○田畑
委員 いまの質問に関連するわけですが、私の聞きたいと思っていたことは、ほとんど
田邊委員の質問で尽きておりますけれ
ども、今回の
職安における
汚職問題というのは、
労働行政の権威を著しく傷つけたものだと見るわけです。私は、先ほどの
局長の
答弁を聞いておりますと、
埼玉の
職安あるいは
東京の
職安あるいは
神奈川の
職安等等で
汚職問題が起きたといわれておりますが、また現に
捜査当局の手はこれらの地域の
安定所に伸びておるわけでありまして、決してこれはここだけに限られた問題ではなく、厳正な捜査を進めていけば、私は、この種問題は各地域にあるのではなかろうか、このように判断するわけです。
申すまでもなく、このことは、今日の労働需給事情の逼迫、こういうことが
原因であることは当然でございまするが、だからといって、この種問題がこのような形であらわれておるということは、
労働行政の怠慢あるいは堕落を端的に
意味しておると思うのです。
ところが、先ほどこの問題について、
大臣並びに
局長が、どういう角度からこれらの
原因を探求し、排除するかという点になってきますると、われわれに納得できる具体的な案というものが提示されていないわけです。私は、その
意味においていま一度、
大臣並びに
局長から、今後この種問題について、どうして
国民の信頼の持てる
労働行政を、あるいは
職業安定行政を
確保するか、この点について承りたいと思います。
先ほど来、
モラルの問題が取り上げられておりますが、幾ら
モラルの問題を口にしても、単に
モラルの問題だけで
処理できる性格の問題でないと思います。今回起きた
事件は、言うならば大府県の
安定所で起きているわけです。申すまでもなく、
職安の
職員は国家公務員でございまするが、概して大府県における
安定所の
職員というのは、その府県の地方公務員よりも給与が低いのが実情だと思います。あるいは地方の中小府県においてはそうでないかもしれませんが、特に大
都会における
安定所職員の給与というものはその地域の地方公務員よりも低い、こういう
ところにこの問題が起きておることも事実であります。こういう点等についての反省というものはどうなのか。この点はひとつ
局長から承りたいと思うのです。
さらに私は、われわれが見ておりますると、
職安の
人事というものが非常に停滞しておる。これはいなめない事実だと思います。どういう
行政上のポストであっても、特に誘惑の多いと申しますか、あるいは誘惑にひっかかりやすい、あるいはともすれば公正を欠きやすいポストというものは、常に
人事の刷新をはかりながら
——同じポストに同じ人が何年もすわるというようなことは、私は
行政のあり方としては正しくないと思うのです。妥当を欠くと見ております。
ところが、地方に行ってみますると、
職業安定所というものは、
所長以下
職員の
人事の固定化というものがはなはだしい。われわれはいろいろな点を見ておりまするが、そういうようなことは控えますけれ
ども、
人事の停滞ということについて、こういう問題のもっと刷新がなければ、私はこの種問題の解決はできない、このように見ておるわけでございますが、こういうような点について
大臣並びに
局長はどのようにお
考えであるかということです。
〔
佐々木(義)
委員長代理退席、伊東
委員長代理着席〕
第三点として私が承りたいことは、これはしばしば
局長からも
大臣からもこの
委員会等で
答弁がございましたように、
学卒者の
就職先における定着率が非常に悪いということです。定着率が悪いという
ところはどこに
原因があるかというこの問題です。だんだん承りますると、あるいは職業安定法によりまするならば、
学卒者の
就職先のあっせんというものは、
職業安定所なのか、あるいは学校自体が世話して、学校の世話する先を
安定所は単に追認するという形、確認するという形だけにとどまっておるのかどうか、こういう問題等も掘り下げて
検討してみる必要があろうと思うのです。われわれの知る限りにおいても、ともすれば
安定所の世話した
就職先というものは、まことにどうかなという感じの
ところに、今日金の卵といわれておる逼迫しておるその若い人方を世話して、そうして一年足らずでやめていく、あるいは募集のときのいろいろな条件に反しておるので一年足らずでやめていく、二年たてば
学卒者の三割以上がやめていくというような今日の状況というものは、いまの
ところ、職業安定法によれば、
学卒者の
就職あっせんというものはほとんど学校にまかしておるというのが実情じゃないかと思うのです。こういうような点等についても、これまたいろいろ問題があると私は見ておるわけです。そういうような
職安行政についてはいろいろな問題があるわけでございまするが、私はこの際、学校の先生がどうのこうの、そういうようなことまで言うつもりはございませんが、いまの若手
労働力、特に
学卒者の
就職あっせんというのは
職安が事実上やっているのか、それとも学校の推薦をそのまま追認している形なのかどうか、この点をこの際明らかにしてもらいたいと思います。今回の
職安の
汚職事件の問題は、追及していきまするといろいろ問題点が出てくるわけで、こういうような問題を
考えて、今回のこの
汚職問題をきっかけに、
大臣として、
労働行政に当然えりを正してもらわねばならぬと
考えまするが、今後具体的にどのように取り組んでいかれるのか、このことをここでもう一度明らかにしていただきたいと思います。