまんしてくれ、もう二年がまんしてくれということが——教育に熱心な方についてはそれすらもなかなか納得しないと思うけれども、事生命にまでは関しない。しかしこの空港整備というものはこれは絶対条件ですね。これでもう絶対に安全だという整備状態のもとにおいてしか飛行機は発着陸させてはならないはずです。だとするならば、これはいまの財政事情がこうだから、そうだからがまんしてもらわなければならぬということは通用しない性質のものである。だとするならば、当然大蔵当局は来年は少なくともこの五カ年計画どおり、来年一年度で残り四五%の金が何とかこの特別会計において用意されるようにしますね。
  39. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 先生お話しございましたように、現在の空港整備五カ年計画は、増大いたします航空需要に対処するためということと同時に、航空機の離着陸の安全をはかるという意味でつくられたものであると思います。その計画に従いましてこのところ空港整備を促進してまいったのでございますけれども、御指摘のように現在のところでは、空港整備五カ年計画の中で御承知のように調整項目と申しますものと、それから単独の事業がございます。それ以外のところは事業別に具体的なものが張りついておるわけでございますが、その具体的に張りついておるもので見ましても、四十五年度の数字を含めまして進捗率としては六一・七%、それに本年認めております債務負担行為の八十億ばかりのものにつきましては、四十五年度に工事が着工に入るということを考えまして、おおむね七〇・五%の進捗率というような状況でございまして、さような計算をいたしましても、明年度の残事業費といたしましてはことしの約倍くらいの予算がないと五カ年計画が達成されないというような状況でございます。さような進捗状況にもかんがみまして、今回空港整備特会をつくりまして、空港事業の促進ということをさらにはかっていこうとしておるものでございますが、そういうことで、明年度残事業をすべて消化するということにつきましてはなかなか困難があるかと存じますけれども、空港特会を通じましてさらに今後空港整備を一そう促進してまいりたいというふうに考えております。
  40. 八木昇

    八木(昇)委員 まあ数字のはじき出し方についてはいろいろ魔術もあるでしょう。しかしそんなことはどうでもいいんだけれども、ここで空港特別会計というものを設けて新しい制度のもとでいこうという以上は、ただその経理を明確にするとかなんとかいうようなことでは、これはほとんど積極的意義を認めるわけにまいりません。特別会計制度を設けるという以上は、絶対至上命令の事業の部分についてはこれを完遂するという明快な立場が法案を提出した当局側から言明されなければ、はい、さようでございますかと議会側としては簡単に言えませんよ。しかもこの五カ年計画千百五十億というのはおおよそ四年ほど前に作成されたものでありますから、その後物価の上昇もありましょう、それからその後の航空需要というものは、先ほど来の運輸当局の説明を聞いておりますと予想よりもスピードが速い、こういう感じのもののようでございますから、そうするとこの千百五十億でなし得る仕事の量は、四年前に考えられておった量より実際は少ないのじゃないかとぼくは思う。そうすると、千百五十億円の金をつぎ込んだとしても五カ年計画が完遂されたとはいえない、こういうふうに感ずるのですけれども、これは運輸省と大蔵省の両方からいまの疑問に対してお答えいただきたい。
  41. 山村新治郎

    山村政府委員 先生のおっしゃられるのはもっともだと思います。私どもも、それは数字の魔術と申されましたが、確かに七一%、それにしてもあと二九%残っておるわけでございます。運輸省といたしましては、これを全部というよりも、先生のおっしゃいました物価上昇率等を含めまして、それらを含めた上でみんなつけてもらいたい、獲得するように努力いたしてまいります。
  42. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 空港整備五カ年計画の達成にできるだけ努力いたしてまいりたいと思っております。
  43. 中川一郎

    中川政府委員 御指摘の点、私もごもっともだと思います。少なくとも閣議決定をした五カ年計画であります。いまお話がありましたように、物価その他の問題も勘案し、特に航空は安全でなければならぬということからいけば、大いに尊重しなければならぬと思いますが、ただ八木委員の御指摘の、航空量が伸びたから飛行場安全、という問題については若干検討してみる必要があるんじゃないか。たとえば、東京は航空量が非常にふえて滞貨をし、滑走路がつけられない、あるいはスポットがないというようなことで非常な問題になっておりますが、それ以外、この特別会計に含んでいる、羽田とか伊丹、ああいった大きな空港については別でありますが、少なくとも二種、三種といったような、われわれの北海道にもずいぶんありますが、これは航空量がかなり伸びても、まだまだ伸びとは別の安全ということが主ではないか。でありますから、伸び即空港整備を急がなければならぬというものではないんではないか。東京、大阪等の混んだところについては、これは促進をして、代替地をつくるなりなんなりに鋭意努力をしなければなりませんが、そこまで達しておらない二、三種空港については、安全ということを重点に整備をしていくべきものだ、このように思い、そういった線について、明年度は最後の年度でありますので、御指摘の点を十分勘案して、できるだけのことをいたしたい、このように思っております。
  44. 八木昇

    八木(昇)委員 私が財源を確保しろと言っておりますのは、単純に国の一般会計からの支出額を大幅にふやせということだけを実は言っているわけじゃございません。ほかにもいろいろ方法があり得ると思います。借り入れ金をふやすとか、あるいは着陸料をもっと合理化するとか、増額する。それは本年度もむろん増額の計画はあろうと思いますが、そういったいろいろな合理的な方策というものを考えた上で、やはり必要なものをやっていくという態度を明快にしていただかないというと、われわれ審議する側としては困る、こういうことなんでありますから、その点をひとつお考えいただきたいと思います。ほかの委員からも今後質問があると思います。  ところで、本年度の特別会計予算を作成するにあたって、運輸省側としてはこの際、出国税——諸外国でもそういう制度が多くの国であるそうでございますから、これを新設すべきである。それから通行税の収入のうち航空関係の分については、これも全額特別会計に投入すべきである。そうして着陸料を大幅に引き上げるか、着陸料現行割引制度を廃止する、そういうことについても相当思い切った措置をした上で——少なくとも本年度の予算額としては三百二十七億円が必要であるという、こういう要求をしたと伝えられておるわけでありますが、まず運輸当局にお尋ねいたしますが、そうですか。
  45. 山村新治郎

    山村政府委員 先ほど来先生の言われておりますいわゆる空港、これは利用者については、一般公共事業から比べまして、ほんとうに特定の人間が数多く利用しているんじゃないか。それから考えましても、その利用者が直接これを負担するのは当然じゃないか。そこで、今年度も一応国際線におきまして二割、国内線におきまして五割の着陸料を引き上げたわけでございます。そして三十七億円の着陸料が入る予定であったものが六十四億三千万入るというような増額ということになったわけでございますが、あといろいろ先生御指摘の他の部分につきましては、担当の局長から御説明さしたいと思います。
  46. 手塚良成

    手塚政府委員 出国料につきましては、この特別会計設置検討の過程で国際線の旅客から出国料を徴収しようということを考えたことがございます。一部外国等においてそういうことを行なわれておりますのをわが国にも適用したらどうかというような観点からでもあったわけでございますが、最近、お話にも出ましたように、ジャンボジェットあたりがどんどん出てまいりますると、一機でもって非常に大量の旅客を運んでくる。ただでさえも航空ターミナルが非常に混雑をするという状態になってまいりまするので、そういった今後の航空の趨勢に徴しまして、徴収事務が非常に繁雑であり、かつそのために旅客の流れを阻害するおそれがあるこういったような出国料は、やはりやめたほうがいいのではないか。現実諸外国におきましても、そういう意味でこういった出国料などはだんだんに着陸料に統一しておるというふうな傾向が見られるのでございます。私どももそういった点を検討いたしまして、今回の空港整備特別会計におきましては、出国料という特定したアイテムのものはむしろ着陸料でカバーしていくという方向に切りかえまして、特定財源としてはやめた次第でございます。  なお、最初に要求しました額として三百二十七億というお話がございましたが、これはそのとおり私どもは要求額として要求はいたしました。これはやはり先ほど来のお話のように、できるだけ五カ年計画を年度内、予定しました計画内に完遂をしたいという観点一つあったわけでございますし、かたがたこの中には新空港関係の国直轄工事分の予算をこの中で含めてやるということを考えて、一部要求をいたしました。しかし、新空港関係につきましては公団の予算ということになりまして、公団自体はすでにそれとして独立採算を目標にいくものでございますので、特にこの特別会計に入れる必要はなかろうというのでこれから取りはずしましたので、そういうことからいきますと要求額との差はさほど大きくはございません。
  47. 八木昇

    八木(昇)委員 そうしますと、この通行税の問題は立ち消えになったわけですな。
  48. 手塚良成

    手塚政府委員 通行税は、これは特定財源ということでは実は考えておらないわけでございます。通行税は、これは私どもの専門ではないわけでございますけれども、まあ消費税体系の一環ということになっておりまして、国鉄や海運なども含めまして一本の税目によって徴収されておる、こういう内容でございます。したがって、こういう通常より高い消費に着目しての課税ということでございますので、その中から航空分だけを取り出しまして特定財源とするということは必ずしも適当ではないというふうに考えられますことが一つと、他面、空港整備現状からいたしますと、四十五年度の予算でも見られますように、通行税収入相当額をむしろ上回る一般会計負担分がございまして、こういった傾向はどんどんそういう傾向で進むであろうというふうに考えられますので、通行税を特に特定財源とするということは必ずしも実益がないのではないか、かように考えられましたので、通行税というものを特定財源とすることは取りやめた次第でございます。
  49. 八木昇

    八木(昇)委員 それはいろいろな説明をされますけれども、それは、そういった説明をかりに納得するとしても、空港整備のための財源がそういった通行税にたよったり出国税にたよったりしなくても確保されておるならいいでしょうが、運輸省の見解としては確保されていないのでしょう。どうです。
  50. 手塚良成

    手塚政府委員 先生御指摘がございますように、私どもも、要求額と実際の姿というのは必ずしも一致をしていないという意味におきましては、確保されていないということになるかもしれませんが、四十五年にやります仕事の内容といたしましては一応これで運営がまかなえるという予算になっております。
  51. 八木昇

    八木(昇)委員 これはしかし、運輸省の述べる述べ方としてはそういうことじゃいかぬじゃないですか。特に、地上交通もいろいろ問題がありますけれども、空の交通の場合の事故は人命の全滅に通じておりますから、一たびそういうことがありますというと相当期間全体の計画がぐっと狂ってしまうでしょう。一回飛行機の墜落事故があって、たとえばジャンボが落ちて三百人が死んだということになりますと、従来の例から見ますと少なくとも一年間くらいは乗降客が激減します。そういう実際の運営上の問題のみならず、本質的には人命尊重という基本的な場立から空港整備すら、自信のある確信のある整備がなされない状況において、お客が自然にふえてくるものは何とかしてさばこうとする態度は、これはいかぬと思うのです。大蔵当局は金庫番ですから、それはいろいろ考えるかもしれないけれども、運輸省の答弁がいまのようなそういう答弁じゃ納得できないです。  ですから、やはり空港整備が優先する。そしてその空港整備のほうがお客さんがふえるのに追いつかないとするならば、お客さんのふえるのがあまりふえないようにしなさい、むしろしなければならない。その方法はそれはいろいろ考えなければならないでしょうけれども、そういうふうな点等を考えますと整備費は優先的にとらなければならない。着陸料なんかもどんどん上げる。着陸料だけで無理ならば、お客さんの負担になる部分があるかもしれぬけれども、何かの方法を考える。そうして空港整備のほうが優先だというたてまえをとらないと運輸行政にならぬのじゃないですか。
  52. 手塚良成

    手塚政府委員 空港整備の中には、滑走路を延長する、あるいはエプロンあるいは駐車場を広げる、そういった基本施設的なものの拡張整備の内容と、それから安全性により一そう直結しておりますところの航空保安施設整備、たとえば進入灯のランプをつけるとか、バシスという特別なものをつけるとか、あるいはランウエーライトをつける、そういったもの等に大きく分けられると思います。やはり安全性の見地からは、後者のほうを私どもはまず充実をしていかなければならないということ——前者のこの基本施設の拡張の面も決して安全性と無縁であるということではございませんし、それも整備をしていきたいわけでございますが、順序といたしましてそういう考え方をしてひとつ考える。  それから現実の問題といたしまして、この基本施設の拡張につきましては、たとえばその土地の取得などについてはなかなか現実問題としてむずかしい点でございます。この補償の問題になりますと、よく新聞でも出ますけれども、成田の新空港のごときはああいつた状態で、だいぶ土地の取得に難航しておるような状態でございまして、滑走路の延長等におきましてもそういうことが事の大小にかかわらずあるわけでございます。したがいまして、そういった面についてはやはり財政事情等の観点からしましても、金額だけふやして使い切れぬというようなことがあってはまずいということを考えるわけでございます。そういう意味で、直結しておる、ぜひやらなければならないというものについては、最優先的に考える。そうしてそういった土地補償等に関しての実情に合った予算内容、予算規模、こういう考え方で進もうとしておるわけでございます。
  53. 八木昇

    八木(昇)委員 ところで、これはむしろ航空局長に聞くというのは適当でないかもしれませんが、政務次官がおられれば政務次官に聞くところなんですけれども、いまの日本の状況のもとで、日本という国は東西に長細い国ですから、東西の距離は相当長いのですけれども、国土の広さからいけば、アメリカなんかに比べると問題にならぬ。アメリカの一つの州ぐらいしかないわけです。そういった事情等々を考えますと、国際線の場合は別として、国内の大衆運輸といいますか、それはやはりあくまでも鉄道輸送、これがたてまえではないかと私は思うのです。それで、いまのところ自然にほうっておけば、航空運賃などもおそらく今後引き上げをおやりになるつもりはないんだろうと思います。電力なんかでも何でもそうでございまして、生産力がどんどん向上していけぼ、電気料金なんか上げなくていい。むしろ値下げの論が出るくらいですから、航空運賃は引き上げはお考えになっていないと思うけれども、そうするとどんどんお客さんはふえていく、こういうかっこうになっていくのですけれども、一体そこら辺のところをどういうふうに考えたらいいのかという問題です。いわゆる大衆交通としてはやはり陸路である、こう考えてよろしいか。
  54. 手塚良成

    手塚政府委員 日本の国土は全体的な面積から見ますと先生のおっしゃいますようなことで、アメリカ大陸なんかとは比較にならぬ狭いところでございますが、非常に特徴がございますのは、南北に長い。それから途中が海でさえぎられたところが四国、九州北海道、こういうふうにあり、また離島が非常にたくさんある、こういうふうな事情があるわけでございます。しかも南北の各都市が少なくとも東京、大阪とすぐ直結をするというような姿は、経済事情、文化事情から過去もずっとそうでございましたが、将来もそういうことではなかろうか。こういう観点から考えますと、やはり私どもで考えますところでは、三百キロないし五百キロ以上の距離におきましては、旅客輸送というものは航空が非常にウエートの高い輸送機関になる。汽車とどっちがどうだということは必ずしも申し上げにくいわけでございますけれども、私どもとしましては、これはやはり従来のような一種の特別階級の乗りものということではなくて、大衆化されるであろうというふうに考えておりますし、またそうならなければならないのではないかと思っております。幸い運賃につきましても、現時点におきましてはおっしゃいますようにこれを値上げするという要素は特に考えられるものはございません。したがいまして、総体的な国民所得から考えますと、これはむしろ下がるという意味合いを持つようなことになると思うのであります。そういうことなどから考えますと、航空というものはまだまだ輸送需要はふえるし、しかもこれは一般大衆の足になる、かように考えております。
  55. 八木昇

