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横山委員 余談になりますが、まあ同僚諸君も聞いてもらいたいと思うのですが、きのう日航機の乗っ取り事件があって、私はちょうど運輸
委員会へ行っておった。そうしたらみんなが、与党も野党も、こもごも大臣並びに
政務次官に
質問をした。その
質問の焦点が、最悪の場合は北へ行くこともあるだろう、あるだろうからその点十分に連絡をとれ、とる方法があるのかと言うたら、
政務次官は、いま直ちに
考えられることは、
朝鮮赤十字社あるいは国際赤十字社を通るルート、それからもう
一つは、困難ではあるけれ
ども直接北の
政府へも
考えられないこともない、方法はなかなかむずかしいがやってみる、こういうことでありました。私はそのときに痛感したことは、
日本政府が、万やむを得ず北へ着陸する場合においてはよろしく頼むと言えば、北の
朝鮮民主主義人民共和国は決してこれを拒否しないであろうと、私は痛感したわけであります。
先ほど
中井委員から話があったように、私は、おととしでありますが、北の国をずっと回ってまいりました。一番痛感したことは、
日本の本土に六十万人の
朝鮮人諸君がいるということを、北の
政府及び北の公民は、腹の中でほんとうによく知り、よくそれを配慮しておるということなのであります。同時に、いわゆる赤軍派が、イデオロギー・上、行動上からいっても、北の
政府の受け入れることではないという二つの理由からいって、私は、最も敏速に北との連絡を
政府がとるべきだ。そうして一刻も早く生命、財産——生命というものが大事であるならば、赤軍派の主張をいれて——主張をいれてというのは残念なようではあるけれ
ども、生命を尊重するためには、一刻も早くその方法をとったほうが安全であると私は思ったのであります。これは余談ではありますが。そうしたら韓国内に着陸をした。そのために、たいへんなまた新しい問題が発生して、いまに至るまで解決しない。何か国境へ行ったら砲火を浴びたというのであるが、それがほんとうであるか、うそであるか、それはわからないし、それから、北からやったか、南からやったか、それもわからないし、連絡がとれてやったのか、とれずにやったのか、それもわからない。これは今後に期さなければなりませんけれ
ども、もし万一北のほうへ着陸せざるを得ない場合ということを想定してみますと、いまのようなこういう不測の事態を
考えますと、いまのように、
政府が
朝鮮民主主義人民共和国に対してことさら不必要に
差別待遇をしておることは、何かのときにやはり問題が生ずるということを私は思うのであります。
いまこういう事態で、私がこの
朝鮮問題をとらえてやっておりますと、私の
質問しているのは何か適当な時期ではないという気がしてなりませんけれ
ども、しかし、まあこの
法律案がもう上がる時期的になっておりますので、やむを得ず
質問をしておるのでありますから、その点はお含みを願いたいと思うのであります。
長期的に見てもう
通産省としても——いまずいぶん
朝鮮からの引き合いがある。私の手元にいまあります、
朝鮮がこれまで
日本に買い付けの意向を示した
プラント類、ないしは
朝鮮側が対外買い付けを進めている
プラント類、おもなものだけあげましても、火力発電設備、水力発電設備、原油加工工場、合成樹脂工場、洗剤工場、ナイロン工場、アクリル繊維工場、合成ゴム工場、アルミニウム工場、船舶、ディーゼルエンジン工場、自動車工場、製紙工場、テレビ放送設備、引き抜き鋼管設備、計測器工場、製靴工場、各種工作機械工場、これらの
プラント類の多くは
日本に買い付けの意向を示したのでありますが、また、技術的にも十分
輸出可能な状態でありながら、
日本では実現できぬために
西欧諸国に買い付けが転換されたり、そのままになっておる。
日本で実現できぬ理由には、いま言いましたように、
関係者の往来も不十分であるし、あるいはまた
輸銀の金が使えないために、
金利及び
延べ払いで引き合わぬということにもなっておるわけであります。私は今日まで国会で、これは何も野党ばかりでなくて、与党の諸君も、腹の中ではもういいじゃないかというお気持ちもあるようでありますが、
輸出増強ということが
国家的な重要な政策であるならば、この際、もうこの機会に
輸銀の金を使わせることに
政府も腹をきめたらどうか。こういうことは、さっきも余談ながら言ったのですが、通産大臣や外務大臣や大蔵大臣を呼ばなければ話が進まぬことではあろう。あろうけれ
ども、まず、それらに意見具申をされる
責任のお役人、あるいは
政務次官、あるいは担当者等が、やはりその気持ちにならなくてはいかぬと思うのであります。
ですから私は、いま
通産省を代表して小宮山
政務次官にお伺いするというよりも、小宮山
政務次官、政治家としてあなた自身としても、この機会にもう未
承認国の
輸銀使用については再検討するということが、あらゆる
意味において国益になるということについて、あなたももうひとつ腹をきめられて、
関係者の役所側の皆さんも腹をきめられて、百尺竿頭一歩を進めるというお気持ちになったらどうであろうか、こう私は思うのであります。同僚諸君の顔を見ていますと、にこっと笑って、いいことを
横山君が言うてくれたという顔をしておりますから、まさに商工
委員会の総意を代表して私は申し上げていると思うのであります。いかがでございますか。