○川上
説明員 私は航空
関係について一応申し上げたいと思います。鉄道
関係でございますと所管が違いますので、私から御
説明申し上げるのはいささか適当でないと存じます。
一応運輸政策懇談会におきまして、総合交通
体系の中の航空の位置づけという角度からただいま
検討をしていただいておるわけでございますが、けさほども
航空局長から御
説明申し上げましたように、現在運輸政策懇談会におきまして
検討していただいておりますものは、航空輸送の役割りが将来どういうものになるであろうか、また、それに基づいて、航空輸送の
長期ビジョンはどのようなものであろうか、そういう角度から
一つの
長期ビジョンを描き出しました上で、解決すべき問題点は何であるのかという、一応三つのテーマについて
検討を進めていただいておるところでございます。
まだ審議の中間でございまして、こまかい
数字にわたっての御
説明を申し上げるような段階ではございませんけれども、一応基本的に申し上げますと、先ほど、航空の役割りにつきましては、
政務次官から御答弁いただきましたように、従来の少量、高価な輸送
機関であるものが大量、高速のかつ低廉な輸送
機関に変貌を遂げていくであろうという想定をいたしております。その
理由といたしましては、けさほど来いろいろ出ておりますように、近い将来におきましてエアバス、あるいはジャンボにつきましてはもう現実の問題でございますけれども、将来におきましてはSSTというような、新しい技術
開発の結果に基づきます航空機が出てまいりまして、大量、高速の輸送性を持ってまいりますとともに、大量輸送化に伴った輸送コストの低減ということも一応期待できる。なおかつ安全快適であるという、そういう機材の
開発が可能であるということから、いまのような役割りについての一応の推定を出しておるわけでございます。
そのようなことから、航空輸送の分野がどうなるかということにつきまして、まだ中間的な段階ではございますけれども、一応現在までのところで取り上げられている大きな点について申し上げますと、いわゆる航空輸送は都市相互間の輸送という点において非常に重要な役割りを演ずるだろう。特に、比較的長距離の分野においてその有利性が発揮されるのではなかろうか。ことに途中の
離島、海峡、山脈を隔てた輸送であるものにつきましては、時間差の効果が非常に高い
関係もございまして、こういった点につきましては航空が将来かなり有利なポジションを占めるであろうという見通しを一応立てているわけでございます。
国内輸送につきましてはそういうことから、今後の国内航空
路線網のあり方といたしましては二つの都市を直結する輸送
路線と申しますか、そういうものを一応主体にして考えていくことになるであろう。特に東京、大阪を中心といたしまして
地方都市を結ぶいわゆるビームラインというもの、全国各都市に対してそういうネットワークを構成していくことにすべきではなかろうかという
一つの推論がここでされております。なお、当面大阪、東京にすべての都市の航空
路線が集中いたしますことは、東京、大阪における過密対策ということとも関連いたしまして、この二つを中心といたしまして
地方の中核的な都市を、超大型のといいますか、非常に大型の機材、航空機を駆使いたしまして大量に旅客の輸送をいたす、そこから
地方の都市にさらに輸送していくという、そういう
路線網も将来の
一つの大きな
重要性を持つ
路線であるというふうに考えなければならないのではなかろうか。こういうのが今日までの一応航空輸送分野についての前提としての基本的な
考え方でございます。
こういうことから、航空輸送の
需要予測につきましては、
経済の
成長テンポあるいは国民の生活水準というものとこの
輸送需要との
関係が非常に密接な
関係がございますので、そういう角度から一応航空輸送の
需要を測定することに資するわけでございますけれども、さらに
長期的には、
人口の配置が将来どうなるか、あるいは国民の生活様式がどういうふうに変わっていくだろうか、それから交通
機関の技術革新でございますとか、
国土の今後の
開発の方向といったような、いわゆる
経済の構造変化によってもたらされる要素というものを十分に勘案して本来は出すべきものなんでございますけれども、ただいまのところそういう点に対する正確な予測が困難でございますために、鉄道と航空と競合的な
関係に立つといたしますと、一応鉄道かということになると思いますが、鉄道と航空との
関係につきまして、その両者の適正な将来の配分ということを考える意味で全体の
需要測定をいたしておるわけでございますけれども、それによりますと、一応基礎の前提といたしまして現在の両者間の運賃差、それから両者間の時間差というものをファクターといたしまして、その相関
関係における旅客の配分を、
一つの配分モデルに基づきまして出していこうというふうな作業を、現在運輸政策懇談会において進められておるわけでございます。
その際に
一つの前提になりましたものは、百三十キロ未満でございますと、当面まだ航空
需要の対象としては短距離区間においては取り上げられないであろう。百三十キロ以上五百キロのものにつきましては、大体その時間価値、時間差というものの
関係から三〇ないし六〇%ぐらいの間で、個々具体的
路線についてパーセンテージがおのずから変わっていくであろう。さらに五百キロ以上になりますと、県と県の間の旅行といいますか輸送は、もっぱら航空及び国鉄新幹線を利用することになるであろうというような、そのような前提に基づきまして、両者間のと申しますか、県と県の間の全体的な中長距離にわたる旅客の移動数というものを、
昭和六十年時点において約八億人ぐらいというふうに現在推定いたしております。その八億人の中での配分比例に基づきまして、約一億二千万ぐらいが——
一定の条件下においてでございますけれども、ある条件を前提といたしました場合には一億二千万ぐらいに六十年ごろの航空旅客というものが予想されるのではなかろうか、かような一応の、まだ最終結論というふうに決して申し上げるわけにまいらないと私は思いますけれども、中間的な段階で今日まではかようなディスカッションがなされております。