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中村(重)
委員 ともかく、この再販制度が昭和二十八年に設けられたが、そのときの保護法益と申しますか、これは第一に廉売からの商標品の保護にあったのです。それから第二は品質の維持、粗悪品というようなものや競争の中から製造してはいけない。それから第三にやはり
中小企業者の保護というのがあったわけです。この前も私が申し上げたとおりですね。ところが、当時の保護法益が現在もそのとおりであるかということになってくると、第一、第二というものはもう
考える必要はないのではないか。第三だけは、若干
事情は変わってきていると思いますけれ
ども、依然として問題は残ってきているのです、今日の
中小企業の過当競争という状態は。ところが私は、先ほどメーカーの超過利潤ということ存申し上げたが、この再販制度というものは、寡占状態をつくり上げ、系列化を非常に強めてくるということだけは避けられないであろうと実は
考えるのですが、そこに私は問題としてあなたに
考えおきをいただきたい。
むしろ
前提としてこれを取り上げて、取り組んでもらわなければならないと
考えておることは、再販制度によって、あまりにもメーカーが一方的に
小売り店に対して締めつけをやっているということなんです。いわゆる取引の契約
内容ですよ。どういうことをやっているのか。リベートもマージンも一方的にメーカーがきめるのですよ。それから、新
製品ができるでしょう。新
製品ができたち、その
小売り店が望まなくても押しつけるのですよ。それから、メーカーがつくっている全商品を
小売り店は買わされるのですよ。これは要りません、これは売れませんからというわけにいかないのです。一方的なんですよ。それから、年二回仕切って、そしてリベートや計算するわけです。ところが、一方的に押しつけていて、支払い日がぴしっときめられている。そのとき支払うことができなければ、どうしても支払いはおくれることになるが、半年の間に一回だっておくれておったら、そのリベートはもらえないのですよ。こういう契約
内容です。もし定められた小売り価格以下に、医薬品でも化粧品でも売ったならば、特別のサービスをしたならば、
小売り店からはずされるんでしょう。それがこわいから、メーカーの言うままになっているのです。言うままになっているから、メーカーはそれをいいことにして一方的に押しつけをやっている。だからそれによって、メーカーはどんどんもうかっていくわけです。そういったような、メーカーの優越的地位存利用した不当な取引を排除していくということでなければならぬと私は思う。
そこらが排除されるならば、この再販制度というものにだけ
小売り店がすがりついているというようないまの状態は変わってくるであろう。そういう点を
改善されるならば、たとえ再販制度がそのままでありましても、小売り価格をもっと下げることができるのではないか。メーカーにほどほどにもうけてもらう、そして
小売り店の利益も
保証し、
消費者に対しては安い化粧品や医薬品を供給することができる、この点が非常に大切だと私は思うのです。ところが、いま議論されているような点については、
そこらの点はあまり真剣に検討されていないような感じがしてなりません。またメーカーは一番ここをおそれるのです。そういう点をひとつ十分にメスを入れてもらいたいということを要望しておきたいと思うのです。
それから商品の差別化というようなことも、これは私は問題があると思います。先ほどあなたがおっしゃったように、この再販制度というものは自由な取引ができることということです。それがあるわけですね。それから商品の差別化というようなことがあってはならぬということです。それがおっしゃった、いわゆる適正にこの再販制度が運用されておるかどうかということをきめるバロメーターになっていくのであろう。ところが、現実はそうではないということ。私が
指摘序し、あなたも非常に苦労しておられるような点が、
お答えの中で明らかになっておるわけでありますが、商品の差別化がどうして起こるのであろうか。これはあまりにも過当広告をやるということです。どんどん広告をいたします。いたしますからして、
消費者はイメージが変わるのです。盛んに宣伝をする。どうしてもその商品がよほどいいもののように感じさせる。そうすると、広告によってその商品の差別が起こってくるということになってまいりましょう。ここに私は問題があると思う。ですから、この誇大広告、過当広告を抑制をしていくというようなことですね。そして誤ったイメージを
消費者に与えないというようなやり方。そのことが、あまり金のかかった欲求をある
程度抑制をしていくとか、大量広告を押えていくとかいうことによってコストが変わってまいりますから、安い商品を
消費者に供給することだって可能だろう、そういうこともこの再販制度の検討とあわせて
十分配慮していかれる必要があるのではなかろうかというように
考えるのです。
一方的に私は申し上げましたが、時間の
関係から申し上げたわけですが、これらの点に対して
十分配慮していただきたい。この際ひとつ御意見を伺っておきたいと思います。