    八木(昇)委員 これは空路を大衆化するということについて必ずしも私は反対しているわけじゃないんですね。ないですけれども、しかし地方自治体空港建設費から維持管理費から、貧しい地方のいなかの県の県民の税金からばく大な負担をさせ、それでもなお空港整備のための費用がなかなか出てこない。そういうような状況のもとにおいては、やはりこれは国内航空を大衆化するというような方面に目を向ける前に、むしろそういった一番基本的なところを完全にやっていくということのほうが先じゃないか。新空港五カ年整備計画すらも達成できない状態のもとにおいて、旅客の増大、大衆化というようなもののみを考えるというのは間違っていやせぬかということをぼくは言いたいわけです。ですから、やはりまずそういった空港整備事業、そういうものの実際わが国の実力に合った着実なる実施、それに見合った国内航空の大衆化、こういうふうにこの考え方の基本を置くべきではないか、そういうふうに考えるわけです。  ところで一方、国内の交通については、ばかでかい新幹線構想というのがきょうの朝刊にでかでかと載っているわけですが、それには十一兆円の金が要る。しかしこれは十何カ年かの計画でしょうから、実際には十一兆円じゃ済まぬわけでしょう。もっと大きな金額になる。これを年割りにしますと、一年間にこの方面でも一兆何千億円かの金が毎年要る。こういう計画が片一方において発表され、しかも今次国会に議員立法として法案として提出される。これが議員立法として提出されるということにもどうも私どもには理解しがたいところがありますけれども、そうすると陸路のそういった計画と、それから国内航空の計画、そういうものをつなぎ合わせた全体的な考え方、そういうふうなものが運輸省の省内で具体的に話し合われておるのでしょうか。たとえば陸運関係の局と航空関係の局と……。
  56. 手塚良成

    手塚政府委員 私自体がお答えするのが適当かどうかということはございますが、運輸省内におきましては空海陸の交通機関を所掌しておるわけでございます。この陸海空の交通分野におきましてその総合体系を考えて、それぞれが総合体系の中でどういうふうに位置づけをしたらよろしいかということはかねがね問題になっておるところでございます。最近におきまして、特に先ほど来申し上げておりますような航空需要あるいは一般の輸送需要その他によりまして、社会資本の投資の観点からもこういうものを明確にしなければならぬということになってまいりまして、実は省内で官房を中心にいたしまして、そういったプロジェクトチームといいますか、そういうものを編成いたしまして、現在鋭意検討をいたしておる最中でございます。
  57. 八木昇

    八木(昇)委員 そこら辺まで入っていきますと私どもあまりよくわからないし、もっとそこら辺は専門家の間でとことん議論される問題であろうと思いますから、それからまた時間もあれですから、あと一つ二つで質問を終わりたいと思うのです。  公害の関係についてお伺いしたいと思います。  本年度の公害関係の予算として十八億円というものが組まれておりますね。これは大蔵側に聞きたいのですけれども、しかもこれは東京と大阪の両国際空港の分だけというふうになっておるのですが、それでいいのでしょうか。
  58. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 それでよろしゅうございます。
  59. 八木昇

    八木(昇)委員 騒音というのは国際空港に限らぬと思っているから聞いているのです。
  60. 手塚良成

    手塚政府委員 騒音防止法の第二条に、この防止法の対象になる空港を「特定飛行場」という名前で呼んでおりまして、この「特定飛行場」とは「離陸又は着陸のひん繁な実施により生ずる騒音等による障害が著しいと認めて政令で指定するもの」こういうことになっておりまして、現在のところこういった対象は羽田空港と伊丹空港の二空港にしております。
  61. 八木昇

    八木(昇)委員 お役人の答弁じゃそうなんでしょうけれども、そういう現行法でいいのかということを聞いておるのですよ。
  62. 手塚良成

    手塚政府委員 この騒音の被害につきましては、まあいろいろ考え方があると思います。やはり相当騒音被害が大きいということ、飛行機一機が飛びましても一つの騒音被害といえるかと思いますけれども、現在のような航空事情に相なってまいりますと、一機程度の飛行機の騒音というものはさほど日常生活に悪影響を与えるということにもならないのではないか。先般の大阪地区の訴訟等は結果を待ちませんとよくわかりませんが、いわゆる受忍の限度というようなことが議論になっておるようでございまして、そういった観点からいたしましても、やはり頻度あるいは音の大きさ、そういったものによってこういう対策の対象を考慮していくということでないかと考えるわけでございます。基地の周辺等におきましても、私どもの所管ではございませんけれども、やはり同様な考え方で進められておる。しかしこれが現状論まで固定するわけではもちろんございませんで、先ほどのような頻度、大きさというものが、機材なりあるいは輸送力の増強なりで変わってまいりますので、そういった変わった状況には即応していかなければならない、かように考えております。
  63. 八木昇

    八木(昇)委員 現在の騒音防止法の規定によれば、東京、大阪の両国際空港周辺くらいしか適用対象にならないというのが現行法の内容のようであります。これは私は必ずしも納得しないので、やはり実際の状況というものをさらに十分御調査の上、騒音防止法の足らざるところはこれを改正するくらいの積極的な考え方というものを持ってもらいたい。  それからもう一点お聞きしたいのですが、この十八億の内容なんです。私が聞いたところでは学校等の教育施設、これのみが対象のようでありますけれども、しかし病院とかその他、ほかにも騒音のために非常に困っておる施設がいろいろたくさんあるんじゃないかと思うのですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
  64. 手塚良成

    手塚政府委員 対象の内容につきましてもこまかにきめてございますが、学校、それから保育園あるいは幼稚園、こういったものは教育施設ということで防止法の事業の対象になっております。先生先ほど来申しておられますように、やはり時世と実情に応じて変化をしていかなければならぬ、対策を拡大していく必要があるという意味におきまして、四十五年度におきましては、この十八億の中で新たに移転補償及び用地の買い取り補償という内容をこの中に盛り込むようにいたしました。これなどはやはり伊丹の飛行場を中心にいたしまして、新しい滑走路ができて、飛行機の飛び方、大きさ、こういったものが従来より変わってまいった、こういうことから変えていった次第でございます。
  65. 八木昇

    八木(昇)委員 終わります。
  66. 毛利松平

    毛利委員長 本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ————◇—————     午後三時五分開議
  67. 毛利松平

    毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
  68. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 空港整備特会法案について若干質問をいたしたいと思いますが、最初に、日本における将来の交通運輸の総合体系は一体どうあるべきなのか、そしてそれに対して国がどういう責任をもってこの問題を解決をし、その交通運輸を経済情勢の発展に応じた適正なものにしていくか、そういうことについての国の責任の問題、こういうものが非常に問題だと思いますので、その辺のところをまずお伺いをいたしたいと思うわけであります。  現在、国内における交通の大宗といいますか、これは何といっても国鉄が中心であろうと思うわけであります。運輸省の調べたところによりますと、年間延べ七十億人以上の旅客を輸送しておられる。しかも今日の経済情勢の中で、道路交通、主としてモータリゼーションを中心とする自動車輸送、さらに空の航空機輸送の激増という中で、いま国鉄はきわめて経営的にも技術的にも困難な大転換を迫られているという状況にあり、公共企業体、国の国鉄に対する過去の投資と財政支出というものがほとんどなきにひとしかった。再建問題がやかましくなりましてから、昨年通りました再建整備法、こういうものに基づいて、昨年ようやく三十七億という二けた台の予算もつけられたということになって、ことし昭和四十五年度の予算におきましても、再建補助金、再建債利子補給金というようなものを合わせましても百二十二億程度である、こういうきわめて微々たるもの、しかも国鉄が今日七十億人の国民を輸送しておる、そういう点からいえば、非常に重要な役割りを果たしているはずなんであります。それにもかかわらず、国鉄の財政、経営というものがたいへんな赤字を見て、おそらく四十五年度千二百億を依然としてこえる赤字が出るというような状態にある、こういう状況にあって、再建問題がたいへんやかましい問題になっているわけであります。  それに比較いたしまして、今回の空港特会でも、一般会計からの繰り入れ八十七億というようなことで、航空産業、これは言うならば歴史も浅いということもありますから、ある程度国のそういう面での補助、助成というようなものがあることはわれわれも理解できるけれども、将来の交通運輸体系というものを総合的に見渡した場合に、こういう体制で、国のあり方で、バランスのとれた、しかも最も効率的な交通輸送というものが国民のために確保される方策としてどうなんだろうという疑問を抱かざるを得ないわけです。そういった問題について、その基礎をなす将来の国内の旅客、貨物、主として旅客についてどういうような総合的な交通輸送体系というものを確立をし、陸海空それぞれの分野をどういうふうに——空は飛行機であることに間違いないことだけれども、どういうような見通しを持ち、どういうように役割り、位置づけ、それから実際に果たすべき地位、役割りというものを構想されておるのか、まずこの点について、運輸行政の責任者として運輸政務次官に、運輸省の構想があったら承っておきたいと思います。
  69. 山村新治郎

    山村政府委員 お答えいたします。  目下、運輸政策懇談会に、将来の総合交通体系における航空の位置づけということで、わが国の航空輸送の将来のビジョンの検討をお願いしております。これが五、六月ごろまでに結論が出る予定でございます。  現在までの審議によりますと、昭和六十年度ということを目途にしまして、航空旅客数は国内線で大体昭和四十三年の十四倍、国際線では十九倍に達する。そのようなものが予想されております。そして、将来には長距離都市間輸送で主役を演ずるようになることはもちろんでありますが、従来の少数の高級輸送機関というものから大量、高速の大衆輸送機関というように性格が変わってくるものではないかと思われております。  なお、懇談会の結論に基づきまして空港整備計画、また、乗員養成、それと航空保安体制の整備、これらを十分なものとして進めていきたい。特に今年度におきましても、あとで担当官からこまかい数字は申し上げますが、十分予算そのほかはふえておるわけでございます。しかし、今後もいわゆる長期計画というものを達成できますように、これは十分やっていきたいと思っております。  また、鉄道関係につきましては、これは鉄道担当官が来ておりますが、いわゆる国鉄再建十カ年計画、これに基づいて十分やっていきたい。  また、海運関係におきましても二百六十万トンというものの予算がついたわけでございますが、それらについても十分行なっていきたい、そんなように考えております。
  70. 川上親人

    ○川上説明員 私は航空関係について一応申し上げたいと思います。鉄道関係でございますと所管が違いますので、私から御説明申し上げるのはいささか適当でないと存じます。  一応運輸政策懇談会におきまして、総合交通体系の中の航空の位置づけという角度からただいま検討をしていただいておるわけでございますが、けさほども航空局長から御説明申し上げましたように、現在運輸政策懇談会におきまして検討していただいておりますものは、航空輸送の役割りが将来どういうものになるであろうか、また、それに基づいて、航空輸送の長期ビジョンはどのようなものであろうか、そういう角度から一つ長期ビジョンを描き出しました上で、解決すべき問題点は何であるのかという、一応三つのテーマについて検討を進めていただいておるところでございます。  まだ審議の中間でございまして、こまかい数字にわたっての御説明を申し上げるような段階ではございませんけれども、一応基本的に申し上げますと、先ほど、航空の役割りにつきましては、政務次官から御答弁いただきましたように、従来の少量、高価な輸送機関であるものが大量、高速のかつ低廉な輸送機関に変貌を遂げていくであろうという想定をいたしております。その理由といたしましては、けさほど来いろいろ出ておりますように、近い将来におきましてエアバス、あるいはジャンボにつきましてはもう現実の問題でございますけれども、将来におきましてはSSTというような、新しい技術開発の結果に基づきます航空機が出てまいりまして、大量、高速の輸送性を持ってまいりますとともに、大量輸送化に伴った輸送コストの低減ということも一応期待できる。なおかつ安全快適であるという、そういう機材の開発が可能であるということから、いまのような役割りについての一応の推定を出しておるわけでございます。  そのようなことから、航空輸送の分野がどうなるかということにつきまして、まだ中間的な段階ではございますけれども、一応現在までのところで取り上げられている大きな点について申し上げますと、いわゆる航空輸送は都市相互間の輸送という点において非常に重要な役割りを演ずるだろう。特に、比較的長距離の分野においてその有利性が発揮されるのではなかろうか。ことに途中の離島、海峡、山脈を隔てた輸送であるものにつきましては、時間差の効果が非常に高い関係もございまして、こういった点につきましては航空が将来かなり有利なポジションを占めるであろうという見通しを一応立てているわけでございます。  国内輸送につきましてはそういうことから、今後の国内航空路線網のあり方といたしましては二つの都市を直結する輸送路線と申しますか、そういうものを一応主体にして考えていくことになるであろう。特に東京、大阪を中心といたしまして地方都市を結ぶいわゆるビームラインというもの、全国各都市に対してそういうネットワークを構成していくことにすべきではなかろうかという一つの推論がここでされております。なお、当面大阪、東京にすべての都市の航空路線が集中いたしますことは、東京、大阪における過密対策ということとも関連いたしまして、この二つを中心といたしまして地方の中核的な都市を、超大型のといいますか、非常に大型の機材、航空機を駆使いたしまして大量に旅客の輸送をいたす、そこから地方の都市にさらに輸送していくという、そういう路線網も将来の一つの大きな重要性を持つ路線であるというふうに考えなければならないのではなかろうか。こういうのが今日までの一応航空輸送分野についての前提としての基本的な考え方でございます。  こういうことから、航空輸送の需要予測につきましては、経済成長テンポあるいは国民の生活水準というものとこの輸送需要との関係が非常に密接な関係がございますので、そういう角度から一応航空輸送の需要を測定することに資するわけでございますけれども、さらに長期的には、人口の配置が将来どうなるか、あるいは国民の生活様式がどういうふうに変わっていくだろうか、それから交通機関の技術革新でございますとか、国土の今後の開発の方向といったような、いわゆる経済の構造変化によってもたらされる要素というものを十分に勘案して本来は出すべきものなんでございますけれども、ただいまのところそういう点に対する正確な予測が困難でございますために、鉄道と航空と競合的な関係に立つといたしますと、一応鉄道かということになると思いますが、鉄道と航空との関係につきまして、その両者の適正な将来の配分ということを考える意味で全体の需要測定をいたしておるわけでございますけれども、それによりますと、一応基礎の前提といたしまして現在の両者間の運賃差、それから両者間の時間差というものをファクターといたしまして、その相関関係における旅客の配分を、一つの配分モデルに基づきまして出していこうというふうな作業を、現在運輸政策懇談会において進められておるわけでございます。  その際に一つの前提になりましたものは、百三十キロ未満でございますと、当面まだ航空需要の対象としては短距離区間においては取り上げられないであろう。百三十キロ以上五百キロのものにつきましては、大体その時間価値、時間差というものの関係から三〇ないし六〇%ぐらいの間で、個々具体的路線についてパーセンテージがおのずから変わっていくであろう。さらに五百キロ以上になりますと、県と県の間の旅行といいますか輸送は、もっぱら航空及び国鉄新幹線を利用することになるであろうというような、そのような前提に基づきまして、両者間のと申しますか、県と県の間の全体的な中長距離にわたる旅客の移動数というものを、昭和六十年時点において約八億人ぐらいというふうに現在推定いたしております。その八億人の中での配分比例に基づきまして、約一億二千万ぐらいが——一定の条件下においてでございますけれども、ある条件を前提といたしました場合には一億二千万ぐらいに六十年ごろの航空旅客というものが予想されるのではなかろうか、かような一応の、まだ最終結論というふうに決して申し上げるわけにまいらないと私は思いますけれども、中間的な段階で今日まではかようなディスカッションがなされております。
  71. 山口真弘

