○石川委員 これはまた水かけ論になりそうでありますけれども、いわゆる経験年数がなければ主任
技術者になれないという業種も多いと思いますけれども、しかし、逆に、資格をとっただけですぐに
業務が開始できるという業種もたくさんあるわけでございます。したがって、これは考え方の違いで、電気
工事士だけが特にそうだということの論拠は、ちょっと私はいまの
説明では不十分だと思うわけです。いわば、いままでの既得権益を剥奪しておるのに近いわけでありまして、そういう点からいいましても、こういう仕事に携わっている
人たちが非常に反対をするという論拠も理由もわからないことはないと思うのです。
海部さんのおっしゃるそういう
保安対策ということの面では、私は
理解できないことはないですけれども、なぜこの電気
工事士だけがそういうきつい経験年数というものを必要とするに至ったかという理由の
説明としては、それだけではなかなか納得性はないんではないかと私は思うわけなんです。たとえば消防
設備士とか危険物取扱主任者なんというのは、これはたいへん危険な仕事で、
保安上相当経験が必要だと思うのですけれども、これは、資格をとればすぐに
業務を開始できるというようなことになっておるわけでございます。そういう点で、働くそういう担当の
人々の中に非常な不満があるということもゆえなしとしない、私はこう考えておるわけであります。
したがって、結論的に言いますと、この
法案は、
業務の
適正化だとか
保安を確保するんだということに名をかりた営業の制限だ。まあ、やかましく、憲法上規定された職業の自由の制限とか、そこまで申し上げるつもりはないのですけれども、既得権益は少なくとも相当制限をされておるし、
一つの営業制限の
法律になっておるんではないかという点で、非常に私どもは不安に思っておるのと、
先ほど申し上げましたように、これは建設業法の中で処理できないということで、建設業の中のいろんな業種についていろいろ規制法あるいは二重登録ということが出てきますと、建設業法それ自体が相当混乱したものになってくる危険性というものも、これをきっかけとして出てくるんではないかという考え方が
一つあります。
それから、
先ほど申し上げたように、どうも、そういう制限を強化することを通じて、
保安対策ということではなくて、労務者不足の場合に、
一つの営業所でなくて、ほかを転々としても三年の経験は三年の経験として生きるとおっしゃるかもしれませんけれども、三年なければ電気
工事士にはなれないんだというようなことが
法律的に確立されれば、これはどうしても
一つの足どめになるということは免れないと思うのです。そういう点で、労務
対策、それから既存
業者の権益を守る、こういうにおいがきわめて濃くて、一方ではこういう就業の自由、営業制限というものに関連をしてくるのではないかという点で、われわれはなかなかこの
法案については釈然としないものをたくさん持っておるわけであります。
ほかにもこまかい点でいろいろあるのですけれども、また質問される方もございますから、きょうはこの
程度にとどめておきます。私の質問を終わります。