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中村(重)
委員 たてまえはこうなっています――それでは、現実に
保安協会はとういつたことをしておるのか、どのような効果というものをあげておるのか、あなたのほうでこれを把握していますか。また、やっておることはこれで適当であるというふうにお
考えになりますか。いま
保安協会のやっておるような、どっか漏電しておらぬかとじじっと機械を当ててやってみるだけですよ。それも何回やっておると思いますか。ほとんどやっていないと言ってもいいくらいです。形式的ですよ。
保安協会という特殊法人をつくって、お役人の天下りをやって、そういう
方面は解決したかもしれない。しかし、肝心ないわゆる漏電等によるところの
火災の発生を防止するための
役割りを果たしておるとは私は
考えない。
たてまえがこうなっておる、こうなっておるとあなたはおっしゃる。それから、個人のところに承諾をしないと入れないと言う。危険があるので見ましょうと言うのに、だれが入るなと言いましょうか。
火災を望んでおる者はだれもいませんよ。やる気があれば、だれでも望んで調査をやってもらいますよ。個人はわからない、しろうとだから。漏電のおそれがあるのかどうか、そんなことはわからないですよ。だからそういう場合は、もっと積極的に調査ができるようにしなければならないのですが、その調査も単なる調査であってはならない。もう少し
保安責任というものがなされ、そのことが確実に行なわれて、適正に行なわれなかった場合にはその
責任が追及されていくというような、何かそういう意味の
保安責任、いわゆる
保安の
強化、そういうものが
確保されるような道を見出していかなければならないと私は
考えておる。
同時に、これはそれによって
お答えを
一つ受けなければなりませんが、現実に私が申し上げましたように、漏電等による
火災の発生なんというものが起こった場合、その補償というものはしてくれるものはいないのです。しかし何とかしなければならない。そこで
業者の人たちは、自分たちで相互保険
制度というものを
考えている。まあ三百万かそこらまでは、もし
工事に伴って
火災が発生し、損害を賠償しなければならぬという場合は、その場合に困らないように、この
電気工事業者がそういう保険
制度というものを
考えているようですが、どこまで徹底しているのか知りません。政府がいわゆる国庫負担、補助という形をもって、そういう保険
制度というものをもっと
義務的にやっていくということも
考えてみる必要があるのではないか。ともかくも、
電気によるところのいわゆる漏電等というようなものは、公害、交通事故といったようなことと変わらないくらいの関心を持ってやっていかなければ、これは個人の所有物だから
所有者の
責任だというような
考え方は持つべきではないと私は思う。先ほども申し上げたように、
一般の土地だとか建物というような不動産と、水道とか
電気とかいうような、
本人の意思いかんにかかわらず、これを供給してもらわなければ
電気もつかない、水道も出ないというようなものは、公共的なものでありますから、これは別な
考え方を持たなければならぬと私は思う。これは個人の所有だからという簡単なことで問題を
処理すべきではないと私は思う。そういう意味において、新
電気事業法において、個人の所有だからその
保安責任はあくまで個人なんだと簡単に片づけたところに、問題があったと私は思う。だから、それを補っていくというようなことが、ほんとうに行なわれなければならないのだと私は言うのです。そうお思いになりませんか。