    ○山口説明員 総合交通体系におきます鉄道の位置づけにつきましては、昨年、国会におきまして国鉄財政再建特別措置法の御審議の際に十分に御審議をいただきました。また運輸省に設けておりますところの鉄道建設議会、あるいは先ほど航空局のほうから申し上げました政策懇談会等におきまして十分御審議をいただいておるところでございますが、その基本的な役割りといたしましては、将来の鉄道の持つ役割りは、鉄道の持っているところの大量輸送に非常に適しているところの性質、それからさらに非常に定型的に行ない得る規則正しい輸送の性格、それから高速性並びに非常な安全性というような点に重点を置きましたところのその特質を生かしました輸送といたしまして、都市間におきます大量旅客輸送、それから大都市におきます通勤通学輸送というもの、それから中長距離の大量貨物輸送というようなものを中心といたしまして、将来の交通の分野において鉄道の役割りを果たしていくということでございます。先ほど航空局から詳しく申し上げましように、その間におきまして鉄道の分野はどの程度の数字的なものになるかということにつきましては、ただいま運輸政策懇談会等におきましていろいろと検討しているところでございます。
  72. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 運輸次官にお尋ねしたいのですが、二月十九日に閣議で国鉄財政再建を中心にした国鉄の向こう十カ年を見通した基本計画が了承されたわけですね。この中で新幹線に国鉄が約一兆円近くの投資をする、こういうようなことも入っているわけであります。いま航空局の監理部長のお話を聞いておりましても、地方の中小都市といいますか、小まではいかないにしても中都市ぐらいはもうネットワークの輸送もやりたい、東京、大阪を中心にしてそういうことをやりたいというお話もあったわけであります。さらに、先ほどあなたがあげられた目標年次に対して十四倍とか十九倍とかいうように旅客が激増する、だろう、こういう見通しもあるようであります。そういう中で、さらに国鉄自身は新幹線を構想され、その上にさらに新幹線網を、やはりこれは全国ネットというような立場で、自民党でも今国会に議員立法をやろうとされておる。これもまた、午前中にむ質疑がありましたように、新幹線で北海道九州を含んで、四国が架橋の問題とからんでどうなるかわからぬにしても、たいへんな幹線網を整備しようとされておるわけですね。そういう場合を想定をし、さらに航空路でもネットワークあるいはエアバス方式というようなものを近い将来につくるだろう、こういうようなことになっているというような場合に、新幹線網ができ上がったあたりでは、もう新幹線を構想した時代、今日の時点で考えられておった有利性というようなものが失われて、もう航空にそれが移ってしまうのじゃないかというようなことも考えられる。六十年で一億二千万ぐらいということですから、国鉄の大量輸送性というものとはまだかち合わないかもしれぬけれども、そういうものすべて織り込んで、国鉄は今日の十年間の基本計画を立ててその整備をはかっておるのかどうか、その辺のところをまず次官から答えていただいて、事務的には国有鉄道部長から……。
  73. 山村新治郎

    山村政府委員 お答えいたします。  広瀬先生のいまの御質問でございますが、一応いまのところ両方併存して、その特色を発揮し得るようにしてやっていきたい。一応十分に研究してやっておるつもりでございます。特に今度のいわゆる全国鉄道新幹線網、これにつきましては九千キロというようなとても長い距離が一応今度の議員立法として提出される予定でございますが、これはこの前の鉄道敷設法の別表、これ自体が大正年間にやったものである、そしてまだそれの全部の鉄道が敷けておらないというような時点でもございますので、もちろんこの新幹線網自体にいたしましても、そのいわゆる必要必要に応じてこれに対処していく、そのようなぐあいにやっていきたいと思いますが、とりあえず研究しながら、航空そして鉄道、両方一緒になって、いわゆる新幹線網そのほかをつくっておるということを申し上げたいと思います。  あとこまかいことは担当官から……。
  74. 山口真弘

    ○山口説明員 国鉄財政の再建問題に関しまして、先ほど申し上げました法律に基づきまして閣議決定をいたし、さらに国鉄から十年間の再建計画の申請がございまして、これを政府部内でいろいろと検討いたしまして認可をいたしました。それによりますと、将来国鉄が陸上交通全体において占めるウエートというものは、航空の発達あるいは道路交通の発達というようなものも相当あるであろう、したがいまして、そういうあるということを前提といたしまして、そのシェアというものも一応考え、その上で国鉄の輸送分野がどのぐらいになるかというような算定をいたしまして、そしてそれに必要な輸送力をどうするかということが問題になりまして、それに立って一応の十年間の計画いうもの、が立っておるわけでございます。  なお、ただいまお話がございました全国新幹線問題でございますが、これは実は昨日鉄道建設議会で御審議がございまして、そしてその決議といたしまして、今後の新幹線網を整備するための法案を早急に国会に提出をすべきであるという趣旨の御決議がなされました。したがいまして、この取り扱いにつきましては、その法案に基づきまして、今後具体的に財政措置の問題あるいは現実に必要とする輸送の時点、輸送力の必要な時点というようなものを勘案いたしました上でこの整備決定していく、こういう形になるわけでございます。
  75. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 そこで、経済企画庁お見えになっておりますので、総合目撃局長にお伺いしたいのですが、将来の輸送の分野というものは、航空機あるいは道路輸送、鉄道輸送——海運もあるわけでありますが、旅客の面では海運はそれほど需要を持たないからこれは抜きにしまして、そういうものを総合的に、それぞれあるべき姿において最も効率のよい輸送体系というものをいち早く、二重投資になったりする弊害を避けながら、効率的に国民に利便を提供する、こういうような立場において、その相互の調整をはかり、総合的な輸送体系というものをバランスのとれた、しかも、いわゆる輸送需要というものを完全に時代の進化に伴ってこれを満たしていく、そういう立場において、高い次元からこれを調整し、輸送体系を確立していく、むだのない、しかも効率的で、安全で、時代の要請に合った、高速化、大型化というようなものをすべてを満たした交通輸送の総合体系というものは、非常に急を要する問題だと私は思うわけでありますが、これはやはり経済企画庁あたりが中心になって、そういうものを、しっかりしたものを策定すべき段階がもう来ていると思うわけでありますが、これについて、ひとつ企画庁の明快な御所見を承っておきたいと思うわけです。
  76. 宮崎仁

    宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり、私ども昨年五月に、経済企画庁が主体となって作業いたしまして、新しい全国総合開発計画というものをつくったわけでございます。これは、昭和六十年度を目標年度とするおおよそ二十年の計画として、わが国土をどういうふうに開発し利用するかという計画をつくったわけであります。  この計画の最も大きなねらいとして、現在比較的大都市周辺あるいは太平洋岸ベルト地帯に偏して使われております国土の利用を、全国土を有効に活用するように今後は考えていかなければならない。そのための具体的な戦略手段として、新しい交通と情報のネットワークをつくっていく。それによって、現在遠隔地とか後進地とかいわれておるところの条件を、大都市周辺の地域と非常に近い条件に持っていこう。また同時に、新しい交通のネットワークと申しておりますが、その結節点となる地方の中核都市の整備をはかっていく、こういうことを考えておるわけでございます。  そうして、この計画では、御指摘のように計量的な数字も一応出しております。今後の、昭和六十年度までの国民総生産は四十年度の大体四ないし五倍、それに伴いまして輸送量の想定等もできておりますけれども、この計画では、そういった計数的なものは昭和六十年度まででございますので、画一にきめるどいうことは技術的に非常に困難でございますので、これは計画のフレームという名前にいたしまして、一応の前提としての数字を出すことにしております。  具体的な計画内容としては、この計画の考え方に基づきまし又これから展開すべき幾つかの課題あるいは実際に実施すべき具体的なプロジェクトを書くことにいたしております。ことに交通関係のプロジェクトとしましては、第一部の最後に書いてございますが、若干申し上げますと、たとえば航空につきまして、地方中核都市の空港整備して全国的な航空網の整備をするということ、それから新幹線については、仙台−福岡間の新幹線の鉄道網を早急に検討をして、将来全国的な高速鉄道網を整備するということ、あるいは道路については、現在建設省の構想で数年前にきまっておりました七千六百キロの高速自動車網を整備し、さらにこれを補完する高速規格の道路をつくる、こういった形で、なるべく具体的にプロジェクトの内容を掲げております。  なお、この計画には第二部というのがつくってありまして、これはブロック別にかなり詳細な構想が書かれております。この第二部の構想につきましては、現段階で全部きめられないというむのも掲げることにしておりますので、今後の調査検討、効果判定というようなものを待ちまして、逐次これを計画化していくというたてまえでございます。  全体としてみまして、昭和六十年度までの輸送量の想定等はどうなっておるか。これは数字的には特に計画の内容等に書いてございませんけれども、私どもの一応の作業といたしましては、国民総生産が大体五倍程度になるという想定をしまして、旅客のこれは人キロで出しておりますが、三倍強程度あろうというような想定になっております。この中において、乗用車、バス等は、平均が三・二倍くらいになりますが、それよりもかなり高い数字。それから国鉄定期外は大体平均程度。航空は二十倍程度、非常に大きな数字になるだろう。こういう想定をいたしております。しかしこれは先ほど申しましたように、あくまで計画を策定するときの前提としての作業でございまして、これが計画の本体に直接書かれておるわけではございません。  こういった形で一応の想定のもとにプロジェクトが書かれておりますが、この実施は、これから各省のおつくりになる交通関係の五カ年計画あるいは経済社会発展計画というような比較的中期の計画、こういったものにおきまして計数の裏づけもつけていただきまして、逐次実施していく。その過程において、もちろん各交通機関間の総合的な調整というのは非常に大事でございます。私どものほうでも、国土総合開発議会の中に総合調整部会というのを設置をしていただきまして、ここでこの総合交通体系の問題を突っ込んで検討していくことになっております。そして、ただいま運輸省のお話がございましたように、具体的な構想が各省でそれぞれまとまってまいりますが、そういったものをまかせていただきまして、私どものほうとしても十分検討してまいる、同時に調整をやってまいりたいと考えておる次第であります。
  77. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 いま答弁があったわけでありますが、まきにそのとおりで、この総合調整をはかっていくということが、いま非常に大事な時期に来ていると思います。  航空局長お見えになりましたから、ちょっとお伺いしますが、このあなた方の計画によりますと、地方都市間のネットワーク、これは俗なことばでいえばエアバスというものがかなりアメリカで、現在、L一〇一一ですか、それからダグラスDC10、そういうようなものがエアバスに使われておる。これは距離が短ければ三百五十名くらい運べる。これがエアバス的に利用されているという話でありますが、三百五十名といいますと列車でも五両くらいのものであります。そのくらいの人間をどんどん運べるということになりますと、いわゆる鉄道にどんどん代替してしまうんじゃないかというようなこともあるわけでありますが、百五十キロとか二百キロとか三百キロというところはそういう形で、列車しかないところがネットワークで、それがフリーケントサービスでどんどん発着するというようなことになりますと、いま考えているような新幹線というようなものも非常に色あせてしまって、国鉄の旧態依然たる既設の路線でどんどん赤字が出ているようなところ、また——東京−大阪間の新幹線はそれでも大体ペイするかもしれないけれども、これからつくる山陽であるとかあるいはその以西の福岡までのものであるとか、あるいは東京−仙台間というようなところなんかは、どんどん航空への代替ということによって、いま考えているような採算制というものなんか失われて、きわめて陳腐化してしまって利用客もどんどん少なくなるというようなことで、航空に代替するというような傾向だってあると思うのです。航空局としては、現在のアメリカあたりでやっているようなそういうエアバス時代というものを一体いつごろに想定されておりますか。これは国鉄の新幹線網の整備十カ年計画と非常に関係の深い問題だと思うのです。その辺のところの航空局としての見通し、また構想、そういうものについてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  78. 手塚良成

    手塚政府委員 先ほど総合交通体系の中で航空の占めます位置というようなこと夢需要の面から御説明申し上げたと思います。需要が非常に激増するということは、一応の試算でございますけれども、昭和六十年に国内が一億二千万の輸供需要というようなことからごらんになりましてもおわかりのとおりでございまして、これらのものを輸送します航空機材といたしまして、いま御指摘の三百人ないし五、六百人乗りのエアバスというものが逐次現状のものに代替をされて使用されることになると思います。しかしながら、航空の最も利点といたしますのは、やはり日本の地理的条件からいたしますと、海を渡る距離、場所。距離的にも、アメリカ等でもそうでございますが、大体三百キロないし五百キロ以上というようなところで最も効率的な航空輸送が行なわれるということになると思います。そういった航空の特性等を十分勘案をし、そして先ほどの輸送需要、これはまた十分総合交通体系の中における航空の輸送内容というようなことで、将来のエアバス時代と申しますか、大量輸咲時代というむのが行なわれると思います。したがいまして、航空のそういった時代になって国鉄の姿が全く色あせるというようなことは、私どもとしましては現時点では考えておりません。それぞれの特性に従ったそれぞれの交通分野というむのはやはりあるのではなかろうか。しかし、航空自体といたしましては、午前中に申し上げましたように、現状以上に使用頻度を補って大衆化をされていく、かように考えております。
  79. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 この問題だけやっておりますとほかの問題がやれませんが、この航空、鉄道それから自動車輸送、こういう分野、日本という特殊な形をなしている国土全体の経済的な発展の角度から、総合開発の角度からこの輸送分野というものをしっかり、ほんとうにはっきりした位置づけ、役割りというものを確定をして、二重投資、三重投資というようなことにならないように、しかも最も効率を発揮し、しかも輸送需要に的確に応ぜられるように、こういう角度における——これは政府全体に関係する問題だと思いますが、そういう面での総合調整、総合輸送体系の確立というものを、特に経済社会発展計画等においてもこの問題を非常に重要な問題として取り上げて、これからつくる次の——大体骨子もできておるようでありますが、その中で十分検討をされんことを期待をいたしておるわけであります。  そこで、この空港整備特会をつくってこれから空港整備の強化充実をはかっていこうというわけでありますが、その中で航空機の運賃、これはおそらく下がっていくだろう。利用者も多くなるというようなこと、さらに空港等整備もいわゆる航空会社が一文も出さずに全部国あるいは地方公共団体がやってくれるわけだし、あるいはまた、われわれ前から問題にしているけれども、この通行税の問題等についてもメリットをつけてあげている。さらに航空用の揮発油、ガソリン、こういうようなものも全く免税の措置をとっている。こういうような至れり尽くせりの保護を受けながらいくわけでありますから、航空運賃というものはかなり下がってくる。ところが国鉄の財政再建基本計画を見ますと、四十八年にもう一ぺん値上げをやります、さらに五十一年ですか、ここでもまた値上げをやりますということになっております。ここでどのくらい上がるかはまだはっきりしませんけれども、おそらく三、四〇%ぐらいは二回の値上げで上がるのじゃないかということは当然予想されるわけであります。こういうことを考えてみますと、この運賃面において、航空機がやがて国鉄の現在のグリーン車に乗った場合よりも——一等、二等の区別はなくなりましたけれども、それよりもむしろ安くなる。三百キロあるいは五、六百キロのところで安くなるというような事態がどんどん出てくるのではないかと思いますが、その見通しについて航空局長いかがでございますか。
  80. 手塚良成

