○
加藤(清)
委員 浦野
理事の切なる希望でございまするから、こういう証拠物件も持っておりまするし、
関係書類はこんなにたくさんございますし、まだたくさんございますが、
委員長の趣旨に従うために
あと二問だけ、これも簡単にやります。
百歩譲っても、協定を急ぎ過ぎている、協定を結ぶ
——協定ということばがいけなかったら、
日本・
アメリカ繊維製品輸出制限、この事実を急ぐ、形づくろうとしていることを急ぐ、そのことはあまりにも急ぎ過ぎである。巷間伝えられるところは沖繩との交換説、これはもうソ連の
新聞までがそれを発表しておる。何もソ連だけではない。第一に
関係輸出国はみなそれを心配している。
EEC諸国やイギリスまでがそれをいうておる。百歩譲って交換したとしても、なおそれでも早過ぎると私は思う。なぜ早過ぎる。沖繩の返還は一九七二年である。二年先である。しかもいま急遽やらなければならぬという毒ガス、これも移す移すと言いながらまだ移っていない。沖繩百万島民の切なる願いであるB52、これはどうかしてもらいたい、こう言うておっても、それもまだ何ともなっていない。そういうやさきに、なぜそんなに急がなければならないのでございましょうか。もしこの際これをやったとしますると、ウールに関する限り一年既往にさかのぼる結果が生じてまいります。なぜかならば、ウールは見込み生産ではございません。注文生産でございます。一年先の注文を受けてすでにつくってしまっておるのでございます。なぜこちらだけが一年既往にさかのぼって、なぜ
アメリカだけが二年先に延ばしてしなければならないのか。これこそはカキの種と握りめしの交換であったとしても、これはおかしい。交換だったら等価交換、同時交換でなければならない。一体どういうわけだ。これをどうなさる、お聞きしたい。
もう
一つの問題は、これが非常に重要なのでどうしてもするとおっしゃるならば、歯どめを承りたい。きのうも
外務大臣にこれを詳細尋ねましたが、
一つも答えがない。あったら承りたい。歯どめがない。歯どめがないようなものを、暫定なんと言うことはおよしなさい。強制を自主と言い、歯どめのないものを暫定と言うたら、小中学校の子供までが
日本の国語を疑うようになります。それは時の
政府の不信を招く基でございます。ショートが
ロングに変わるのです。一年といっておったのが十七年になったのがLTAでございますから。
それから
最後の
質問として、これほど重要な案件でございまするがゆえに、当然これは
国会の本
会議にかけるべきでございます。なぜかならば、
決議があるからでございます。安保の問題だけではございません。公害の問題もございます。かたがた、ことし結べば際限なく延びて、いつまで続くかわからぬところのこの協定問題がございます。したがって、協定を結び条約を結ぶには、事前か事後に必ず
国会に批准を求めなければならぬということは、憲法に定めるところでございます。したがって臨時
国会を召集して本件を十分に検討する。
法律的にも必要でございまするが、具体的事実の上からいってもそれが必要だと思います。あなたの
立場を守る意味においても、ぜひひとつ臨時
国会を開かれるよう、私は声を大にして国民の求めるところを要望するわけでございます。
最後に、あなたの
立場はきわめて御苦労で、お気の毒だと思います。心は
二つ、身は
一つ、いずれについていいのやらたいへんお困りだ。私はほんとうにお気の毒だと思っています。与野党一致したところ、
意見でございまするがゆえに、私
どもも、でき得る限り時の
通産大臣の御苦労を少のうして、御協力を申し上げたいと思うておりまするが、身は
一つにして
二つの問題が一時に降りかかったときに、一体どうなさるおつもりか。これはとくとひとつ過去の歴史に残った政治家の
あとをよく見届けていただきたい。あくまでそれは国益に殉じた者、
日本祖国のために働いた者、それが歴史に残っているようでございます。こいねがわくは、私はあなたのような明敏な頭を持ったりっぱな人に期待をかけて
——それこそ先般、第二の犬養にならぬようにと申しましたら、それはむすこの話でなくて、おやじさんのほうになりたいといみじくもおっしゃられました。ぜひ、おやじさんのように
総理大臣になられるワンステップとして本件を善処されるよう要望して、
質問を終わります。