    手塚政府委員 航空運賃の問題でございますが、航空は、先ほど来申し上げておりますように、輸送需要はおそらくどんどんふえていくと思います。航空機が大型化になってまいります。したがいまして、単位当たりのコストは相対的に下がってくる。現状の姿におきましては、そういう意味合いにおきまして航空会社もある意味でいろいろな負担にたえ得るような状態になってきております。  運賃も、国際と国内で違いますけれども、そういったエアバスあるいは大型化ということによりまして下がる要素の一方、また別な意味で経費的に増加をする面もございます。たとえば乗員の訓練等におきまして、やはり大型化になり、機械も高度な保安機械を備え付けるということになりますと、それに対応した訓練を充実しなければならぬという面、あるいはそういった整備に要する費用というようなもの等が一方でかさんでまいります。そういうような両者の傾向ではございますが、総じて、具体的に運賃を値上げしよう、値上げをしなければならぬであろうというふうな見通しは、現時点においては私どもは持っておりません。したがって一般の国民所得が上がってまいりますと、相対的にはそういう意味で運賃は下がる、かように考えるわけでございます。  国際航空におきましては、昨日ジャンボジェットが参りましたごとく、ますます大量大型化されてまいりまして、これはむしろ需要の喚起ということを積極的にやらなければならないというような事態でございますので、現にチャーター便あるいは団体輸送、こういった面につきましては、すでに相当な値下げが具体的に行なわれつつあるわけでございます。将来の国民生活の傾向からいたしましても、海外へのレクリエーションを求めての渡航というものはふえるかと思いますし、そういった人々の運賃に対する負担程度から考えまして、国際は国内に比してより一そう下がる傾向にあるのではなかろうか、かように考えております。
  81. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 国有鉄道部長にお伺いしますけれども、四十八年、五十一年の二回にわたって運賃値上げをやりますということを政府も了承している。これは大体どのくらい上がるか、おおよその目安があったらそれを示していただきたい。そして、たとえば現在運行しております東京−新大阪間の新幹線は、羽田から伊丹ですか、この空港間の航空運賃よりもおそらく高くなる可能性というものもあるのじゃないかと思うわけなんですが、その辺のところのお考えはどうなっておりますか。
  82. 山口真弘

    ○山口説明員 国鉄は全国の至るところの線路を経営しております。東京−大阪のような場合、たとえば新幹線をとってみますと、これは現在非常な収益をあげておりまして、四十三年度でたしか五百億程度の収益をあげております。しかも営業係数で申しまして、収入に対しまして経費はわずか六一%程度でございますから、非常に大きな収益をあげ、この線だけをとってみればこれはまだまだ値下げをしても十分にやっていける線でございます。しかしながら国鉄はそういう線だけでございませんので、全国各地の線区をやっておりまして、その全体の線区を経営していきます上での総合的な収支計算をいたしまして、そして国鉄の経営が成り立つか成り立たないかということの議論をしていただいておるわけでございます。  それで、昨年度財政再建特別措置法を制定いたしまして、その際に旅客運賃の約一〇%というものの値上げをいたしたわけでございますが、その際の御審議の過程におきまして、将来の十年間の構想というものはどうであろうかという御審議がございました。その際に、将来の十年間でさらにもう二回、四十八年並びに五十二年に一〇%程度の旅客運賃の値上げをしなければならないのじゃないかというような趣旨の御質問なり、同時にそういう趣旨の答弁がございました。したがいまして、将来そういったようなことも検討の上現在の再建計画を進めていかなければならぬ、かように考えておるところでございます。
  83. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 ことしの特別会計の予算を見てみますと、一般会計から八十七億程度と、空港使用料収入として六十四億三千二百万円、これはいわゆる着陸料だと思うわけでありますが、着陸料がこの空港使用料、それ以外の使用料というものはないわけだと思うのですが、あれば教えてもらいたいのです。たとえば、現在皆さんの提出した主要機種別着陸料は、六トンとか、機種の重量によって、国際線、国内線の区別によってそれぞれきめられておるわけであります。たしか午前中の質問でこの着陸料の問題、これがことしは六十四億だ。しかし昨年、昭和四十二年ですか、これは三十七億くらいしかなかったという話をちょっと聞いたわけですが、皆さん方から提出された着陸料、たとえば十八トンのフレンドシップ27、これは国際線では八千四百円、国内線で二千百二十円、さらに一番普及している六十九トンのボーイング727、これが四万四千七百六十円、国内線一万四千二百七十五円、こういうように出ているわけですが、これは今度の予算編成にあたって改定した数字なのか、いままでの数字なのか、このところをひとつ明らかにしてください。
  84. 山村新治郎

    山村政府委員 着陸料でございますが、国際線において二割、そして国内線において五割の引き上げを行なったわけでございます。そして内容のこまかいものにつきましては、いま航空局長から御答弁申し上げたいと思います。
  85. 手塚良成

    手塚政府委員 今度の特別会計の歳入項目といたしましては、特定財源としましていま御指摘のございました着陸料等収入というのがございまして、これが主力をなしておりますが、そのほかに土地等の貸し付け料収入というのが三億一千六百万ばかりございます。さらに例の第二種空港等におきまして、地方負担をする負担収入というものが四十五年度約五億八千七百万ばかり予定されております。そのほか公務員宿舎の貸し付け料その他、これはきわめて微々たるものでございますが、そういったその他収入、こういうものが一般会計の繰り入れ額と一緒になりまして歳入というものを構成いたしております。その中の着陸料の御質問でございますが、ただいま政務次官がお答え申し上げましたとおり、御指摘の内容のものは値上げ後の内容でございます。
  86. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 いつごろから値上げですか。
  87. 手塚良成

    手塚政府委員 これはこの会計が通りまして、四月一日からを予定いたしております。
  88. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 このいわば自主財源、ことばは必ずしも適当でないかもしれぬけれども、特別会計の中ではこの着陸料というようなものが本来的な整備財源になるというのが常識的な見方であります。そういうような見方であります。そういうような大部分はこの空港使用料収入、そのうちの大部分というものは着陸料である、こう見ていいわけでありますが、四月から値上げしてこういう数字になるということであります。今度値上げした、特に国際線等において、諸外国たとえばヨーロッパ、アメリカ、こういうようなところと比較してこの着陸料はどういう水準にありますか。割り高なんですか、割り安なんですか、その辺のところをお聞きいたしたい。
  89. 手塚良成

    手塚政府委員 国際線におきましては、従来、値上げ以前の姿というのが、大体におきまして国際的には中ぐらいなところの状態でございました。今度値上げをいたしますことによりまして、相当上位に位することになります。たとえば例で申し上げますと、DC8クラスにおきましては、現在世界で一番高いといわれておりますのがロンドンのヒースローでございまして、ここで約二十二万円程度でございますが、今度の値上げをいたしますことによりまして、約十三万五千円程度になるかと思います。この程度になりますと、ヒースローに次いで西独のフランクフルトあたりがこの程度になりまして、最上位というほどではございませんが、そういう意味で上位ランクの中に入ってくるものと考えます。
  90. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 国内線の場合にはやはり諸外国でも国際線とは若干差をつけているかと思うのでありますが、国内線の着陸料のレベルは、たとえば乗客が満席で乗ったと仮定して、一人当たりどのくらいにつくかというようなことを比較しまして、あるいは平均乗機効率ですか、航空機に乗った効率によって、平均値でもいいんですが、国内線の水準というものはどういうところにありますか。
  91. 手塚良成

    手塚政府委員 国内線の国際的な比較というのはいま手元に資料を持ち合わせておりませんが、たとえば幹線を飛んでおりますところの、あるいは地方主要ローカル線を飛んでおりますところのジェットのボーイング737というものの料金は、現行におきまして八千五百二十五円ということでございますが、これは今度の改定によりますと一万二千四百円、増加率四五・四五%という状態になりまして、これが座席当たりの負担額というのが一〇四・二という姿になると思います。
  92. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 空港整備の必要なことは私ども十分わかっておるつもりであります。しかし、たとえば先ほど引き合いに出しましたように、国鉄に対してはものすごい設備投資がやられてきたということに対して——赤字であることがはっきりした新線建設を終戦後ずっと政府は押しつけてきたわけですが、その利子補給がようやく三億ついたのがおそらく十数年前でございます。三億ついて、それが三億五千万とか三億八千万くらいのところでずっときて、ほかに何もなかった。そういうことで設備の改良なりあるいは路線の複線化なり電化なりというような、国民の足を確保するためにきわめて重要な、しかも国民一人当たりにして年に七十回も利用するものに比べて、片方は、国内線だけをとってみましても、人口から見ましても、激増の一途をたどっているにしてもまだ一千万にも足りない、ことしようやく一千万をこえるかどうかというような、そういう空港整備というものに対して八十七億出ている。これは昨年よりさらに相当額ふやして全体では五十億以上もふえているということにもなるわけであります。いろいろ仕事の性質上、時間というものに制約されて、時間のメリットを十分に享受したいという忙しい人たちが利用することは、情報化社会といわれる時代に情報網と同時に交通網が高速化するということは当然だし、それにふさわしい整備をすることも当然のことです、よくわかります。しかしながらこれを利用する立場にある人というのはまだまだ国民のきわめて少数である。国鉄から見るならばそういう状況にあるし、したがって、この空港使用料というものは国際比較におきましても、国際線、国内線、両者にわたってかなり高位のところに置いても当分はいいのではないかと考えるわけであります。ことし、昭和四十五年度から上げるというやさきにまた次のあれを言うというのは早過ぎるかもしれないけれども、この面の収入というものは、いわゆる受益者負担という考え方によってこれをもっと増強していっていいのではないか、そういうような中から一般会計からの受け入れというようなものはだんだん減らしていくのが当然なことではないか。離着陸の回数も激増するわけでありますから、その収入も相当大幅に上がってくるし、ある程度整備ができたならば、この一般会計からの繰り入れというようなものはほとんどなくなる、使用料だけでもう十分に整備ができるというような時代も来るだろうと思います、が、そういう見通しについては体どういうようにお考えでございましょう。
  93. 山村新治郎

    山村政府委員 これはただいま先生おっしゃられましたように、他の公共事業と比べまして確かに特定一部の人間が利用しておる。ですから、その施設については利用者負担というのが当然じゃないかということでございますが、確かにそのとおりでございます。しかし国鉄と比較いたしますと、国鉄の場合は明治以来基盤というものが確立しておる。そして空港整備というものは近年やっと手がけてきたというような状況でございます。そしてこの空港整備の特別会計、これに一般会計繰り入れを行なっていくのがたてまえじゃないか、先生のおっしゃるとおりでございますが、しかし現段階といたしましては、また国鉄と違いまして安全そのほかの万全を期さなければなりません。特に空港の場合は、一たび事故ということになりますと大事故につながるわけでございます。しかし今後の方向といたしましては、できるだけ利用者の負担の拡大、これをはかっていくように考えていきたいと思っております。
  94. 手塚良成

    手塚政府委員 基本的な考え方といたしましてはいま政務次官が申されたとおりでございます。ただ現状におきまして、やはり現状の航空企業は相当に出費のほうが多うございます。国内の輸送需要は、御体験になられたかとも思いますけれども、われわれの言う利用率という点で考えますと、七〇ないし八〇%という高率を示しておりまして、緊急にさあ乗りたいというときになかなか乗れない。これは公共輸送機関としては機材をふやして乗れるような姿にする必要がある、こういう意味でやはり航空機そのものをまだまだふやしていく必要があるのかと考えます。国際線などにおきましては、特にその量的な面のほかに質的な面がございまして、この質的な面に追随をいたしませんと、国際競争力上置いてけぼりになって、まいってしまう。ジャンボに続きましてはコンコルド、あるいはその次にはアメリカのSSTというような飛行機——SST等になりますと一機百五十億の高価なものを購入せざるを得ない、こういう状態になってくるわけでございます。  また、これらのものを運航いたしますところの乗員の養成費というようなものにつきましても、一部は国で、航空大学校等で基礎的な面をやっておりますけれども、本来的なジェットの技術というものを習得させますのは、これはすべて航空会社の自主性といいますか、自前でやっております。国際線の太平洋を渡りますパイロットが一人前になりますのに、ざっと一人四千万程度の金がかかるような状態でございまして、これがジャンボなりあるいはSSTになりますと、一人当たりのそういった訓練費はまだまだ高額なものになってくると考えます。  そういう意味で、一見非常に利益を享受しておるようではございますけれども、またそういった経費の増が他面に考えられてまいります。しかし、それらを総合勘案いたしまして、やはりできるだけこういった空港の面については受益者負担の観念を入れていくべきであるというふうに考えており、今回の特会におきましては着陸料現行の二割上げます。なおまた、割引料というものを従来設定しておりました。百回以上になりますと四割引きというのをやっておりましたが、これをぐっと減らしまして、三百回をこえる場合に二割引きというようなことにいたしたい。こういたしますと、全体としての値上げ率といいますか受益者負担といいますか、そういったものが国内でもって五割、国際で四割、こういった負担になってまいります。なおまた、この着陸料の値上げは現在のところ三年ごとに、またあと二回は必ず上げようという決意をいたしておる次第でございます。
  95. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 質問をかえますが、空港整備五カ年計画の進捗率が四十四年までで四二%、四十五年度末になって、今度の百八十五億を入れまして六二%くらいになるだろう、残事業が三百五十二億、こういうことであります。四十六年度で五カ年計画が終わるわけでありますが、来年は大体残事業は全部やるという目安でございますか。そういうことで御提案をされるつもりでありますか。どういうようにそこをお考えですか。
  96. 山村新治郎

    山村政府委員 いわゆる第一次五カ年計画でございますが、これは先ほど八木先生のときも話が出たわけでございます。役所のほうの計算にいたしますと、大体七一%相当分が予算措置がなされたというぐあいに考えております。これはあとまた担当官から詳しく内容を御説明いたします。それで、あと残りは四十六年——しかし四十六年で二九%の予算をぶち込まなければならぬということになりますとなかなかむずかしいものがあろうかと思います。そして特に、先日運輸大臣のほうといたしまして、四十六年度を初年度とする新しい五カ年計画をつくったらどうかというようなこともいわれておりますので、それらをあわせて検討しながら、とりあえず私どもとしましては、第一次五カ年計画一千百五十億円、これは確保していきたい。これは運輸省の考えであります。
  97. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 時間がもうないようですからこれ一つで終わりますが、第三種空港地方自治体設置管理者になっておるわけですね。それで、この設置管理者というのはどの程度のことをするのか。その責任というものは——たとえば町あるいは市というようなものが設置管理者になっている。それで、財政力なりあるいは人的配置等において、設置管理者としての責任というものを十分に果たし得る体制にあるのかどうか。たとえば北海道などでは中標津町ですか、こういうようなところに中標津空港があるわけですが、そういうような場合に、空港整備法等で法律上要求される設置管理者としての責任を十二分に果たし得る状況にあるのかどうか、こういう点について若干疑問がありますので、そのほかの事例も同様でありますが、そういう点についてお答えをいただきたいと思います。
  98. 手塚良成

    手塚政府委員 第三種空港のお尋ねでございます。北海道でいま事例をあげられました中標津その他含めまして、全国で二十九空港でございますが、この二十九港につきましては、その設置維持につきまして十分なる措置が行なわれておるというふうに私どもは考えております。人的その他については、各空港ごとに若干の相違はございますけれども、飛行機の離発着に関する安全保障の面については、特に私どもも監督を厳重にいたしております。そういう面で見ますときに、設置維持管理は十分に行なわれておる、かように考えております。
  99. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 これで質問を終わりますが、第一種空港、第二種空港、第三種空港、それぞれ一つ一つ空港に、数も第一種二、第二種が十七、第三種が二十九というくらいでありますから、そこの発着回数及び着陸料がどのくらいあるか、主として発着する機種を上位からずっとあげてもらう、そういうような一覧表を資料として本委員会提出していただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  100. 手塚良成

    手塚政府委員 御要求の資料につきましては、後刻提出いたします。
  101. 毛利松平

    毛利委員長 二見君。
  102. 二見伸明

    ○二見委員 空港整備特別会計法案について、若干御質問したいと思います。  この法案のバックグラウンドにあるのは、航空輸送の需要増大という近年の社会情勢だろうと思います。そうして運輸省といたしましては、そういう情勢に対処するために空港整備五カ年計画をおつくりになったのだろうと思うのです。これは四十二年三月に閣議了解、四十四年三月に閣議決定、こういうことになっておりますね。非常に基本的なことになりますけれども、閣議了解と閣議決定とどういうふうに違うのか、御説明を願いたいのです。
  103. 手塚良成

    手塚政府委員 両方の場合において内容的には変わりございませんが、決定時に至りましては、個々の空港におきましてその内容あるいは必要経費、そういったものがより具体化された時期でございます。
  104. 二見伸明

    ○二見委員 了解ということばと決定ということばを見ますと、了解というのはわかったということなんですね。決定というのは、このとおり、きまったとおりやろうというのが私は決定だろうと思う。四十二年三月に五カ年計画が閣議了解されたということは、運輸省でそういう計画を持っていることはわかったよという程度なのか、あるいは実質的には決定と同じだけの力が了解にはあるのかどうか。ここら辺はどうですか。
  105. 山村新治郎

    山村政府委員 実質的にはいわゆる五カ年計画の予算がついたようでございます。内容は航空局長から説明いたします。
  106. 二見伸明

    ○二見委員 そういたしますと、四十四年三月に千百五十億円というふうにきまりました。これは、四十二年三月の段階で千百五十億円という大ワクがきまっていたのかどうか。その辺はいかがでしょうか。
  107. 手塚良成

    手塚政府委員 大ワクはきまっておりました。
  108. 二見伸明

    ○二見委員 午前中にもこれは質疑がありまして、五カ年計画が実質的には四十五年度の見込みを入れて進捗状況は五五%にきりならないじゃないか。残りの一年でもって四五%できるのかというような質問があったように記憶しておりますけれども、もし千百五十億円という大ワクが四十二年の段階できまっていたならば、五カ年計画であればそれに見合った予算措置が当然私はとられてよかったのじゃないだろうかと思うわけです。それが実際にはそうではなかった。これは運輸省のほうにしてみれば、いや要求はしたのだけれども大蔵省のほうで認めてくれなかったのだ。あるいはそういうこともあるかもしれませんけれども、どうしていままでの間に——確かに航空輸送はこのままでいけばパンクするのはわかっておりますし、そのために五カ年計画を立てて、どんなことをしてでもやろうと決意も新たにして、四十二年四月一日から出発したのじゃないかと思う。であるならば、私は、いままで当然予算措置はとってきてしかるべきであって、この段階に来て、空港整備がおくれているので航空機の大型化に対処できるかどうか心配であるという段階に来て——私は、いままでのことは繰り言になってしまうかもしれぬが、そういう点は反省していただきたい。どうしてそういう状況になったのか、説明していただきたいと思います。
  109. 山村新治郎

    山村政府委員 先生の言われるのはごもっともでございます。しかし、数字のほうから申しますと、実はこのお役所のほうの数字で申しますと、七一%相当分の予算措置がなされた。これはいま内容は詳しく御説明申し上げます。しかしそれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますが、二九%残っておって、それを四十六年度において全額確保という線で、いわゆる五カ年計画の千百五十億、この完遂を目ざして運輸省としてはやってまいるつもりでございます。
  110. 手塚良成

    手塚政府委員 千百五十億につきましては、その中にいわゆる調整項目ということで、具体的にどの空港をどうするということのめどのない金額、あるいは地方で単独事業というようなことでやります金額、こういうものが含まれて、合計で千百五十億という計画額になっておるわけでございます。具体的にめどのついておる各空港別の整備及び維持、そういった経費だけをとりましてその進捗率を検討いたしますと、先ほど政務次官が申しましたように、今度の四十五年度の予算を入れますと、その到達率は六二%になるかと考えられます。これは四十五年までの計画でいきますと、七〇%が計画でございますので、先生御指摘の約八%はやはりおくれておるという事実は間違いございません。これをあと一年、残りました四十六年中にできるだけ目標に到達するよう努力をいたしたいと考えます。
  111. 二見伸明

    ○二見委員 中川政務次官にお尋ねしたいのですけれども、実は政府としては空港整備五カ年計画ばかりじゃなくて、たとえば住宅建設に関する長期計画だとか、道路整備に関する長期計画だとか、いろいろな長期計画を各省が中心となっておつくりになるわけです。そして閣議了解あるいは閣議決定してくるわけです。国民というのは、政府がそういう長期計画を出しますと、これで住宅の長期計画ができれば、住宅困窮者にとってみれば、あと十年もすれば自分の家に入れるのじゃないかという淡い希望を抱くわけです。そして将来に思いをはせるわけです。ところが、実際に進捗してくる段階になってくると、なかなか予算のほうがつかないで、希望があわと消えてしまっているのがいままでのいろいろなケースから見て実情じゃないかと思います。そしてこの空港整備五カ年計画も、私はやはり一つの同じような傾向にあるのじゃないかと思うわけです。現在の場合ですと、予算編成の実権というのは大蔵省が握っているわけでありますから——もちろん予算は単年度主義で、五カ年計画だからといって五年全部一ぺんに金をかけるわけにいきませんし、それはいろいろ制度上問題があると思いますけれども、これからの予算編成の姿勢として、そういう長期計画には政府としてもきちんと大ワクをきめて、たとえば一兆円なら一兆円、空港整備に千百五十億円なら千百五十億円、これで一つの計画がきまったならば、何とかその範囲内で努力していこうという、そういう前向きの政策をとっていかなければ、どんな計画を立てても画餅に帰してしまうのではないか。いま山村政務次官のほうから、残りの二九%に関しては何とか四十六年度でがんばりたい、こういう力強いおことばでございますので、お金を出すほうの政務次官としてはいかがでございましょうか。
  112. 中川一郎

    中川政府委員 ただいまの御主張は、私どももそのとおりだと思います。せっかく政府が閣議決定、閣議了解ということでやった以上は、責任をもってそれに到達するように努力すべきことは当然でありますが、ただ、いまお話にもありましたように、計画はあくまでも計画でございます。そのときにきめたことがそのまま行なわれるのであれば、これは単年度の予算審議は要らない。努力目標としてこれに近づけるように政府も最善の努力をする。特に大蔵省がこれを尊重してまいらなければならぬ姿勢は当然であろうと思います。しかし、この計画ができたことによって、四十四年度で七〇%、来年がんばることによって八五、六%から約九〇%に近いものが、できれば一〇〇%の努力をするということで、従来の予算のつきから見るとかなり伸びたのではないか。特に特別会計をつくりました関係上前年に比べて四一・七%の伸びとなるわけであります。一般的な公共投資が一八%程度伸びるのに対して——国の財政規模額で約一八%ですが、伸びるのに対して、空港だけが四一・七%伸びたというのも、この計画があったからでありまして、そういう意味では、この計画というものもかなり意義があったのではないかというふうに思っております。しかし、御指摘の点はわれわれ、もっともっと努力しなければいかぬところでありますので、十分御意見として拝聴してまいりたいと存じます。
  113. 二見伸明

    ○二見委員 時間もありませんので、この点ははしょりますけれども、ただ、空港整備五カ年計画は計画どおりいっていない、これは事実じゃないかと思います。午前中にも政務次官はたしか、さらに新しい計画を立てなければならない、検討しておるというお話でございました。それは当然に新五カ年計画あるいは新七カ年計画、新十カ年計画というものをお考えになっているのだろうと思いますけれども、大体いつごろこれを出せるのか。四十五年度中に出せるのか、あるいは四十六年度の事業が終わらなければ出せないものなのか、その点をもし差しつかえなかったならば明らかにしてもらいたいと思います。
  114. 山村新治郎

    山村政府委員 先ほどの新五カ年計画の問題でございますが、これは運輸大臣が、激増する航空交通需要にかんがみて、四十六年度これを終わらせることなく、四十六年度からも新しいものとしてつくらなければならないのじゃないか、ひとつ研究してみろということでございますので、まだいつどうということをお答えできないのは残念でございます。
  115. 二見伸明

    ○二見委員 ところで、航空局長にお尋ねしますけれども、非常に航空輸送が発達いたしまして、その結果非常に問題となってきたのが異常接近——日本でも何か一例あったようでございますが、その異常接近に対して、これは去年の暮れの十二月十二日の読売新聞の記事ですけれども、十二月十一日に「全国の主要ターミナル空域を特別管制空域に指定、大型機と小型機の飛行空域を、速度に応じて分離する階段式管制方式を採用、来年早々実施する方針を決めた。」こういう記事が出ておるわけでありますけれども、階段式管制方式を採用した、いわば特別管制空域ですね、それに指定された空域はどことどこなのか。そして現在羽田とか大阪であるならば、将来、たとえば四十五年中にはここまで拡張してそういう特別管制空域を拡大したい、あるいは四十六年にはここいら辺まで持っていきたい、こういうような御構想があるのかどうか、その点お伺いしておきます。
  116. 手塚良成

    手塚政府委員 特別管制空域につきましては、安全性の観点から非常に重要な施策の一つと考えております。昨年中におきまして、東京、大阪両国際空港、これにつきましては従来設置はいたしておりましたが、さらにこれを拡張いたしております。今年中新たにやりたいと考えておりますのは名古屋、宮崎鹿児島空港でございます。そのほかに防衛庁関係飛行場といたしまして千歳を考えておりますし、米空軍にこれをお願いしなければならないことで、大体話は事務的に進んでおりますが、横田、板付、三沢というところにこの特別管制空域を設定したいと考えております。  以上申し上げましたのは、特別管制空域の中でいわゆる飛行場周辺のターミナル空域に関するものでございまして、それ以外にエンルート、要するに空港空港の間をつなぐルートにつきましてもそういったものを設定する考えでございまして、具体的には東京と福岡、東京と鹿児島、東京と札幌、こういった各ルートにつきまして今年中に設定をいたしたい、かように考えております。
  117. 二見伸明

    ○二見委員 それから異常接近防止分科会というのがあるのですが、それが安全規則をきめた。一つは二万フィート以上での有視界飛行の禁止、それから米軍、自衛隊機の訓練空域ですね、羽田、大阪、千歳、三沢、横田、百里、浜松、岩国、高松等々の周辺では一般からは分離する、それから小型機にも二次レーダーを積ませて計器飛行をさせる、こういう安全規則がきまっているそうですけれども、まず小型機には二次レーダーを積ませるというこの防止会議の安全規則の決定、これはすでに実施はされているのでしょうか。それともこれから実施しなければならない、あるいは方向としてそういうことが考えられるということなのか、その点はいかがでしょうか。
  118. 手塚良成

    手塚政府委員 結論的に申し上げますと、小型機につきましての二次レーダー、トランスポンダーの搭載を考えていく方向で指導をしたい、こういうことでございます。これは先生も御承知かと思いますが、小型機では機内の容積が非常に狭いあるいは重量制限がいろいろございますので、どの飛行機にもというわけにはまいりません。しかし、できるだけこういうのを載せて、自分の飛行機はもちろん、または他の飛行機との接触等に関するコントロールを受けやすいようにする、これは安全性向上上非常に必要でございますので、できるだけそういう方向で指導していきたい、かような考えでございます。
  119. 二見伸明

    ○二見委員 そうすると、まだ小型機には二次レーダーを積ませる段階に来てないわけですね。実際に二次レーダーを積ませる段階に来てなくて、これからそういう方向で指導していくという、これからの将来の問題なんですね。まだやっているわけじゃないのですね。
  120. 手塚良成

    手塚政府委員 これは確定的な数字はここでちょっと持ち合わせておりませんが、すでに積んでおるものも現実にございます。それからまた積もうとしているものももちろんございます。
  121. 二見伸明

    ○二見委員 話は変わりますけれども、きのうジャンボが来たわけです。大ぜいの観客が見に行って、けさの新聞ニュースをにぎわしております。予想されたほど騒音も激しくない、着陸も教科書どおりに非常に模範的な着陸であると、けさの新聞ではなかなか好評です。見てきた人も、非常に感激した人もおるようですが、ただジャンボという飛行機そのものの安全性、これははたして現段階で一〇〇%だと、こういえるのかどうか。  というのは、たとえば、これは聞いた話ですからどこまでほんとうかわかりませんけれども、ソ連あたりでは、客を乗せるまでの間に三年間ぐらいは飛ばせる、それから安全性を確かめた上で客を乗せるのだ、こういう話も聞いております。ところがジャンボの場合はそうじゃなくて、たしか六六年に計画がきまって六九年にでき上がった。いままでの飛行機ができ上がるよりも異常な早さでもってジャンボはでき上がっているわけです。それはいままでいろいろな飛行機をつくってきたいろいろな技術の蓄積がありますから、それでだいじょうぶだといわれればそれまでなんです。何しろ三百何十人というたくさんの乗客を乗せて、しかもこれからジャンボはおそらく航空界の花形になっていくだろうと思いますので、そういう点を考えて安全性の面から考えたらこれはどうなんでしょう。
  122. 手塚良成

    手塚政府委員 ジャンボジェット機は現用しておりますジェット旅客機を大型化したもので、乗客最大四百九十ということになっておりますが、これは現在の707あたりの大型化でございまして、強度、構造、性能等につきまして、設計及び生産技術上、現用機と本質的に異なるものではないというふうにいわれております。また現用機によりまして運航経験を十分取り入れて設計をされておりますので、その安全性は現用機と同等と考えられております。
  123. 二見伸明

    ○二見委員 それからジャンボの第一番機ですね、これは一月二十二日にケネディ空港からロンドンに飛んだボーイング747ですが、これについては、朝日新聞の記事によりますと、一月十三日にエンジンに空気を送るバルブの欠陥からエンジンが過熱した。一月二十一日にエンジンスタート後、コンプレッサー内に入る空気が失速状態になりエンジンが過熱し、エンジンを交換して七時間おくれで出発した。それから二月九日には百四十五人の客を乗せてロンドンを出発して間もなく、エンジンの燃料圧力が異常に上がったため、初めて空中でエンジン一基をストップさせ、ロンドンに引き返す騒ぎを起こした。こういうようなニュースがあるわけです。これが試運転の段階ならば、いろいろと飛ばせながらこういう欠陥もある、ああいう欠陥もあるで直していけばいいのですけれども、そうではなくて、これは実際に営業用として使っている段階です。使っている段階でというよりも、最初にこういう事故が起こってきている。こういう点から考えて、それでもなお現在の一般化された航空機と同じように、あるいはそれ以上に安全なんだ、こういうように断言できるわけでしょうか。
  124. 手塚良成

    手塚政府委員 御指摘のとおり、最初の就航当時にそういったエンジンの二、三の故障、クレームが起こっております。これはいずれもタクシーウエーをタクシー中に起こっておる状態でございます。エンジンケースの剛性の不足というような言い方で原因を理由づけられております。これはえてして初めのときに起こることでございまして、安全上問題ではございますけれども、そういう程度の、われわれでいうスコワークということでありまして、これは現用機におきましても間々あることでございます。この起こりましたスコワークにつきましては、直ちに剛性を増す改修が行なわれております。このエンジンの故障につきましてはそういった改良が加えられ、今後もなお多くいろいろな改良が加えられていくと思いますが、そういうことによってより以上の安全性を増していく、かように考えております。
  125. 二見伸明

    ○二見委員 けちをつけるようで申しわけないのですけれども、航空機というのは、就航後大体三年間ぐらいの事故と、それ以後の三年間の事故というのが非常に事故の率が違う。初めて就航した三年間の事故よりもその後三年の事故が二倍も三倍も多い、こういうデータもあるわけです。ですからそういう実情も考えて、日航でも七月から採用するそうですけれども、神経を使って、幾ら使い過ぎてもこれだけは使い過ぎることはないと思いますけれども、そういう点を考えても、やはり安全だ、安心してお客さんに乗っていただいてもだいじょうぶだ、こういうふうに断言してもよろしい、こういうわけでございますか。
  126. 手塚良成

    手塚政府委員 この飛行機が計画されて現在に至りますまでには、足かけ四年程度かかって現用機になったわけでございますし、また、アメリカ連邦航空局の非常に厳重な型式証明その他証明を受けまして、一応合格になっておる。日本航空も現在九機注文をし、今年中に三機入ってまいることになっておりますが、私どものほうの検査官もすでにボーイング社に参りまして、製造過程中から、そういった安全性の内容を十分監視をしながら進めておるわけでございます。機体そのものにつきましては、ただいま申し上げました従来の707の大型化ということで、エンジンそのものについて初航当時ただいまのような問題も起こりましたけれども、全般的に見まして安全であり、かつ、申しおくれましたが、日航機につきましては、先ほどの剛性不足は改良されたものになるということにもなっておりますので、安全であるというふうに考えて進めていきたいというふうに考えております。  しかしながら、四月に一番機が日航は入手いたします。入手いたしまして、いろいろ訓練を兼ねて試験をやります。また、パンは、いま毎日一便でございますが、ずっと太平洋を飛んでおりますので、こういった実物につきまして、その後の実績、成績等は十分よく見まして、ほんとうの安全性の確認が得られて、七月からの運航開始を始めたい、そのような計画を考えております。
  127. 二見伸明

    ○二見委員 国際線はこれからジャンボ時代に入ることは、もう火を見るよりも私は明らかだと思います。ただ、ジャンボが羽田におりてくるのは、大体五時以降が時間的に多いと聞いております。そのジャンボが週に一便か二便である間はいいのですけれども、日航が加わって週に十六便だ、十七便だというふうになると、非常に混雑もするし、たいへんになるわけです。それで、ジャンボが羽田に着陸するのをいろいろ調整するのは、おそらく日本だけでもってそういう離着陸のスケジュールは立てられないのじゃないだろうか。こういう点から、むしろこの際は国際的に離着陸のスケジュールを立てたらどうか、こういう意見もあるわけですけれども、航空当局としてはいかがでしょうか。
  128. 手塚良成

    手塚政府委員 ただいまパンが一便、ジャンボを運航しておりまして、その時間帯は、昨日はおくれましたけれども、正規でいきますと五時に着きまして十時半に出発をするということになっております。これは、先ほどの安全性の観点もございますけれども、実はこの夜の十時という出発時刻前後は、それ以外の飛行機も非常に混み合う時間帯になっております。羽田の現在の滑走路の離着陸容量からいたしますと、この混み合う時間帯にさらにジャンボが入るということは、必ずしも適当ではない。特にCIQ関係等におきましては非常な混雑も予想されます。そこで、今後この便数がふえていきます場合に、この時間帯がはたしていいかどうか。われわれとしましては、むしろ昼間のあいた時間帯というものにこれを突っ込んではどうか。現在、このジャンボの入りますことも兼ねまして、この時間帯の調整ということを、外国機も含めて羽田全体の調整をやっております。その中の一環でいまの問題をさらに検討しながら進めていきたい、かように考えております。
  129. 二見伸明

    ○二見委員 ちょっといまの御答弁を確認いたしますけれども、時間帯の調整をしている。ただ、時間帯の調整も、おそらく日本サイドだけでは調整し切れない問題があると、私はこう思います。それで、いまの御答弁は、日本サイドだけの調整ではなくて、国際的な立場でもってそういう時間帯も調整していこう、たとえばアメリカだとかイギリスだとか、そういうところともよく連携もとって調整していこう、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
  130. 手塚良成

    手塚政府委員 そのとおりでございます。
  131. 二見伸明

    ○二見委員 それから、ジャンボが入りますと、今度は羽田の中のいろいろな事務上の問題、入管手続とかの問題になります。そういうほうの問題になりますけれども、もし数字が間違っていたならば御訂正願いたいのですが、入管のブースは現在十六が二十六になる。税関の検査台が二十一が三十一、ターンテーブルが三台が六台、こういうふうに四十五年度予算でふえる。しかし人員はふえない、こう聞いておりますけれども、これはこのとおりでよろしいでしょうか。
  132. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 ただいまちょっと数字を調べておりますので、後ほどお答えいたします。
  133. 二見伸明

    ○二見委員 じゃ、その問題はあとでお答えくださってけっこうです。  このあと竹本先生の質問が残っておりますので、もう一本、国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案、これについて一点だけお尋ねします。  移転料は今度は引き上げになったわけですけれども、この移転料というのは、いわばわれわれが下世話にいう引っ越し料、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
  134. 橋口收

    ○橋口政府委員 移転料と申しますのは、公務員が赴任をいたします場合に、家財を取りまとめて移動をいたすわけでございます。そのために必要な経費といたしましては、鉄道運賃もございますし、荷物の梱包料、それに必要な人夫賃、戸口から戸口と申しますか、戸口から鉄道の駅まで、鉄道の駅から戸口まで、一切の経費を含んでいるわけでございます。
  135. 二見伸明

    ○二見委員 今度改正されることになると、たとえば六等級以下の職務にある者、それから、鉄道五十キロ以上百キロ未満のところは三万二千七百円、こういうふうに改正されるわけです。五等級の者は三万七千六百円。この算定は、どうして三万二千七百円ということが出たのか。というのは、時間がありませんのでまとめて言いますけれども、実際の引っ越し料は三万二千円や三万七千円ではおさまらない。国家公務員の場合は、民間のいわゆるサラリーマンよりも給与水準は低い。民間の大手のサラリーマンよりは決して高くないと私は思います。ということは、それだけおそらく貯金も少ないだろうし、引っ越しするということはこれはたいへんなことだろうと思う。たいてい十万円くらい引っ越し料はかかる。三万七千幾らかの移転料、これは非常に——ぜにをもらうことは別に私は悪いとは言いませんけれども、たとえば十万円かかるとすれば残りの六万円は自分持ちということです。給料が安い上に転勤させられて貯金を六万円なり七万円引き出すとなったならば、私は、転勤させられる者にとってはこんな過酷なことはないんじゃないかと思います。したがいまして、どういうわけで、たとえば六等級の職務にある者が三万二千七百円、いわば実情に合わない数字が移転料として計上されてきたのか、その点を最後にお尋ねして私の質問を終わりたいと思います。
  136. 橋口收

    ○橋口政府委員 移転料につきましては、昭和四十一年に引き上げのための改正をいたしておるわけでございますが、その後物価の上昇等もございますので、昨年の春に、実際に転勤いたしました公務員についての実態調査をいたしたわけでございます。その結果によりますと、近距離のものと遠距離のものを比べますと、ただいま御指摘がございましたように、近い距離のものについてややきついという調査結果が出ております。したがいまして、今回の改正におきましては、近距離のものにつきましては引き上げの幅を高くいたしております。大体三五%程度の引き上げにいたしております。遠距離のものにつきましては不足額がそれほど大きく出ておりませんので、平均しまして二五%程度の引き上げにいたしております。  さらに、引き上げの内容を申し上げますと、実態調査の結果で申しますと大体二〇ないし三〇%程度の不足が出ておるわけでございますが、さらにそれ以後における通運料金の値上げ等も加味いたしまして、平均いたしまして二五ないし三五%の引き上げをいたしたわけでございます。  さらに、現在の規定によりますと、七等級と六等級に格差を設けておるわけでございます。しかしながら、生活の実態等から申しまして、七等級と六等級の間にはそう大きな差はないわけでございますので、今回は七等級を六等級に切り上げをいたしたわけでございます。そういう点につきましての配慮をいたしたつもりであります。
  137. 毛利松平

    毛利委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  138. 毛利松平

    毛利委員長 速記を始めて。竹本孫一君。
  139. 竹本孫一

    竹本委員 空港整備特別会計法案政府提出するねらいというものは、これから需要がますますふえてくる航空輸送に対して、空港整備する大いに積極的な姿勢とかまえを見せよう、こういうことであろうと思うのであります。  そこで、橋本さんが運輸大臣で、あるときに運輸委員会においてこういうことを言いました。数十年先を見越した超大型空港にしなければならぬというようなことを言ったことがある。数十年先は別といたしまして、まず第一に伺いたいことは、これから日本の貨物、旅客の航空輸送需要は、十年先にはいまの何倍くらいになるだろうかという想定を持っておられるかどうか、この点をお伺いいたします。
  140. 山村新治郎

    山村政府委員 十年先というのはまだ数字が出ておりませんが、昭和五十年度ということで申し上げますと、昭和五十年度の場合ですといわゆる四十三年度の大体三・九倍に当たる八百二十万人、年間平均伸び率二二%、これは国際線でございます。そうして国内線につきましては四・二倍の三千五百五十万人、年平均伸び率二三%と見通されております。
  141. 竹本孫一

    竹本委員 実際の経済が一七%くらいは伸びていこうというようなときに、航空需要が二二%とか二三%でははなはだ少な過ぎると思いますが、どうですか。
  142. 手塚良成

    手塚政府委員 航空輸送需要の見方というものはいろいろな要素がございまして、特に技術革新と航空に対しまする需要選好等々、あるいはまた運賃との関係その他におきましても、非常に確定がむずかしゅうございます。ただいま政務次官が申し上げましたのは、そういった内容を一応予測をして考慮をいたしたものでございます。  なお、十年先という御質問がございましたが、昭和六十年あたりまでも私どもとしては一応考えられるものは考えてみております。ただ、これがどの程度の確率かははっきり申し上げかねますけれども、たとえば国際線では四千万という人員、国内では約一億二千万というような数字などをいま検討をいたしております。
  143. 竹本孫一

    竹本委員 そこで二つお伺いしたいのだけれども、まあ数字というものはなかなか当たらないものだし、政府のほうは特に当たらないから、その問題はあまり議論しようとは思わないが、そういう五年先、十年先あるいは昭和六十年の見通しといったようなものが今度の新経済社会発展計画の中にはどういう角度で、どういうふうに織り込まれておるかどうか、その点を伺います。
  144. 手塚良成

    手塚政府委員 私どもの聞き及びますところでは、まだそういった数字を具体的に織り込んでいるという段階まで至っていないというふうに聞いております。
  145. 竹本孫一

    竹本委員 空港整備特別会計もつくろう、これから四倍にも五倍にもなろうというときに、これから先は航空輸送というものは一つの花形になり中心になるだろうと思うのだけれども、大体いまでも日本の経済計画の中で流通部門、輸送部門といったようなものがあまり考慮されていないというところが一番大きな欠陥だと思うのですね。かつてソ連の五カ年計画を、共産主義に頭から反対だという感情論をやるような人が一番言ったことは、ソ連の経済計画の中では輸送部門、流通部門というものがほとんど考慮に入っていない、ドイツ人が、ニッカボッカの本に書いてありましたけれども、五カ年計画で鳥は何倍の小鳥になったかと聞いたら、ソ連が大いに自慢をして、もう三倍に大きくなったと言った。鳥かごは何倍になったかと聞いたら、それはもとのままだと言ったというエピソードを書いておる。これは要するにソ連の五カ年計画というものが流通部門を無視した矛盾を皮肉を言って書いた本です。ところが日本の経済は、最近の、ことに五カ年計画だとか毎々発表されるいろいろの計画を見ておると特にそういう感じを深くしまして、流通部門に対する配慮、考慮が足らなさ過ぎると思う。ところがいま空港整備特別会計を出そうというときに、そして大いに空港整備は積極的姿勢を示すために、こういう会計も新しくつくろうという、そういうかまえをしておきながら、そして一応の見通しの数字は、どこまで正確かは一応別としても持っておられる、そういうようなものが今度の経済社会発展計画の中にはむしろ積極的に織り込まれなければならぬと思うが、そういう考慮は全然なさそうな御答弁だけれども、そんなことでいいのかどうか。そういうことをあまり考えもしないで、ただ空港整備特別会計だけを通せばよろしいのだということはあまりにも事務的に過ぎると思うが、政務次官のお考えはいかがでありますか。
  146. 山村新治郎

    山村政府委員 先生のおっしゃられるのはもっともでありますが、現在のころ運輸政策懇談会に将来の総合交通体系における航空の位置づけということで、わが国の航空輸送の将来のビジョンの検討をお願いしておりまして、これが五、六月ごろ結論が出る、そしてそれから早急にこちらではいろいろなものを出していきたいと思いますが、何しろおくれておることは申しわけないと思います。
  147. 竹本孫一

    竹本委員 それでは経済社会発展計画とは、この考え方は、空港整備、そういったような問題はあくまでも平行線で、極端にいえば無関係にいくつもりであるのか、あるいは織り込んで一緒にいかなければならぬとするならば、いつどういう形で織り込ませるつもりであるか、その点……。
  148. 手塚良成

    手塚政府委員 経済社会発展計画は、経済企画庁におかれていま改定作業を行なっておられると聞いておりますが、その改定に基づきまして、私どものほうは昭和五十年度を目標年度とする空港整備長期計画を策定する、そういうスケジュールでまいっております。すでにその着手といたしまして、先ほど政務次官の申しましたように、部内に学識経験者をまじえました委員会を置きまして、現在検討いたしておる最中でございます。
  149. 竹本孫一

    竹本委員 「基づきまして」というのは、どちらがどちらに基づくのですか。
  150. 手塚良成

    手塚政府委員 経済社会発展計画に基づきまして、空港整備計画を作成する、こういうことであります。
  151. 竹本孫一

    竹本委員 それだけでは、空港整備とか航空輸送とかいう問題の重要性を考えると、ぼくはだめだと思うのです。むしろこちらで、五十年にはこのくらいの航空輸送があるだろう、空港はこれだけ整備をしなければならぬ、だから整備事業は特別会計をつくらなければならぬ、こういうかまえでいま法案を出しているのでしょう。それならば、それだけ重要なものをこちらのほうからむしろ働きかけて、経済社会発展計画の中に織り込ませる、むしろ航空局が考えておられる計画なり見通しに基づいて、向こうのほうが経済社会発展計画を練り上げるという形でなければぼくは順序が逆だと思うが、政務次官どうですか。
  152. 手塚良成

    手塚政府委員 先生のおっしゃいますように、両々相まちながら、両作業が行なわれるものであろうと考えます。基本的な交通のあり方、こういったものについては、現在発展計画の中にも織り込みながら進められておると考えております。ただ、今回の特別会計の設置につきましては、従来昭和四十二年から進めております空港整備五カ年計画というのがございまして、いまその五カ年計画の推進中であるわけでございます。これも先ほど来のお話で、相当おくれております。これは大いに今回の会計で進めるということと、同時に四十六年がその最後の五年になっておりますので、ただいま申し上げましたようなスケジュールで次の五カ年計画を計画していきたい、かように考えておる次第でございます。
  153. 竹本孫一

    竹本委員 議論はこれ以上いたしませんけれども、非常に立ちおくれていることと、それから同時に、むしろ輸送という問題がこれからの経済計画の中心にならなければならぬという重要性から考えてみると、こちらに基づいて向こうをつくってもらうのだということでなければ話にならぬという点だけは御理解をいただいたと思いますが、ひとつそういう前向きな姿勢で、これは取り組んでもらいたい。両々相まってなんというわけのわからぬことばでは話にならぬ。やはりこちらの計画が先ですよ。そうしてそれを経済社会発展計画の中に織り込まして、これをむしろ軸としなければ輸送の問題は解決しないと私は思いますから、この点は強く希望を申し上げておくにとどめます。  そこで、昭和五十年ごろに、あるいは十年先になった場合に、いまある五十八とか五十六とかいっておる空港がどのくらいにふえるだろうかということについての見通しは一体どういうふうになっておりますか。
  154. 手塚良成

    手塚政府委員 空港の数自身につきましては、いまいろいろ御鞭撻をいただきましたような意味での長期の計画を作成いたします過程において、だんだんきまってまいるかと思います。ただ、いま確実に申し上げられますことは、関東地域におきましては国際空港として現状の羽田一つでは足りませんので、御承知の成田に新国際空港をつくろうということで、鋭意努力をいたしておるわけでございます。関西におきまして、現在の伊丹の空港も、五十年前後におきましては、いまの需要予測から見ますと、これ一つでは足りないということで、昨年から行なっておりますが、四十五年にはこれをひとつ大々的に調査をして、関西新国際空港の位置をきめて、新しくもう一つ国際空港設置したい、かような考え方のものはいま確定的にきめております。
  155. 竹本孫一

    竹本委員 成田や伊丹の問題はまたあとで聞くとしまして、大体の見通しで、たとえばこの間、私あまり注意して読まなかったのだけれども、都留重人教授たちがやっている委員会で、二十くら・い少なくとも足りないのだというようなことを言ったような記憶があるんですけれども、正確ではありません。いまの航空輸送需要を考えた場合に、五十年ごろには——いろいろそれぞれの地域における能力もありますから正確にはなかなか言えないと思うけれども、大衆的にわかりやすくいえば、当面五十六が昭和五十年には幾つくらいにならなければならないだろうかという点について、もっと大衆わかりするように……。
  156. 手塚良成

    手塚政府委員 航空輸送需要なりあるいはそれに伴います飛行機の技術革新、こういうものの激増に対処します空港は必ずしも数の問題だけではないのでございまして、一つ空港におきまして滑走路を増設する、あるいは滑走路を延長して従来のものより大型機の離発着が可能にする、こういうことによりまして輸送力の増強は可能になっていくわけでございます。したがいまして、数だけでどうこうということを申し上げるのもいかがかと考えるわけでございますし、かたがた先ほど申し上げましたように、長期計画自体についていま検討中でございますので、数の具体的なものを申し上げかねますのをたいへん残念に思います。
  157. 竹本孫一

    竹本委員 数の問題ではないということはわかっておるけれども、数も問題なんです。それでただ一般的に、昭和五十年になればいまの五十六の空港が幾つになるか、途中の説明は要らないから、どのくらいの考えでおられるか、そこだけ聞いている。
  158. 手塚良成

    手塚政府委員 いまはまだ具体的にきまっておりません。
  159. 竹本孫一

    竹本委員 政務次官にお伺いするが、空港整備という、その空港を幾つつくるか全然わからないで、特別会計だけ急ぐ理由は何ですか。
  160. 山村新治郎

    山村政府委員 ただいままでの第一次の五カ年計画、これをまず完遂したいと思います。それと同時にまた、いわゆる空港につきましては、特にこれはいわゆる一般の公共事業と違いまして、利用者というのが特定の人間である。そこでいわゆる利用者が、受益者がいわゆる空港建設そのほかを負担したらいいじゃないかという声が大きくなっております。そこで一般会計からの繰り入れというものをできるだけ少なくする意味からも、公共事業ということで、着陸料、そのほか大幅な値上げということでこれを行なっていきたい、そういうぐあいに考えております。
  161. 竹本孫一

    竹本委員 まことに残念だけれども、いまの答弁ではさっぱりわかりません。空港整備特別会計をつくって金の出し入れを便利にしょう、借り入れ金も必要ならやれるようにしよう、そういうことでしょう。その入れものに金を入れて大いにやりやすくしうということだけれども、やりやすくした結果、空港は幾つくらいつくる見通しですかと聞いているんですから、それに答弁なければ、こんなもの意味なさぬじゃないですか。
  162. 山村新治郎

    山村政府委員 先ほど航空局長が申したとおりでございまして、事務局のほうでこの数がわからないのが私にわかるわけはありません。
  163. 竹本孫一

    竹本委員 事務局もわからぬ、政務次官もわからぬが、何となく特別会計はつくっておいたほうがよかろうというような程度で、重大な大蔵委員会の貴重な時間をさくことはぼくは反対です。
  164. 手塚良成

    手塚政府委員 今回空港整備特別会計の設置をお願いいたしておりますのは、もちろん先ほど来申し上げておりますように、航空機の大型化、利用客の激増というものに対しまして、空港の施設の拡充整備というようなことを行なうという目的であることは、先生の御指摘のとおりでございますが、さらにこの中には、受益者負担という観念が従来非常に欠けておりますので、そういった面を中に織り込むことによりまして、従来の五カ年計画をとにかく強力に推進をいたしたい、こういう二つの意味でお願いを申し上げておるわけでございます。  今後新しい空港をどういうふうに考えていくかということについて、具体的な数という点につきましては、先ほど来申し上げております今後の五カ年計画の確定にまちたいと思うわけでございますが、考え方の基本といたしましては、新規のものについては、現在既設空港の容量が不足をいたしまして新空港設置がどうしても必要であるという考えの場合、それから機材の大型化というようなことのために滑走路の延長をやろうというような場合に、空港周辺の都市化等によりましてどうしても移転をしなければそういうことができないというような場合のアロケーション、あるいは将来大いに発達するであろうと思われます小型機、この小型機用の飛行場というのが大都市圏の周辺において特に必要になろうかと思われますが、こういった小型機用の飛行場、あるいは離島におきまして民生安定をはかるための空港設置が必要になろうかと思いますが、そういった意味の離島における空港、こういったものを将来新規に考える空港考え方、というふうに考えております。
  165. 竹本孫一

    竹本委員 これは全くどうもお話にならぬと思うのですが、もう一ぺん言いますが、昭和五十年における日本経済に大きなビジョンを持ち、構想を描きながら、政府政府なりにいま努力をしておられるわけだ。それが経済社会発展計画。その中に、輸送の重要性にかんがみまして、むしろ積極的に働きかけて、航空輸送はこうなりますということを織り込んでもらいたいということを私は第一段に言ったわけだ。今度は本論に入りまして空港整備特別会計で大いに資金的な面の裏づけをやりましょう、便利なようにやりましょうという体制づくりをするわけです。これもけっこうだと思うのですよ。しかし私がいま聞いているのは、そこで便利になった特別会計で幾つぐらい空港をつくる予定ですか、こういうことをいま聞いているんです。いまのように、行き詰まったら移転をしなければならぬでしょうとか、不足したらつくりますなんというものは小学生だって考えることで、ひとつも政府の答弁にはなりませんよ。そういうことじゃなくて、大体このくらい——それは数は十と思ったら十五になる場合もあるでしょう。しかし私が聞いているのは、その数字が絶対間違いないかとか、それ以上のものはつくっちゃならぬとか、それだけのものは必要がなくてもつくれということを言っているんじゃないですよ。大体どういう構想で空港整備していく、それについては資金的な裏づけとしてこういう特別会計が必要だということで構想を示しなさいと言っているんだから、少しも無理言ってないと思いますが、いかがですか。
  166. 手塚良成

    手塚政府委員 大体の方向といたしましては、現在ある空港、これを整備拡充するというのが基本線でございます。したがって、数として目ぼしい数がふえる、ふやさなければならぬというふうには、現在のところ格別考えておりません。ただ関東地域におきましては、御承知のとおり新空港なりあるいは羽田というものができ上がった後におきましても、これは相当な輸送の増勢があると考えられます。これはいつの時期になるとはまだはっきり申し上げかねるので、おしかりを受けるかもしれませんが、この二つだけでは将来は済むまいというふうに考えております。現に、この万博を控えまして外国からのチャーター便その他相当ふえてまいりますので、厚木の飛行場の使用などを米軍に交渉中でございますが、こういったような姿でございますので、将来関東地域などにはなおふえていくことを考えなければならぬ、かように考えております。
  167. 竹本孫一

    竹本委員 はなはだ事務的な答弁できわめて不満足でございますけれども、政務次官その他、大体ポイントはおわかりいただいたと思いますので、これはひとつ前向きに、この審議が終わるまでに一通りの構想ぐらい示さなければ、どこへ持っていくのかわからないで、多々ますます弁ずぐらいのところで大事な問題を審議するということはナンセンスだとぼくは思うのです。これは十分に研究してもらいたい。  同時に、そういうものをやる場合に一番大事な問題は土地の問題ですね。そこで都留教授も言っておることは、やはりこれから必要な用地を確保するためにはいままでの法律体制だけではだめだろう、新しいもっと強い法的な措置が必要ではないかと言っているのだけれども、用地の確保等についてそういう問題を考えられたことがあるか。考えられたとすればどういう方向にどういう措置を講じようとしておるのであるか、その点を伺いたい。
  168. 手塚良成

    手塚政府委員 私どものほうでも、ただいままでの五カ年計画がおくれておる一つ理由にもなりますけれども、御指摘のような土地の確保、補償問題というものに実は一番難渋をいたしております。現に成田の国際空港等におきましても、そういったことが原因でややおくれを見せておるという実情でございます。しかしながらこれにつきましては、私どもは現行の法制体制の中におきまして、最後の手段としては土地収用法等を極力活用する、そういうようなことで進んでおるわけでございまして、新しい構想といってここで申し上げるようなものを持ち合わせてはおりません。
  169. 竹本孫一

    竹本委員 先ほども御指摘ありましたけれども、この五カ年計画の現在の進捗率と、それから最終年度における進捗率はどういうものであるかということと、あわせていまのような土地収用法の話が出ましたけれども、その土地収用法を唯一のたよりとした今日の姿勢で、それをより多く、より力強く進捗させることが可能であると見通しておられるかどうか、その点もお聞きしたい。
  170. 手塚良成

    手塚政府委員 ただいままでの空港整備五カ年計画の進捗率につきましては、午前中からたびたび御質問がございましてお答えを申し上げておるところでございますが、総額千百五十億というものに対しまして、現在のところ四十四年までで三七%という状態でございます。これが四十五年度までの予算を入れまして五五%ということになるかと考えます。しかしながら、この中には調整項目あるいは単独事業というようなことで、具体的に空港を対象にいたしました予算以外のものが含まれておりますので、その具体的な内容のみを対象にいたしますと、四十五年の予算を入れまして進捗率は六二%、計画目標といたします七〇%に対してややおくれて八%ばかり少ない、こういうような状態になっております。ぜひこれの推進をはからなければならないと考えております。
  171. 竹本孫一

    竹本委員 政務次官にお伺いしますが、進捗しなければならない、それはあたりまえの話ですが、問題は、いま五五%だ、あれこれ入れて考えてみても六〇%だ。七〇%に対しては大きく開きがあるようですね。そういうことで、政府の計画は万事そうだという、それがルールだとおっしゃるならしかたがないが、一体そういうことでいいかどうか、政務次官のお考えを伺いたいし、あわせて、やはり問題は土地だと思うのですね。その用地の確保ということに非常な困難があるのに、その困難なものに対する新しいくふう、新しい構想を全然持たずに、いま言ったようにまた特別会計だけつくればよろしい、通せばよろしいということでは、一体何をやっているのかわからない。幾らつくるのか、これもわからない。進捗率五五%でどうしてつくれますか。どうしてやるかも、いままでの政治姿勢とあまり変わりない。今後もおそらくそのままにいくであろう。それでは一生懸命特別会計をつくって資金的な裏づけばかり急いでみても、御本体が動かないじゃないか。その点はどうですか。
  172. 山村新治郎

    山村政府委員 五カ年計画のおくれておる点は、できるだけ取り返したいということで、一生懸命やってまいるつもりでございます。  土地のほうの問題につきまして、先ほど航空局長が申しましたように、これといった名案はないということでございます。しかし、私は今度の新東京国際空港の問題を、ちょうど私の選挙区でもございましたので身をもって感じたのでございますが、これはたとえば空港決定ということにしまして土地の値段を二年も出さない、これがやはり一番今度の成田空港といわれる新東京国際空港建設がおくれた原因じゃないかと私は思っております。私はそのような位置の決定というものがありました場合には、できるだけ早くその土地の値段等を出してその買収交渉等に当たっていくのが、やはり土地の問題を解決する、とりあえずいま持つ一番いい方法ではないか、そのようなぐあいに考えております。
  173. 広瀬秀吉

    ○広瀬(秀)委員 先ほど質問をしたわけですけれども、関連してひとつ聞いておきたいのですが、ジャンボジェットがきのう初めて羽田空港に着いた。きのうは百七十人程度、半分ぐらいしか乗ってこなかったようでありますが、これから万博を迎え、おそらく今度は満席で、三百をこえる乗客が一度に羽田空港に殺到するというようなことにもなるだろうと思います。きのうの状況、さらにこれからそういう満席で旅客がどっと押し寄せるというような場合の関税関係の業務が一体どういうように行なわれるか、これに対する対策はもうきちんと大蔵当局にできているのかどうか、この点を先ほど聞きそこないましたのでちょっと聞いておきたい。
  174. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 私、税関のほうの担当でございませんので、十分お答えできないので恐縮でございますが、東京税関羽田支所の定員といたしましては、先ほど二見先生からも御質問がございましたが、現在三百四十四人のところを、四十五年度においては三十四名の増員を予定いたしております。
  175. 竹本孫一

    竹本委員 本論に返りますが、用地の確保ということについて、私は、やはり新しい法的措置というものも構想のうちに入れておくくらいでないと、いつまでたってもほんとうの整備計画というものの進捗はあり得ないだろうという点がありますので、この問題も、目標をはっきりしなさいというさっきの問題の次に、用地の確保についてはもう少し新しいくふうをしなければ、いままでのような進捗率以上に問題が発展するとは思いませんから、その点も前向きに取り組んでもらいたいという希望を申し述べておきたいと思います。  もちろんわれわれは、ことに国際空港等の問題につきましては、できるだけ官民協力の形で円満に問題を処理しなければならぬと考えております。そういう立場で、いま話も出ました新国際空港といいますか、成田空港の問題も一言だけ伺いたいが、第一期工事に関して、はたして四十六年四月に開港できる見通しを持っておられるかどうかという点をひとつ伺いたい。
  176. 山村新治郎

    山村政府委員 お答えいたします。  これは政府といたしまして、この新東京国際空港というものが、ただ単に日本に空港をつくるということではなく、日本の東洋における中心的地位というものを位置づけるものであるということで、全力をあげてこれに当たっております。今年度の予算につきましても、六百億円満額つけまして、四月までにつくるのだ、そしてもし工事がはかどるということになれば、それに対する予算措置は十分講じてあるわけでございます。同時にまた、この用地関係については、先ほど航空局長から土地収用法の話も出ましたが、地元の反対派の農民の方に対しましても、できるだけ話し合いということで、代替地その他も十分用意をした上でいろいろまだ話し合いをしながら、しかし土地収用法の所定の手続はとっております。そして現在のところ、第一期工事といわれる四千メートル滑走路、これにつきましては、民有地の大体九四%を買収してある状況でございます。そしてまた、そのほか関連公共事業につきましても着々進行中でございます。このままの状況でこれがスムーズにいきますならば、少なくとも来年の春には一番機が飛べるんじゃないか。このようなぐあいに空港公団からも報告を受けております。
  177. 竹本孫一

    竹本委員 来年の春四月には飛び立てるだろう——スムーズにいくならばという条件がついていますが、その辺が非常に問題だと思うのですけれども、これは議論になりますからこのくらいにとどめますが、ただ私が心配しておるのは、陸上交通、パイプラインといったような関連事業のほうがうまくいかないと、中身だけできても回りはさっぱりだめだということになっては困りますので、特に伺いたいが、陸上交通もへたをすれば三時間ぐらいかかるだろうといわれておる。その問題は、東京から大体一時間でいくということが一つの条件になっているはずだと思うのですが、三時間というようなことの問題は解決できる見通しであるのかどうか。その他の関連事業については十二分の自信と見通しを持っておられるかどうか、念のためにもう一度聞いておきたいと思います。
  178. 山村新治郎

    山村政府委員 陸上交通の場合でございますが、軌道のほうといたしましては京成電鉄を今度認可いたしまして、これが来年の四月までには取りあえず成田から三里塚まで入るというようなことを聞いております。そしてまた、道路につきましては、京葉道路を使いまして、そして東関東自動車道鹿島線というのにのせまして、それを空港にもっていくということになっておるわけでございますが、現在のところ建設省の意見としましては、十分一時間で行けるということでございますが、あと詳細につきましては航空局長から報告いたさせます。
  179. 手塚良成

    手塚政府委員 新空港までの交通につきまして現在考えて実施をいたしております点は、道路といたしましては、首都高速七号線を通りまして、京葉一期、二期、三期、宮野木というところからブランチを出して東関東自動車道、それから空港へ入る、こういうような道路をやっております。建設省が新規に宮野木から東関東自動車道というのを現在鋭意土地買収、建設工程を進めておられるわけでございます。これは予定の四十六年四月、空港供用開始には十分間に合わせ得るということを建設当局かちは伺っております。ただ、これができましても、長期にわたりまして交通が円滑にいくかどうかということにつきましては、いろいろ議論があり、私どもも必ずしも安心をいたしておりません。その次の段階に、特に大量輸送時代で、ジャンボ等が大量に人、貨物を運んでまいりますと、やはり鉄道等を考える必要があるのではなかろうか、こういうふうに思っております。  さしあたっての鉄道といたしましては、京成電鉄が成田から支線を空港内に入れるということで、これに対しては運輸省から免許を与えて、現在その工事を進めつつある。これも、若干おくれるかもしれませんが、供用開始までには一応間に合うということになっております。ただ、これも終着点が上野の駅であるという点について、国際空港からの鉄道としてはいかがであるかというふうな議論もございます。一方、国鉄におきましては、現在の総武線というものをやはり空港内に乗り入れをして、この鉄道輸送の完ぺきを期したいというふうに考え、検討しておりますが、国鉄の場合にはさらに新幹線問題との関連がございますので、既設線としての総武線を乗り入れさせるか、あるいは新たに新幹線をここに敷設することを計画するか、これらについて現在省内において検討をやっておる最中でございます。
  180. 竹本孫一

    竹本委員 誘導灯用地の問題が忘れられておったというような記事が最近新聞に出たと思うのですけれども、その点はどうですか。
  181. 山村新治郎

    山村政府委員 これは新聞のほうが間違いのようでございまして、これは初めから計画してやっておりましたが、ただ、まず第一に空港用地を考えるのが先決だというので、誘導灯のほうは、用地を所有しておられる方と、誘導灯を敷設するその敷地を持っておられる方と同じ方が多かったもので、そっちのほうを一応——用地ほど積極的ではございませんが、いろいろと交渉はしておった、そうして現在全部とは申しませんが、一応各種の買収は終わっておるようでございます。こまかいことは航空局長から御答弁申し上げます。
  182. 竹本孫一

    竹本委員 第一期工事についてはそのくらいにしまして、第二期工事のほうについてはどういう見通しを持っておられるか。買収反対派の反対もえらい深刻なように聞いておりますが、第二期工事についての当局の見通しはどうであるのか伺いたい。
  183. 手塚良成

    手塚政府委員 第二期工事につきましても、私どもは完成予定期日、四十八年までに何とかこれを買収を終わり、施設を整備をするということにいたしたいと鋭意努力いたしております。
  184. 竹本孫一

    竹本委員 見通しはありますかと聞いておるのです。
  185. 手塚良成

    手塚政府委員 第一期工事の場所に比べまして、現在買収が終了しております率、第一期工事については九四%終了いたしておりますが、第二期工事につきましては、現在たしか八〇%前後の買収率であると思います。したがいまして、これはおくれております。それから、一坪運動、あるいは団結小屋、こういったものは第一期工事に比べまして数が相当多うございます。したがいまして、第一期工事に引き続いてこれらのものについての買収努力をいたさなければならぬわけでございますが、私どもといたしましては、これはぜひともやり遂げなければならぬし、またやり得ると考えております。
  186. 竹本孫一

    竹本委員 見通し等の問題でございますから不確実な要素も多いし、また時間もありませんので、ここでこれ以上議論はいたしませんが、かりに成田空港はスムーズにできたとしても、その離着陸の回数は二十六万三千回ぐらいである。羽田が十七万五千回ぐらいのところだということになりますと、日本の新しい航空輸送需要という点から考えると、昭和五十一年には国内だけで大体四十万回ぐらいになるというような点から考えて、やはり足らないのではないか。同時に新全国総合開発計画等でも、建設中の成田空港のみではどうしてもさばき切れないという結論を出しておる。それこれ考えてみると、四十万回程度を国内だけでやらなければならぬということになると、成田がうまく全部スムーズにいっても問題の完全なる解決にはならぬのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  187. 山村新治郎

    山村政府委員 成田の空港が完成いたしますと、昭和六十年までは絶対だいじょうぶであるということは大体見通せるわけでございます。そこで、その次にはやはり東京第三空港というものを考えていかなければならないのではないか。しかし、六十年ということでございますので、それほど早急にいろいろな計画を練っておるということは現在はございません。しかし、大阪につきましては一応数カ所にわたって、地形また保安上、それからまたいわゆる町中との交通事情、これらを十分勘案しながら数カ所にわたって調査いたしております。
  188. 竹本孫一

    竹本委員 ただいまの政務次官の御答弁で、一つ大きな問題だと思うのは、先ほど私指摘しましたけれども、六十年まではだいじょうぶだろうというのは、やはり先ほどの説明にありましたように、二二、三%の伸びということが前提になっていると私は思うのです。そうでしょう。そうしますと実際には、経済成長率も、いつも政府経済成長率の見通しのへたをすると倍になる。最近では日銀の通貨の発行高をはじめとして、いろいろ調べてみるとすべてが一九%台でしょう。一九%から二〇%の伸びを示しておる。いま、新婚旅行もみな飛行機になろうかという、こういう時代に、二二%か三%の伸びを前提にして、六十年まではどうだろうというような議論では間に合わないんじゃないかという点がありますので、これはひとつ大いに前向きに検討し直してもらいたいと思います。  そこで、私は最後に一つ伺っておきたいのは、小笠空港の問題です。この問題は、われわれが地元で近いところの関係もありますので、いろいろ聞いたりしておるところでは、地域は非常に広くて八十万回くらい使える。四千メートルくらいの滑走路も三本くらいはできるだろう。大部分が国有林で、国有林だけでも千百ヘクタールあるというのですから、そういうところから用地買収にしても非常によいではないか。気象条件も最もいいところだ。さらに東海道の全交通動脈がそこに集まっておるといった面で、非常に便利のいい、非常にいい候補じゃないかというふうに聞かされるわけです。しかし欠点はないか。時間がありませんから私のほうから申し上げますが、欠点がありはしないかということで、われわれもしろうとながら吟味してみると、一つは都心に遠いという問題があると思うのです。しかしこれは決定的な条件にはならぬ。時間距離からいえば、いまの新幹線で行けばそれこそ一時間で行ける範囲だから、それほどの問題ではないじゃないか。もう一つは、一番大事な問題として浜松の基地との空域の問題があるというふうに思います。これは専門的な皆さんに聞かなければわれわれではよくわかりませんけれども、この問題は決定的、致命的な条件であるのかないのか。またそういうことについてお調べになっておるかどうかということをあとで伺いたい。いずれにいたしましても、これは空の東海道というようなことで、非常に便利のいいことで、マイナスの面のほうは致命的なものはあまりないのではないかと思いますが、航空局としてはそういう問題について一体どの程度現地を調査されておるのか。あるいはいまお話しになったように、六十年の需要供給の関係からいえば、二二、三%の伸びで考えた場合、いまそこまで取り組んでいく必要もないといったような考え方で、それをネグレクトしておるのか。その辺の航空局のお考えをひとつ伺いたい。並びにそういう問題についていま調査されたかどうかといったような問題についても経過を伺いたいと思います。
  189. 山村新治郎

    山村政府委員 六十年までほうっておいていいかということに対しまして、実は先日運輸大臣から、いわゆる空港群というものの調査をしろということが出ておりますので、先生のおっしゃることごもっともでございまして、できるだけ早く——そしてまたこれは早く空港をつくったからといって、物価上昇率そのほかから見ますれば、決してむだ使いというものにはならないと思いますので、そのような方向に向かって進んでいきたいと思います。また小笠空港につきましては航空局長から。
  190. 手塚良成

    手塚政府委員 小笠空港につきましては、三年前に地元からの御要請が非常に強く出まして、私どものほうから調査員を現地に派遣いたしまして、実際に現地を踏査いたして調査をいたしました。いろいろ利害が両方ありまして、たとえば土地の取得などにつきましては、これはたいへん有利な状態にあるということははっきりわかっております。ただ、私ども航空当事者として一番考えますことは、空港の候補地としまして絶対不可欠なのは空域という問題でございまして、土地とその上に一定範囲のあいた空が必要である。たとえば羽田でいいますと、この東京湾の上一帯は羽田空港の空域になっております。この空域がありませんと、事実上羽田に離発着ができないということになるわけであります。そういう面で、小笠空港の空域は非常にふくそうして、むしろあいた空域にはなっていない。東京から大阪に参りますのに、通称グリーン4という一つの大動脈の航空路が真上を東西に通っております。それからその至近のところに、いま先生も御指摘の浜松の自衛隊の飛行場がございます。また逆なほうに静浜の飛行場がある、こういう状態でございますので、これらの中をどういうふうに航空路——進入経路、出発経路をつくるかということが一番むずかしい問題であるし、これが最大の難点ではなかろうかというふうに考えております。ただ遠い将来におきまして、やはりいろいろ空港用地を考えます場合に、全部が全部条件のそろうというようなところは、少なくとも関東地域におきましてはないのではなかろうかというふうにも思います。そういった時期、そういった観点からいたしますと、やはり遠い将来におきましては一つの候補地であるかと思いますが、その際には、いま申し上げましたような他の飛行場というようなものにつきましての集約、統合などをやはり考えていく必要があるのではなかろうか、かように考えます。
  191. 竹本孫一

    竹本委員 いまの空域の問題、グリーン4の問題、これが一番技術的にといいますか、致命的な問題点ではないかと思うのです。しかしながらジェット機は高く飛ぶし、それからふくそうしておるということ自体、交通路として適格条件を持っているからここがラッシュで混雑をしているのだ、こういう考え方も成り立つと思うのですね。高さを高くすればジェット機の場合は問題はないじゃないかということで、私、しろうとの判断をしますと、技術的に致命的な欠陥ではないだろう、こういうふうに考えますので、きょうは時間がありませんが、ひとつ前向きに——ことに将来国際の貨物輸送を考えた場合に、私どもはもっと真剣に考えないと、日本の飛行機が立ちおくれておる上に、今後のあらゆる経済輸送の面では全く立ちおくれを来たしはしないか。私は先ほど申しましたように、ある意味において日本の経済計画の一番大きな欠点の一つに、輸送の問題のウエートの置き方が足らない。しかもこれからは輸送はみな空に切りかえられるのだ、そういうことの認識が不徹底であるというふうに考えますので、これはもうこれ以上議論いたしませんが、ぜひ、ひとつ前向きに検討をしてみたらどうだろうということを御提案をいたしておきたいと思います。そこで最後にもう一つ、一体日本の特別会計が多いということは常にわれわれが問題にしておるのですけれども、便利がいいからということで特別会計をつくる。今度この特別会計ができると、一体この国会を終わって、法案がみな通ったとすれば、特別会計は全部で幾つになるのですか。
  192. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 現在四十二でございますが、この特別会計を加えて四十三と相なります。
  193. 竹本孫一

    竹本委員 終わりたいと思いますので、あとはひとつ希望だけ申し上げておきますが、パイロットの養成の問題ですね。これは十分に配慮があるのかどうか存じませんが、少なくとも重大な問題として配慮してもらいたい。  それから、ちょっとこれは関連でありますが、料金の問題。着陸料を上げる予定があるのかどうか。また航空旅客運賃を上げる考えが近くあるのかないのか、その辺をちょっと伺っておきたい。
  194. 手塚良成

    手塚政府委員 パイロットの面につきましては、仰せのごとく非常に重要な問題でございまして、来年の予算におきましても、そういう意味で現在航空大学校の養成規模を五割増しにふやしていただく予算を御審議願っております。  それから着陸料につきましては、この特別会計の中でもすでに歳入といたしまして二割の増、さらに割引回数、割引率というものをぐっと下げまして、従来十回以上のもの四割引きを三回以上二割引きという値上げを考えております。それから運賃につきましては、少なくとも国内運賃についてはこれを値上げする意図はございません。国際運賃はむしろ逆に低下をしておる。特に団体運賃等につきましてはバルクフェアという団体運賃をはじめとして、現実に下がる傾向にございます。
  195. 竹本孫一

    竹本委員 言うまでもなくわれわれは値上げということにはすべて反対でありますが、きょうは議論はいたしません。  最後に一つだけ伺っておきたいことは、この特別会計もでき、しかも政府の施策も講ぜられるが、日本の航空機関係の事業の国際競争力というものは現在どのくらいあって、今後はどういうふうにしていくつもりであるか、その辺だけ伺って終わりにしたいと思います。
  196. 手塚良成

    手塚政府委員 国際競争力そのものずばりをあらわすことになるかどうか問題だと思いますが、国際線をやっておりますIATAという協会、世界各国の航空会社の集まりでございますが、この中に百十社人っておりますが、その中で四十三年度の輸送トンキロにおきまして実績八位を占めております。したがいまして、世界的に見た航空会社としては上位のほうにあるかと考えております。しかし国際競争力を維持していきますのには、現状に停滞をいたしておりますとそうはまいりませんので、たとえば機材等につきましても新機材、最近のジャンボをはじめといたしまして、今後数年で出てまいりますSST、そういうものの購入等を続けなければなりませんし、またこれらに搭乗いたしますところのパイロットの訓練あるいはその他整備力の充実、そういったものを次々にやっていくことによって、国際競争力は維持し強化される、かように考えております。
  197. 竹本孫一

    竹本委員 最後に要望いたしておきますが、八位だということでございますけれども、肝心なこれから先伸びていくということについては、私は見通しは必ずしも明るくないと思うのです。きょうは議論いたしませんが、特に政務次官にもお願いしておきたいのは、これから日本の国際航空を発展させる上には、技術的事務的な障害以上に政治的外交的条件があるのです。でありますから、これは佐藤内閣の外交姿勢の問題にも関連し、基本的な問題になりますので、ぜひそういう問題も考慮に入れて、飛行機の問題から見ても日本の外交姿勢というものはいまや再検討を必要としておるということだけ強く指摘して私の質問を終わりたいと思います。
  198. 毛利松平

    毛利委員長 次回は、来たる三月十七日火曜日、午前十時より理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十四分散会